
映画「ファウスト」を観てきた。かのゲーテの書き下ろした名作だが、実は原作は読んだことがない。
どうも難解すぎて僕のカテゴリーに入りきらなかったのだが、映画なら何とか理解できるかと・・・
原作からは脚色がしてあるようだが、なかなか興味をそそる展開・内容だった。
ファウストなる学者が人間の「魂」の存在を研究し続けるために、高利貸しの支援を受ける。高利貸しはファウストに金銭の援助とその代償として巷の人間模様を見学させる。
善なる心と悪なる心・神の存在と悪魔の存在・それを介在する「金」という魔物の存在・・・
その中で、ファウストはマルガレ―テという女性に魅入られる。そして、彼女の肉体を手に入れるために高利貸しに自分の「魂」を売ってしまう。
人間は常に自制を働かせて行動をしているのだろうか。善なる心が悪なる心の台頭を抑えつけながら行動しているのだろうか。
もしそうであれば、人間は「悪魔」の存在を前提としながら、それを意識して生きているのだろうか。
人間は「悪魔」の存在は意識しても、神の存在は・・・遠藤周作の「沈黙」を思い出した。
そうでありながら、自らの欲望のために悪魔に「魂」を差し出すことも・・・悪魔に差し出したことも理解できずに。
なかなか面白い映画だった。
勝手評価 ☆☆☆☆