地形学とGIS / Geomorphology & GIS

ある研究者の活動と思考の記録

尾道

2010-08-14 | おでかけ
先日の広島方面の旅行で,尾道に立ち寄りました.ここもと同様に,長年行きたかった場所でした.

尾道への憧れは,学部で卒論の調査をやっていたときに生じました.調査地である九州への行き方は,九州周遊券を買い,東京駅から夜行大垣行きに乗り,延々と各停を乗り継いで門司にたどり着くというものでした.当時の僕には,お金の節約が重要でした.

尾道はその経路の途中にありました.尾道駅に着くというアナウンスがある頃に,進行方向の右側を見ると,斜面の上まで続く集落が見えました.古い木造家屋が多く,前後の街とは明らかに違う印象的な風景でした.

今回,その集落を歩いて見ることができました.志賀直哉などの多くの文学者が滞在していた場所で,関連する展示も見ました.そこで初めて知ったことは,1943年に作られた日本の短編アニメ映画「くもとちゅうりっぷ」の原作が,尾道の童話作家,横山美智子によって書かれたということです.松本零士は幼少時にこの映画を見て,アニメ作家を志したそうです.

坂を歩きながら,「くもとちゅうりっぷ」に出てくる嵐の情景を思い出してみました.この海に面した斜面が,時として激しい雨や風にさらされ,その後に穏やかな日差しが出てくることが,作品の背景にあると感じました.

How long the storm is gonna to last,
if we're gonna carry on.
(Friends to Go / Paul McCartney)

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4 コメント

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尾道と向島 (田代博)
2010-08-21 13:01:07
広島県を3か所訪問されたというので、もしかしたら、と思ったらやはり尾道がでてきましたね(^_^)。尾道で生まれ、小学校5年の1学期まで対岸の向島で育った者として大変懐かしく拝見しました。もしかしたら写真の右端の山が向島の高見山ではないでしょうか。この高見山に登り、海岸線を見下ろして、地図を作ろう!と思ったことが現在に繋がっています(^_^)。偶然ですが、その高見山からの写真が、富士山特集をしてくれたpen誌の第2特集の冒頭の見開きに使われていました。

尾道と向島を結び渡し船は、かつて1円のものがあり、日本1安い渡し船と言われていました。

その尾道は、映画でもよく登場しますね。しかし、何十年も訪れていません。来年あたり、本州で唯一残っている百名山の大山登山と併せて、センチメンタルジャーニーをしてみたいと思っています。
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諏訪と立石 (OGU)
2010-08-21 19:41:56
海と内陸で異なりますが,僕も田代先生と似た経験が,今につながっていると思います.諏訪の市街地から40分くらい斜面を登ると,立石公園という場所に着きます.そこから市街地,諏訪湖,遠方の山々を眺めることができます.何度もそこに足を運びました.

やはり平坦地(水面も含む)と山が組み合わさった場所がいいですよね.我々はラッキーなのでしょう.

向島と因島にもレンタカーでちょと立ち寄りました.次回の記事は因島と思っていたところです.

ところで尾道と向島の間の海峡,運河みたいに幅が揃っていませんか? ちょっと不思議でした.海運のために,海岸線を人為で平滑にしたとか,ありますでしょうか? 
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尾道水道 (田代 博)
2010-08-21 20:41:11
尾道水道ですね(尾道海峡という言い方もあるようですが、私はこう呼んでいました)。確かにそうですね。子どもの時もその後も気にしたことはありませんでしたが(^_^;)。尾道は古い町ですからそういう可能性はあるかもしれませんね。日立造船の工場がありますが、それとの関係はないでしょうね(ちなみに、父は日立造船に勤めていて、その関係で、尾道や東京(後に横浜)に住むことになりました。因島にもかつて造船所があって連れていってもらったこともあります。

立石公園、いいですね。霧ヶ峰方面の行き帰りに立ち寄ったことがあります。
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どのみち水道 (OGU)
2010-08-22 16:06:38
海峡と水道,以前にどこかで議論を聞いたのですが,気になったので調べてみました.下記が海上保安庁のページにありました.

「海峡とは、陸地が迫って狭くなった水域で狭い通路。水道とは、水の流れる道、船の通り道を意味しているが、その間には本質的な相違はなく海洋情報部でも区別はしていない」

確かに区別は無理そうです.海峡と呼ばれていても,水が流れていて船も通るので,水道とも呼べます.

造船が日本の誇りであった時代がありましたよね.もちろん今も技術は一流でしょうが,マスとしては昔話になりました.

立石公園,ご存じでしたか! 今は子供が遊べる長い滑り台などもありますが,昔は景色だけが目的でした.
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