がんぼのぶらり紀行

北海道オホーツク遠軽で、昭和時代のお茶の間みたいな食堂 やってる おばちゃんです。

最後の ”カツオ節削り”

2021年04月02日 08時30分48秒 | 食堂のおばちゃん

そばつゆは 出汁取りから始めるので 昆布と粗削りの鰹節が必須。

父は仕入先と相談をして質の良い鰹節を仕入れ、機械を使って自分で削っていた。

そば室(そば打ちのため専用に作った部屋)でゴウンゴウンと音が始まると、「あ、カツオ削りが始まった」という毎日の恒例ごとであった。

2016年秋のはじめに父が亡くなり、その後 必死に父の後を追おうと 足の悪い母と ”そば” を続けてきた食堂。

だが、2019年秋の終わりに母が亡くなり、息子があとを手伝ってくれることになった時、残念なことに ”そばアレルギー” を持つ息子との話し合いで ”そば” をやめることにした。

削った状態で残った鰹節は、味噌汁を作るときの出汁としてフル活用してきたのだが、塊のまま残っていた鰹節が2年越しになってしまった。

昨年秋から「やらなくちゃ」と思いながら、冬は寒すぎて機械を出せない。(使用しなくなった”そば室”は暖房がないので外気温と同じ)

3月の終わり、ようやく暖かくなってきたので意を決してカツオ削り機を引っ張り出す。

昔のタイプなのでメチャクチャ重い。30㎏以上あるのではなかろうか。

据え置きタイプで父が使うたび台上に持ち上げるのが大変そうだったので、私が台車を見つけてきて固定させ、移動できるようにした。

コンセントをつなぎスイッチを入れると、モーターが回転を始め4枚刃のついたカッターが回りだす。

強いバネ仕掛けのハンドルを開いて鰹節を入れ抑え込むと、回転刃がカツオをスライスしていく仕掛けだ。

わずか2本くらい残った鰹節だったが、3年越しブツで一度は凍結させてしまったこともあり、削るのに少々難儀。回転刃の出具合を調整しながら、30分ほどかけてすべてを削り終えた。

もう鰹節を購入することもない。この機械を出すこともないだろう。

父が購入してから たぶん40年以上は使ってきたと思う。

長いことお疲れ様でした。ありがとう。(処分はできないと思われ)

(後日、写真掲載予定)


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