ば○こう○ちの納得いかないコーナー

「世の中の不条理な出来事」に吼えるブログ。(映画及び小説の評価は、「星5つ」を最高と定義。)

「ブラック・ショーマンと覚醒する女たち」

2024年03月21日 | 書籍関連

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此の人は、人生をリノヴェーションする積りだ。亡き夫から莫大遺産相続した女性の前に絶縁したの兄が現れ、「貴方偽者だ。」と言い出す。女性は一笑に付すが、一部始終を聞いていた元マジシャンマスター・神尾武史(かみお たけし)は、驚くべき謎解きを披露する。果たして、嘘を吐いているのは何方なのか?謎に包まれたバートラップハンド」のマスターと、彼の華麗なる魔術によって変貌を遂げて行く女性達の物語。其のマジック”は、謎解きのの華麗な武器。全貌を知る時、彼女達は何を思うか?そして、どう生きて行くのか?
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東野圭吾氏の小説ブラック・ショーマンと覚醒する女たち」は、「『ブラック・ショーマン』シリーズ」の第2弾。超一流のマジシャンだったが、現在はバー「トラップハンド」のマスターを務める神尾武史と、其の不動産会社リフォーム部で働いている神尾真世(かみお まよ)を主人公とし、彼等に関わる女性達を描くミステリー。全部で6つの短編小説から構成されている。

観客を騙す卓抜したテクニックが無ければ、一流には成れないマジシャン。超一流のマジシャンだった武史には、其れに加えて優れた洞察有している。臨機応変平然と“嘘”を吐き、謎を解いて行く彼に、真世は呆れ乍らも、凄さも感じている様だ。

一番最初の作品「トラップハンド」で武史に“男性の査定”をして貰った女性が、最後の作品「査定する女」で“査定される側”となる。ネタバレになってしまうので詳しくは書けないが、着地点を決めた上での巧み前振り”は見事だ。

、其の最後の作品「査定する女」が、“余りにも芝居じみた設定”なのが、個人的には鼻白んでしまった「恐らくは、こういう“落ち”になるんだろうなあ。」という読みが当たってしまったのも、ガッカリ感を増させた。凡庸作家の作品ならば、充分に合格点を与えられるのだろうが、高く評価している東野氏の作品なので、自分が求める物は非常に高いのだ。

総合評価は、星3つとする。


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