風通庵-直言

ヨモヤマ話

日本の防災意識の高さ、一度は褒めてはくれたけれど

2011-03-16 12:59:30 | Weblog
 災害地で、救援物資を積んだトラックの周辺に被災者が群がり、トラックの上から投げおろす衣類や食料を、大人も子供も、死に物狂いで取りあい奪い合う光景はテレビでよく見るが、あの狂気とも思えるみにくい争奪の姿だけは、わが国では見られない。何故か? さる新聞のコラムによると、それは日本人だから、と。これが正解のようだ。

 諸外国の主要メディアが一様に称賛する。
 
 2008年の中国・四川大地震、マグニチュウド8・0、死亡・行方不明が8万7千。今回の東日本大震災で3月16日現在、死者3,373人、行方不明者7,558人。いまだ中間段階ではあるが、中国の四川省大地震の死者・行方不明者とはケタ違いである。中国メディアは「公園や体育館などに避難する市民たちがきちんと行列をつくるなど混乱がなかった。----常に地震や津波の脅威にさらされている日本の高い防災意識の表れ----」と、指摘している。
 また、英国からは、「----子どもが学校で避難訓練を受けていることや、建物の耐震性が極めて高いことなども、他国の犠牲者より少ないことなどが要因、----自然災害が起きた時は、その国の人への思いやりの度合いが明らかになる」と、被災者に賛美を送っている。
 同様に、イタリアからも、「東日本大震災ではもっと大きな人的犠牲が出てもおかしくなかったが、日本人は落ち着いて行動し、被害を抑えている。非常事態計画を立て避難訓練を実施、耐震構造を導入するなどの備えが生かされた。」と讃えている。
 アメリカは、「ハイチの地震や中国の四川省大地震とは対照的である。----日本人が甚大な被害に直面しながらも平静を失わず、相互の助け合うと言う状況を評価したい。----住民たちは冷静で、自助努力と他社との調和を保ちながら礼儀を守っている。商店などでも略奪行為は皆無----。」と評価。(以上すべて産経新聞による)

 と、国民の防災意識の高さや冷静さが賛美され、一方100カ国を超える世界各国・地域から援助の声がかかるのはさすがに心強い。心強いし、世界の中の日本であることにも意を強くした。意を強くしたが、その意を強くする一方で、対照的に、原発事故の対応では、東電、政府ともその対応では世界にわが国の悪評を振りまいた。最悪の時期に最悪の出来事というが、ことはそれほど単純ではない。経済が低迷し、素人集団の民主党が政権の座に就いて、国民の生活が一番を標榜したはいいけれど、無い袖振ってバラマキ宣伝。国民が弱体政党の実態を知り始め、経済も好転の兆しが見えない。そんな時期にマグニチュウど9・0の大地震。防災のノウハウも何もあったものか。内部での混乱をよそ眼に最も恐れていた原発が、最悪の事態になった。
 東電の報告が遅いと、菅総理のぼやき。いやはや、菅さん、あなたぼやく必要なんかない。東電はあなたなんかを当てにしてないんですよ。菅さん、あなたは東電に無視されているんです。社会の混乱期に経済も低迷、こんな時期に限って政治も本命から目をそらし、内部抗争に終始。人心の乱れ。そこへ大地震と津波の自然災害が追い打ち。軟弱な素人集団の民主党政権がこの最悪の自然災害を誘発したとは思わないが、早々に民主党政権は消えてほしいものだ。

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