公文で九年

公文式教室を9年間経営していた学習塾経営者です。
公文教室とはどういうものか私の視点で公開したくなりました。

発達遅滞のある子9

2023-05-03 | 発達遅滞の子の学習サポート

A君はいわゆる「境界児」で、学校での授業についていくのはかなり難しい状況です。

低学年の頃はサポート指導の教員がついていてくれたそうなのですが

高学年になると算数ではクラスを2つに分けて、授業をする形式になったそうです。

うちの教室では定型発達の子であれば多くても3回ぐらいの練習でできるようになることが

3回の練習どころか、同じ問題のやり方の説明だけでも3回以上繰り返すことになりがちです。

例えば通分のやり方を教えた時。

学校で一通りやっている筈なのですが、最初の一問から「わかりません」

2つの分母を因数分解していくやり方で、3問ぐらい「両方の数を割れるのは何?」と確認しながら

最後に残った数を互いの分子にかければいい、と教えます。

因数分解していく過程では、九九はしっかりやってあるのでそれなりに答えが出てきます。

通分ができ、分子の足し算をして、必要なら帯分数に直す、更に約分をする場合もあると説明して

「では、次の問題は席で自分でやってごらん」と自席に帰すと

鉛筆を手にしたものの、いっこうに書いている様子がありません。

「どうしたの?」と声を掛けると「わかりません」

始めに一緒にやった3問の次の問題で「やりかたがわからない」というわけです。

ひとつ前の問題で「ここ、どうやったんだっけ?」と確認していくと因数分解はできています。

そのあとが「何すればいいのかわからない」らしいので、「これとこれを掛ける」と

本人の書いた文字を指しながら再度確認。

4問目を、手が止まるところではヒントを出しながら解かせて「次の問題からは席でやっておいで」

5番目、6番目をやったかやらないかのうちに、また手が止まっています。

結局10問全部、説明しながらいっしょにやることになってしまいました。

この場合、一緒にやるということは、

式や計算過程はこちらが口述しても書くことは自分で書かせるということです。

次の10問では3回聞きに来て、自力正答は2問のみ。

でも2問だけでも自力でできたのですから、ここは一応良しとしなければなりません。

つききりの訂正学習が終わった時点で「同じプリントを宿題にするからやっておいで」と渡します。

もちろん先ほどやったプリントは返しません。

で、次の学習日提出の宿題の出来栄えはといえば・・・・・・

1~2問やりかけであとは白紙「わかりませんでした」

そこでまず1問について解説をし直し「もう一度この前の事を思い出しながら自分でやっといで」

次の2問目もわかりませんとききに来ます。

もう一度手順を説明しながら解き、次には同じ問題を別紙に書き写させて「やってごらん」

というようなことを毎回の教室で繰り返して5回~6回目ぐらいの宿題でようやく9割ぐらいの自力正答となります。

引き算や足し算でのミスもありがちですし。

「いま説明したじゃないの、何聞いていたのよ」と怒鳴りたくなることもしばしばですが

ようするに、聞いていないのです。

繰り返しやっているうちに、器械的にでも少し解けるようになってきてやっと

言われている事の意味を考えてみるようになり、それからやり方がわかってくるという感じです。

聞いているかどうかの確認のために、こちらの言ったことを繰り返させるということもよくあるので

この子は相手の言葉や動作をまねてみせるということもよくやりますが

オウムと同じで真似だけで、意味が分かっているわけではないのは明らかです。

それでもなんとか、そう難しいものでなければ四則混合計算もやれるようになってきてはいます。

 

 

 

 

 

 

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