月刊ボンジョルノ

ほとんどツイートの転載です。

歌舞伎や昔の邦画の怪談物って実はすごく怖いのだ

2007-08-02 | Weblog
このところ愚息が幽霊・お化けを無暗に恐がるようになった。
時には怖い夢なぞも見ているらしい。
暗闇や幽霊に対する恐怖心をもつのは人間として自然なことだし、度を越して怯えるのでなければまあいいか、と思っていたが、ひょっとしてこういう時期においての幽霊・お化けというのは、見知った人に囲まれてぬくぬくと暮らしていた安定した世界へ、壁のひび割れから次第に異物が侵入し、時には自分に攻撃的に接触してくることの象徴ではなかろうか。
という程度のことはきっともう色んな人が言っているのだろうが、愚息を眺めていて実感した。

『真景累ヶ淵』(この「真景」は「神経」にかけてあるのをご存じか)の豊志賀(とよしが。芸名である)は、もともとは芸熱心の固いおっしょさんが(富本節というシブい音曲の師匠である)ふとした気の迷いから(実は裏に因果因縁があるのだが)ものすごく歳の離れた新吉にいれあげて破滅してしまうという話なのだが、黒木瞳だと見た目が若いし、なんだか複数の弟子と関係しているか、もしくはそういう思惑を巧みに操って小遣いを調達していそうである。
リアルにいくなら市原悦子の豊志賀はどうだ。ものすごく怖いと思うぞ。