日本一周川下り

カヌーで全国一級河川を中心に川下りをした旅日記。
日本一周の楽しいやり方等、カヌーとは無関係に楽しめるでしょう。

 同 【2003年 7月 3日】

2006-09-22 03:23:21 | Weblog
《江戸川》

 早朝及び午前中で、HPの気になっていた部分を全て、すっきりと直し、これで完全に出来あがった。OKだ!石川さんのところへ、4回分を送った。
 奥様は、これからの旅に必要な沢山の物、食べ物やバーをつかめるハンガーやら、調味料、奥様の手作りの美味しい色々な保存食品や自分ちでお使いの水までどっさり、持たせてくださり、お昼のおにぎりまでこさえてくださり、『誠に恐れ入ります。申し訳ありません。ありがとうございます。』
 大変お世話になった、田中君ご夫妻に別れを告げ、出発したのが11時過ぎ。

 川間運動公園へ着き、カヌーを下ろし、スタートしたのが1247。
 何と、ここでもカッコウが鳴いている。カッコウと言えば、湖畔の鳥と言うイメージがあるのだが、川原で鳴いている。湖でなくても水のあるところには生き物が集まるのだから、不思議ではない。当たり前のことなのだ。
 予想通りに、流れは余り無く、パドリングのみ。30分ほどしたら、雨がポツリポツリ、雨具は用意しなかったので、空を見上げ、大したことにはならない筈だ。
 暫くすると、向かい風が出てきた。これはどうかな?何となく強くなりそうな感じだ。
 事実、徐々に強くなり、前進が難しくなりはじめる。カナディアンは特に風に弱く、前進するのが難しくなる、バックで進めば、何とか進めるのだが、スピードは出ないし、視界は悪くなるが、仕方ない。風はもっと強くなり、少し手抜きをすると、上流へ押し戻される。力いっぱいで漕がねばならない。コントロールも十分にはできない。風に押されるので、『どうしようか?行くべきか?帰るべきか?でも、1/3は来ているし、帰る場所を正確に川側から見つけるのは一寸難しいし、折角ここまで来てるのが元の木阿弥になるし、遅い流れと言っても流れている、それに抗して上って漕ぐのも、これも手抜きは出来ないのだから、まあ、もう少し頑張ってみよう!』と、前進する。

 と「玉葉橋」を過ぎたところで、釣り師がいて、車も川原へ降りている。では、ここで中止しても良い訳だ。では、もう少し頑張ろう。と、またも前進、風はやはり強く吹いている。コントロールには苦労する。そんな中を進んでいると、釣り師の方へ寄せられてしまった。
 『こんにちは!釣れますか?』手を左右に振っている。『何が目的なんですか?』 『セイゴ!』 『えっ、セイゴ?セイゴは海の魚でしょう?』 『この先まで上って来るんですよ!』 『えっ~、そうなんですか?』 『ここは海から30kmありますが来るんですよ。』へーと驚く。『だから、えさはゴカイです。海の魚には海のえさでないと釣れないんですよ。後はえびや小魚も食べているんですよ。』と、教えていただき、『へー!』と初めてそんな話を耳にした。

 『頑張ってください!』と分かれて一漕ぎした時、彼が竿を大きく、ぐいと引くと、獲物が跳ねた。『大きい!』と私。彼は軽そうにリールをまいているので、『バレタ?』と聞くと『いや、いる!』で、暫く格闘しているのを見ていた。跳ねたのが、大きかったから、楽しみだ。大分長く感じるほど戦っていたが、やっと、吊り上げた。大きい、50cmは確実に超えている。私は拍手し、『おめでとうございま~す!』
釣り上げたスズキ 先へ進もうとすると、彼は『持って行く?』と言う。『えっ?』 『私は要らない、リリースするだけだから…。』 『じゃ、戴ただきます!』と、カヌーを寄せて行くと、投げ入れて下さった。

 「これは一人で食べれる代物じゃない。田中婦人がさばけるなら、持って行こう」と、考えながら、風の中を元気が出て、漕ぎ下る。赤い橋が見えたが、これは違う。もっと先がゴールだ。
 すぐ横へ15cmほどの魚が飛びはねた、1mこちらだったら、飛び込んでいたのに残念。そのすぐ後には、カヌーの前10mほどで、大きな鯉の様なのがバシャンと飛び上がった。
 川下りはこのように実に面白い、楽しいものだ。
 今度はカワセミが向こう岸へ飛んでいった。暫く進むと、何とカワセミが、捕食体制で高い枝木に止まっているのが見えたと思ったら、こちらに気がついて、逃げた。残念! 
スラローム練習場
 このように進んでいると、中州を挟んで、右側の流れに、ポールが下げてある、スラーロームの練習場があった。ここは初心者らしく、ほとんど平水の所、でも、常設されていると言うことは、度々来てやっているのだろう。「はは~、多摩川の彼女はこのことを言われたんだな~?」と納得。
 遠くに、目印の建物が見え、赤い小橋も見えた。さあ、ゴールが近い。右岸に近づき、マークを探していると、見えた!OK!さあ、ゴールだ。

 1610:正味3時間と23分。自転車の所までキャリアで運び、置いといて、土手を帰る。今度は追い風だから、軽く走れる。玉葉橋のところで川がどちらへ曲がっているかを見て、右に曲がっている様だから、ここを渡った方が内円だから距離が近い、と橋を渡り、土手道を走る。が、何と初めだけ、右に曲がっていて、その後左に大きく曲がっていた。結果、大遠回りをする為にわざわざ、橋を渡ったことになった。
 野田橋を超え、川間公園の車のところへ到着。
 鍵を返却に、行くが一寸道が分からなくなり、立ち止まって、ナビへ入力していると、オートバイの青年が声を掛けてきた。彼も日本一周したい模様なので、富士川の佐野(功)さんの計画を話して聞かせると『それは良い方法ですね。』と、目を輝かせた。その他色々な話をして、別れた。彼はキット将来、日本一周の旅に出ることだろう。好いことだ。一人でも多くの人が、旅に出て欲しい。但し、豪勢な旅じゃなく、貧乏旅が絶対に、楽しいし、勉強にもなり、良いことなのだ。

 鍵を返し、田中君へTEL、丁度奥様が出られて、お聞きすると『魚、さばけるわよ!おいでなさいよ!』と、またも、優しいお言葉、今日も一泊させて戴くことにしてしまった。
 1830までにカヌーを取りに行かないと出入り口に鍵が掛かる。大急ぎだ。ナビで走るが、近づいた所から、後は分かるので、ナビに従わなくて、土手下の近道をビュンビュンに走り、1810:到着。20分で何とか片付けなければと急いでいると、鍵の管理人さんが『もうすぐ閉まるよ~!』と、声を掛けてくださった。
話上手なお嬢ちゃん
 無事、カヌ-を積み込み、ぎりぎりに出ることができ、田中君宅へ急ぐ。
 初日は私を見ると、部屋の一番隅っこへ逃げまわっていたオカメインコの「グリちゃん」、4日目ともなると、少しは恐れなくなって、以前ほど逃げることはなくなり、私を認めてくれたようだ。
 60cmのスズキ、奥様は刺身や焼き魚にと真に上手に造ってくださった。『ありがとうございます。』
 息子さんやお嬢ちゃんも帰ってこられて、杯を交わし、色々とお話できた。 きっと四晩もいた私に、驚かれたに違いない。
《田中邸泊》

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