ば○こう○ちの納得いかないコーナー

「世の中の不条理な出来事」に吼えるブログ。(映画及び小説の評価は、「星5つ」を最高と定義。)

是非の判断が難しい

2013年08月06日 | 時事ネタ関連

1960年代に放送され、今でもディープなファンが多いTV番組「ひょっこりひょうたん島」【動画】。個性豊かなキャラクター達が冒険繰り広げるミュージカル形式の人形劇だが、先日此の番組に関する意外な逸話を知った。13年前、原作者の1人で在る井上ひさし氏が明らかにし、新聞でも報じられたそうなので、御存知の方も居られるとは思うが・・・。

 

【新聞記事】

 

物語の場に於て発生し得る食糧危機』という現実的な問題を回避し、子供達の親や大人に絶望した上で持つ明るさを描くユートピアとする登場人物を全て『死んだ子供達』として物語を作っており、サンデー先生5人の子供達は最初にひょうたん島に遠足に行った時の火山の噴火に巻き込まれて、既に死亡した設定になっている。との事。詰り、「第1話でひょうたん島に遠足に行ったサンデー先生と5人の子供達は、其処で火山の噴火に巻き込まれて全員死亡。以降、最終回の1,224話の全てが、『死後の世界』を描いている。」というのだ。いやあ驚いた。

 

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パキスタン:捨て子の赤ちゃんがクイズ番組の『景品』に」(8月3日、毎日新聞

 

イスラム教の教えをテーマにしたパキスタン民放局の人気クイズ番組で7月、正解した出演者に捨て子の赤ちゃんが「景品」として与えられた。パキスタン内で問題視する声は殆ど上がっていないが、欧米では「奇怪な番組」(デイリー・ミラー紙)等と物議を醸している。

 

番組は、ラマダーン(イスラム教の断食月)に合わせ、民放「ジオ・テレヴィ」が毎晩生放送している「ラマダンの祝福」。司会者のアミール・リアカット・フセイン氏がイスラム教に関する問題を出し、正解者は家電品やオートバイ等を景品として貰っていた。

 

ところが、フセイン氏は先月、捨て子の赤ちゃん2人を子供のない夫婦に相次いで与えた。内1組は、14年間子供に恵まれなかったと言い、「神からの贈り物。」と涙を流して喜ぶ姿が放送された。

 

番組の中でフセイン氏は婚外交渉という罪の結果、こうした赤ちゃんが捨てられた。可愛い此の子達を殺してはならない。等と訴えた。赤ちゃんは福祉団体を通じ、譲り受けていると言う。

 

フセイン氏は、英BBCの取材に「塵箱に捨てられていた赤ちゃんを、子供を必要とする人々に与えているだけだ。」と答え、今後も捨て子を番組の「景品」とする考えだ。

 

国内では、フセイン氏に付いて「家電品等をプレゼントする際に、商品名やスポンサー名を連呼し、イスラムの名を借りた宣伝をしている。」との批判は在るが、捨て子の件は問題となっていない。恵まれない子供達を、社会全体で支えるのは正しい事。首都イスラマバードの住民)と考える人が多い様だ。

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「赤ちゃんをクイズ番組の景品にする。」というのは、どういう状況で在れ、我が国では在り得ない事だろう。「視聴率狙いの、奇抜不謹慎手法。」と叩かれるのは、火を見るよりも明らかだから。欧米でも批判の声が上がっているそうだが、「そうだろうなあ。」とは思う。「『親から見捨てられた赤ちゃん』が居て、又、同時に『赤ちゃんが欲しいのに恵まれない夫婦」が居る。」という現実を考えると、慈しんで大事に育ててくれるならば、仮令「景品」という形で在ったとしても、「結果としては良いんじゃないかなあ。」という思いも在る。

 

「パキスタンには養子縁組公的制度が存在せず、手続き等に付いて定めた法律も無い。」と言う。同番組が“贈呈”した赤ちゃんは、同国の非政府組織(NGO)が路上で発見した子達で、同組織は1ヶ月に十数人の赤ちゃんを受け入れているとか。同組織の運営者が「我々は審査の手続きも踏んでおり、(赤ちゃんを贈呈された)カップルには4~5回会って話し合う。」と語っており、此の点は評価出来る。

 

気になるのは、「クイズの挑戦者は事前に、赤ちゃんが貰える事は知らされていない。」という点。「赤ちゃんがどうしても欲しいのだけれど、恵まれていない。」というカップルなら良いのだが、中には「子供は居ないけれど、どうしても欲しいという訳では無い。」というカップルも居るだろうし、そういう人達に赤ちゃんが景品として当たってしまう可能性は無いのだろうか?


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8 コメント

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Unknown (悠々遊)
2013-08-06 07:36:27
テレビでもセンセーショナルにクイズの「景品」と報道していましたが、嫁さんの実家でチラッと読んだ朝日新聞の記事では、家電製品などを景品とするクイズコーナーとは別で、赤ちゃんのコーナーの出場者には事前に子供が欲しい夫婦か、育てられる環境にあるかを審査しているように書いてあったようでしたが・・・。

クイズの「景品」と捉えればいやな感じはしますが、養子縁組の番組と肯定的に捉えれば意味はあると思いますね。
実の親子関係でも子供は親を選べないし、親もこの子は障害を持っていそうだから産まないとかは、本来あってはならないことですから、ある意味運任せ。

その意味からいえば、通常の養子縁組は養父母側の意思(要望=男の子がいいとか、女の子が欲しいとか)が入りすぎるようにも思いますが、妊娠から出産までの「親になる準備期間」が無い分、それはそれで仕方が無いのかも。
子供への愛情は本能的無条件とばかりは言えませんから。
>悠々遊様 (giants-55)
2013-08-06 09:49:52
書き込み有難う御座いました。今回は、此方にレスを付けさせて貰います。

センセーショナルなニュースでしたので、「ほんまかいな?」と幾つかのメディアを当たってはみたのですが、「通常のクイズ・コーナーとは別。」というのは初めて知りました。其れならば納得です。

「クイズの『景品』と捉えれば嫌な感じはしますが、養子縁組の番組と肯定的に捉えれば、意味は在ると思いますね。」というのは、全く其の通りですね。どういう形で在れ、“子供”も”親”も、双方が幸せになるので在れば、其れは其れで良いと思うんです。

唯、NGOによる“適性検査”は、徹底的に行い続けて貰いたい。世の中には「赤ちゃんの臓器売買」なんていう非道な行為を、平然と行う輩も居ますので。
Unknown (透明人間)
2013-08-06 20:50:16
日本に赤ちゃんポストが有りますが捨てられた赤ちゃんの中には障害の有る赤ちゃんも居ると聞いた事が有ります
障害が有るから捨てる親なら施設で育てられた方が幸せかもしれませんね

中には日本に出稼ぎに来た外国人が日本人との間に赤ちゃんが出来たが本国に帰る時に邪魔だから赤ちゃんポストに捨てた例も有るそうです

ひねくれた発言をすれば昔は赤ちゃんを捨てるならコインロッカーだったけど今は赤ちゃんを捨てるなら赤ちゃんポストですね
>透明人間様 (giants-55)
2013-08-07 00:37:37
書き込み有難う御座いました。

今回の透明人間様の書き込みで、6年前に「育児責任放棄ボックス」(http://blog.goo.ne.jp/giants-55/e/f8682b52fff5a8b2737244b69c4af609)という記事を書いた事を思い出しました。所謂「赤ちゃんポスト」に付いて書いた記事なのですが、積極的にでは無いけれど、「そういうシステムも必要なのだろうなあ。」と賛意を示したのですが、同時に「『赤ちゃんポスト』なる呼称が実態を非常に軽いイメージにさせ、『子捨て』という敷居を低くさせてしまうのでないか。」という懸念も在りました。

子供は親を選べない。子供が不要なら、性行為の際にはきちんと避妊をすべきだし、無責任な親には憤りを覚える。(レイプ等、本人が望まない形での性行為&懐妊の場合は、話は別ですが。)

昔は「コインロッカー・ベイビー」なんていう嫌な言葉が在りましたね。子供の頃、近所の川に段ボール箱が流れていて、友達と「何だろう?」と引き寄せた所、中に子猫が何匹か入っていたのが、凄くショックでした。ガムテームで封がされており、明らかに「死んでも構わない。」という事が判ったので。コインロッカー・ベイビーも、あんな狭い空間に置き去りにするというのは、同じく「死んでも構わない。」という事だったのでしょうね・・・。
Unknown (ぷりな)
2013-08-07 14:27:07
「クイズの『景品』と捉えれば嫌な感じはしますが、養子縁組の番組と肯定的に捉えれば、意味はあると思いますね」というのは同感です。ただ、通常のクイズコーナーとは別のコーナーであっても、同じ番組の中でやることに違和感は残りますが。

>「パキスタンには養子縁組の公的制度が存在せず、手続き等に付いて定めた法律もない」という。
これだからそういう番組が出現するのでしょうね。「あるべき姿を遵守すべし」とするあまりに「枠をはみ出たものは認めない」という姿勢が法律の不作為を生んでいるのではないかと思います。エイズ対策をWHOで話し合ったときに救済対象に同性愛者を盛り込むことにイスラム諸国が強硬に反対したのと同根なのではないかと。
恵まれない子供達を、社会全体で支えるのは正しい事」と考える人が多く、コーナーが問題視されていないというのは、官が不十分だから民がなんとかせざるを得ないという状況でしょうか。NGOには、“親候補”の適性審査と追跡調査、子供がいじめ等に合わないようにプライバシー保護を徹底的に行ってほしい。

わが国では、養子縁組の制度があり、非嫡出子の届け出もできるものの相続や税・社会保障上の扱いに差があったり、実情にそぐわなくなっている300日規定が残っていたりと、「親の因果が子に報い」を法律で肯定し規定しています。
法整備においては、「あるべき姿を遵守する」という考え方と、「良い悪いというより現実」という考え方のバランスが必要であり、「望ましいあり方」にこだわり過ぎず、柔軟に対応することも必要だと思います。親の因果が子に報いてはなりません。
>ぷりな様 (giants-55)
2013-08-07 22:44:25
書き込み有難う御座いました。

ぷりな様の書き込み、「其の通りだなあ。」と頷き乍ら読ませて戴きましたが、特に「『在るべき姿を遵守すべし。』とする余りに『枠をはみ出た物は認めない。』という姿勢が、法律の不作為を生んでいるのではないかと思います。」というのと、「親の因果が子に報いてはなりません。」という部分は、全くの同感です。

世の中「理想」だけを押し通しても上手く行かないし、と言って「現実だからと、何でも彼んでも無条件で受け容れる。」のでは、守らなければいけない物迄が崩れ去ってしまう。「理想」と「現実」の絶妙なバランス取りが大事なんですよね。

「捨て子に、良い親が見付かった。此れでめでたしめでたし。」というので在っては駄目。仰る様にNGO(番組内で取り扱った事での責任からTV局も。)が、貰われていった赤ちゃんのケアを、一定期間は行って欲しいです。
Unknown (マヌケ)
2013-08-11 21:54:22
世界にはまだまだ驚くようなことがたくさんあります。 女子大の前で待ち伏せして、若い女性を物色し、車でさらって遠く離れた村まで連れて行き、村人が総がかりで脅したり、なだめたりしながら無理やり結婚をせまるとか、レイプの被害者が加害者に無理やり婚姻させられるとか、特にイスラム圏には多い因習ですね。 チベットでは、息子の嫁を親族の男が一晩共有するという因習もあります。 日本も戦国時代では、女子供はモノとして扱われておりましたし。 権力と仲良くするためや、力を得るための婚姻や養子縁組は当りまえでした。 仇討が認められていた時代でも、妻や子どものためのかたき討ちは認められておらず、親族の男性の敵討のみが公認されていました。 そういえば、女子供が売られていくと言えば、おしんを思い出します。
>マヌケ様 (giants-55)
2013-08-12 01:19:25
書き込み有難う御座いました。

考えてみれば我が国でも、嘗ては「夜這い」(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%9C%E9%80%99%E3%81%84)なんていう風習が在ったんですよね。今じゃあ道徳的に考えられない話だけれど、田舎では高度成長期辺り迄、此の風習が残っていたと言いますから、イスラム圏の事をどうこう言えないかもしれません。

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