ゆとりある住まいの考察

将来不安を失くす頑丈な家・100年住宅を提案する『松岡在丸(さいまる)とハウジング・ワールド』のスタッフによるブログ

ディテールを重視しすぎてはダメ

2013-01-26 16:30:18 | 家づくり

家づくりをするに当たって、多くのメーカーや工務店が、特定の設備を「売り」にすることがあります。

「セルロスファイバーがいい!」「地熱工法がいい!」「断熱材が重要!」

こんな感じです。

しかしながら、本来はそのようなディテールは中心ではありません。車で言えば、「シートがいい!」「エンジンがいい!」と言っているようなものです。

考え方を改めなければなりません。それらはあくまでも、目的に対する方法論だからです。

もちろん方法は重要です。しかし、もっと重要なことがあります。それがトータルバランスの考え方。

どんなに断熱材の性能が高くて暖かくても、暗くて狭い空間でよいのでしょうか。

断熱材の性能が高いこと、隙間風がないことは、大切なポイントですが、そもそも狭くて居心地の悪い空間であれば、そこに長く留まりたいとは思えないものです。

でも不思議なことに、多少寒くても、広くて人が集えるところには皆が集まってきます。そこにストーブがあって、みんなで楽しく火を囲めると、そこが憩いの空間になります。

ということは、断熱性能よりも重要視すべきポイントがある、ということです。

なんのために断熱性能を高めるのでしょうか? それは、住む人、集う人が「居心地の良い」空間を作るためではないでしょうか。

そうであるならば、ディテールの前に、「人が集まりたいと思うような居心地の良い空間」という観点で優先順位を考えねばなりません。

「広さ」「明るさ」「温度」という順序です。もっとも自由度のないものから考えるならば、「広さ」がもっとも重要。明るさや温度は設備で何とかできますが、広さだけは器の大きさの問題だからです。

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【動画】山から始まる家づくり

2013-01-21 10:10:31 | 家づくり

家づくりをしようと考えると、本屋で雑誌や専門書を買い込んだり、住宅展示場に行ったりする方がほとんどです。

でも、最も重要なこと。それは、家を作る材料について知ることです。本や展示場で目にするもののほとんどは、材料の可能性については何も語ってくれません。材料が加工された後だからです。

iPhoneがあれだけ美しいのは、素材や基礎技術がしっかりとリサーチされていて、そうしたテクノロジーを「これを生かして何ができるか」「このテクノロジーをどう生かそうか」という発想になるからですよね。

家づくりも同じです。山に行って木を見る。素晴らしく成長した樹齢50年、60年の大木を見る。そして「この木をどんな風に使えるか」「この木を生かすとどんな家が建てられるか」という考え方を始めます。

現代にまで残っている、古き良き100年住宅は、どれもそのように山から始まって建てられ、広さ、快適さ、そして外観の良さも含め、今でも愛されています。

そんな、ずっとずっと愛される家を建てたいのではないでしょうか?

そのために、松岡さんは家づくりを山から始めています。大勢の施主さんご家族を連れて山を見学し、山林管理者・保有者のガイドで実際に大きな木を見ます。そして材木業者、製材業者の工場も見学するのです。

こんかい、「大心柱の家」と題して、『山から始まる家づくり』というテーマの新しいホームページが公開されました。そこでは、実際の山林ツアーの様子が動画(YouTube)で掲載されています。

ぜひ皆さんにご覧いただきたいと思います。

http://www.daishinbashira.com

2014年のハウジング・ワールドは、ますます忙しく、ノリにノっています!

顔を合わせやすい間取り

2013-01-14 11:25:53 | 家づくり

家づくりにおいて、「顔を合わせやすい間取り」というのがあります。残念ながら日本の建売住宅のほとんどは、顔を合わせ「にくい」間取りになっています。玄関を入って狭い廊下があり、すぐに階段があって子供が親の顔を見る前に二階に上がってしまったり、キッチンに立つお母さんが背中を向いてしまっていたり、と。

だからこそ、日本の近代的な注文住宅の仕様は変わってきているのでしょう。家を建てようとする施主の家族が、建売住宅のような仕様では「いけない」ということに気付き始めている、ということなのです。

もちろん、これは習慣の問題でもあります。たとえ建売住宅に住んでいようとも、家族のコミュニケーションがしっかりしている家庭もあります。でももし家を建てることができるのであれば、顔を合わせやすい家づくりをしていたほうが、余計なストレスを感じずに済みます。

では、顔を合わせやすい間取りとはどんな家だと思いますか?

多くの人は、動線を考えます。フェイス・ツー・フェイスになれる「位置」とか「向き」を考えるわけです。しかし、顔を合わせやすいということは、無理やり顔を見せる、ということではありません。つまり、動線よりも大切な要素があるのです。

それは、広さです。狭い空間にいると、人は顔を合わせづらいのです。顔を合わせやすいということは、全身を見やすい、その人の全体が見やすい、ということ。そして顔を見るということは、その人の全体が見えた上での「顔」という部分なのです。

リビング・ダイニングが広ければ、顔を合わせやすい。その中に二階に上がる階段があれば、なおのこと良いのです。階段がリビングにあっても、リビングが狭かったら、そこに長く留まりたいとは思わないので、結局、顔をゆっくり合わせる気持ちにならなくなります。

ですから、顔を合わせやすい間取りとは、できるだけ広いリビング・ダイニングを設けたプランである、ということ。その前提があって初めて、動線を考えるべきなのです。

「ただいま」「おかえりなさい」がある家ですか

2013-01-10 11:19:00 | 家族

家族の誰かが帰宅したとき、家に居るみんなが「おかえりなさい!」と元気に声を掛けているでしょうか。

これは、当たり前のようにできている家庭もあれば、そうでない家庭もあります。心掛けが習慣づいているということが大切ですよね。

家の温かみというのは、こういうところから始まる、ということを松岡さんとよくお話しします。家族のコミュニケーション、特に子供とのコミュニケーションを取るための秘訣は、たとえば、夜、お父さんが帰宅したときには子供たちが自分の手を止めて出迎えを優先する、ということをしつけること。勝負は10歳まで、と言います。

昼間、学校から帰宅したら、必ずお母さんを探す、お母さんとコミュニケーションを取る、ということも小さい頃から徹底する必要があるのです。

もちろん親も、子供が帰宅したときに、何をしていても手を止めて、子供たちを玄関まで出迎えに行くのです。鞄も持ってあげましょう。そうすると、大人が帰宅したときに子供たちも同じようにし、それが習慣として根付いて、大きくなっても親を出迎えてくれるようになります。そうしていないお友達の家庭の様子を聞いて驚くほどです。

松岡さんのご家族は、子供たちがすでに成人していますが、親を出迎えに玄関まで下りてきてくれるそうです。素敵ですね。

お母さんが買い物から帰宅したら、お父さんが出迎えて、荷物を持つ。子供が塾から帰宅したら、お母さんとお父さんが玄関で出迎えて鞄を持ってあげる。

簡単なことです。でも継続は難しい。しかし、どんなにハード面が優れた高級な住宅に住んでいても、こうした家族のコミュニケーションの暖かさに勝る「家」というのは無いのだと思います。

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新ホームページ:「大心柱の家」が公開されました。ぜひご覧ください!→http://www.daishinbashira.com