音楽を忘れかけている君へ

エンディングで流れたプロコルハルムの「青い影」。
長年私と寄り添っている音。
その回想シーンをぼんやり眺めながら涙が溢れた。

騙し騙し使っているi-podシャッフルをスピーカーに繋いでみる。
良かった、何とか生きているみたいだ。
前回使ったのはいつだったろう？
一旦聴き出すと止めどなく入り込んでしまって眠れなくなる。

そう言えば、またメルマガ発行の催促が来ていた。
この数か月なぜかネット環境が不安定で、
思うように発信出来ないせいもある。

プロコルハルムは、変わりなく干乾びた心を濡らしてくれる。

城

何て静かなんだろう。
送風機だけが規則正しい音を立てて、
半渇きの洗濯物を揺らしている。
外は猛暑の幕開けを思わせる日差しが
カーテン越しに部屋を照らす。

この住まいは、日中も深夜も生活音が殆ど響かないが、
ダブルロックの比較的頑丈なドアのせいか
否応なしに住人の出入りを大きく知らしめてくれる。

当初凛といっしょに暮らそうと慌てて入居した物件。
内見と言っても日が落ちた部屋は真っ暗で、
図面と物件の詳細だけで決めたに近い。
その割には満足している。
オール電化のコンパクトでスタイリッシュな部屋。
心配していた通りからの騒音はそれ程気にならないし、
予想より採光もあって、小窓からは心地良い風が入ってくる。
１年が過ぎ、この空間で私は何とか生かされている。