ゆとりある住まいの考察

将来不安を失くす頑丈な家・100年住宅を提案する『松岡在丸(さいまる)とハウジング・ワールド』のスタッフによるブログ

人を良くするもの!?

2011-04-27 22:18:46 | 家族
今日、とあるミーティングで耳にした言葉。「『食』は人を良くすると書く」んです。言われてみればごもっともな話で、食に対する意味合いを考えれば考えるほど、食べることに満足すること、食べる状況を楽しめることというのが、いかに大切かと感じます。

松岡さんの家づくり勉強会でも度々強調されることの一つが、家族が一緒に食事をすることの大切さ。食べるものはもちろん手作りですが、それとともに会話が大切。松岡さんはこれまでもお子さんたちと食事をするときに、「どう思う?」とそのときの話題についていろいろと意見を聞くそうです。

会話は弾みますし、一人ひとりが物事をよく考える習慣も身に着く。そしてそこにおいしい手料理がある。食べることも食べる状況も、家族が良くなる瞬間です。

私たちは、ただ命を繋ぐために食べるのではありません。そこに楽しみがなければいけません。家も同じ。ただ寝泊りすればいいものではなく、そこで家族がエネルギーを補充しなければならないんです。

考えれば考えるほど、人生っていうのは奥が深いですよね。

飲まれちゃいけない

2011-04-25 22:59:42 | 業者対策
住むのはあなたであり、あなたの家族であり。ですから、建築家が主体になってプランニングを考えるのではありません。ただ、建築家は家づくりに関して経験が豊富なので、何がダメなのかを判断する点で素人よりも有利です。そして、建築家の良し悪しというのは、この「ダメな部分を適切に判断できること」であると考えます。とはいえ、決してダメではないという部分においては、絶対的に主導権を握るのは、住むことになるユーザーなんです。

松岡さんとの話の中でよく出てくるポイントは、まだまだユーザーが建築家のリードに飲まれているということです。その建築家が本当に良い建築家であっても、家づくりはあくまでもビジネスですから、立場は対等でなければなりません。ユーザーが上でもないですし、建築家が上でもありません。対等です。

対等であるということは、物理的に不可能なことや危険なこと、法的に難しいことなどの判断というのは建築家の役割であるとはいえ、家族にとって何が必要なのかということについてはユーザー側がよく理解していなければなりません。そしてその必要が明確になればなるほど、建築家は持っている知識と技術を駆使して様々なことに取り組む意欲が沸きます。

建築家というのは、ユーザーのあらゆる期待を受けられるだけの器と技量を持ち合わせていなければなりません。ネットワークも必要ですし、様々な知識も大切。最新の情報に通じていることも、そしてどこに行けば何が手に入るのかという流通に関わるポイントも抑えていなければなりません。

でも住むのはユーザーです。ですから、ユーザーはポイントを確認すればよいのであって、ポイントの深いところまで学ぶ必要は無いかもしれません。しかし、どのポイントを建築家が抑えているかというのを押さえていないといけません。

家づくりは他のどんなビジネスでもそうですが、互いをパートナーとみなして一緒に動かなければならないのです。


問題が見つからない・・・!

2011-04-23 16:54:29 | 家族
誰かが問題に巻き込まれても、それに家族が気付けない、ということがあります。二世帯住宅で老人が亡くなったのに家族が気付かなかった。学校で子供が嫌な思いをして帰宅しているのに家族が気付いてあげられなかった。その他もろもろ、家族の誰かが問題に巻き込まれても、身内が気付けないことがあるが、そうならないための対策とは。

気付かないということには二つの原因要素があると思います。一つは、互いに対する関心が薄れていること。もう一つは、物理的な距離・壁があること。どちらか一方があってはならないし、両方とも解決しておく必要があります。とりわけ家づくりにおいては、物理的な距離・壁だけは、家族の皆にとって障害にならないようにしたいですよね。

マンション住まいの家族が二階建ての一軒家を建てて、コミュニケーションが難しくなることもありますし、同じ家に住むようになって安心したところで、おじいちゃん/おばあちゃんの元気がなくなる、ということもあります。とても難しいと感じますよね。

でも、一つの鍵は、誰かに問題が生じたときに、互いに関心を持ちやすく、気遣いもしめしやすく、そして変化に気付きやすいというプランを作ることができるわけです。その手法は、日本の家づくりではなかなか見ることができません。むしろ、人と人との距離が近いと言える他国の文化の中にヒントがあり、その間取りや建物の仕様から改善策を考えることもできるのです。

そうしたことについてぜひとも家づくり勉強会から学んでください。ハウジング・ワールドの家づくり勉強会は営業目的ではなく、事実を元にユーザーの優先順位を見極めるためのカウンセリングの場でもあるので、お気軽にご活用くださいませ!

失敗する背伸び

2011-04-21 23:10:06 | 資金
どんなことでも、背伸びをするのは良くない、という人がいますね。背伸びをすると失敗する。リスキーだから。でも、本当にそうでしょうか?どんな背伸びもいけないんでしょうか。むしろ、悪い背伸びと良い背伸びがあると思うのです。では何が良い背伸びになるのでしょうか。

失敗する背伸びとは。背伸びをしても届かず、安定感が悪くなって倒れてしまう、そんな背伸びです。成功する背伸びとは。背伸びして手を伸ばせが手が届き、求めるものが入手できて、なおかつきちんと立ち直すことができるという、コントロールできる背伸びです。

背伸びがいけないのではありません。無謀な冒険が危険なんですね。むしろ、リスクをきちんと読んで、自分の持つ能力から一歩踏み越えたところを狙う、という背伸び。無理をしすぎて3歩も4歩も歩かない。適切な一歩が大事です。そしてうまくいったら、また一歩。背伸びというのは、こういうものだと思うのです。

自分だけではお金の面で手が届かない。でも少し背伸びしていいものを買いたい、明確な目的のためにこういうものが買いたい、という強い信念を持って、例えば家族や親族の協力を求める。これは手の届く背伸びになるかもしれません。でも協力があったところが、お金の面では無理ではなくても、使いこなせる以上に豪華な家を作ってしまい、結局は無意味になった、失敗した、ということになると、それは失敗する背伸びをしたことになります。

とにかく、分相応という考え方が大事です。そして一歩踏み出してみる。手が届く背伸びをしてみる。そのようにして自分たちが達成したいことを、周囲にもしっかりと話す。そうすると、期待が現実のものになっていくんですね。

ハウジング・ワールドのホームページに、『大心柱耐震工法』として特設ページを作成しました。ぜひご一読ください!

家づくりの夢を壊す建築家!

2011-04-20 22:53:20 | 業者対策
とある現場で、二階建てを施工していました。一階から二階に上がる階段がとても急勾配な印象もあり、「これは将来、歳をとってから昇り降りできなくて恐くない?」と設計士に聞いたところ、その回答は恐ろしいものでした・・・。

「今、この家に住む人でこの階段の昇り降りに困る人はいない。どうせ30年もしないうちに壊しちゃうんだ。歳を取って昇り降りできなくなる頃には建て替えちゃえばいいんだよ。」

そう、つまり、始めから30年で壊れることを前提に、30年後にどうなるかとか30年経たずして起こってしまうかもしれない不測の事態に対して、何も対策を練っていないのです。いえむしろ、日本の建築家のほとんどが、「どうせ30年後には建て替えてしまう」という価値観で、家づくりに取り組んでいます。

「どうせ壊してしまう」という家を作りたいでしょうか。それとも、できる限り壊さず、長く使える家、もったいなくて壊したくないと言えるような家を作りたいでしょうか。それはユーザーの価値観にもよります。

ただ、少なくとも欧米での家づくりは、人間の寿命並みの住宅寿命が実現されます。生きている間、ずっとそこに住めるということを前提にしているんです。そして「どうせ建て替えちゃう」という観点ではなく、ずっと残るものとして「資産価値が残る建物を建てる」わけです。

つまり、日本の家づくり文化が建築家の見方を狭くしてしまい、そして狭い見方の建築家が今のレベルの日本の家をできるだけおしゃれに作ってたくさん売ろうとしているわけです。

もっと夢を持って欲しいんです、建築家たちに!建築家が夢を持たなければ、誰が本当にいい家をつくれるのでしょう。

言葉が壊れる

2011-04-19 23:29:39 | 子供
子供たちが汚い言葉を覚え始めたり、乱暴な口調を日常的に発したり、そのようなことに悩む親御さんも多いことでしょう。実際、言葉というのは伝染性のある文化です。学校で友達が使う言葉、テレビで流れる言葉、ゲームや漫画を通して接する言葉。それらを使うことに魅力と「かっこよさ」を感じ、大人になってからは恥ずかしいだけのそうした言葉遣いを、子供の頃に身につけてしまうわけです。

松岡さんと話していて意気投合した一つの点が、「日頃から綺麗な言葉を使うように心掛けること」でした。大人が、親が、綺麗な言葉を毎日使い、その言葉を子供たちが耳にする。夫婦の間で綺麗な言葉を互いに掛け合う。子供たちも友達に同じように優しい言葉を発するようになります。

今の子供たちの学校生活は、私たちが子供だった頃に比べて、本当に難しい状況が多々あることでしょう。その難しさを最初に実感することが、自分の家の子供の言葉が壊れることです。

言葉が壊れ始めたら、一つの信号とみなしましょう。つまり、家族が壊れ始める種がまかれた、ということです。しかしその種を無理に取り除こうとしたり、土を踏み固めてしまうのではなく、むしろ周囲にもっと良い種をたくさんまいて、良い種が発する良い言葉が優勢になるようにするのです。

これが秘訣ですね。

ハウジング・ワールドの家づくりはますます好調です。震災の影響もあって大変な建築業者が多い中、本当に皆さんの協力とこれまでの様々なネットワークが生かされて、助かっています。今後ともよろしくお願いいたします。

病気になりそうな家

2011-04-18 23:45:05 | 健康
新築して入居。とてもステキなインテリア。そして光が抜ける吹き抜け。外観もイギリス風でオシャレ。オール電化でしかも全館空調。何もかもがうまく言っているように思えます。ところがどうでしょう。木の香りはまったくありません。それどころか、知る人はすでに知っている「化学物質」の匂い。実際、住み始めたおばあちゃんが、「引越し疲れでバテてしまった」とダルそうにしています。本当に引越し疲れでしょうか・・・?

身体のことは結局、はっきり分かるものではありません。シックハウス症候群なのか、引越し疲れなのか、季節の変わり目が原因の体調不良なのか、あるいは単に歳なのか。ただ、はっきりしているのは、明らかに化学物質の匂いがいっぱいの建物だったということです。

あまり懸念点ばかりに目を向けるのは良くないかもしれません。しかし今日は、これを書かずにはいられませんでした。本当に化学物質の恐ろしさを甘く見ている人が多い・・・!暖かくなってきたこの時期にこれだけ匂いがするということは、夏になったらどうなるのでしょうか。

しかも、構造躯体は間違いなく4寸の集成材。新築直後の今はいいでしょう。では、5年後、10年後はどうでしょうか。大地震が来たらどうなるでしょうか。余震が何度も続いたらどうなるのでしょうか。実際に5年経ってみなければ、10年経ってみなければ、真実は知る由もないのです。

目に見えないということは、それだけのリスクがあること。目に見える安心と喜びだけでは本当に後悔のない、失敗のない家づくりにはなりません。しかし、今となっては、今日見たこの家に住む人たちが、将来後悔しないことを心に願う以外にないのです。

苦労の末に新築が完成して引越しを済ませた彼ら(親族)の喜びに水を差すことなど・・・私にはできませんでした。

(ちなみ写真はイメージです)

生き抜くには・・・!

2011-04-17 22:19:22 | 業者対策
どんな仕事についてもそうだと思いますが、仕事というのは結局、人と人とのつながりで発生するものであり、そしてコミュニケーションを通して情報を交わすことでもありますよね。ところが、自分の仕事にだけ集中していればよい、他人の分野には関心を抱かなくてよい、という見方が社会に浸透していると思わないでしょうか。

松岡さんとの話の中で、お金で物々交換をするのがビジネスの基本であるとはいえ、そこには互いに穴を早期発見して対処していくためにも良い情報交流が大切、ということが出てきました。つまり、自分が知らないこと、相手が知らないこと、それらを共に持ち出して情報を入手することによって、早いうちに失敗しないための予防線が張れるようになる、ということです。

情報交流というのがこの社会を生き抜くために欠かせません。災害時のサバイバルでもそうですが、日常の生活でもこれは重要なことです。知らなかったがために被害に遭う、ということはたくさん有りますし、知っていれば早くに対処できたのに!ということもたくさん有ります。病気の症状の早期発見、より良い商品をよりリーズナブルに購入する秘訣、そして危険を察知して身を守るための注意。これらは、多くの人と多くの情報交換を行なっていることによって可能になります。

ですから、「餅は餅屋」というのはあくまでも手作業の話。一つのことを成し遂げるためには、チームとして機能し、様々な交流を通して情報を分かち合わなければなりません。その情報に基づいて、それぞれの専門家が自分の技能を用いるのです。

こうしたことが、この時代を失敗無く生き抜く秘訣だと思います。

SKYPE相談、家づくり勉強会、見学会へのお問い合わせ多数、ありがとうございます。ホームページの更新もなかなか追いつかず、ご迷惑をおかけしておりますが、どうぞ遠慮なく、お気軽に声をおかけください!

見直されたもの

2011-04-16 23:35:08 | 業者対策
大震災を機に、家づくりに関して見直されたものがあります。それは、「土地」です。建物の構造躯体が大切であるという話は、どの建築会社も一様に話をするでしょう。しかしながら、多くの地で地盤の緩みが原因で家が傾いたり震災による液状化現象で地盤沈下して家が壊れたりと、これまで建築会社が「自分たちの責任じゃないから」と言って触れてこなかった肝心な部分に、いよいよ触れなければいけない時代になったのではないでしょうか。

しっかりした地盤、安全な地域選び。こうしたこと重要性は、松岡さんが書いた『住宅で失敗しないための7つの自己防衛策』の中でもはっきり明記されていました。この本は今でも多くの方が参考になさっています。

建売や大手住宅メーカーの家づくりが恐いのは、こうした土地の大切さについては、自分たちは関係ない、という態度を取るケースが多いということです。家づくりや住宅購入において、土地の重要性は無視できないので、もし土地を買うところから、というユーザーさんがいらっしゃいましたら、まずは一度勉強会に参加されることもお勧めします。

加えて、土地を持つということは庭を持つということにもなります。水が使えないとき、生ごみを捨てられないとき、土地があれば簡易トイレを作ったりごみを埋める穴を掘ったりすることもできます。つまり、庭はサバイバルにも役立つスペースになる、ということです。こうした観点でも庭付き一戸建てを検討するユーザーが増えてきているというのも、とても興味深いことではないでしょうか。

毎日いろいろな方とお話をしていると、たくさんの発見があるものです。

日曜日に天井が!?

2011-04-15 21:50:33 | 家づくり
敷地内のスペースに、浅く水を張ったタイルの池?プール?をつくると、なんと驚いたことか、日光の光が反射して家の中に入り込み、天井にゆらゆらと水の揺れを映し出してくれるという演出ができるんです!実際にそうなることを意図したわけではありませんが、あるユーザーさんがお庭にそのような浅いプールを作ったところ、日曜日にそのことに気付いたそうなんです。

週末、自宅のリビングでのんびりソファーに寄りかかっていたら、天井に光の揺らぎが。これは優雅ですね。

光というのは不思議です。明るさだけでなく、プリズムや水面を利用して素晴らしい演出に用いることができる天然のライト。使いこなすには腕が要ります。でもこうしたことは意図してプランを立てようとすると、ほかの大事な部分が犠牲になることも。ですから、あまりに演出にこだわってはいけません。

むしろ、快適さを追求していたら偶然そういうものもできた、というのが結果としては望ましいんです。例えば、明るさを求めて窓を大きくし、庭に涼しげな人工池を作ったら、そういう光の反射が家の中に入ってきた!という感じです。

演出ばかり考えてしまうと、肝心の「採光」とか「強度」とか「健康」というものが犠牲になることも。だからこそ、優先順位を正しく見極めて、おまけとして付加価値が生まれる、という順序が理想ですね。

ちなみに今日の写真は『クリスタル・ハウス松岡邸』のエントランスの天井です。白い壁に黒い天井、という演出が近未来的でステキだと思います。

「未曾有」は通用しない

2011-04-14 23:01:51 | 地震・災害
阪神大震災、同時多発テロ、そして東日本大震災・・・。起こる前は「前代未聞」「未曾有の出来事」として、「それゆえに、予測できなかったんだから仕方ない」という考え方が、世の中の基準の根底にあることが明らかにされました。でも、起こってしまった以上、もはや「未曾有」ではないんですよね。今後は必ず想定しなければなりません。

インターネットではすでに、海抜を地図上で示してくれる『Flood Maps』というアプリサイトも登場していて、自分が住んでいる地域が、海抜何メートルの水かさで水に覆われるのかがはっきり示されます。

時代は、「社会に守ってもらう」から「自分で自分の身を守る」という見方に変わりつつあるのではないでしょうか。

そのために、これまでの家づくりに際しても、「M9.0の地震なんて想定外」とか「M6.0クラスの余震がこんなに続くなんて想定外」と言えなくなり、「海から結構離れているからウチは大丈夫だろう」という話が通用しなくなり、「何ヶ月も停電になったり頻繁に停電になるなんてありえない」とも言えなくなるので、プランそのものも大きく変わったり設備投資も変化したりしますよね。

エネルギーの確保、水の確保、食料の確保、そして室温のコントロール。これまでの日本の一般的な家づくりだけでは足りません。そのようなレベルではないわけです。

でも安心してください。一つ一つ、採用できる技術はあります。日本よりも進んだ設備がお隣韓国にあったり、構造躯体は国産の良いものを使ってはいても、設備は海外からもっと良いものを輸入することができるのです。

中小規模の建築会社のほうが、こうした臨機応変な対応は得意ですから、新しいものを見出そうと日頃からアンテナを張っているようにしましょう。これはユーザーでも同じこと。「そんなのありませんよ」「そんなの特注でだいぶ高くなりますよ」という営業マンの話を鵜呑みにするのではなく、インターネットを使ってどんな情報でも良いので探してみましょう。

ハウジング・ワールドでは、あなたのご要望にあわせてインターネットで様々な情報を検索し提案する取り組みも行なっておりますので、お気軽にメールやスカイプでご相談くださいませ!

完成度が低い!?

2011-04-13 21:19:56 | 家づくり
木造住宅を建てるにあたって、「完成度が高い」ものとはどんなものでしょうか。一般的な家づくりにおいて、あるいは建売住宅を購入するにあたって、ユーザーが「完成度」に目を向けることが少ないんです。「この住宅は完成度が高い!」と表現される家とは、いったいどんな家だと、皆さんは思われるでしょうか。

松岡さんと、日本の住宅には完成度の高いものが少ない、という話題が出ました。確かに、何をもってして完成度が高いと言えるのかという観点で考えている人にはなかなか出会うことがありません。どういう家になったら完成度が高い、と言えるんでしょうか。耐震性能でしょうか?設備でしょうか?断熱効果でしょうか?明るさ?

いろんな項目を列挙していくと見えると思いますが、完成度とはつまり、それぞれの項目がしっかりと要求を満たしており、全てにおいて欠けたところがない、というバランスを達成していることだと思います。

「この建物は地震に強い!でも冬は寒い」とか、「この家は明るい!でも間取りが良くない」とか、何かに秀でているというよりも、「地震に強く、断熱性能も高く、明るく、間取りも良い」という、全てにおいてしっかりと要求を満たしていることが、「完成度が高い」ということではないでしょうか。

ここで注意したいのは、要求を満たすことと、基準を満たすこととは、決して同じではない、ということ。基準はあくまでも「せめてこれぐらいは満たしていよう」という最低ラインでの要求です。ユーザーや人間本来の必要が要求しているのは、そのような「基準」ではありません。

ですから、要求事項をしっかりと整理して把握し、それぞれの項目において欠けることなく達成できるように見守ること。これが、完成度の高い家づくりではないでしょうか。

そう考えると、正直なところ、社会にある住宅の完成度はどれほどのものだと判断できるのでしょう。


余震の影響

2011-04-12 23:20:27 | 地震・災害
家づくり、建築においては、複数回の揺れに対する耐力ではなく、一回の大地震に耐えられるレベルでの法的基準しか確立されていないということをご存知でしょうか。構造の専門家は、そのことに警鐘を鳴らし始めています。つまり、一回大きな地震を経験した家は、その後、何度も大きめの地震に耐えられるという保障はまったくない、ということなんです。

松岡さんと話していて、「本当におかしい基準ですね」と意気投合します。実際、『クリスタル・ハウス』松岡邸に代表される、ハウジング・ワールドの『大心柱耐震工法』であれば何度の地震・余震でもほとんどびくともしません。それもそうですね。だって構造の強さが通常の家の何十倍もあるようなものですから。周りの壁をセンターのグランド・ピラーが支えているので、壁が倒れるようにして家がつぶれるということは考えにくいものです。

現在、その大芯柱構造が五重塔やスカイツリーにも採用されているのと同じ技術であるということで特集ページを準備中ですが、いずれにしろ、現在の住宅業界の限界がこの春の震災であっという間に明らかになってしまいました。

懸念されていたことが現実に見えてきてしまっているんです。

そんな今こそ、松岡さんの建てた家でよかった、というお客様の声が届いて、本当にうれしく思っています。これからもハウジング・ワールドは頑張ります!

眠れない家!?

2011-04-11 22:21:37 | 家づくり
計画停電で街が暗くなると、ふと思います。昔の暮らしは、夜は暗いのが当たり前。夜中にたくさんの人が出歩いているなんてありえなかった、と。最近の夜更かし社会は、大人も子供も影響を受け、不眠症を始めとする様々な精神障害までも生み出しているように思えます。

松岡さんとの話の中で出てきたのが、「最近の人たちは、家で寝ることでさえきちんとできなくなってきているのではないか?夜が来たら部屋は暗くして、身体を寝るモードにしないといけない」ということでした。とくに海外に目を向けてみると、夜の部屋は間接照明や質の悪い蛍光灯で部屋を照らしており、目一杯明るくして何かをしようという傾向はないように思います。ホームパーティーでさえも、日本のように明るくしているわけではありません。

夜型の社会を作り出したのが効率の高い照明なのか、日本人が夜型の社会を欲したので効率の高い照明が生まれたのか、それはわかりません。でも、夜の照明、人間の健康、という観点で家づくりを考えると、夜、健康的に睡眠をとるための家づくりが大切だ、ということに気付きます。

眠れる家ってどういう家なのでしょう。静かであり、空気がキレイであり、照明が適切であり、そして一日の疲れを癒せる家族と空間、少しの健康的な食事。挙げてみるといろいろ出てきますが、どれも「家」と無関係ではないことが分かりますよね。

少なくとも近所の音が聞こえる、他の部屋の音が聞こえる、ということは避けたいですよね。もちろん、冬は暖かく、夏は涼しい。こういうところも基本的なポイントですね。


収入が減る!

2011-04-10 21:54:19 | 家づくり
コストダウンの主要な手段が、日本ではよく「人件費を削る」一環として単純に給料を減らす、という考え方が聞かれます。特に家づくりにおいて、林材業者や大工職人など、体力や資材については真っ先に削られる、という悲しい事実があります。会社勤めをしている人間に置き換えてみてください。ある日突然、今までと同じ働き方をしているのに給料から1割引かれ、2割引かれ・・・。

業者を叩いてコストを下げさせるということは、つまりその人の収入を何の理由も無く何割か下げる、ということなわけです。結局、仕事に対する対価ではなく、競争社会の中にあって安いほうに客が付く、という図式が出来上がっているわけです。そのうち、安い価格で商品を出すことに疲れた業者の一部が、手を抜いた商品を売るようになったり、管理方法を省いたりせざるを得なくなっていきます。

そのようにして出来上がったのが、現在の住宅産業と考えてみてください。これでは、家はどんどんチープなつくりになっていくのは必然です。チープな家づくりをしている業者の中からもっともいい業者を探そうとしているのが、昨今のユーザーの姿です。

これは厳しく聞こえるかもしれません。しかし、構造に詳しい建築家が住宅地を歩いていると、大地震が来ても「この家は安全だ」と思えるものはほとんどない、というのです。

結局、実際に大きな問題が生じてみなければ、右へ倣え、通説に倣え、という形で選択・決定をしてしまい、困ったときには後の祭りになってしまうのです。

こうした悲しい結果にならないための考え方は、安いものを探すのではなく、まず良いものを探すこと。そしてそうした良いもののを実現するためにもっとも低コストな手段を確立することです。安い家を買おう建てようとする姿勢は、自分の収入が減るのと同じことなんだ、と考えてみるのも良いでしょうね。