ゆとりある住まいの考察

将来不安を失くす頑丈な家・100年住宅を提案する『松岡在丸(さいまる)とハウジング・ワールド』のスタッフによるブログ

玄関が一つの二世帯住宅は、家の中で別れようとする

2013-03-26 14:39:36 | 家づくり

日本の二世帯住宅で深刻な問題を引き起こしていることは、同じ屋根の下でありながら、互いを愛し気遣うということよりもむしろ自分たちのプライバシーを主張し合ってぶつかるということ。

ぶつかって喧嘩になるのを避けるために、同じ家に住んでいながら距離を離そう離そうとします。活動を別にしたり、食事を一緒にしたがらなくなったり。自分世帯vs相手世帯という闘いが始まってしまうのです。

せっかく家族が一緒に暮らそうというのに、本末転倒なお話ではないでしょうか。これが松岡さんの指摘するポイントです。

確かにそうなんです。これに対して、建物が一つでも玄関が完全に分かれている「セミデタッチハウス」は、もともとは離れている家族をくっつけようという役割を果たしている仕様です。

つまり、遠くに住むなら隣に住み、2軒ではなく1軒でコストも削減しよう、という考え方です。そしてもともと空間的には完全に分かれていますから、プライバシーはしっかり保てます。むしろ、一緒に過ごすということは、自分か相手のどちらかの家に遊びに行くということですから、切り替えも容易です。

二世帯住宅の考え方を、日本の常識にとらわれるのではなく、人間の本質に基づいて考慮する必要があるということですね。

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大手住宅メーカーでは決してできない家

2013-03-18 16:23:53 | 家づくり

注文住宅に対応しているとは言っても、一般的には決められた「規格」「仕様」の範囲での選択肢。松岡プロデュースの家づくりには、大手住宅メーカーや工務店では決して対応できないいくつかのポイントがあります。

大手でできない家その1 大心柱

21センチ角の柱、直径30センチの柱など、ハウジング・ワールドでは当たり前のように使われる大心柱(大黒柱)は、「規格化」することはほとんど不可能です。完全にオーダーメイドとなりますね。しかも、それだけの太い材木を扱っている材木業者というのは稀です。

加えて、それだけの太い柱を使いこなせる設計士はいません。また、その柱をデザイン性を持たせて取り入れるノウハウもありません。これは、海外の住宅についての知識や感覚、感性がなければ使いこなせないものなのです。


大手でできない家その2 屋根の勾配

急勾配にしてオシャレな家を建てたいと思っても、屋根の作業のための大工さんたちの技術が追い付かないことがあります。安い家を建てるために、工期短縮やコスト削減の観点から、特別な技能を持った優秀な大工を手配するというのは難しいのです。

屋根の勾配や形状は、規格で収めておくことが一番ラク。それゆえに、オリジナリティーのない住宅が日本の住宅街の特徴となってしまうのです。


大手でできな家その3 大吹き抜け

床を無くすということは、それだけ強度が落ちるということ。その部分の柱を太くするなどの対応が求められます。それゆえに、大きな吹き抜けを作りたいとなると、それだけ太い柱で補強するなどの必要性が生じます。

ということは、太い柱を扱える必要があります。当然、それだけの材木を手配しなければなりませんし、コストは上がります。強度的にはギリギリのラインで家づくりをしているので、作っても小さく保ちたい吹き抜け。それを大吹き抜けにしようとしたら、大幅な仕様変更を強いられることになります。当然、設計士のコストも上がりますし、材料費、大工の施工費、その他の諸費用がかさみます。しかし、それ以上に、そのような仕様を実現する技術的なノウハウに欠けている場合も少なくないのです。


このように、日本の「注文住宅」というのは、ほとんどの場合はあくまでも「レイアウト」の範疇です。そのような自由度の無い「注文住宅」は、いざというときに対応力が無くて困るものです。イレギュラーなことは一切できませんから、イレギュラーなことが生じても対応できません。

どの業者に何ができるのか、ということを探るのは至難の業。ですから、ぜひともいい家を建てる業者を見抜けるような「目」を養いたいですね。

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親の独居は将来の自分の姿と思え

2013-03-12 13:36:22 | 家族

都会でも田舎でも、独居老人が亡くなるというニュースは絶えません。そしてそのたびに思いますよね、なぜこういう事態になっているのか、と。

問題は複雑かもしれませんが、改善できないわけではありません。少なくとも、「自分がそうならないために」という自覚を持つことが、親の独居を防ぐという点で必要です。

親が独居しているということは、自分も将来、そのような生き方をする可能性がある、ということです。自分の子供や自分の親に、どれだけの愛情を注げるか、ということ。

老人のわがままについていけない、と感じることもあります。しかしどれもこれも、プライベートとパブリックの境界線が上手に引けず、コミュニケーションが下手であることの証です。

結局、日本人は形にこだわって心にこだわらないという教育がなされてきましたから、親も子供の心を考えず、子供も親の心を考えない、そういう世代が育ったのだということ。

解決策は「家」にあるのではなく、家を使う人々の「心」にあるのだ、という、ごくごく当たり前のお話でした。

住宅業界に携わる人間の無力さ

2013-03-05 22:47:10 | 業者対策

もしも住宅が30年で建て替えを必要とせず、少なくとも日本人の平均寿命ほどの耐用年数があったら、独居老人の孤独死、子供の非行、健康被害、そして住宅ローンに追われてゆとりなく働かざるを得ないなどの様々な社会的問題がどれほど軽減されていただろうか、と考えてみてください。

実際、人の人生の3分の一以上を過ごす「家」を作る業者は、本来、社会に対して平衡感覚を与え、国民の生活にゆとりと繁栄をもたらしてしかるべき存在です。

にもかかわらず、実際には営業利益を上げるために競争心を持って建て替え需要の高い安物住宅を作り続け、社会をダメにしているわけです。

住宅業界に携わる人間はなんと愚かなのでしょう、なんと無力なのでしょう。社会の問題を解決するカギを握っているのに、実際には問題を増やしているわけです。

住宅寿命は人が健康に幸せに生きて平均寿命をまっとうできるようにという観点で真剣に考えなければならない要素。

その最低ラインさえ理解していない住宅業者に、自分の家を作ってもらいたいとは思いません。