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THE COMPUTER AFFAIR(謎の円盤UFO第12話)

2009-02-21 21:15:28 | 特撮:謎の円盤UFO
●「宇宙人捕虜第二号」(原題:THE COMPUTER AFFAIR)昭和45年12月19日放映
 イギリス放映第2話 日本放映第12話
 脚本:Tony Barwick
 監督:David Lane

 原題「THE COMPUTER AFFAIR」は、
  ・エリス中尉がコンピューターの指示に一瞬躊躇して、インターセプターのパイロットを死なせた疑惑
  ・コンピューターによるエリス中尉の精神分析の判定に、フリーマン大佐が疑問を持つ
  ・エリス中尉がコンピューターによる攻撃指示よりも、自分の信頼するブラッドレイ大尉に任せた
  ・捕虜宇宙人への尋問の際に、コンピューターが指示した鎮静剤によって死亡させてしまう
というストーリーから来る、「コンピューターと人間の関わり」に重点を置いたタイトルです。
 一方の日本語サブタイトルは第1話の「宇宙人捕虜第一号」を受けてのもので、最後の「意思疎通を図れない宇宙人とのコミュニケーションと宇宙人の謎の解明」に主眼を置いたものです。どちらもなかなか工夫されたタイトルが付けられていますが、本国イギリスとは異なり、放映順ではちょうど真ん中に近い第12話であったことを考えると、日本でのサブタイトルは改めてUFOと宇宙人の謎を再提示するという意味で、大変適したものであるかもしれません。

 本国イギリスでの放映順では、単なる「宇宙人の侵略ストーリー」ではなく、地球人の心理を深く描いていくシリーズだということが強く印象に残ります。日本ではUFOとの攻防と人間ドラマがバランスよく配置された放映順です。こういう「大人向けのSFドラマ」というジャンルが日本では定着していない現状を見抜き、イギリスでの放映順そのままでは良しとしなかった日本のプロデューサーの判断は賢明です。このエピソードが日本での第2話であったら、子どもたちは興味を失ってしまうかもしれません。

 冒頭のインターセプターによる攻撃シーンはOPの最後に毎回見られますが、この戦闘で死んでしまったパイロットが毎回アップになるのですネェ‥‥。

 「エリス中尉がコンピューターからの指示に躊躇した原因」の1つとして、人種差別問題が浮上しています。非常に時代性を感じます。この作品の設定では、'75年には人種差別は解消していることになっていますが‥‥。

 フリーマン大佐がUFO捜索隊の人選についてストレイカー司令官に尋ねられると、彼はブラッドレイ大尉とエリス中尉を選び、そして「(人選は)そう、私だ。コンピューターの手を借りずにだ!」と語気を強くするシーンがあります。エンディングではストレイカーに対して辞表を提出するまでに、フリーマンとストレイカーの間がこじれています。このエピソードでは、フリーマンの人間くささが強く描かれています

 このエピソードでは、前回は登場しなかったシャドー・モービルが活躍します。『サンダーバード』から引き続き、力強いエンジン音がリアルに響きます。今回はシャドー・モービルはSHADAIRの輸送機でカナダまで空輸されます。そしてカナダの空軍基地に着陸した輸送機の後部からモービルが出動しますが、この辺りの設定と丁寧な描写は見事です。
インターセプターの活躍やスカイワンの発進プロセス(バンク・フィルムですが)も描かれ、メカ描写が充実したエピソードです。
 ここで、エリス中尉はコンピューターの指示を無視して、ブラッドレイ大尉が搭乗しているモービル1号をUFOに接近させます。これはインターセプター衝突事件の真相の伏線になっているのですネ。

 宇宙人との銃撃戦は、ちょっと長過ぎるような‥‥。

 宇宙人捕虜の登場は、イギリス放映順では第1話から2話連続となりますが、日本での放映順では久々の登場となります。
今回は肺での酸素呼吸にする処置が成功し、宇宙人に尋問するまで進展します。ここでも、コンピューターの指示による「新しい鎮静剤」を選択するかどうかで、医師とストレイカーの間で対立が生まれます。

 結局、エリス中尉のインターセプターへの指示は、コンピューターからの指示を無視したもの。しかし、コンピューター通りの指示だと、3機ともUFOとの衝突は避けられなかった‥‥。2機を救うために1号機は間に合わなかったのかぁ‥‥。

 エリス中尉の地上でのファッションも楽しめます(^o^)(髪の色はフツーですが、目のメイクが‥‥^^; あ、レストランのシーンではフツーです。)

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2 コメント

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オリジナルが2話だったとは (こーじ)
2009-02-25 10:51:23
 最初にまともに見たのは劇場版?と思えるビデオでしたが、何でエリス中尉がモービルで指揮をしているのだろうか?と思ってました。
 改めて見るとコンピューターか直観か?と
いうテーマになってますね。
 第1話同様インターセプターのミサイルでUFO撃破に失敗しますが、最初は命中精度が悪かったという事でしょうね。
 とはいえミサイルを撃ったりするタイミングがコンピューター制御というのを見てもリアリズムがあります。
 最後に個人の判断がコンピューターを凌駕するというのは嬉しいですね。
 
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コンピューター不信 (自由人大佐)
2009-02-25 23:51:44
 この当時、コンピューターに支配される未来像を持ったSF作品が多かったような記憶があります。コンピューターが何か「得体の知れないモノ」として描かれることが多かったのでしょう。
しかしこの『UFO』では、「コンピューターのプログラムは、所詮人間がつくったもの」という部分が強調されているように思います。そして「人間はデータの入力をミスすることもあるし、コンピューターの回答の信頼性への判断を誤ることもある」という視点で描かれています。第3話(日本では第13話)にも同様な題材が登場しますネ。

‥‥というようなことをコンピューターに向かってタイプしているのも可笑しいですが(笑)。
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