風景写真春秋

残日録代わりの風景写真です。
もちろん「日残りて、昏るるに未だ遠し」という意味合いです。

室生寺のしゃくなげ その2 2014年

2015-04-27 | 奈良県
 奈良県宇陀市の室生寺です。
 きょうは前回の翌年、2014年の室生寺のしゃくなげです。
 2013年とほぼ同じような並べ方の写真となっています。
 2年間を比較する意味もあります。
 2013年のしゃくなげはいわゆる裏年で、花の付き具合は少しさびしい感じがしました。
 2014年は予想通り、見事なボリューム感あふれるしゃくなげでした。
 駐車場のおばさんから「今年のしゃくなげはものすごええで。がんばって写してや」との暖かい励ましのお言葉をもらったほどでした(^^)。
 さて、この室生寺はいつ頃からしゃくなげの寺となったのでしょうか。
 私の手元に、「私の古寺巡礼 奈良」(淡交社)という本があり、その室生寺の章を担当した田中澄江さんが、次のようなことを書いています。
 室生寺のしゃくなげは、昭和9年(1934年)に発足した信者たちのしゃくなげ講によって、吉野や大台ケ原の山中から、境内まで次々と運んできて植えたもの、とあります。
 ここのしゃくなげは昭和の初期に吉野や大台ケ原から苦労して運んできたものなのですね。
 後日紹介する予定の、三重県松阪市飯高の泰運寺のしゃくなげも、戦前に大台ケ原などから移植したものと、住職さんから聞いたことがあります。
 吉野熊野国立公園・特別保護地区の現在の大台ケ原ではありえないことですが。
 4月下旬、曇り、午後3時半頃から5時過ぎまでの撮影です。
 前回と重複しますので、コメントはなしとします。

①~⑩










 









 いかがでしたか。
 裏、表でこれくらい花の付き具合が違います。
 もちろん、しゃくなげの花の多少の出来不出来などは、私のような凡人カメラマンがそれにこだわり、一喜一憂しているだけで、室生寺のすぐれた景観の中ではとるに足りないものでしょう(^^;)。
 しゃくなげのなかった昔から、また、しゃくなげの花の咲いていない時期も、この寺は多くの人々を惹きつけてきたのですから。
 とはいえ、凡夫の悲しさ、今年の花の出来は良くないとの知らせを聞き、今年はしゃくなげの時期に写しに行くのを見合わせることとしています(^^;)。

 前述の本の中で、田中澄江さんは昭和5年(1930年)にはじめて室生寺を訪れたときの印象を次のように記しています。
 「室生寺は太古の火山の形を周辺のそそりたつ峰々に残して、茂りあう緑の底にひっそりとしずまりかえり、私たちのほかに参詣のひとも見当たらなかった」
 今年は、しゃくなげが終り、新緑が全山を覆い尽くし、峰々が霧に包まれる雨の日に(私は雨の日が好きなのです(^^))、静けさが戻ってきたこの室生の寺を訪れたいと思っています。
 
 







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