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懐かしの歌謡曲(14) 帰って来たヨッパライ

2007-11-24 21:30:46 | 音楽:歌謡曲
ザ・フォーク・クルセイダース 昭和42年12月25日 発売
作詞:フォーク・パロディー・ギャング 作曲:加藤和彦

 私の記憶では、幼稚園の頃に「走れコータロー」(ソルティー・シュガー)とともによく歌っていました。子どもはこういうナンセンスなコミック・ソングが好きなんですよネェ~(^o^) 我が息子たちもこの「帰って来たヨッパライ」にはいち早く飛びついて、「♪オラは死んじまっただぁ~」と歌っていました。
 しかし、発売当時の若者・大人たちはどのように受け止めたのでしょうネ。東芝から一般リリースされる前に、自主制作のレコードからこの歌が深夜ラジオで流されたそうです。深夜に流れる、おかしな声の「♪オラは死んじまっただぁ~」という歌詞‥‥。私がもしこの歌をリアルタイムでラジオで聴いていたら、トラウマになってしまうほどの恐怖を感じたかもしれません。

 一般リリースはこの自主制作の音源が使われたようです。テープ・スピードを遅くしてレコーディングされ再生で声が高くなる手法は、ここまで極端ではありませんが、ビートルズも採り入れていました。ここでは1/2のスピードで録音され、コミカルな味わいが出ています。ギター、ピアノも実際の録音ではテープ・スピードがコントロールされいるでしょう。

 ピアノの間奏は、ビートルズの「Good Day Sunshine」のソロと同じですネ。

 「♪天国良いとこ 一度はおいで 酒はウマいし ネエちゃんはキレイだ」
という歌詞がナンセンスでイイですネ。こんな歌詞を大声で絶叫していた幼稚園児だった私って‥‥。
神様が関西弁で
 「なぁ、オマエ
  天国っちゅーとこは そんなに甘いモンやおまへんにゃあ
  もっとマジメにヤレー!」
と言うのも愉快です。この神様のセリフのBGMには、アコギによってオッフェンバックの「天国と地獄」が奏でられています。

 最後はベートーベンの「エリーゼのために」をBGMにお経があげられますが、途中から
 「It's been a hard day's night」
とビートルズの「A Hard Day's Night」になっているところは、ずっと後年になってから気付きました。そういえばこの「A Hard Day's Night」のメロディは抑揚が無く、まるでお経のようですネ。そして「辛かった日の夜」という意味の引用も、なんだか意味ありげに感じられます。

 こんなにベタだけれど自由奔放なアイディアで曲作りを進めていたなんて、当時の若者たちの発想の豊かさ、そしてそれを1曲にまとめる手腕に驚くばかりです。


 B面が「ソーラン節」というのもスゴイ組み合わせです‥‥。

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7 コメント

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なるほど… (ハロルド)
2007-11-25 10:46:21
A Hard Day's Nightのくだりは
気付きませんでした。
あらためて、聴いてみますか…
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そうなんですヨ (get_better4uまたは自由人大佐)
2007-11-25 12:24:32
 あまりに違和感がなくて、お経の一節のようにしか聞こえません。子どもの頃は気付きませんでした‥‥っていうか、「A Hard Day's Night」を知らなかったのですが(笑)。
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エンディング (モデラート)
2007-11-25 19:24:47
こんにちは。
ビートルズのAll you need is loveのエンディングに
バッハのインヴェンションやYesterday、She loves you、グリーンスリーブスなどが遊びのように入っていますよね。
帰って来たヨッパライのエンディングはこの曲の影響かしらって思っていました。
が製作された時期が微妙でしょうか。
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第2次フォークとアングラ・ソング (海老太郎)
2007-11-25 20:01:11
こんばんは。
この歌はリアルタイムで聴いた記憶があります。
かなりユニークで面白いなと子供心に思いました。
一大センセーションを起こした同曲。
テープの早回しに何とも言えない滑稽味があり、それが当時の奇抜なアイディアで売り出した前衛派のアングラブームに便乗し大評判になりました。

この大ヒットによりフォーク・グループが一躍、歌謡界の注目を浴びるようになったのですよね。
そこへ登場したのが高石友也や岡林信康などでしたっけ。
話しが長くなりそうなんでここら辺にしますが、とにかく「帰ってきたヨッパライ」は本当にスゴイ曲だと今でも思います。
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>モデラートさん (get_better4uまたは自由人大佐)
2007-11-25 23:59:38
 「All You Need Is Love」の宇宙中継が昭和42年6月ですから、自主制作盤の制作時期には間に合っているかもしれませんネ。フォークルがビートルズのアイディアを真似した可能性はありますが、「A Hard Day's Night」にお経を感じたセンスはタダモノではないと思います。

 非常に面白い視点を示唆してくださって、ありがとうございます。
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>海老隊長さん (get_better4u)
2007-11-26 00:03:34
 この「帰って来たヨッパライ」を「アングラ前衛的」と捉えるか、「ナンセンスなコミック・ソング」と捉えるか、ビミョーな境界線だと思います。

 私はそれほどメッセージ性が隠れているとは思えないので、「コミック・ソング」として捉えてもイイかなと感じています。
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この曲は (リオ)
2014-11-10 20:39:59
小学生のころ深夜放送等で断片的に聴いてはいましたが、中学時代にご近所さんからレコードを借りて聴いて一層ジーンときました。B面の「ソーラン節」も心に残りました。

この曲が出たころはちょうどグループサウンズの時代でもあり、この曲やGS曲の独特の響きが、ちょうど昭和40年代の、それこそ鉄道の中でも僕の好きだった、長距離の食堂車付き客車急行列車や長距離客車普通列車、貨物列車の走行する様と重なり合ってますます僕の心に強烈に刻印されました。
この曲やGS曲がヒットした当時僕はまだ生まれたばかりで知る由もなく、中学生になって知り、新鮮さを覚えました。これらに加えていしだあゆみさんの「ブルーライトヨコハマ」等、昭和40年代の曲を聴く度、先述の昭和40年代の列車の走行シーンを想像します。
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