阿佐ヶ谷の古本屋「元我堂」ナンダ店長日記

下町とモダンが混在する町、阿佐ヶ谷。そこに妙に佇む一軒の古本屋「元我堂」を水曜店主ナンダが見たままに。そのままに。

出会いも別れも~

2006-04-27 18:21:41 | 元我堂店番日記
元我堂の近くに住む常連さんが、また一人引っ越すことことになったらしい。
この春、何人目かなあ。
居続けるということは、見送る回数も増えるんだな。ちょっと寂しい心持ち。

開高健の本を仕入れると、めざとく見つけて買ってくださった。
ナンダも仕入れるときには、彼が手に取ってくれることを期待していたのかもしれない。
こういう、ポン、ポーン。とした関係は密かにたのしかった。

でもしょうがない!結婚するんだとあらばっ!
ということでちょうど持っていた芋けんぴと、ちくま文庫の『文読む月日』3冊セットを
結婚祝&御餞別ということにしてプレゼント。
しかも買い溜めと言って更に4冊ぐらい買ってくださった。ありがてう。

まあ今後は、月イチ遊びに来るということで許しましょう。



ゴロゴロくん

2006-04-26 19:16:14 | てくてくと吐き出すところ
今さらですが、ナンダのお腹にはただ今ゴロゴロしたものが入っています。
ナンダが横になると、ゴロンゴロゴロどーぅどーぅ(←押す感じ)。
電車に乗ると、ゴロゴロドンドン。
三線を弾いてみると、モニョモニョ。
冷たいものを飲むと、ゴロー…ゴロン!
と動きます。

式根島でも天然温泉で暖まってゴロゴロと気持良がっていました。
(のぼせてたのかも…)

動かないときは大抵寝ているんでしょう。

自分のお腹に別の生き物が入っているということを、
最初は気持ち悪がったりそんなんあり得ませんからあーおそろしと思っていました。
でも、なんとも言えないスーパーポジティブなこの感情を作り出しているのはお腹の中のゴロゴロくんに間違いないわけで。
そう思うと、うわーありがとう。すごいありがとう、と思えてくるんです。

目に見えない何かに自分が操作される奇妙な安らぎ。
なかなかどうして心地よい無抵抗な感覚。実に不思議。何なんだろうこれは。

その正体にご対面できるかもしれないこの夏。
ぞぞぞーっとしつつもやっぱりたのしみなのです。

もう怖くはないからね。踏ん張るわよ。



そんなこんなで誠に勝手ながら、来週以降の水曜日の営業時間を変更させていただくことになりました。
ご迷惑をおかけしますがどうかよろしくお願い致します。

 ・【5月と6月】:14時~20時
 ・【7月と8月】:休み
 ・【9月以降】:様子を見て通常営業



延長線

2006-04-23 00:28:26 | てくてくと吐き出すところ
もう何度目か忘れちゃったけど
明日から新島と式根島へ行ってこようと思います。

今が行くときなのかどうかはさておき、
行ける理由が2、3個見つかったので。

ちょこっとだけのワープ。

水曜の店番の時間には戻ります。

春とバーバラ

2006-04-21 20:22:11 | てくてくと吐き出すところ
”ただ春を待つ。”
いつにも増してそんな冬だった、今年の冬。
寒いだけでも勘弁してほしいのに、さらに心身辛かったから。

でも今日、完璧に春がきた。降りてきた。と思った。
待ってて良かった。
春がきてみると、辛かったことなんてざざーっと波がひくように忘れてしまった。
ありがとう単純なわたしの細胞たち。



昼から久しぶりに青山へ行って来た。
数年前に通勤路として歩いていた明治公園のあの銀杏並木。
丸みのある銀杏の葉が何枚も重なり合って、わずかな木漏れ日を足元に落とす。
見上げれば真緑とスカイブルーのぱっきりとしたコントラスト。
桜が出番を終えたあとは、そこかしこに鮮やかなツツジが存在感を表している。
日差しは突き抜けるようにあたたかく、でも強過ぎない。
バリで買ったオレンジ色のパシュミナをマントみたいにして踊ってみたら
最高に気持ちよかった。

そういえばずいぶん定期券内と中央線沿線から出てないような気がした。
意識的に都会の雑踏を避けていたのかもしれない。

でも今日はなぜか都会の光景がきらきらと輝いて見えた。
あれれれー。こんなに楽し気だったっけ。
建築中の高層ビルとクレーンとビニールシート、汗かきながら走る佐川急便のおにーさん、ストッキングとピンヒール、縁なしメガネの上司と黒ぶちメガネの部下、今はもう無いカフェ、ちょっと値段の高いコロッケパン、風に揺れる写真入りネームプレート、オープンカフェと煙草、ビルの隙間から見えるちいさな青い空、、、

都会の風景の中の光景が、生きているんだぞと迫ってきた。
空は広い方が好きだけど、ちいさな空もこれはこれでなかなかに魅力的だ。

この銀杏並木のベンチでテイクアウトのタイカレーを食べていたあの頃。
「恋はいつも幻のように」を聴きながら帰ったあの頃。
目の前のこの光景は幻じゃない。
しいていえば春がくれたひとつの幻影。でもそれはありのままの単なる日常であって。

カメラを持ってこなかったのを悔やんだ。
あまりにも切り取りたい瞬間がたくさんあったから。

と言うほど悔やんではいなかったりする。
楽しくて楽しくて、楽しかった。この日差しの下なら何でも許せそうだった。



信濃町からの帰りの電車、行きと同じ電車の同じ車両に乗っていることに気付いたのは
乗車してすぐ。
行きの車内で、ちょうど座った足元にあった細長いほこりのかたまりをずっと眺めていた。
ドアが開く度に、ふわあ~っと揺れて出て行きそうで出て行けない。また足元に戻ってくる。
その動きが楽しくてずっと眺めていた。
帰りの電車も運良く座れてふぅと一息つくと、目の前には偶然にも行きの電車で見かけたほこりのかたまりがあった。
やっぱり同じような細長さ。一瞬驚いた。これ同じ場所?
ほこりなんてよく見かけるものなんだろうか。
でも同じものだと思うようにするんだ。その方が楽しいから。

春のくれたささやかな偶然にありがとう。

本の散歩展

2006-04-14 22:39:53 | 元我堂店番日記
五反田の南部古書会館で開催されている”本の散歩展”。
海ねこさんも初の出店を果たし、実は南部古書会館って行ったことがなかったので、いざ。

少し人出も落ち着いたかな、と思われる夕方に到着。
すごい~。おじさん率が東京古書会館の上をいってるぞこれは。
その中で一人、メガネ女子の海ねこさんは目立っていた。発見。
そろそろヘロヘロ弱っているんじゃないかしらと、差し入れにはリポビタンDとチョコパン。(なんだそれ)
なんと朝の9時半から夕方6時までですって。ひえー。おつかれさまです~。

結局3冊ほど購入。
野口晴哉の書はあるとつい買ってしまうんだよね、実践できてないけど。

点と線

2006-04-13 12:15:51 | てくてくと吐き出すところ
先日、これまで仕事でご一緒させて頂いていた神保町の古書店の方々が
ナンダたちの卒業(退職)祝いを開催してくださりました。
ナンダを含めて一挙にごっそり抜けてしまうので、今後についてもたいそう不安もおありだと思われるのに、去っていく人を笑顔で見送ってくださるなんて。
頭が下がります。

中野書店大屋書房玉英堂書店誠心堂書店西秋書店という、神保町を代表するような老舗の古書店の、二代目、三代目、四代目(!)の皆さま。
今後の神保町、今後の古書業界を背負っていかれる方たち。

本当に皆さま業界について真剣に考えていらっしゃって、
かといって昔のやり方に固執するわけでもない。
色んな意味で勉強させていただきました。

古書店の皆さまのご協力や頼りになるパートナーの方々に恵まれたおかげで
非常に充実した時間を過ごすことができました。
なんか走ってばかりだったなあ。
なんでもっと落ち着いて歩いてみることができなかったんだろう…とか
反省点は山ほどあるけれど。
まあとにかく一つの区切り。

泣けるスピーチができたらもれなくプレゼントがもらえるというので
自分が泣いたときの話なんかをしたら(笑)、いただきました!やったー。
「JACOB JENSENのウェザーステーション」
バング&オルフセンの人! ひゅー。
こんなにかっこいいものいただいちゃってどうしよう。。。
申し訳ない気分でうちの四畳半の和室(北向き)に置くことに。うーん。

それにしても感謝の念に絶えません。

何よりも皆さまと、こうした顔の見える繋がりができたことが宝物なのです。

細かい点がいつか一本の線になっていくといいなあ。

・。・。・。・。・。

■元我堂本店は >>こちら


一箱古本市

2006-04-11 11:28:28 | 本や文章、本屋について
来る2006年4月29日(土・祝)に谷中・根津・千駄木エリアで行われる
「第2回 不忍ブックストリート 一箱古本市」に出店することになりました。

100人の店主がそれぞれ個性的な本を路上販売!
# ”店主一覧”というところから、事前にどんな人たちが参加するのかチェックもできるの。

今回は元我堂としてではなく個人としての出店なので(屋号:「ふくろ小路一番館」)
当日はナンダ一人でちょこんとしたりウロウロしたりしながら店番をしてます。
(実はまだあんまり出品内容を絞りきれていないのだ。マズい。。。)

散歩にもちょうど良い季節。
下町の情緒溢れる不忍エリアへ、皆さま足をお運びくださいませ。。

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【第2回 一箱古本市】
2006年4月29日(土・祝)11:00~17:00
# 雨天の場合は5月3日(水・祝)に順延
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好きな本屋さん(新刊)

2006-04-03 10:12:59 | 本や文章、本屋について
本屋さんと八百屋さんが無くならないうちにいなくなれれば、と思う。

八百屋さんは、阿佐ヶ谷駅前に、
ショウガをひとかけだけ切ってくれたり自家製ぬか漬けが美味しい「やおゆう」があるのでとりあえず今のところ大丈夫。
跡取りらしき長男も元気が良いし、このままがんばってほしいところ。
早く嫁をもらって家族を作るんだー。長男。

本屋さんは、オンライン書店なんかがもっと伸びてきたら
もしかしてどんどん減っていくのかなあ、なんて思ったりして。
これまでもお世話になったし、これからもずっとお世話になりたいなあという思いで
勝手に好きな本屋さんピックアップ。(都内で)

<新刊書店>
1 旅の本屋:BOOK246 (青山一丁目)
★コンセプトとラインナップが素敵。行くと楽しい気分になれるるる~♪

2 ナワ・プラサード (西荻窪)
★ヒーリング系の本やCD、グッズなど。料理本も多い。
 時間が経つのを忘れてもいいときに行こう。

3 Villege Vanguard ヴィレッジ・ヴァンガード (下北沢)
★店舗はたくさんあるけど、やっぱり一番足を運びやすいのは下北店。
 学生時代は大学より行ってたかも。あー。

4 BOOK 1st ブックファースト (渋谷)
★渋谷で待ち合わせるときは大抵ここ。ちょっとぐらい遅れてもだいじょぶかな~という気になったりする。ほんとはよくないよね。雑誌のバックナンバーも一気に見れてお得。

5 書誌アクセス (神保町)
★大型書店では、はじっこの方にありそうな地方限定の本が、ここでは看板商品。
 沖縄本・島本なんかも多い。

6 東京堂書店 ふくろう店 (神保町)
★三省堂書店よりやっぱり東京堂書店。ふくろう店にいつか住みたい。

7 BOOK CLUB KAI (青山)
★行くだけで満足、、、なお店。

8 書楽 (阿佐ヶ谷)
★駅前の小さな本屋さん、と思ったら店内は結構広くて見やすい。便利。

9 プーの森 (三鷹)
★純粋な書店じゃないけど、少々乱雑な絵本・児童書コーナーあり。
 めったに買わないけど「プーの森通信」をもらうために行ってるような気もする。

10 ジュンク堂書店 (池袋)
★店員さんの白シャツ&緑エプロンが密かに好き。ここで本を買って隣のスタバでまったり。。
 でも池袋って街が好きになれない…。



勝手にリストアップでした。好きな順ではありませぬ。思いついた順。
意外と悩むなあ、と思ったら、普段そんなに新刊本買っていないことに気付いた。
立ち読みばっかりだった。あれ。

…いつもお世話になっております。

そのうちに古本屋さんも。