Yassie Araiのメッセージ

ときどきの自分のエッセイを載せます

朝日記130105  エズラ・ヴォーゲルの論説 「日中のいま、これからへの提言」の紹介

2014-01-02 15:05:18 | 朝日記

朝日記130105  エズラ・ヴォーゲルの論説 「日中のいま、これからへの提言」の紹介

みなさま、本年もよろしく。

一月五日は私の誕生日です。

(この文章は 二日の午後に書いています)

一月二日は、 東京はおだやかな天気の正月です。
毎年、この日は 仲間と、近くの小高い丘に出向き ここでラジオ体操をして ご来光を仰ぎます。 意を決して 加わりました。
大山、丹沢連峰、そのうしろにすこし頭をみせる富士が薄紅色に染まってよろしかったです。

徒然こと 1
*社会に出たころか、結婚したころか定かではないのですが、元日に 駅のスタンドで新聞を一揃え買ってくるのを習慣としています。
私鉄のスタンドは三が日お休みであったことから、お節の前に、歩いて小一時間かかるJRの駅までいきました。 ところが、店開きまで1時間余あり、惑ったあと、バスが待っていたのでそのまま 乗って帰りました。
 あとで 初詣のときに再度 立ち寄り、手にいれました。
*正月の新聞というのは どれもおなじようなものです。
社説あたりを読み比べて 執筆者に対して、仕事で書いていて大変だなと、無用の同情をしてしまいます。

徒然こと 2 

 読んだときの直後の印象メモとして以下書きます;
*「毎日」が、31日に 中国の軍部が突出していて、習主席の基盤の弱さをそれとなく書いていました。 そして 一夜明けて、「防空圏3年前提示、日本コメント拒否」という見出しを一面トップにあげ、暗に、日本の対応の拙さをアッピールしていました。
*ところで、先週、ワシントンポストのネット上ですが、
 中国とロシアが冷戦と同じ体制にあるというアプルバウム論説委員の論述に対する公開討論*がありました。

* Ann Applebaum, Opinion Writer
China and Russie bring back Cold War tactics

http://www.washingtonpost.com/opinions/anne-applebaum-china-and-russia-bring-back-cold-war-tactics/2013/12/25/f65939d6-6bef-11e3-aecc-85cb037b7236_story.html 

 

*アメリカの与論を知るうえでも興味がありますが、参加しました。そして 以下のフレーズを加えました;
”Remember Japanese militarism in 1930s, and Chinese militarizm, now"

 討論の全体としては アメリカが内向きになっていることを感じます。 
私の発言はやや紋切型になりました。この辺の事態が 日本のメディアも、ようやくこのような視点を認めてきたようです。
* さて、軍が中央政府をしきるというのを、「関東軍」化とします。 かつて、これが 日本を追い詰め、歯止めがきかなくなって、日本国を戦争に駆り立てて行ったのは 私の実感です。 これとおなじことが、中国内のパワーポリティックスのなかでの軍の独走化について あらためて警戒し、注目しておく必要を感じます。
* さて、そのような雰囲気のなかで、もっとも出色で、冷静で、勇気を与えてくれた論説が
ありました。
The Japan Times(January 1)の 新年スペシャル Ezra Vogelの論評'History overshadows present,future Japan-China relations'です。 ヴォーゲルは、このなかで、もう一度、小平と田中角栄の国交回復の精神に立ち返ることを両国に促がします。
*彼の提案を簡単に以下に記しておきます;

<いまやるべきこと>
・日本のトップは 再度靖国訪問をすべきでなく、日本侵略が起こした悲劇を確認すべきこと
・中国は 軍力をもって、日本が主権を決定すべく要求している領土に対して 圧力を行使すべきではないこと、および
国内のデモンストレーションを抑えることの決定を確認すること。
・中国と日本の代表は、Senkau/Diaoyu諸島のような領土的な食い違いによる争いごとを、双方が名誉を保ち、これを取り下げるための方式を探るべきであること。
・(あと2項目はお互いのカウンターパートの資格や素質)
<つぎの4,5年にわたって>
日本は;
・日本のリーダーは、第二次大戦後以来、平和への多くの貢献を強調する 数十ページの声明を用意すべきこと。
・日本が軍事行動の廃止や 開発途上国、国連、他の国際機関への貢献、また 防衛支出がGNPの1パーセントに抑えていること; 核兵器の生産を抑制していること、軍事行動のために海外派兵を拒否していることを強調しておくことが可能であろう。
・日本は、上の声明と同じ程度の詳しさで 明治時代以降、アジア諸国に対しての役わりのまとめを用意すべきであること。このなかには、台湾、朝鮮、中国本土および第二次大戦での東南アジアへの軍事侵略によって被害をあたえた部分を含めて、プラスとマイナス実績でその目的の評価を含むべきこと。
・また 日本の歴史教育、特に明治以降について十分な時間で その内容の徹底理解を旨とするテキストのガイダンスを用意して、これを全学生の必須の科目とすべこと。このなかには、第二次大戦対戦の前と後に亘り、日本の近代化の成功とアジア諸国への貢献が含まれよう。さらにこれと同じ次元でアジア諸国にある批判も含まれること。

中国は;
・映画や書籍、TVにおいて、日本に対して敵意を喚起する文化的な表示活動を減らしていくべきであること。これと同時に 1978以降中国の発展への日本の貢献について公的な認識を増やしていくべきであること。また、1945年以降の日本の平和への貢献を公表すべきこと。
・中国は小平のもとでの1980年代の政治に帰るべきであること。ここでは、日本の文学、映画、TV そして広い次元での日本文化の導入紹介が含まれよう。
・中国人と日本人の交流プログラムは大いに拡大されるべきこと。

冷静で 建設的で説得力のある内容でした。




徒然ことおわり


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2 コメント

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友人IA氏からコメント (Yassie arai)
2014-01-02 20:54:11
荒井さん、

あけましておめでとうございます。ワシントンポストのアン・アプルバウムの「中国とロシアは冷戦戦術に帰ってきている」
Ann Applebaum, Opinion Writer China and Russie bring back Cold War tacticsありがとうございます。

http://www.washingtonpost.com/opinions/anne-applebaum-china-and-russia-bring-back-cold-war-tactics/2013/12/25/f65939d6-6bef-11e3-aecc-85cb037b7236_story.html

この記事にでてくる米国第7艦隊の巡洋艦カウペンスが中国の軍艦に行く手を阻まれたのが冷戦の症候群ではないと否定することはできないようですね。そういえばカウペンスの若き女性オフィサーに乗船の招待を受けていたのがハワイでの原潜と日本の水産高校の練習船との衝突事故で中止になったことがあります。彼女は原子力空母への転属を希望していましたのでいまはジョージワシントン乗り組みではないかとおもいます。


朝日記130105  エズラ・ヴォーゲルの論説 「日中のいま、これからへの提言」の紹介
http://blog.goo.ne.jp/gooararai/e/c6f4c7344460756c2b11bf4dd42d8b81

もありがとうございます。もしアン・アプルバウムの見方が正しいなら、エズラ・ヴォーゲルの論説はうけいれられないでしょう。彼の論旨は日本では左翼の主張でした。正論ですが、これは自民党は自虐史観批判の立場から採用できないでしょう。残念ですが。選挙で自民党を引き摺り下ろすしかありませんね。ただそれも日本人の見方が右傾化してしまったため野党を支持するひとはいなくなった。これが最大の問題でしょう。

でも夕べのNHK9時の番組をみて、どうも生物学的にみて日本の出生率が種の絶滅に向かう兆候があるような印象をうけました。社会システムが種の再生産の必要条件を満たしていないということのようです。マルサスは間違っていたわけです。

日本だけでなく中国、韓国も同じ出生率のようですね。共通点がありそうですね。

IA

高校・合唱部の友人からのメッセージ「 (Yassie arai)
2014-01-07 21:18:59
昨1月5日、お誕生日を迎えられた由、おめでとうございます。小生は昨年8月9日に76歳到達、数えで言えば同期生全員が喜寿、お互いに米寿へ向かって元気で過ごしましょう。

ご配信いただいている「朝日記」を拝読しています。論文は、小生には理解不能のものが多いですが、かくも多くの絵画をどうやって描きためて来られたのか、(会社勤めの卒業後は)無為徒食している自分には、驚くばかりです。

暑くても寒くても、体操、散策、そしてスケッチをされ、絵画、論文、随想などを不特定多数の方々へ(「ブログ」と言うのか専門用語を知りませんが)送信しておられる強い行動力に敬意を表します。同好の士と交流を深めておられるのも、羨ましい限りです。

昨年10月、家内の母親が103歳で他界し、いま服喪中ゆえ、年賀の言葉は失礼しますが、貴兄には、ご健康にはくれぐれも留意し、素晴らしい文化活動を続けられるよう祈っています。

PS 詮無いことですが、若い時期に「湘南合唱部の同期生の集まり」を企図していれば、楽しく過ごせただろうにと反省しています。(合唱部全体のOB・OG会は後輩達が作ってくれました・・・)


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