Takの秘密の木

誰にもいえない気持ちは、誰もしらない秘密の木の洞に、こっそり語って蓋をするんだって。@2046

大いなる沈黙へ

2014-09-01 | ドラマ・映画・舞台の感想
http://www.ooinaru-chinmoku.jp/
公式HPより:
構想から21年を費やして製作された異色のドキュメンタリー。フランスのアルプス山間にあるグランド・シャルトルーズ修道院は、カトリック教会の中でも厳しい戒律で知られるカルトジオ会の男子修道院。自給自足、藁のベッドとストーブのある小さな房で毎日を過ごし、会話は日曜の昼食後、散歩の時間にだけ許される。


ツイッターで、フェルメールの絵のような美しいワンシーンを見かけ、絶対に観に行こうと決めてました。
公開して間もない時に行った岩波ホールは激混みで、係員のおじさんはテンパってるし、ビルの外まで行列は続いてるし、シスターもちらほらいるわで、なんだか場違い感に駆られて早々に断念し、出直すことに。
公開館が増えてからは、いくらかお客さんが分散したらしく、スムーズに観ることができました。
とはいえ、169分の長丁場。上映回数も少ないので、それなりの覚悟を持って早めの行動を取ることをおススメいたします。

フィリップ・グレーニング監督は1984年に撮影を申し込み、16年後に突然許可が下りたそうです。
礼拝の聖歌以外には、音楽、ナレーションをつけず、照明なしで、6カ月間修道士とともに暮らしての撮影。
映像は素晴らしいです。まさに動くフェルメールの絵画。
そこは期待を裏切られなかった。
私は何の宗教にも帰依していないし、宗教に関する知識も極めて薄いものなので無責任なことは言えません。
ですが、この作品の中で表現されている思想や哲学には正直あまり感心できなかったし、魅力を感じられなかった。
むしろ仏教(大乗仏教)の方が共感できるな、と思いました。
修行という意味では、現生の世俗の中で生き抜く方が、よっぽど過酷で苛烈で苦行だよな、と。
や、それに打ちのめされたからこそ、彼らは修道士になったのかも知れませんが。・・・
晴耕雨読と清貧、ナチュラルでストイックな暮らしには、むしろ羨ましさを覚えるぐらいで・・・。
人間らしく生きる、とはどういうことなんだろう、とずっと考えていました。
現世に生を受けた責任を全うするということは、どういう生き方をすることなんだろう、と。
人の価値観や哲学は千差万別で、こういう生き方を選ぶ人々もいる。
それは別に奇異なことではないし、特殊なことではないし、ある意味、選ぶ自由があるというのは幸せなことなのかも知れないな、と思いました。

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