狸便乱亭ノート

抽刀断水水更流 挙杯消愁愁更愁
          (李白)

玄侑宗久について

2006-11-30 15:58:18 | 本・読書
同町内に住み、 俳句仲間、町文芸誌編集長 A兄とは、中学同級、毎週土曜日のZ寺「朝行(朝参り会)」も一緒、文芸趣味も(A兄の方が遥かに上だが)類似している。
不動堂と本堂での読経のあと、客殿の小部屋で朝茶を頂きながら小時間雑談となる。
ボクとA兄以外は、誰も文芸には関心がない。だから二人だけで文学の話は殆んどしないのだが、先週の朝、偶然玄侑宗久が話題になった。
小生「最近の芥川賞作家の名前知っている?」
A兄「蛇にピアス」「蹴りたい背中」は買ったけど、「蹴りたい背中」は初めの方ちょこっと読んだだけで、開いていない。作家名も思い出せない」
小生「平野啓一郎の「日蝕」は?」京大生、しかも最年少受賞作家ともてはやされたので、ボクも彼も、
「一月物語」まで買い込んだのである。しかしボクは、彼の居間の書架にきちんと斯の2冊が揃えて並んでいるのを何回も見ているが、ボクの方は、何処かへ仕舞えこんでしまって、容易には見つからないような有様である。

小生「「蛇にピアス」も「蹴りたい背中」も何万部も売れたみたいだけど、今本屋にも見かけないね」
A兄「あれからだって、芥川賞は毎年前期、後期で発表なのだから、うんとある筈だが、すぐ消えてしまう。ただ、今活躍しているのは、エーと、慶大卒、坊さんで…、ちょっと名前が出てこないけど、あれは読める。あれだけだな」
小生「玄侑宗久だろ」
A兄「んだ、んだ。 売れっ子みたいだ」

 玄侑宗久のエッセーはボクも、文学には無関心である筈の妻も愛読者の一人である。
実はボクのブログを、『192◎年生まれの“若輩”とおっしゃる、敬愛する先輩 tani さんの怒ブログです。』とマークまでなされて下さる、V先生ブログ『本を読もう!!VIVA読書!」に『「禅的生活」玄侑宗久』が詳しく解説されている。
その文末を引用させていただく。

>手始めに、最初の章で、無意識に出てくる “あくび” だって意識的にできますと、以下のようなテクニックが紹介されています。 
まず直前に軽く一息吐いてから、口を開き、意識をのどの奥、というより両耳を結んだ中心点あたりに置く。
それだけでしばらくすると後頭部が締まりだし、口が更に開いて見事なあくびが出る。 
意識の置きどころさえ間違わなければ、必ず出るはずで、何度やっても出る。
私もやってみました。最初はできませんでしたが、何度も、“こんな感じかな?おっ、出そう、いや違う” なんて感じで、しばらく練習すると、確かにあくびが出るんです。興味があれば、お試し下さい。

ただし、こうした簡単な健康法の紹介ではなく、思想的、宗教的な話ですから、読み応えのある一冊です。 ここで言いたいことは、あくびの仕方にとどまらず、眠たいと思う『心』も、眠ろうとする『体』も実は、意識的にけっこう誘導できるということです。
“無可無不可” “一切唯心造” “六不収” “廊然無聖” “応無所住而生其心” “柳緑花紅真面目” “一物不将来” “日日是好日” “随所作主立処皆真” “平常心是道” “知足” “安心立命” “不風流処也風流”
こういった概念の説明ですから、筆者の、”一人でも多くの人に楽で元気になってほしい”という願いで書かれた一冊ですが、気楽に読めるわけではありません。健康法というより、思想に興味のある方にお薦めです。>

添付カットは朝日新聞PR誌「暮らしの風」に連載された〝ベラボーな生活 玄侑宗久〟最終回分です。単行本にもなっています。




最新の画像もっと見る

3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
芥川 賞 (凡凡)
2006-11-30 20:06:35
芥川 賞 19××年 上半期    第1××回  
×× 周   「ブエノス××××午前零時」
×村×月   「ゲルマ×××の夜」

この本を興味本位で出版と同時に購入したが概要は私が想像していた
ものと殆ど変わらず、私が毎日綴っている日記程度のものだった。その昔
「太陽の季節」を読んだときも同じだった。選考基準の曖昧な、此の手の
文学賞物は一切読まないことに決めている。
返信する
こんにちは (VIVA)
2006-12-01 14:39:45
先輩、こんにちは。

実は、大学生の頃まで、あまり本を読まずというか、芥川賞、直木賞のような本を読んでもおもしろくなく、自分は読書には向かないのだと悩んでおりました。

やっと今になって、少し大人になりましたので(笑)そうか、賞など取っていても自分がおもしろくないとか、くだらないと感じたら、そう言って良いのだとわかりました。(とりあえず無知呼ばわりされることは覚悟で)

そう言えば石原慎太郎自身が、数年前こういう受賞作品について、小粒になった、読むに値しないというようなことを言っておりましたね。

拙文を取り上げていただき、ありがとうございました。

先輩、あくび、出ましたか?
返信する
芥川賞殺人事件 (tani)
2006-12-02 11:55:21
■凡凡殿
「警視総監の笑い」を書いた芥川賞作家、由起しげ子をとりあげ、坂愚痴安吾が何や蟹や書いています。
また、菅原通濟は「芥川賞殺人事件」というエッセーがあります。お勧めです。

■VIVA先生
物忘れ激烈。192◎年生を悔やんでおります。
先日、処方箋扱い薬局で、
「アルツファイマー」に効く薬を処方された事例を訊ねましたら、いまここに置いてあるのは1種類。処方例もあったそうです。
ただし、治療薬ではなく、進行を遅らせるだけの効能で、副作用もあるらしいです。
「何科に行って診ても貰いばいいのかね?」
「神経科かなあ」あまりお薦めではないようでした。
V先生、
「アルツファイマー特効薬」の本がありましたら、ご紹介下さい。
「頭が良くなる薬」を精神科の某友医にたずねましたら、そんな薬があったら、学習塾は成り立たないしょうという見解でした。
返信する