国土開発幹線自動車道建設会議(国幹会議)については、以下のエントリーで記してきた。
2009年4月24日のエントリー 国幹会議 外環道などを議論へ
2009年4月26日のエントリー 「国幹会議」って
そして、4月27日に開催された第4回国土開発幹線自動車道建設会議(国幹会議)で、
外環道(東京外郭環状道路)の練馬-世田谷など4区間の「整備計画」への格上げが決まった。
今回の決定は、整備計画への格上げが4区間 と 4車線化についての整備計画変更が6区間。
格上げの決定は平成11年以来、10年ぶり。
概要は以下のとおり。
◆整備計画区間への格上げ(4区間、計71キロ)
・外環道の世田谷-練馬(東京都、16キロ)
・名古屋環状2号線の名古屋西-飛島(愛知県、12キロ)
・東関東道水戸線の潮来-鉾田(茨城県、31キロ)
・日本海沿岸東北道の酒田みなと-遊佐(山形県、12キロ)
大都市圏の環状道路や主要都市を結ぶ道路のうち、整備による効果が高い区間を選んだとのこと。
確かに、3区間については道路ネットワークのミッシングリンクを解消することができる。
ちなみに、ミッシングリンク(Missing-link)とは連続性が期待されている事象に対して、非連続性が観察される場合、その比較的顕著な間隙を指す。
◆4車線化についての整備計画変更(6区間)
・関越道上越線(信濃町-上越ジャンクション、38キロ)
・東関東道館山線(木更津南ジャンクション-富津竹岡、21キロ)
・東海北陸道(白鳥-飛騨清見、41キロ)
・近畿道紀勢線(御坊-南紀田辺、27キロ)
・四国横断道(鳴門―高松市境、52キロ)
・九州横断道長崎大分線(長崎-長崎多良見、11キロ)
暫定的に2車線で開通している交通量の多い地方高速道路とのこと。
これまでの整備計画路線の総延長は、平成11年に決定した 9342キロ。
高速道路の新規着工は、道路公団の民営化などの構造改革を打ち出した小泉政権時代の公共事業の抑制方針に沿う格好で凍結されてきた。
それを超える区間を整備するかどうかが道路財源一般化など道路行政改革の中で焦点の一つとなっていた。
今回の決定で、深刻な景気後退を受け、政府は衆院解散・総選挙も視野に方針を転換したといえる。
全国の整備計画区間は 71キロが追加され、9413キロとなる。
同日、国会に提出された補正予算案にも、4区間の調査費などが盛り込まれている。
大型連休明けに正式決定され、国土交通大臣の判断で事業着手が可能になる。
事業費は、整備計画区間への格上げ(4区間)が 1兆5190億円、4車線化についての整備計画変更(6区間)が 3510億円で、計 1兆8700億円。
うち、東京外郭環状道路(外環道)が 1兆2820億円であり、およそ7割を占める。
国土交通省は、いずれの区間も料金収入のみで建設費を回収するのは困難と試算している。
回収可能額は外環道が1~3割程度、名古屋環状2号線は1~3割、東関東道水戸線は2~4割、日本海沿岸東北道は1割未満。
このため、外環道、名古屋環状2号線、東関東道水戸線の3区間は、国と高速会社を事業主体として不足分に税金を充てる「合併施行方式」、
日本海沿岸東北道は全額税金を投入する「新直轄方式」での整備で検討を進めるようだ。
なお、高速道路の料金については不可逆と思える値下げが実行されており、料金収入での回収可能額はより厳しいものとなると予想される。
2009年4月24日のエントリー 国幹会議 外環道などを議論へ
2009年4月26日のエントリー 「国幹会議」って
そして、4月27日に開催された第4回国土開発幹線自動車道建設会議(国幹会議)で、
外環道(東京外郭環状道路)の練馬-世田谷など4区間の「整備計画」への格上げが決まった。
今回の決定は、整備計画への格上げが4区間 と 4車線化についての整備計画変更が6区間。
格上げの決定は平成11年以来、10年ぶり。
概要は以下のとおり。
◆整備計画区間への格上げ(4区間、計71キロ)
・外環道の世田谷-練馬(東京都、16キロ)
・名古屋環状2号線の名古屋西-飛島(愛知県、12キロ)
・東関東道水戸線の潮来-鉾田(茨城県、31キロ)
・日本海沿岸東北道の酒田みなと-遊佐(山形県、12キロ)
大都市圏の環状道路や主要都市を結ぶ道路のうち、整備による効果が高い区間を選んだとのこと。
確かに、3区間については道路ネットワークのミッシングリンクを解消することができる。
ちなみに、ミッシングリンク(Missing-link)とは連続性が期待されている事象に対して、非連続性が観察される場合、その比較的顕著な間隙を指す。
◆4車線化についての整備計画変更(6区間)
・関越道上越線(信濃町-上越ジャンクション、38キロ)
・東関東道館山線(木更津南ジャンクション-富津竹岡、21キロ)
・東海北陸道(白鳥-飛騨清見、41キロ)
・近畿道紀勢線(御坊-南紀田辺、27キロ)
・四国横断道(鳴門―高松市境、52キロ)
・九州横断道長崎大分線(長崎-長崎多良見、11キロ)
暫定的に2車線で開通している交通量の多い地方高速道路とのこと。
これまでの整備計画路線の総延長は、平成11年に決定した 9342キロ。
高速道路の新規着工は、道路公団の民営化などの構造改革を打ち出した小泉政権時代の公共事業の抑制方針に沿う格好で凍結されてきた。
それを超える区間を整備するかどうかが道路財源一般化など道路行政改革の中で焦点の一つとなっていた。
今回の決定で、深刻な景気後退を受け、政府は衆院解散・総選挙も視野に方針を転換したといえる。
全国の整備計画区間は 71キロが追加され、9413キロとなる。
同日、国会に提出された補正予算案にも、4区間の調査費などが盛り込まれている。
大型連休明けに正式決定され、国土交通大臣の判断で事業着手が可能になる。
事業費は、整備計画区間への格上げ(4区間)が 1兆5190億円、4車線化についての整備計画変更(6区間)が 3510億円で、計 1兆8700億円。
うち、東京外郭環状道路(外環道)が 1兆2820億円であり、およそ7割を占める。
国土交通省は、いずれの区間も料金収入のみで建設費を回収するのは困難と試算している。
回収可能額は外環道が1~3割程度、名古屋環状2号線は1~3割、東関東道水戸線は2~4割、日本海沿岸東北道は1割未満。
このため、外環道、名古屋環状2号線、東関東道水戸線の3区間は、国と高速会社を事業主体として不足分に税金を充てる「合併施行方式」、
日本海沿岸東北道は全額税金を投入する「新直轄方式」での整備で検討を進めるようだ。
なお、高速道路の料金については不可逆と思える値下げが実行されており、料金収入での回収可能額はより厳しいものとなると予想される。
経済に詳しい知人は、高速を無料にすると1%の効果があるのではないかと言ってました。
こんにちは。
コメントをいただき、ありがとうございます。
政策金利の誘導には、主に「短期金融市場の金利」(無担保コール翌日物の金利)が、
そして広い意味では「基準割引率および基準貸付利率」(従来の公定歩合)が使われますが、
確かに、下げ幅がないので調整してもインパクトがないですよね。
高速道路の料金値下げ自体についてコメントをするのは苦しいです。
景気対策として効果があることは間違いないですね。
ただ、俯瞰的に見ると代替策がいくつもあるなかでベストな選択なのか、全体最適になっているのかを立証するのは難しいです。
根っこの部分には、本文中に記した衆院解散・総選挙も視野に入れたもの、
それと、従来の道路特定財源の財源の配分にかかわるものが大きく影響しているように推察します。
これ以上書けません。。。
選挙での審判を受けずに政策を転換することは難しいと推測しますが、国幹会議での今回の決定が、明示的な方針転換であると理解しています。
土木業界に「神風」が吹いていることは間違いないですね。
書くべきであった事は、拙作のページにあげました。ウサギ。
気を使わせてすいません。
貴ページを拝見しました。
-[引用開始]---------
高速道路料金
高速代が経済に与える影響を評価すべきであると思ってます。というか、
評価項目が直接的であり、インフラの効用を正しく認識してもらえない、
あれば良しの風潮で、より使いやすく改造しながらメンテする機運を生まない、
などに繋がっているのではと懸念してます。
高速道に限らず、社会資本整備全体に言える傾向と考えてます。(u.yan)
-[引用終了]---------
そうですよね。
難しさの本質については、以前、比喩的に書いたことがあるのですが、
純粋な「自然科学」と、社会を実現するための「制度」のベクトルが違うことではないかと思っています。
「自然科学」は、ものごとの本質の解明や真偽を明らかにすることであり、目指すべきものは大体決まっており、意見が一致しやすいと思います。
一方、「制度」は理想社会が何なのかが、人によって違うように思います。
そのため、世の中には色々な考え方や価値観があり、善悪がはっきりしません。
違うものがあることを認たうえで、社会サービスとして合意を形成していくことが難しいと思っております。
そのためには、アカウンタビリティ(説明責任)を果たしきることが、最初に必要だと思っています。
コメントをいただくと、考えなおす契機になります。
今後も、コメントをいただけると幸いです。