風通庵-直言

ヨモヤマ話

事前協議がないから、核はない

2007-10-07 15:48:34 | Weblog
 沖縄返還をめぐる交渉で、アメリカの核兵器持込を認めた密約を裏付けるアメリカ政府の公文書がアメリカで発見され、沖縄返還をめぐる最大の謎に新たな光が当たった。------(略)------しかし日本政府は密約の存在を強く否定し続けている。(讀賣新聞)「ないものはない」、である。集団自決といい、いまや沖縄の季節かも。


 当時は政治問題にあまり関心もなかったが、それでも「核抜き本土並み」とか、「非核三原則」とか、「事前協議」とかの字句は毎日の新聞でよく見かけた。佐藤栄作首相に、社会党の議員は「何がエエさくだ。あれは無策だ」と、罵声を浴びせていた。そんな時、佐藤首相がノーベル賞を受賞したと聞くと、「へ―、ノーベル賞? それで何をしたのですか?」と、一様に驚いていた。そんな住民の声がテレビで放映されていた。
 ノ-ベル平和賞と聞いて、「どんな悪いことをしたんですか?」と聞く町の悪役もいたように記憶する。それもそのはずで「非核三原則」で、ノ-ベル平和賞を受賞したのだから、それがそんな価値のあるものか、驚きが疑問に変ったりもした。


 その「非核三原則」がわが国の国是になったのだから、沖縄の核抜き本土並みのお題目も深刻さをました筈だ。しかもその「事前協議」とかの条件で、話題を呼んだ事件があった。
 原子力船「トマホ-ク」とかが、沖縄から横浜に一時停泊するについて、核の持込みではないかとの疑問が起きた。その時、佐藤首相の国会かどこかの答弁が「事前協議がないから、核は持ち込んでいない」と。しかしトマホ-ク自体が核を搭載した船であるのに、だ。後に関係者も核の持込を認めているのに、佐藤首相だけは相変わらず「事前協議の対象になっているが、それがないので核の持込はなかったと考える」の一点張り。それで押し通したから、たいしたもんだ。福田首相ならどうだろう。「そのような認識の上に立ってならそうかもしてないが、原則は原則、事前協議がなかったことは、核がないと考えるのが当然で、あえてアメリカに問いただすべき内容のものではない」とか、持った回って、さてどうなったいるか。

 国家に秘密事項、知らなくて事なきを得たなら天下泰平ではないか。

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