風通庵-直言

ヨモヤマ話

「正しい和食」の認証---それは無理では?

2006-12-10 21:17:01 | Weblog
 こともあろうに農林水産省が、世界にある和食レストランを「正しい和食」と認証する制度を検討中とか。それはちょっと無理ではないか。和食ブ―ムのアメリカで、特にメディアからいろいろと反応が出ているようで、それも尤もな気がする。何故なら、国によって国民の味、好みが違うから。
 農水省は「食材や調理法が本来の日本食とかけ離れた料理を提供している日本食レストランが増えている為」と説明しているが、日本の国内での中華料理も、本場中国の料理と同じかどうか。名称は中華料理でも、食材も調理方法も日本人の好みに合わせている。中国人から見るとあれは中華料理でないと言うかもしれないが、日本人はそれを中華料理と思って食べているのだから、それでいいではないか。仮に、油っこい茶碗蒸しがあったとしても、アメリカ人がそれを和食の一つと思っておいしく食べれば、それはそれで立派な和食です。
 それぞれの国で、その国の味に合わせて調理するから流行るのであって、現物を見て、和食とは言え、これは違う、本物はこうだ、と日本流の調理をしたら、果たして現地の人が喜ぶか。当初はそうしていても、時の経過と共に少しずつ調理方法を変えて、現地の人の口に合った味付けに変っていく、それが自然ではないか。中華料理もかくして日本人の口に合わせて今の様になったのではないか。
 農水省の役人が、外国人の味の好みにまで口出し出来るか。アメリカの和食、外国の日本食、それはそれでいいではないか。