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"Sunflower"(1970)

2008-03-25 00:07:08 | Drama

 ひまわり

cast >>  Sophia Loren, Marcello Mastroianni, Lyudmila Savelyeva ...
producer >>Vittorio De Sica, Carlo Ponti
director >>Vittorio De Sica《イタリア作品》
music >> Henry Mancini
soundtrack >>


原題は "I GIRASOLI"。
オープニング ーーー あまりにも有名なヘンリー・マンシーニ( "The Glenn Miller Story" "CHRADE" "THE RETURN OF THE PINK  PANTHER" )の哀愁漂う調べにのせて、ウクライナの大地に燦々と咲き誇る広大な “ひまわり畑”。戦争で引き裂かれた夫を追い求める妻を、太陽を追い続ける “ひまわり” に重ね合わせ "過酷な運命" を描く、美しくも悲しい物語 ーーー。巨匠ヴィットリオ・デ・シーカ監督( "La  Ciociara(ふたりの女)"  "Ieri, Oggi, Domani(昨日・今日・明日)" )が、構想から10年の歳月をかけて完成させた、時代を超越した不朽の名作。

I Girasoli 1970


この見渡すかぎりの “ひまわり” 一本一本の下には戦争で犠牲になった人たちが眠っている・・・。
気性の激しいナポリの女性ジョバンナ(ソフィア・ローレン)は、ロシア戦線に送られて以来、生死すらわからないまま行方不明になってしまった愛する夫、アントニオ(マルチェロ・マストロヤンニ)を探すことを決心する(↑ の映像は、夫の生死を確認できないまま遠くロシアに探しに行くことを決め、夫の母に「きっと私が連れて帰ります」と告げるシーン)。なんの手がかりもない広大なロシアで、彼女は夫を捜し出すことができるのか? そして夫は・・・・・? 

当時カメラを持ち込むことは厳禁だったソビエト連邦に、製作者のカルロ・ポンティ(←「重婚」で裁判沙汰になるが、後にソフィア・ローレンと結婚)らは作品の意図を根気強く説明・交渉し、はじめてのロケが実現。本作でジョバンナの子供として登場するのは、ポンティとローレンの実子。ローレンと故マストロヤンニの "切ない" 演技は素晴らしく、この二人は『昨日・今 日・明日』『ああ結婚』『プレタポルテ』など多くの作品で共演、デ・シーカ監督とも組んでいる。
ちなみにその美貌を "イタリアの太陽" と称えられた 1934年生まれのソフィア・ローレンは、現在も信じられないほどキレイ!(驚)(← スマステ『20世紀を代表する美女ベスト20』 の20位にランク・インしていました) マストロヤンニは、第二次世界大戦でイタリア軍兵士として参戦。連合軍に降伏した後、ドイツ軍の捕虜収容所に送られ脱走した経験を持っているので、撮影とはいえロシアのどこまでも続く雪原に立って、大きくため息をもらしたらしい。こちらも切ないロシア女性を演じたリュ ドミラ・サベリーエワ( "War And Peace(戦争と平和)" "BEG(帰郷)" )は、バレエをやっていたので、可憐で清楚な顔立ちとともに、立ち姿・歩き姿がひじょうに美しい。

古典作品としてのみならず、壮大なスケールで描かれたこの物語が普遍的な輝きを放っているのは、戦争の悲惨さを真摯なまでに映し出し、強く胸を打つからでしょう。劇中、何度もマンシーニの美しいテーマ曲が流れますが、何度観ても何度聴いても、あまりに悲しく切なくて、カラダの奥底から熱いものが込みあげてき ます・・・。

結局「戦争」は、誰のせいでもないのに、誰も幸せにはなれない・・・・・。
"イヤリング" が痛いほどの "女心" を、語らずとも表しています・・・。
ーーー "MY BEST10" の一本です。

>>  War - filmography


Comments (2)    この記事についてブログを書く
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2 Comments

コメント日が  古い順  |   新しい順
「ひまわり」、素晴らしい! (jamjam)
2008-03-25 12:14:50
funkymeg_mさんへ

上手いな文章。読んでいるうちに映像を思い出して、ジーンとして、涙が滲んできます。撮影の苦労話は、初めて知りましたが、ますます、好きの度合いが増しました。

間違っているかもしれませんが、ラストの方で洗濯物を干している彼女を見て、ソフイア・ローレンが立ち退くシーン、ひまわりの映像と共に涙が黙っていても出てきます。

それにしても、漢字で書くと「向日葵」、いろいろなことが思い浮かぶタイトルですが、原題の「I GIRASOLI」ってどんな意味なんですか。
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うれしいなぁ。 (funkymeg_m)
2008-03-25 18:47:39
to jamjamさん


こんなふうに言っていただけると、書いた甲斐があるってモンです・・・ありがとうございます(素直&喜)。

今回は内容を「ちゃんと」覚えているようで「正解」です(笑)。涙を隠すために、とっさに水で顔を濡らすシーンもあって、本当に胸がしめつけられます・・・。

ところで勉強不足で "I" が冠詞なのか数詞なのかよくわかりませんが "GIRASOLI" は“ひまわり”のことです。

オープニングでも、エンディングでも、“ひまわり”の映像には涙がこぼれます・・・・・。
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