ハンパではない長文ですので、一気に読まない方が良いかと思います。
私の好きな歌謡曲を挙げていこうと思います。今日はお休みですので、暇にまかせて書きたいだけ書いています。
アイドル歌謡曲は歌手の男女を問わず、容姿が第一優先にされるものですネ。しかし時を経た今、懐かしの歌を冷静に聴き直すと、そのメロディーの素晴らしさ、アレンジの妙、歌手としての表現力の豊かさに驚かされることがあります。
もちろん実力派の歌手の作品も味わいがあり、中には実験的な要素を散見できる楽曲もあります。「売れる」ことを前提に作られた作品ですが、しかし「売れる」からこそ「新しい表現を盛り込む」という実験が許される「条件」が備わっているとも考えられます。ビートルズがスタジオで好き勝手に実験を繰り返して、新しい音を採り入れてイメージを具現化していったのと同じ構造です。
そうやって、3分間の使い捨て(私にとっては今でもリアルタイムですが(^^ゞ)の流行歌は進化を遂げてきました。新しいアイディアの実験とビジネスが両立されるのが流行歌の面白いところです。中には失敗作もありますから‥‥。
それでは「私の好きな歌謡曲」、いってみましょう!(音源を持っている方は、聴きながら読んでいただくとわかりやすいと思います。)
●上を向いて歩こう(坂本九)昭和36/10/15発売
シロフォンとブラスの掛け合いが、何とも寂しくって、でも温かくって。元気付けられる歌です。サビの2回目がマイナー・コードになるところは、カラオケで歌うと気持ちがイイです。
●真赤な太陽(美空ひばり)昭和42/5/25発売
美空ひばりの中でもこれだけはよく聴きます。美空ひばりとブルコメ‥‥。不思議なコラボレーションです。今で言うと、モー娘。と五木ひろしのコラボみたいなものでしょうか。(←既に喩えが古い‥‥)
●グッド・ナイト・ベイビー(キングトーンズ)昭和43/5/1発売
日本にもこんなにカッコいいR&Bがあったのです。子どもの頃から大好きでしたが、当時は子守唄だと思っていました(^^ゞ
●愛のさざなみ(島倉千代子)昭和43/7/1発売
20年くらい前に桑田佳祐と松任谷由実が中心となって日テレで放映された「Merry Xmas Show」で聞いて、初めてこの歌の存在を知りました。外国人によるロック色の強いアレンジで、歌っているのが島倉千代子だということを忘れてしまいます(^^ゞ
●恋の季節(ピンキーとキラーズ)昭和43/7/20発売
ピンキーこと今陽子さんはウマいですネ~。こんなに腹から声を出す女性ヴォーカリストって、最近はいるのでしょうか。「キラーズ」というネーミングと全員がヒゲというコンセプトは、なかなかにオシャレだったと思います。フルートのソロがサイケな雰囲気です。ミキシングは最近の発想とは全く逆で、コーラスを中央に押し込め、ドラムスが右チャンネルに振り切られています。リミックスして逆にしてもらえると、ヘッドフォンで聴く場合には聴きやすくなるのですが‥‥。
●愛の奇跡(ヒデとロザンナ)昭和43/10/15発売
こんなにカッコいいグルーヴの歌が昭和43年にリリースされていたのですネ。ブラスの合いの手がいいツッコミ加減です。ストリングスも存在感のあるリフを奏でています。
●夜明けのスキャット(由紀さおり)昭和44/3/10発売
イントロのギターはサイモン&ガーファンクルの「Sound Of Silence」に似ていると言われますが、そんなことを抜きにしても美しいメロディです。ギター×2、ベース、ビブラフォン、ドラムス、ストリングスという楽器選択も渋い。こんな歌がラジオから流れてくる'60年代って、なかなか素敵です。
●花嫁(はしだのりひことクライマックス)昭和46/1/10発売
これを「歌謡曲」に分類して良いものか迷うところですが、私とこの歌との出会い方が歌謡番組でしたので、歌謡曲ということにします。メロディがイイですネェ。私はこの歌の意味もわからず、バス旅行の車内で歌ったことを覚えています(^^ゞ
●また逢う日まで(尾崎紀世彦)昭和46/3/5発売
ベースが走り回っています! こんなにベースが動いている歌だとは思っていなかったので、そのカッコよさに惚れ直しました。ストリングスのオブリガードがイイ! 当時私は「♪その時二人は何かを」を「その時二人 曲がり角」と聞き違えていました(^^ゞ
●さらば恋人(堺正章)昭和46/5/1発売
フィル・スペクターのような音像がカッコいい! サビの盛り上がりは絶品!
●真夏の出来事(平山三紀)昭和46/5/25発売
あちらこちらでこの楽曲の良さは語り尽くされていますネ。ベースとマリンバのユニゾンのリフなんてアイディアがどこから出てくるのでしょう。ドラムスはほとんどスネアを使わないし‥‥。ミニマルなコンボにブラスとストリングスが加わり、全体が管弦楽的な発想でアレンジされているのが面白いです。
●17才(南沙織)昭和46/6/1発売
「♪二人の愛を確かめたくて~」の変則的な拍子の感じが引っ掛かり、逆にキャッチーになっています。ハツラツとした歌詞、特に「♪私は今生きている」という部分が「17才」というテーマを浮き彫りにしています。
●雨の御堂筋(欧陽菲菲)昭和46/9/5発売
ベンチャーズが作曲したことが当時はクローズアップされていましたが、よくできた「歌謡曲」になっているのが面白いです。Aメロ前の「チャチャンチャン」というフレーズがキャッチーですネ。
●ハチのムサシは死んだのさ(平田隆夫とセルスターズ)昭和47/2/15発売
一見コミカルだけれど無情感が漂う歌詞、ソフトにサイケな演奏、ママス&パパスの「夢のカリフォルニア」のようなコーラスなど、当時子どもだった私にはずいぶんと刺激的な歌でした。セルスターズはこの歌が有名ですが、オリコンで1位になったのは「悪魔がにくい」の方で、この歌は5位止まりでした。
●この愛に生きて(内山田洋とクールファイブ)昭和47/3/15発売
クールファイブはカッコいい! ハードなギター、激しいドラムス! 熱い前川清のヴォーカル! 『欽どん』でコミカルな面を見せてくれましたが、ヴォーカリストとしての前川清は熱い! 彼は生き方を間違えています^^;
●あの鐘を鳴らすのはあなた(和田アキ子)昭和47/3/25発売
最近サンボマスターがカバーしましたが、単なるシャウトではなく、ホルンのオブリガードによるオリジナルの崇高な雰囲気は捨て難いです。分厚いコーラスや、ブラスの合いの手、走り回るベースの醸すグルーヴも味わい深い! しかし当時はあまりヒットしなかったのですネ。
●恋の追跡(ラヴ・チェイス)(欧陽菲菲)昭和47/4/5発売
ベースが走る走る! 欧陽菲菲のパンチがきまったゼ、セニョール!
●芽ばえ(麻丘めぐみ)昭和47/6/5発売
AメロとBメロだけで成立している歌で、それぞれが美しいメロディを持っています。Aメロでのフルートの合いの手、Bメロでのストリングスのオブリガードなど、思春期の少女の心情を描いた歌詞に呼応した素敵なチョイスです。間奏のハーモニカもいいフレーズです。ヴォーカルも含めて全体のリヴァーヴに一体感があり、どの音も浮き上がっていません。特にストリングスの重厚でいて爽やかな響きは、楽曲全体のイメージを決定付けています。Bメロのヴォーカルがダブル・トラッキングになりますが、音程はしっかりしていると思います。麻丘めぐみってけっこう歌唱力がありますネ。
●喝采(ちあきなおみ)昭和47/9/10発売
メロディが美しく劇的です。歌詞の内容が「訃報」だとは子どもの頃は知りませんでした。しかも主人公は「歌手」なのですネ。もっとゆったりとしたリズム・アレンジでも良かったように思います。
●そして、神戸(内山田洋とクールファイブ)昭和47/11/15発売
ん~、やっぱりクールファイブはカッコいい! 彼らが演奏しながら歌うところをTVで見たことがありますが、小林さん(南州太郎さん似の人)がギターを弾いているところを見て惚れ惚れしました。
●じんじんさせて(山本リンダ)昭和47/11/25発売
山本リンダはリズムに乗り切れず遅れがちになることが多いですが、この歌ではバッチリ乗っています。それにしても、なぜ中華風のイントロ?
●夢の中へ(井上陽水)昭和48/3/1発売
これはTVの『シオノギ ミュージック・フェア』で聴いて気に入ったものです。同じ回に『ケ・サラ』や『出発の歌』が歌われていたと記憶しているので、もしかしたら上條恒彦がゲストで出演していたのかな? だからずっと後にレコードを買いました。ツインのリードとアコギのリードなど、ギターが前面に出た、勢いのあるアレンジが心地よいです。歌詞も深い味があって。でも安易に「探し物のテーマ曲」になってしまうのも事実ですが‥‥(^^ゞ
●ジョニイへの伝言(ペドロ&カプリシャス)昭和48/3/10発売
出だしの「♪ジョニイが来たなら伝えてよ」のメロディの不思議さに惹かれました。私のカラオケの十八番だったのですが、最近はこのキーが出なくなりました(T_T) 日本が世界に誇れる楽曲の1つでしょう。ピンキーと比べると高橋真理子さんも声が出ていませんネ‥‥。
●妖精の詩(アグネス・チャン)昭和48/4/10発売
夢のある歌詞が彼女のイメージにピッタリでした。「♪爽やか『青い』草原を」「♪姿を『いつか』見かけたら」などで聞かれる、滑らかに半音下がる歌い方が病み付きになります。これは彼女の癖なのでしょうか。「ひなげしの花」のサビでは「♪愛の思いは『胸に』」「♪愛の涙は『今日も』」に同様の歌い方があります。
●心の旅(チューリップ)昭和48/4/20発売
「恋する夏の日」とセットで覚えています。同じ頃にヒットしたからでしょうネ。とってもキャッチーなサビで、私もよく大声で歌っていました。小学生が「♪あーだから今夜だけはキミを抱いていたい~」なんて‥‥(^^ゞ 「さらば恋人」や「花嫁」と同じく、列車でどこかへ行く歌って、「決意」が込められた雰囲気を持ったものが多いですネ。間奏のギターの音色がもう少しエフェクトされていると良いのに‥‥。
●危険なふたり(沢田研二)昭和48/4/21発売
沢田研二は歌謡界では5本の指に入るヴォーカリストであると私は思います。悠木千帆ではありませんが、「ジュリ~」と叫びたくなるようなカッコよさでした。ギターのイントロやノリの良いベース、半音を使った不思議なメロディ、低音のチェロ、コントラバスを効果的に使ったアレンジもポップです。
●夜間飛行(ちあきなおみ)昭和48/6/25発売
「♪二度と帰らないの そして帰らないの」のメロディとベースの絡みが大好きです。「喝采」とは別の意味で劇的です。
●街の灯り(堺正章)昭和48/6/25
沁みるなぁ~。歌詞とメロディの幸せな出会いですネ。クラビネットのような音のシンセは、本物のクラビを使った方が良かったのに‥‥。
●恋する夏の日(天地真理)昭和48/7/1発売
たしかに名曲です! ストリングスのピチカートも素敵ですし、曲の構成も見事です。しかし、天地真理の声質と楽曲の爽やかさは合っていないような‥‥。
●甘い十字架(布施明)昭和48/7/25発売
布施明も私の好きなヴォーカリストです。サビの転調が気持ちいいです。分厚いブラスとストリングスが楽曲の「熱」を高めています。ベースはアニソン界では有名な「ゲッター・ベース」のように走り回っています!
●個人授業(フィンガー5)昭和48/8/25発売
ドライヴしているベースがスゴイ! どんなエフェクターを掛けているのでしょう? この1曲で私はフィンガー5の虜になりました。自分の小遣いで買った最初のレコードです(^o^) 「学園天国」ばかりカバーされますが、こっちの方が曲はカッコいいと思います。ただし歌詞が‥‥^^; 都倉俊一は自分の曲をあちらこちらで引用して別の曲に仕上げることがよくありますが、この歌は山本リンダの曲にそっくりなの(曲名は失念)があります^^;
●みずいろの手紙(あべ静江)昭和48/9/20発売
イントロのホルンのオブリガードが美しいです。父があべ静江のファンだったのですが、子どもの目にはオバサンに見えました。しかし、今見るとたしかに美しいです。あと10年早く生まれていれば!
●ひとかけらの純情(南沙織)昭和48/12/5発売
この歌は既にHPの方で扱いました。サビから始まり、「Aメロ」と「サビ」だけで成立している構成に驚きます。魅力あるメロディは、それだけで楽曲を成立させるということでしょうか。
●きりきり舞い(山本リンダ)昭和48/12/10発売
ダブル・トラッキングの呟くようなヴォーカルがドキッとさせてくれます。リコーダーと低音オルガンのユニゾンが不思議な味を出しています。
●あなた(小坂明子)昭和48/12/21発売
やっぱり名曲ですヨ、これは! TVを通してこういう歌に出会えたことは、貴重な体験でした。
●魅せられた夜(沢田研二)昭和48/12/21発売
スケールの大きな、ゆったりした曲調にエレピがピッタリです。こんなにエレピが大きくフィーチャーされた歌謡曲も珍しいですネ。しかし私はブラスによる合いの手だけは不満で、スラーで演奏した方が良かったと思います。
●ときめき(麻丘めぐみ)昭和49/1/15発売
出だしから「♪大事にしてネ 二人の考えることは一つ」なんてキワドイ歌詞にドキドキします(^^ゞ その後には「♪大人の人は皆 経験したことネ」なんて‥‥(*^o^*) 当時としては画期的・衝撃的な歌詞だったでしょう。ん? 当時の私はこの歌を口ずさんでいたかも‥‥。うわぁ、何て恥ずかしいことを‥‥(^^ゞ しかしメロディはポップで、「チャッチャッチャー」というキャッチーなフレーズもあって楽しい楽曲です。
●薔薇の鎖(西城秀樹)昭和49/2/5発売
スタンド・マイクでのパフォーマンスがカッコよかったです。楽曲もポップで素敵です。
●学園天国(フィンガー5)昭和49/3/5発売
ベースのフレーズがスゴイ! 教室で黒板に落書きをしてあるレコード・ジャケットのアイディアがイカシていました。「席替え」をテーマにした歌は親近感があり、小学生だった私は大喜びでした。私はこのシングルを買ったら、レコード盤が2枚入っていてビックリした経験があります。
●古い日記(和田アキ子)昭和49/3/5発売
よくモノマネのネタになっていますが、あの「ハッ!」はなかなか難しいですヨ。ギターのリフが「氷の世界」に似ているなぁと思います^^; サビの前の部分は「どうにもとまらない」のイントロにも似ているし。存在感のあるストリングスが熱い! この歌も当時はあまりヒットしていなかったのですが、記憶には残っています。もっと見直されてイイ楽曲ですネ。
●恋は邪魔もの(沢田研二)昭和49/3/21発売
最近再発された「ロイヤル・ストレート・フラッシュ」には収録されなかったのが残念です‥‥。ギター×2、生ピアノ、シンセ、ベース、ドラムスというストレートなバンド・サウンドがキマッています。ツイン・リードとベースのユニゾンのイントロのリフがカッコいい! 私はTVの歌謡番組で見てこのギターの音に魅せられ、初めて「ロック」というものを意識しました(^^ゞ シンセの「ギュイーン」という音も効果的です。
●花とみつばち(郷ひろみ)昭和49/3/21発売
エフェクターを掛けまくったギターが印象的ですが、歌詞もメロディも人を食っていて面白い1曲です。
●黄色いリボン(桜田淳子)昭和49/5/25発売
先日述べた通りです。それにしても「黄色いリボン」が「ラブサイン」とはどういう意味?
●追憶(沢田研二)昭和49/7/10発売
Aメロでのバスドラムの「ドン ドド ドン ドド」という16ビートは、当時としては新鮮でした。かなり難しいパターンをキッチリと叩いているドラムスはだれが叩いているのでしょう。資料が無いのが残念です。ストリングスのオブリガードも雰囲気があり、艶やかな音色はレコーディングとミキシングのエンジニアの技術力も高いですネ。「♪Oh ニーナ~」と一気に盛り上がるサビの開放感にシビれます。イントロと間奏にはエレキ・シタールが使われ効果的です。
●上級生(フィンガー5)昭和49/9/10発売
正男と晃のユニゾンがオクターブ違うことに驚き! 掛け合いのヴォーカルもソウルフルで素晴らしいです。この後、晃は変声期を迎えてグループ自体が失速していってしまいます‥‥(T_T)
●ゴロワーズを吸ったことがあるかい(かまやつひろし)昭和50/2/5発売
「我が良き友よ」のB面として出会いました。サックス、トロンボーンを主体とした低音のブラスが渋い! ハモンドの叩くような奏法、ベースの奔放なリズムなど、刺激的な演奏です。サビの後のフランジャーの掛かったコーラスに浮遊感があって、ブラスのクレッシェンド、ギターのソロと絡んでカッコよ過ぎ! 哲学的なんだかコミカルなんだか小学生だった私には判断できませんでしたが、当時から大好きな歌です。こんなのがカラオケにあるのに驚きです。
●この愛のときめき(西城秀樹)昭和50/2/25発売
リードギターの音色・フレーズが美しい。メロディは最高! でもコーラスは悪趣味‥‥。サビのブラスとドラムスのリズム・アレンジももう少し練られているとイイのに‥‥。
●ぼくらのパパは空手の先生(フィンガー5)昭和50/6/21発売
これもHPの方で詳しく述べています。メロディーのポップさ、曲構成の見事さは傑作です。ただし歌詞と間奏部の「五十拳! 蛇の型! (オ~リャ~)」が‥‥。別の歌詞を乗せたら素晴らしい楽曲として生まれ変わりそうです。阿久悠大先生には失礼ですが、だれか作り直しませんかネェ。
●ただお前がいい(中村雅俊)昭和50/10/10発売
A面の「俺たちの旅」よりもこちらの方がお気に入りです。サビのチェロのフレーズがイイですネ。番組の余韻が感じられる穏やかな曲調で、いつまでも聴いていたくなります。(少々涙ぐみながら(^^ゞ)
●時代(中島みゆき)昭和50/12/21発売
ポプコン関係から。これは中島みゆき本人の歌としてではなく、『シオノギ ミュージック・フェア』で大人数の若者コーラス隊が歌っているのを聞いて気に入ったのでした。
●ステーション(草刈正雄)昭和51/2/25発売
当時、ラジカセかコンポのCMに使われていました。草刈正雄が主演の新しい「若大将シリーズ」の映画にも使われたそうです。CD化されていないのが残念です‥‥。劇的な歌詞と情感たっぷりの草刈正雄のヴォーカルが見事に融合した名曲です。草刈正雄はけっこう歌がウマい(^o^) 特にサビの「♪あの日ここで落ち合うと」からの転調がキマっています。イントロのトレモロのストリングスと、ギターが美しい。Aメロのオブリガードに使われているオーボエが切なく迫ってきます。
●春一番(キャンディーズ)昭和51/3/1発売
シンセと歪んだリードギターのカッコよさに驚きました。女性ヴォーカルの楽曲でこんなに歪んだギターの採用というのは初めてなのではないでしょうか。中央のチャンネルで鳴っているクラビネットもイイ味です。
●きみ可愛いね(伊藤咲子)昭和51/3/5発売
イントロのずっと八分で同じ音を弾くベースと「シャラララーラー ラーララーラー」のフレーズからワクワク! Aメロに入ってからの四分のベースが、逆にリズミカルなメロディを引き立てます。全体に楽器は控えめなミキシングです。中央の「ワウチャカ」と鳴っている控えめなギターと、左チャンネルのリズムギター、右チャンネルのリードギターと、3本もギターが使われているとは感じられません。しかしフルートは効果的に使われています。ブラス(トランペット1本のみ)が最も控えめです。ストリングスは少し大きめですが、ミキシングのバランスが絶妙です。
●夏にご用心(桜田淳子)昭和51/5/25発売
「♪白い水着の跡が」のメロディがゆったりするからこそイイですネェ。
●夏が来た!(キャンディーズ)昭和51/5/31発売
のんびりした歌詞と爽やかなメロディが心地よい。私にとっては南沙織の「17才」とイメージがダブるのですが、それは舞台が海であることと「生きている」という歌詞のためでしょう。
●哀愁のシンフォニー(キャンディーズ)昭和51/11/21発売
秋らしい、しとやかなメロディが素敵です。ハーモニーも美しい。曲構成もドラマティックです。昭和51年はキャンディーズのピークだったのでしょうか。傑作が続出した年だったと思います。
●真夜中のヒーロー(郷ひろみ)昭和52/2/1発売
かなり実験的な楽曲です。それでも当時はオリコンで5位まで上昇したのですネ。以前は普通のベスト盤CDにも収録されていましたが、現在は高価なBOXセットでのみ入手可能です。妖しく美しいメロディがベースとバスドラムだけの演奏に乗っているなんて、ずいぶん思い切ったアレンジをしています。
●センチメンタル・シティー(草刈正雄)昭和52/4/25発売
『華麗なる刑事』の主題歌でした。リズムパターンが都会的でカッコいいです。それまでこういうリズムをあまり聞いたことが無かったので、とっても「大人の音楽」に聞こえました。ストリングスのオブリガードがサビを大いに盛り上げます。
●愛のメモリー(松崎しげる)昭和52/8/10発売
「古い日記」と同じ馬飼野康二の作・編曲で、レコーディング技術の進歩から楽器選択も変化してきたのでしょうか。エンディングのシャウトは絶品です。しかも間奏明けからは転調してさらにキーが高くなっているし(^o^) こういう熱唱型のヴォーカルは、TVで一発聴いた時の印象が強いですネ。歌手のトークなどよりも、楽曲の魅力を優先させた歌番組はもう成立しないのでしょうか‥‥。
●微笑がえし(キャンディーズ)昭和53/2/25発売
それまでのシングル曲のタイトルを盛り込んだ阿木燿子による歌詞が、キャンディーズの歴史や、解散までの時間が迫っていることを感じさせ、当時は寂しくなりました。コーラスの「ハウ」というのも「年下の男の子」を思わせる仕掛けですネ。
●TOKIO(沢田研二)昭和55/1/1発売
パラシュートを背負ったステージ衣装のお陰で「イロモノ」扱いされがちな楽曲ですが、ここでのベース・プレイは超絶モノです! 間奏のアコギとシンセの音色もよく練られていて、完成度の高い作品です。
ふ~、書いた書いた‥‥。
最後まで読んでくださった方、本当にありがとうございますm(_ _)m お疲れ様でした。
私の好きな歌謡曲を挙げていこうと思います。今日はお休みですので、暇にまかせて書きたいだけ書いています。
アイドル歌謡曲は歌手の男女を問わず、容姿が第一優先にされるものですネ。しかし時を経た今、懐かしの歌を冷静に聴き直すと、そのメロディーの素晴らしさ、アレンジの妙、歌手としての表現力の豊かさに驚かされることがあります。
もちろん実力派の歌手の作品も味わいがあり、中には実験的な要素を散見できる楽曲もあります。「売れる」ことを前提に作られた作品ですが、しかし「売れる」からこそ「新しい表現を盛り込む」という実験が許される「条件」が備わっているとも考えられます。ビートルズがスタジオで好き勝手に実験を繰り返して、新しい音を採り入れてイメージを具現化していったのと同じ構造です。
そうやって、3分間の使い捨て(私にとっては今でもリアルタイムですが(^^ゞ)の流行歌は進化を遂げてきました。新しいアイディアの実験とビジネスが両立されるのが流行歌の面白いところです。中には失敗作もありますから‥‥。
それでは「私の好きな歌謡曲」、いってみましょう!(音源を持っている方は、聴きながら読んでいただくとわかりやすいと思います。)
●上を向いて歩こう(坂本九)昭和36/10/15発売
シロフォンとブラスの掛け合いが、何とも寂しくって、でも温かくって。元気付けられる歌です。サビの2回目がマイナー・コードになるところは、カラオケで歌うと気持ちがイイです。
●真赤な太陽(美空ひばり)昭和42/5/25発売
美空ひばりの中でもこれだけはよく聴きます。美空ひばりとブルコメ‥‥。不思議なコラボレーションです。今で言うと、モー娘。と五木ひろしのコラボみたいなものでしょうか。(←既に喩えが古い‥‥)
●グッド・ナイト・ベイビー(キングトーンズ)昭和43/5/1発売
日本にもこんなにカッコいいR&Bがあったのです。子どもの頃から大好きでしたが、当時は子守唄だと思っていました(^^ゞ
●愛のさざなみ(島倉千代子)昭和43/7/1発売
20年くらい前に桑田佳祐と松任谷由実が中心となって日テレで放映された「Merry Xmas Show」で聞いて、初めてこの歌の存在を知りました。外国人によるロック色の強いアレンジで、歌っているのが島倉千代子だということを忘れてしまいます(^^ゞ
●恋の季節(ピンキーとキラーズ)昭和43/7/20発売
ピンキーこと今陽子さんはウマいですネ~。こんなに腹から声を出す女性ヴォーカリストって、最近はいるのでしょうか。「キラーズ」というネーミングと全員がヒゲというコンセプトは、なかなかにオシャレだったと思います。フルートのソロがサイケな雰囲気です。ミキシングは最近の発想とは全く逆で、コーラスを中央に押し込め、ドラムスが右チャンネルに振り切られています。リミックスして逆にしてもらえると、ヘッドフォンで聴く場合には聴きやすくなるのですが‥‥。
●愛の奇跡(ヒデとロザンナ)昭和43/10/15発売
こんなにカッコいいグルーヴの歌が昭和43年にリリースされていたのですネ。ブラスの合いの手がいいツッコミ加減です。ストリングスも存在感のあるリフを奏でています。
●夜明けのスキャット(由紀さおり)昭和44/3/10発売
イントロのギターはサイモン&ガーファンクルの「Sound Of Silence」に似ていると言われますが、そんなことを抜きにしても美しいメロディです。ギター×2、ベース、ビブラフォン、ドラムス、ストリングスという楽器選択も渋い。こんな歌がラジオから流れてくる'60年代って、なかなか素敵です。
●花嫁(はしだのりひことクライマックス)昭和46/1/10発売
これを「歌謡曲」に分類して良いものか迷うところですが、私とこの歌との出会い方が歌謡番組でしたので、歌謡曲ということにします。メロディがイイですネェ。私はこの歌の意味もわからず、バス旅行の車内で歌ったことを覚えています(^^ゞ
●また逢う日まで(尾崎紀世彦)昭和46/3/5発売
ベースが走り回っています! こんなにベースが動いている歌だとは思っていなかったので、そのカッコよさに惚れ直しました。ストリングスのオブリガードがイイ! 当時私は「♪その時二人は何かを」を「その時二人 曲がり角」と聞き違えていました(^^ゞ
●さらば恋人(堺正章)昭和46/5/1発売
フィル・スペクターのような音像がカッコいい! サビの盛り上がりは絶品!
●真夏の出来事(平山三紀)昭和46/5/25発売
あちらこちらでこの楽曲の良さは語り尽くされていますネ。ベースとマリンバのユニゾンのリフなんてアイディアがどこから出てくるのでしょう。ドラムスはほとんどスネアを使わないし‥‥。ミニマルなコンボにブラスとストリングスが加わり、全体が管弦楽的な発想でアレンジされているのが面白いです。
●17才(南沙織)昭和46/6/1発売
「♪二人の愛を確かめたくて~」の変則的な拍子の感じが引っ掛かり、逆にキャッチーになっています。ハツラツとした歌詞、特に「♪私は今生きている」という部分が「17才」というテーマを浮き彫りにしています。
●雨の御堂筋(欧陽菲菲)昭和46/9/5発売
ベンチャーズが作曲したことが当時はクローズアップされていましたが、よくできた「歌謡曲」になっているのが面白いです。Aメロ前の「チャチャンチャン」というフレーズがキャッチーですネ。
●ハチのムサシは死んだのさ(平田隆夫とセルスターズ)昭和47/2/15発売
一見コミカルだけれど無情感が漂う歌詞、ソフトにサイケな演奏、ママス&パパスの「夢のカリフォルニア」のようなコーラスなど、当時子どもだった私にはずいぶんと刺激的な歌でした。セルスターズはこの歌が有名ですが、オリコンで1位になったのは「悪魔がにくい」の方で、この歌は5位止まりでした。
●この愛に生きて(内山田洋とクールファイブ)昭和47/3/15発売
クールファイブはカッコいい! ハードなギター、激しいドラムス! 熱い前川清のヴォーカル! 『欽どん』でコミカルな面を見せてくれましたが、ヴォーカリストとしての前川清は熱い! 彼は生き方を間違えています^^;
●あの鐘を鳴らすのはあなた(和田アキ子)昭和47/3/25発売
最近サンボマスターがカバーしましたが、単なるシャウトではなく、ホルンのオブリガードによるオリジナルの崇高な雰囲気は捨て難いです。分厚いコーラスや、ブラスの合いの手、走り回るベースの醸すグルーヴも味わい深い! しかし当時はあまりヒットしなかったのですネ。
●恋の追跡(ラヴ・チェイス)(欧陽菲菲)昭和47/4/5発売
ベースが走る走る! 欧陽菲菲のパンチがきまったゼ、セニョール!
●芽ばえ(麻丘めぐみ)昭和47/6/5発売
AメロとBメロだけで成立している歌で、それぞれが美しいメロディを持っています。Aメロでのフルートの合いの手、Bメロでのストリングスのオブリガードなど、思春期の少女の心情を描いた歌詞に呼応した素敵なチョイスです。間奏のハーモニカもいいフレーズです。ヴォーカルも含めて全体のリヴァーヴに一体感があり、どの音も浮き上がっていません。特にストリングスの重厚でいて爽やかな響きは、楽曲全体のイメージを決定付けています。Bメロのヴォーカルがダブル・トラッキングになりますが、音程はしっかりしていると思います。麻丘めぐみってけっこう歌唱力がありますネ。
●喝采(ちあきなおみ)昭和47/9/10発売
メロディが美しく劇的です。歌詞の内容が「訃報」だとは子どもの頃は知りませんでした。しかも主人公は「歌手」なのですネ。もっとゆったりとしたリズム・アレンジでも良かったように思います。
●そして、神戸(内山田洋とクールファイブ)昭和47/11/15発売
ん~、やっぱりクールファイブはカッコいい! 彼らが演奏しながら歌うところをTVで見たことがありますが、小林さん(南州太郎さん似の人)がギターを弾いているところを見て惚れ惚れしました。
●じんじんさせて(山本リンダ)昭和47/11/25発売
山本リンダはリズムに乗り切れず遅れがちになることが多いですが、この歌ではバッチリ乗っています。それにしても、なぜ中華風のイントロ?
●夢の中へ(井上陽水)昭和48/3/1発売
これはTVの『シオノギ ミュージック・フェア』で聴いて気に入ったものです。同じ回に『ケ・サラ』や『出発の歌』が歌われていたと記憶しているので、もしかしたら上條恒彦がゲストで出演していたのかな? だからずっと後にレコードを買いました。ツインのリードとアコギのリードなど、ギターが前面に出た、勢いのあるアレンジが心地よいです。歌詞も深い味があって。でも安易に「探し物のテーマ曲」になってしまうのも事実ですが‥‥(^^ゞ
●ジョニイへの伝言(ペドロ&カプリシャス)昭和48/3/10発売
出だしの「♪ジョニイが来たなら伝えてよ」のメロディの不思議さに惹かれました。私のカラオケの十八番だったのですが、最近はこのキーが出なくなりました(T_T) 日本が世界に誇れる楽曲の1つでしょう。ピンキーと比べると高橋真理子さんも声が出ていませんネ‥‥。
●妖精の詩(アグネス・チャン)昭和48/4/10発売
夢のある歌詞が彼女のイメージにピッタリでした。「♪爽やか『青い』草原を」「♪姿を『いつか』見かけたら」などで聞かれる、滑らかに半音下がる歌い方が病み付きになります。これは彼女の癖なのでしょうか。「ひなげしの花」のサビでは「♪愛の思いは『胸に』」「♪愛の涙は『今日も』」に同様の歌い方があります。
●心の旅(チューリップ)昭和48/4/20発売
「恋する夏の日」とセットで覚えています。同じ頃にヒットしたからでしょうネ。とってもキャッチーなサビで、私もよく大声で歌っていました。小学生が「♪あーだから今夜だけはキミを抱いていたい~」なんて‥‥(^^ゞ 「さらば恋人」や「花嫁」と同じく、列車でどこかへ行く歌って、「決意」が込められた雰囲気を持ったものが多いですネ。間奏のギターの音色がもう少しエフェクトされていると良いのに‥‥。
●危険なふたり(沢田研二)昭和48/4/21発売
沢田研二は歌謡界では5本の指に入るヴォーカリストであると私は思います。悠木千帆ではありませんが、「ジュリ~」と叫びたくなるようなカッコよさでした。ギターのイントロやノリの良いベース、半音を使った不思議なメロディ、低音のチェロ、コントラバスを効果的に使ったアレンジもポップです。
●夜間飛行(ちあきなおみ)昭和48/6/25発売
「♪二度と帰らないの そして帰らないの」のメロディとベースの絡みが大好きです。「喝采」とは別の意味で劇的です。
●街の灯り(堺正章)昭和48/6/25
沁みるなぁ~。歌詞とメロディの幸せな出会いですネ。クラビネットのような音のシンセは、本物のクラビを使った方が良かったのに‥‥。
●恋する夏の日(天地真理)昭和48/7/1発売
たしかに名曲です! ストリングスのピチカートも素敵ですし、曲の構成も見事です。しかし、天地真理の声質と楽曲の爽やかさは合っていないような‥‥。
●甘い十字架(布施明)昭和48/7/25発売
布施明も私の好きなヴォーカリストです。サビの転調が気持ちいいです。分厚いブラスとストリングスが楽曲の「熱」を高めています。ベースはアニソン界では有名な「ゲッター・ベース」のように走り回っています!
●個人授業(フィンガー5)昭和48/8/25発売
ドライヴしているベースがスゴイ! どんなエフェクターを掛けているのでしょう? この1曲で私はフィンガー5の虜になりました。自分の小遣いで買った最初のレコードです(^o^) 「学園天国」ばかりカバーされますが、こっちの方が曲はカッコいいと思います。ただし歌詞が‥‥^^; 都倉俊一は自分の曲をあちらこちらで引用して別の曲に仕上げることがよくありますが、この歌は山本リンダの曲にそっくりなの(曲名は失念)があります^^;
●みずいろの手紙(あべ静江)昭和48/9/20発売
イントロのホルンのオブリガードが美しいです。父があべ静江のファンだったのですが、子どもの目にはオバサンに見えました。しかし、今見るとたしかに美しいです。あと10年早く生まれていれば!
●ひとかけらの純情(南沙織)昭和48/12/5発売
この歌は既にHPの方で扱いました。サビから始まり、「Aメロ」と「サビ」だけで成立している構成に驚きます。魅力あるメロディは、それだけで楽曲を成立させるということでしょうか。
●きりきり舞い(山本リンダ)昭和48/12/10発売
ダブル・トラッキングの呟くようなヴォーカルがドキッとさせてくれます。リコーダーと低音オルガンのユニゾンが不思議な味を出しています。
●あなた(小坂明子)昭和48/12/21発売
やっぱり名曲ですヨ、これは! TVを通してこういう歌に出会えたことは、貴重な体験でした。
●魅せられた夜(沢田研二)昭和48/12/21発売
スケールの大きな、ゆったりした曲調にエレピがピッタリです。こんなにエレピが大きくフィーチャーされた歌謡曲も珍しいですネ。しかし私はブラスによる合いの手だけは不満で、スラーで演奏した方が良かったと思います。
●ときめき(麻丘めぐみ)昭和49/1/15発売
出だしから「♪大事にしてネ 二人の考えることは一つ」なんてキワドイ歌詞にドキドキします(^^ゞ その後には「♪大人の人は皆 経験したことネ」なんて‥‥(*^o^*) 当時としては画期的・衝撃的な歌詞だったでしょう。ん? 当時の私はこの歌を口ずさんでいたかも‥‥。うわぁ、何て恥ずかしいことを‥‥(^^ゞ しかしメロディはポップで、「チャッチャッチャー」というキャッチーなフレーズもあって楽しい楽曲です。
●薔薇の鎖(西城秀樹)昭和49/2/5発売
スタンド・マイクでのパフォーマンスがカッコよかったです。楽曲もポップで素敵です。
●学園天国(フィンガー5)昭和49/3/5発売
ベースのフレーズがスゴイ! 教室で黒板に落書きをしてあるレコード・ジャケットのアイディアがイカシていました。「席替え」をテーマにした歌は親近感があり、小学生だった私は大喜びでした。私はこのシングルを買ったら、レコード盤が2枚入っていてビックリした経験があります。
●古い日記(和田アキ子)昭和49/3/5発売
よくモノマネのネタになっていますが、あの「ハッ!」はなかなか難しいですヨ。ギターのリフが「氷の世界」に似ているなぁと思います^^; サビの前の部分は「どうにもとまらない」のイントロにも似ているし。存在感のあるストリングスが熱い! この歌も当時はあまりヒットしていなかったのですが、記憶には残っています。もっと見直されてイイ楽曲ですネ。
●恋は邪魔もの(沢田研二)昭和49/3/21発売
最近再発された「ロイヤル・ストレート・フラッシュ」には収録されなかったのが残念です‥‥。ギター×2、生ピアノ、シンセ、ベース、ドラムスというストレートなバンド・サウンドがキマッています。ツイン・リードとベースのユニゾンのイントロのリフがカッコいい! 私はTVの歌謡番組で見てこのギターの音に魅せられ、初めて「ロック」というものを意識しました(^^ゞ シンセの「ギュイーン」という音も効果的です。
●花とみつばち(郷ひろみ)昭和49/3/21発売
エフェクターを掛けまくったギターが印象的ですが、歌詞もメロディも人を食っていて面白い1曲です。
●黄色いリボン(桜田淳子)昭和49/5/25発売
先日述べた通りです。それにしても「黄色いリボン」が「ラブサイン」とはどういう意味?
●追憶(沢田研二)昭和49/7/10発売
Aメロでのバスドラムの「ドン ドド ドン ドド」という16ビートは、当時としては新鮮でした。かなり難しいパターンをキッチリと叩いているドラムスはだれが叩いているのでしょう。資料が無いのが残念です。ストリングスのオブリガードも雰囲気があり、艶やかな音色はレコーディングとミキシングのエンジニアの技術力も高いですネ。「♪Oh ニーナ~」と一気に盛り上がるサビの開放感にシビれます。イントロと間奏にはエレキ・シタールが使われ効果的です。
●上級生(フィンガー5)昭和49/9/10発売
正男と晃のユニゾンがオクターブ違うことに驚き! 掛け合いのヴォーカルもソウルフルで素晴らしいです。この後、晃は変声期を迎えてグループ自体が失速していってしまいます‥‥(T_T)
●ゴロワーズを吸ったことがあるかい(かまやつひろし)昭和50/2/5発売
「我が良き友よ」のB面として出会いました。サックス、トロンボーンを主体とした低音のブラスが渋い! ハモンドの叩くような奏法、ベースの奔放なリズムなど、刺激的な演奏です。サビの後のフランジャーの掛かったコーラスに浮遊感があって、ブラスのクレッシェンド、ギターのソロと絡んでカッコよ過ぎ! 哲学的なんだかコミカルなんだか小学生だった私には判断できませんでしたが、当時から大好きな歌です。こんなのがカラオケにあるのに驚きです。
●この愛のときめき(西城秀樹)昭和50/2/25発売
リードギターの音色・フレーズが美しい。メロディは最高! でもコーラスは悪趣味‥‥。サビのブラスとドラムスのリズム・アレンジももう少し練られているとイイのに‥‥。
●ぼくらのパパは空手の先生(フィンガー5)昭和50/6/21発売
これもHPの方で詳しく述べています。メロディーのポップさ、曲構成の見事さは傑作です。ただし歌詞と間奏部の「五十拳! 蛇の型! (オ~リャ~)」が‥‥。別の歌詞を乗せたら素晴らしい楽曲として生まれ変わりそうです。阿久悠大先生には失礼ですが、だれか作り直しませんかネェ。
●ただお前がいい(中村雅俊)昭和50/10/10発売
A面の「俺たちの旅」よりもこちらの方がお気に入りです。サビのチェロのフレーズがイイですネ。番組の余韻が感じられる穏やかな曲調で、いつまでも聴いていたくなります。(少々涙ぐみながら(^^ゞ)
●時代(中島みゆき)昭和50/12/21発売
ポプコン関係から。これは中島みゆき本人の歌としてではなく、『シオノギ ミュージック・フェア』で大人数の若者コーラス隊が歌っているのを聞いて気に入ったのでした。
●ステーション(草刈正雄)昭和51/2/25発売
当時、ラジカセかコンポのCMに使われていました。草刈正雄が主演の新しい「若大将シリーズ」の映画にも使われたそうです。CD化されていないのが残念です‥‥。劇的な歌詞と情感たっぷりの草刈正雄のヴォーカルが見事に融合した名曲です。草刈正雄はけっこう歌がウマい(^o^) 特にサビの「♪あの日ここで落ち合うと」からの転調がキマっています。イントロのトレモロのストリングスと、ギターが美しい。Aメロのオブリガードに使われているオーボエが切なく迫ってきます。
●春一番(キャンディーズ)昭和51/3/1発売
シンセと歪んだリードギターのカッコよさに驚きました。女性ヴォーカルの楽曲でこんなに歪んだギターの採用というのは初めてなのではないでしょうか。中央のチャンネルで鳴っているクラビネットもイイ味です。
●きみ可愛いね(伊藤咲子)昭和51/3/5発売
イントロのずっと八分で同じ音を弾くベースと「シャラララーラー ラーララーラー」のフレーズからワクワク! Aメロに入ってからの四分のベースが、逆にリズミカルなメロディを引き立てます。全体に楽器は控えめなミキシングです。中央の「ワウチャカ」と鳴っている控えめなギターと、左チャンネルのリズムギター、右チャンネルのリードギターと、3本もギターが使われているとは感じられません。しかしフルートは効果的に使われています。ブラス(トランペット1本のみ)が最も控えめです。ストリングスは少し大きめですが、ミキシングのバランスが絶妙です。
●夏にご用心(桜田淳子)昭和51/5/25発売
「♪白い水着の跡が」のメロディがゆったりするからこそイイですネェ。
●夏が来た!(キャンディーズ)昭和51/5/31発売
のんびりした歌詞と爽やかなメロディが心地よい。私にとっては南沙織の「17才」とイメージがダブるのですが、それは舞台が海であることと「生きている」という歌詞のためでしょう。
●哀愁のシンフォニー(キャンディーズ)昭和51/11/21発売
秋らしい、しとやかなメロディが素敵です。ハーモニーも美しい。曲構成もドラマティックです。昭和51年はキャンディーズのピークだったのでしょうか。傑作が続出した年だったと思います。
●真夜中のヒーロー(郷ひろみ)昭和52/2/1発売
かなり実験的な楽曲です。それでも当時はオリコンで5位まで上昇したのですネ。以前は普通のベスト盤CDにも収録されていましたが、現在は高価なBOXセットでのみ入手可能です。妖しく美しいメロディがベースとバスドラムだけの演奏に乗っているなんて、ずいぶん思い切ったアレンジをしています。
●センチメンタル・シティー(草刈正雄)昭和52/4/25発売
『華麗なる刑事』の主題歌でした。リズムパターンが都会的でカッコいいです。それまでこういうリズムをあまり聞いたことが無かったので、とっても「大人の音楽」に聞こえました。ストリングスのオブリガードがサビを大いに盛り上げます。
●愛のメモリー(松崎しげる)昭和52/8/10発売
「古い日記」と同じ馬飼野康二の作・編曲で、レコーディング技術の進歩から楽器選択も変化してきたのでしょうか。エンディングのシャウトは絶品です。しかも間奏明けからは転調してさらにキーが高くなっているし(^o^) こういう熱唱型のヴォーカルは、TVで一発聴いた時の印象が強いですネ。歌手のトークなどよりも、楽曲の魅力を優先させた歌番組はもう成立しないのでしょうか‥‥。
●微笑がえし(キャンディーズ)昭和53/2/25発売
それまでのシングル曲のタイトルを盛り込んだ阿木燿子による歌詞が、キャンディーズの歴史や、解散までの時間が迫っていることを感じさせ、当時は寂しくなりました。コーラスの「ハウ」というのも「年下の男の子」を思わせる仕掛けですネ。
●TOKIO(沢田研二)昭和55/1/1発売
パラシュートを背負ったステージ衣装のお陰で「イロモノ」扱いされがちな楽曲ですが、ここでのベース・プレイは超絶モノです! 間奏のアコギとシンセの音色もよく練られていて、完成度の高い作品です。
ふ~、書いた書いた‥‥。
最後まで読んでくださった方、本当にありがとうございますm(_ _)m お疲れ様でした。
ニュー・ミュージックについては後日述べます。
本文中で「Aメロとサビのみで成立」ということを何度か書いていますが、よく考えたらほとんどの歌謡曲がそういう構成になっていますネ。
自分の子どもたちは、自分の親がどんな歌をよく歌っていると記憶してるのでしょうか。(ウチの息子たちは私がギターを弾きながら「Across The Universe」をよく歌うので、「私の好きな歌」と認識しているようです。私が自転車に乗ると「雨にぬれても」をつい口ずさんでしまうことも知っています。)
親が歌っている場面の記憶は、いつまでも大切な思い出になりますネ。(クドイようですが、私の両親はまだ生きています。)
YouTubeで見つけた、「恋は邪魔もの」を聞いて、この曲のトリコになってしまいました。でも収録されているアルバムってどれなのかしらん。
「ロイヤルストレートフラッシュ」には入っていないんですよね。それにこの曲自体あまり知名度がないみたい。。。
http://www.youtube.com/watch?v=sQdyAuRVP_4
お尋ねの件ですが、おそらく現在市販されているCDには収録されていないと思います‥‥。以前は「Royal Straight Flush 1971-1979」「A面コレクション」「SUPER BEST」などの東芝EMIのCDに収録されていましたが、現在は廃盤です。
しかし、ユーズド商品は流通しています。ただしかなりの高額です。
ちなみに私は一昨年「SUPER BEST」を偶然レンタル店で見つけ、コピーしました。
この「恋は邪魔もの」は知名度は低いかもしれません。しかし、当時はオリコンで4位まで上がったヒット曲でした。この前後の「危険なふたり」「魅せられた夜」「追憶」の大ヒットの陰に隠れてしまった感があります。
この歌は歌謡番組でも生バンドで演奏され、ベースやギターの音が他の歌謡曲には無い響きでカッコよかったです。私は一発で気に入ってしまいました。
YouTubeを見ていただいてわかる通り、あのグルーヴが歌謡番組の中で流れる衝撃を想像してみてください。