ふうてんの猫の猫耳東風的フリチベ生活

働きながら和製MBAと工学博士取得をしていた自称苦学生バックパッカーの日記。
今は学位もとって大阪で技術戦略考えてます

歴史に学ぶ前に現代を見よう

2005年01月18日 | 政治・経済・社会現象
いつもお世話になっているgiants55さんのblogで
ヘンリー王子がナチスの格好をしたことのblogでアウシュビッツを知らない人が多いということに驚かれ、歴史に学ぶことが多いのに、と書かれているので、その補足と異論です。

確かにアウシュビッツでの虐殺は悲劇であり、負の遺産です。
また、日本の戦争が侵略戦争であったことは確かでしょう。
ではそのナチスと日本が負けて世界は平和になりましたか?

より引用ですが
しかし、第二次大戦後の共産社会では
<>歴史的に見てもスターリンの粛正で一千万人以上の国民が犠牲となり、カンボジアのポル・ポトは国民の三分の一にも及ぶ二~三百万人を虐殺、中国では毛沢東による大躍進政策の失敗による飢餓や文化大革命による混乱で数千万人が死亡。これらは今起こっているイラクでの戦争やテロでの死者の数の比ではない。そして今も北朝鮮の金体制の圧政で少なくとも数百万人の人たちが飢餓に苦しみ、数十万人の人たちが強制収容所で明日の処刑におののいている。

また別のサイトの数字では
・体制によって暴力的に死に至らしめられた人
700万~1,000万人(うち数十万人はチベット人)
・「反革命派」としてラーゲリに収容され、そこで死亡した人
約2,000万人
・1959~61年の「大躍進期」に餓死した人
2,000ないし4,300万人
などと記しています。

どう見てもアウシュビッツよりも大きな悲劇だと思いますし、ポルポトは国内外のインテリを集めて全員殺しました。反対勢力を作らせないためです。
そのため、今でもカンボジアは知識層が少なく、国の発展を絶望的にしてきている理由の一つです。

またこの十年でチェチェンでは20万人がロシア軍によって虐殺されています。
アメリカはベトナムを荒野にし、枯葉剤を撒きました。
CIAはアルカイダを育てて共産勢力と戦わせました。
ユダヤ人もナチスに600万人も虐殺されたことは不幸ですが、ナチスがちゃんと虐殺しきっていれば
パレスチナ人が400万人も難民になったり、虐殺されることはなかったといわれても仕方ないほどの横暴を今でも続けています。

歴史に学ぶことは重要だといいながら、日教組や朝日が教えるのは「日本の戦争の話」ばかりです。
おかげで、まるで日本が戦争に負けてからはアジアは世界は平和になったかのような誤解をしてしまい、平和ボケといわれるような国民になってしまいました。

しかし、歴史に学ぶどころか、今現在世界で起きている悲劇にすら多くの人は無知で無関心です。
アウシュビッツを知らないどころか、日本人もアメリカ人も「イラク」が地球儀の上のどこかわからないで、「戦争」だと言っている人が多いのです。

朝日・日教組的左翼史観では
「ドイツ・日本が戦争に負けて世界は平和になりました。めでたしめでたし」
で現代史は終わりですが、そんなことはけしてない!!
今も、苦しんでいる人、言われもなく虐殺される人、そしてアウシュビッツで行われていた民族浄化は対象をチェチェン人やチベット人、アルメニア人そのたアフリカの民族紛争に姿を変えて行われ続けているとすら言えるでしょう。
また第二次大戦の話を必要以上にクローズアップすることは必ずしも世界を平和にする方向ではなく、今世界で起きている現実を曇らせることにもなりかねないということを理解して欲しいと思います。

あれが最後の悲劇ではない。

(写真はチェチェンやめられない戦争です。
読みかけですが、非常に素晴らしいルポです。 是非読んでみてください。
(ただし、国際政治力学についての予備知識がないと難しいかもしれません。
ロシア人向けに書かれた本を邦訳しているので)

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1 コメント

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歴史観 (giants-55)
2005-01-18 04:37:04
書き込み有難うございました。



「歴史に学ぶ前に、今世界で起きている事すら理解しようとしていない人がとても多いように思う。」というのは、確かにそうですね。事柄を判断していく上で、過去や現在にバランス良く軸足を置いて総合的に捉える事は必要だと自分も思います。



歴史は勝者の側からのみ書かれると良く言われます。或る国では”正義”と見做される事柄も、他の国にとっては”悪”と成り得るケースは少なくないでしょう。その意味で言えば、現在、世界に”一般的に”流布している歴史観は戦勝国、つまりアメリカやイギリス、ソ連や中国等にとって都合の悪い部分は意識的に触れられていないか、葬り去られ様としている側面は在ると思います。



自分があの記事の中で、事実を矮小化も誇大化もせずに、又自虐的になり過ぎる事も無く、捉える事が必要ではないかとしましたが、一つの事象(アウシュビッツや日本軍の蛮行とされる行為等。)のみを取り上げるのではなく、広く事象を捉えて総合的に考えるべきという思いも根底には在りました。言葉足らずで上手く伝わらなかったと思いますが(ゴメンなさい(^o^;;;。)、その意味でふうてんの猫様が書いて下さった、アウシュビッツだけを特別視するのではなく、他にも目を向ける必要が有るというのは、自分にとって異論ではなく、全く同感です。



P.S. 具体的な数字を入れて戴いた補足、勉強になりました。ソ連内での虐殺がかなりのものになるのは知っておりましたが、具体的にあんな数字になるとは思ってもいませんでした。ボンヤリとは知っていた事実も、具体的な数字を把握する事で、より深い意味合いを感じますね。本当に有難うございました。又、色々御教示下さい。
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