阿佐ヶ谷の古本屋「元我堂」ナンダ店長日記

下町とモダンが混在する町、阿佐ヶ谷。そこに妙に佇む一軒の古本屋「元我堂」を水曜店主ナンダが見たままに。そのままに。

夢の箱家 - cocca

2007-04-28 19:22:20 | てくてくと吐き出すところ
♪もしも~わたしがぁ~、いぃえを~建てたな~ら こういう~いぃえを~建て~たでしょう♪
代官山にあるテキスタイルのコンセプトショップ(しかし長いカタカナだな)「cocca」。春は誰もが乙女に還るらしいよ。

臨時収入があったので、さっそくランプシェードを作るための布を買いに久々に代官山へ。
遠いぞ…。代官山よ。
あった~!cocca。
木のぬくもりと白壁が気持ち良い♪
1階部分に布とボタンやら作品やらの品々。日が差し込む吹き抜けの2階は展示物ばかりという贅沢な空間。代官山の一等地に!すごいー。
でももうちょっと布の種類があるといいかも。
雰囲気に酔いやすいA型女は、素敵な空間にすっかり舞い上がってしまって、ユザワヤだったら買わないであろう110cm×1mで3500円という布と、同じく2500円の布を買ってしまいました。。
あきらかに金銭感覚を失っている。。。

帰り道、おえーやばいよやばいよと気付いたけどもう遅し。

そのまま渋谷までてくてく歩く。
途中、学生のころ良く行ってた「CLOSET」というお店が無くなっていたり、素敵なセレクトショップがじゃんじゃんできていたり、複雑な気分になりつつも、目に入ってくる全てのものが素敵です。やーん、代官山!
SUNDALAND CAFEというところで友達が写真展をしているので見に行く。
懐かしい写真がたくさん。ディスプレイもセンスが良くて彼らしい展示会でした。
それにしてもメッセージノートに女の子の書き込みが多いこと!母さんびっくりです。

阿佐ケ谷駅に着いて、駅のホームから「立ち呑み風太」の黄色い看板が見えたら妙に落ち着いた。
やっぱり阿佐ケ谷が好きよ。

夢二さん

2007-04-27 18:13:52 | 本や文章、本屋について
鈴木清順監督の「夢二」。

オープニングの艶やかさ。白昼夢への誘い。。
沢田研二演じる竹久夢二は飄々としていてセクシー。
わたしの想像の中での夢二さんは、どことなく日陰っぽくてムッツリ系(?)だったのだけど。この監督にかかるとこうなるのか。

お葉役は広田レオナ。…お葉さん!夢二先生を惑わす純朴な少女、お葉さんですよ。それがレオナさんかー。。
むかし吹越満さんのソロライブでサインをもらったとき、すぐ隣りにいた当時の奥さまの広田レオナさんは、ぞくぞくするほど色っぽかった。
それからこの人は永遠の小悪魔のイメージなのね。あのなんとかボイスもたまりません。。
ああ、そういう意味では役柄に合ってるのかなあ。

それにしても着物の色、色、色、、。際限なき美しき色の世界。ストーリーは途中で判らなくなってしまった。
でもとにかく綺麗だった。

あの”夢二のテーマ”は、やっぱりウォン・カーウァイの「花様年華」の世界の方がこの曲には合っているような気がする。。

ところでこの間読んだ『竹久夢二 恋の言葉』の夢二さんの言葉たちは、夢想と現実的な憂鬱さがほどよく含まれていて胸にずーんと沁みてきた。
女だったらこんなこと言われたいよ~!(笑)
さすが、恋多き男、夢二さん。当時の女性をいう女性を虜にした、夢二さん。

女心って判らねえという男性の皆さま。
よく見かけるこの手の新書を買うよりは、この一冊を体読下さいまし。

日替わり店長の古本屋

2007-04-24 01:09:13 | 元我堂店番日記
と、いつの間にか枕詞が付くようになっていた元我堂。

まだ公式にはお知らせされていないみたいですが(って公式ってなんじゃ)、この”日替わり店長”も今年いっぱいで終了することになりました。

ただ、元我堂の看板が無くなるということではなく、現在の店長さんたち全員が辞め、毎日開店するお店ではなくなるというだけです。
オーナーやすさんが前オーナーから買い取ってすぐ、週末だけオープンしていた頃、その頃の状態に戻ることになりました。
なので、元我堂という古本屋は残ります。
毎土日オープンなのか、不定期なのか、開店時間は…など詳細は未定です。
たぶんやすさんが決めていくことなので、ナンダ他には判りません。

この日替わり店長のシステムというのは一見気楽に見えるようですが、結構危ういものでした。
それでもこのシステムを取り入れてみたことは、オーナーにとってもある意味冒険だったのでしょう。
いや、もしかしたら元我堂に関わる人はみんな、”冒険”をしているような気分だったのかもしれません。
未開の地に足を踏み入れるような。

けれど、一度踏み入れたからには、お客様という相手が見えるからには、なんとかいっぱしのお店として認知されたいと思いつつやってきたのですが、うーん、やっぱり至らない点が多かったように思います。たぶん多過ぎました。
それでもただ一つ言わせていただけるならば、お店という店ではまだまだでも、元我堂という場があることで、出会い、つながることができた人や本や出来事、その全てに対しては感謝の気持ちでいっぱい、本当にいっぱいなのです。
この場所で、良書をたくさんの人の手に渡すことができたかどうかその辺はちょっと自信ありませんが、
私は、たくさんのものをいただきました。

お客様方にとったら勝手だなあと思われるかもしれませんが、
これも一つのステップだと思って(こう書くとなんとなくうさん臭い…)これからの、どうなるか予測不能の元我堂を密かに見守っていただけたら嬉しいです。いらしてくださいとは言いません(笑)。
阿佐ケ谷には良い古本屋さんが他にもたくさんあるしね!ほほ。

なんてもうすっかり締めのモードですが、よくよく考えたら年内ってまだあと8ヵ月もあるじゃないのさー。

…ほほ。意外と長いのでした。
やっぱり正直、まだちょっと寂しい。寂しいけどこれが”流れ”なのよ、そうよ!
というこんなよく判らない悶々とした気持ちを晴らすために、シャッターの閉まった元我堂に缶ビール持って忍び込んで朝陽で出前を取ってヤケ夜してきました。先日。店長失格。失格なんだけど妙に落ち着くここが好きなの。そしてビールも好き。

そんな訳でこのブログも年内で終了したいと思います。読んでくださっている方、ありがとうございました。
そしてこれからもうしばしの間、こんな私にお付き合いくださったらうれしく思います。合掌。

誘惑に勝てなくたっていい

2007-04-20 01:20:51 | てくてくと吐き出すところ
真夜中の一人の時間。久々に読書。読みたいものは溜まっていくのに、読むだけの体力がちっとも溜まらないんだ、最近は。
充電する間もなく、すぐ使い切ってしまう。 きゅるきゅるるる~。

そんなわけでこんな時間に郡林堂の豆大福を食べてます…。うう、美味しい。
(石ころさんもいるからと4つも買ってきちゃったみたいよ。タッチの差でした…残念。)

そしてさっきは豪徳寺の「PICON BER」というカフェの塩シュークリームをパクリ。

今日はいただきものデー♪

ああ、毎日が今日だったらいいのに…!ありがとう、浜村淳です。

昔も今も

2007-04-19 17:01:45 | てくてくと吐き出すところ
週明けからずっと降り続く雨。積み上がっていく洗濯物。思うように外に出られない悶々とした気持ち。
むー。むー。むー。
そこへきて朝から大音量で演説を流す選挙カー。ヤメテー。21世紀になっても選挙カーは無くならないのね。。。
これの有効性って果たしてどれぐらいあるのよ。
先日、ある立候補者が駅前で演歌を独唱してスピーカーで流してた。…ぞぞ。未来が恐ろしくて鳥肌が立つよ。
ああ、でも一つお願いが。
杉並区の議員になられるどなたか、阿佐ケ谷駅北口のパサージュの入り口にあった大きな時計をもう一度付けてください。
どうして取り外されたのか判りませんが、あれがないと寂しいです。こんな公約があったらきっと一票入れます。

元気を出すために新しい傘を購入。
水色の地に茶色のドット柄。すこし丸みを帯びているところがお気に入り。命名、ドヌーヴ傘。
そういえば傘の歴史も相当長いんだろうな。
傘はずっと昔からこの形。そしてこれから先もこの形。

変わらないものにはやっぱり理由があるのだ。

ちいさなお祭り 西荻「昼市」

2007-04-17 12:55:16 | 本や文章、本屋について
さて昼市。こういうときに限ってうい坊が朝なかなか起きず。
開催時間ギリギリだー、と思ったら、まだ見えてない方も結構いた。このゆるさ。いいねーいいねー。
主宰の屋台側はハンサム食堂さん、古本側はパサラブックスさん。
他出店者に、音羽館さん、すうさい堂さん、退屈男さん、書肆アクセスの畠中さん、ハートランドさん、などなど。
出店場所のクジを引いて、お互いにゆるく挨拶を交わして、いつの間にか「昼市」スタート。

それにしてもこの柳小路通り。わずか30メートルぐらいのこぢんまりとした裏路地に飲食店がひしめきあっていて、タイやベトナムの屋台街という雰囲気。路地には「かおる」という看板がでーんと掛かっていて、一人ドキドキ。(←本名です…)

そしてあっちの方からはヌクマムやカレーのスパイスの香りが漂ってきて良い感じ!なぜか尾道ラーメンも。何ですか、この煙は。炭火焼きかよー。 なにようっ!
ってなんであっちの方かっていうと、あっちの方に飲食店が固まっていて、入り口近くのこっちの方はぴゅーぴゅー吹きすさぶ風にさらされて超寒いだけ!離れ島。。
前日だったらピーカン晴れだったのに、今日はなんだか薄曇り。
えーんえーん、上着も持ってきてないよーと泣きそうになりながら、麦わら帽子も吹っ飛ばされそうになりながら、がんばって店番をしていると、パサラブックスのK藤さんが”これどうぞ”とコートを貸して下さる。
なんという優しさ!めちゃくちゃ可愛いのに優しい!「可愛くて優しい。」もうこれで充分でしょう。K藤さん、惚れました。

あっち組の皆さんはビールも進んでほろよいで良い感じ。
こっち組は時折のぞく太陽に”あーきたきた!”とかすごく喜んだり、”太陽ってやっぱすごいですよね”とか話して妙な集まりみたいになってた。ビールどころじゃありません。
タイヌードルを食べて少しあったまる。

出店者もお客さんもワイワイとおしゃべりしたり、意外と子連れが多いのも西荻村っぽいなあ。
不忍ブックストリートの一箱古本市より、こっちの方が好きかも。
古本市が加わったのは今回が初めてということだし、今後、もっともっと良くなっていくんじゃないかしら。
場所も近いし今後もやれたらいいな。今回は本の準備がゆっくりできなかったし。

あーそして次はクジ当たりますように…。(当たりというのは食堂の近くってこと。でもそうすると売上金で飲み食いしちゃいそうだなー。悩ましい。)

昼本市、やっぱり出ることになりました。。

2007-04-14 23:04:02 | 本や文章、本屋について
なんか情報が錯綜していてごめんなさい。
明日、西荻窪で開催予定の「昼市」、
元我堂としては一度取りやめになったらしいのですが、ナンダ単身で出店しようと思います。
主に絵本を出品します。

さっき出店を決めたので、ただ今せっせと値付けしてます。。。どー。
ってこんなギリギリの告知でいいのかーーー。
明日、4月15日(日)の11時~16時 場所は西荻窪の柳小路通りです。

お天気も良さそうなので、ぜひ皆さま足をお運び下さいー。
美味しいものの屋台もいろいろ並ぶらしいよ。

>かねこ姉さん
コメントありがとうございましたー。
取りやめになって、なんだあ残念だなあ、、と思っていたところ、
かねこさんのコメントが”あ、なんだ。ワタシが出せばいいんじゃん!”と思うきっかけになりました。(正確には隣りの人のひとこと…。)

雲のうえで出会う景色

2007-04-13 18:01:32 | 本や文章、本屋について
海外旅行の楽しみのひとつ、それは飛行機に乗ること。

飛行機に乗るためにはまず空港に行こう。空港という空間に漂う、何とも言えないあの独特の空気。日常におけるちょっとした非日常。
あそこには、物語が生まれる可能性が満ちている気がする。いつまでもそこに居座ってはいない、一瞬の影のような。目の前をザーと通り過ぎて行く特急列車のように。
村上春樹の「沈黙」という短編小説は、空港での待ち時間に、男性二人のうち一人がふと昔の記憶を語り出して語り終えて、さてそろそろ搭乗だ、で終わる話だった。
確かに何か秘密を打ち明ける場所、として空港は適しているような気がする。秘密は何ともなしにさらりと口に出してしまうのが一番。

そして、いよいよ機内へ。
座って即効トイレに行きだすおばさんたちを横目に、ヘッドフォンの袋を破り、機内で読むための本とワセリンを前座席のポケットに入れて準備万端。
無事離陸して、スチュワーデスさんがせわしく動き出すころには、窓から見えるのは雲とうっすらとした地上。もう雲のうえ。
子どもに、どこからが空なの?と聞かれたら、まあ飛行機に乗んなさい、と言おう。

しばらくすると見えてくる、青一色の世界。でもときどきは薄暗かったりもする。
視界に入るのは真っ直ぐに伸びた前翼と空だけ。パーフェクト。
ビールを一杯飲んでいい気分になってきたころ、動きたくなってくる。
スチュワーデスさんたちの邪魔にならないように、一服スペース(何て言うんだろ、あそこ)で、機内用おやつのプレッツェルをぽりぽり食べながらやっぱり外界を眺めているのが好きだ。
移り変わる景色。生物といえるものが皆無であろう山々に、葉脈のように這う川の線。
突然ぱっと海が出てくる。ぽつん、とたたずむ小さな島。
太陽が落ちる頃合いに遭遇できるのは、幸福としか言いようがない。
刻一刻と色を変える大空を、拝むように眺め尽くし、味わったあとは、大人しく座席に戻る。

ビールをもう一度頼んで、思い出したようにごそごそと機内誌を手に取ってみる。
機内誌は、機内でパラパラ読んでそのまま置いていくもの、ホテルまで持っていくもの、家まで持ち帰るもの、とあると思う。
ときどきセンスが良くて編集もしっかりしてあるものに出会えると、嬉しくて旅の間中もずっと持っていて、めでたく家の本棚におさまることになる。
今では機内誌を書店やオンラインで買えたりもするけれど、やっぱり機内誌は、その時巡り会ったものを自分の手で、機内から脱出させてあげるものだと思う。

ところで『雲のうえ』という機内誌がある。
発行は北九州市。行政がつくっているとは思えないほど、ユニークで角がなくて、地元のライフスタイルと伝統がセンス良く紹介されている。勢いのある地方のミニコミ誌のよう。記事も面白く、ぜひ北九州市に行ってみたいという気になる。”角打ち”に行ってみたい!
これはどうもフリーマガジンとして地上のひょんなところで見かけることができるらしく、なぜか元我堂にも置いてあるのです。(残りあと数部!)
2号の表紙のおじさんが妙に気になるの。。。

空の表情を堪能しつつ、機内誌をめくりながら、訪れたことのない地に想いを馳せる。空のうえで出会う景色たち。

飛行機に乗った時点で、旅のたのしみの半分は、もう満たされているらしい。

(機内の毛布やカトラリーまで持ち帰るのはあれはどうなのかしら。一応見逃してもらえるなのかしら。)

予想通り

2007-04-12 14:24:55 | 元我堂店番日記
やっぱり落ちたよ。。。
店番中、ナンダが品出ししているほんの一瞬の隙をついて、うい坊さん土間に転がり落ちました。ああー。
額に傷ができた。アウトロー伝説はじまる。

高橋和枝さんの絵本を店頭に並べました。
ナンダは高橋さんの絵が大好きなのです。
高橋さんの描く、でっぷりとマイペースで、実は何でも知ってんのよというような顔をしながらいつもどこか遠くを見ている猫は、猫好きにしか描けないんだろうなあと思うのです。(実際大の猫好きらしい)

”春らんまんですね”と書いた黒板を表に出した直後、ぽつりぽつりと雨が。
コートだのなんだの冬物をしまおうと思って干してきたのにーーーー。
この辺の桜は、もうこの雨でおしまいかな。

あ、そういえば、15日に西荻窪で行われる「昼市」への元我堂の出店は取りやめになったらしい。
決定ではなかったのね…。でも遊びに行きたい。

駆け足で西荻窪

2007-04-08 01:28:22 | 本や文章、本屋について
ダンナさまにうい坊をお願いして、自転車を漕いで西荻へ。ダッシュで15分。よし間に合った。
がざびいで、都本千さん演出の舞台「赤鬼」を観る。
野田秀樹氏の脚本を新たにアレンジしたそうな。
赤鬼役の方のモダンダンス?が印象的だったー。関節が外れそうになる動き。スターシップトゥルーパーズみたい。
出演者も4人と多く、熱気が直に伝わってくるし、心臓が2時間ドキドキしっぱなしでした。

その後、フリペを置きに、がざびい隣りのギャラリーブリキ屋、音羽館、ハートランドへ。ぱっぱっぱといきますよー。
音羽館で堀井和子さんの本がたくさんあって困ったけど、今日は買わないでおこう。
いつ来ても回転が早いお店だなー。店主さんがフリペにも興味を示してくださって嬉しい!(涙)
音羽館さんは今度、4月の15日に西荻窪で行われる「昼本市」というイベントに出店されるそうなのだけど、ここになぜか元我堂も出ることになっている。。。いつの間にか(笑)。これ

最後に、ちいさな布地屋さん、pindot
ずっと行ってみたかったの。100年も前のアメリカの布地もあったりするらしい。
でも結局スプリングコート用に換えのボタンを購入。布まで見てるひまが無かった。。。誰か時間をくださいー。

陽が落ちる前に帰宅。セーフ。。うい坊はすやすやと眠ってた。