golf130のクラシックお笑い原理主義

オッサンのしがない日常や妄想話とその日聴いた音楽。

メシアン「世の終わりの為の四重奏曲」

2008-05-21 20:16:37 | Weblog
普段は通勤の地下鉄で聴くことがほとんどなので、残念なことに車窓の風景が全く無いのですが、旅行や出張などでCDを携えて行くと楽しいですね。

電車でも車でもバスでも良いですが、音楽と車窓の風景がうまくコラボすると嬉しいな。

勿論、組合せの妙というのもあって、ちょっとアンマッチな感じの、高層ビル街で「田園」なんていうのもあり。

さて突然ですが、もし宇宙旅行に行けるとしたら、どんな音楽を携帯しますか?

ホルスト「惑星」などを挙げる方が多いかと思いますが、私が真っ先に浮かぶのはメシアンのこの曲。

宇宙を感じる作品だからです。

まあ、私には宇宙旅行なんて金銭的にとても無理。商店街の福引にでも当たれば別ですが…。(商店街でそんな景品ねえだろ!)

ガブリロフ(ヴァイオリン)ダインツァー(クラリネット)パルム(チェロ)アロイス・コンタルスキー(ピアノ)(BMG盤)

この曲、メシアン(1908~1992)がナチスドイツの捕虜収容所で作曲したことと、その題名ゆえ、誤解されていることも多いんだろうな、と思います。

ナチスにより世界が滅びてしまうという悲嘆だの、或いはその蛮行への抗議だの、と。

ところが、メシアンが描いたのはそうではなく、宗教的、哲学的なことだったようです。

「世の終わり」ではなく、「時の終わり」、時間観念の終わり、すなわち永遠の開始なんだそうである。(何だか難しいなあ)

1.水晶の礼拝
2.時の終わりを告げる御使のためのヴォカリーズ
3.鳥たちの深淵
4.間奏曲
5.イエズスの永遠性への讃歌
6.7つのトランペットのための狂乱の踊り
7.時の終わりを告げる御使のための虹の錯乱
8.イエズスの不滅性への讃歌

宗教的な標題の付いた8曲からなるが、いずれも美しい。特に終曲は絶品。

でも、宇宙の中でたった一人のような孤独感も漂う。

宇宙って、ビックバンで開闢して膨張を続けているって言うけど、将来どうなっちゃうの?

ずっと膨張を続けて、限りなく真空に近づいて星も何もなくなって、終焉?

それともどこかで収縮に転じ、また火の玉に戻って終わり?

いずれにしても、時の終わり…。

そんなことを想起させる音楽です。

宇宙の終わりはともかくとして、人間の終わり、葬儀も多様化して「宇宙葬」なんていうのもあるそうな。宇宙に遺灰を撒く訳ですね。

しかし、どうせ撒くなら、大気圏の外から地球に向かうようにして、流星群を出現させたらいいんじゃないかと思います。

そして、お通夜もそれに合わせて執り行う。

「故人は星になりました。あの星がgolf130さんです」と司会者が指差し、皆が一斉に空を見上げる。

そういうの良くないですか?

「天候が悪いので本日のお通夜延期します」なんて連絡が来たりすることもある訳です。

「なんだよ、せっかく楽しみにしていたのに、お通夜延期かよ!」

ほとんど花火大会のノリですな。

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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
色即是空 空即是色 (木曽のあばら屋)
2008-05-24 07:37:26
こんにちは。
>宇宙って、ビックバンで開闢して膨張を続けているって言うけど、将来どうなっちゃうの?

最後には、全ての物質が広く薄く拡散して、
終焉を迎えるそうです。
「熱的死」とか「ビッグフリーズ」と呼ばれてます。
10の100乗年ほど先だそうですが・・・。
なるほど (golf130)
2008-05-24 08:28:51
木曽さん、ありがとうございます。
ということは、終焉の時には全ての音楽は、ジョン・ケージの「4分33秒」に成る訳ですね。

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