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"ORFEU NEGRO"(1959)

2008-03-26 00:17:17 | Classic

 黒いオルフェ《ポルトガル語版》

cast >>  Breno Mello, Marpessa Dawn, Lourdes De Oliveira, Lea Garcia ...
writer / director >>Marcel Camus《フランス = ブラジル作品》
music >> Antonio Carlos Jobim, Luis Bonf
soundtrack >>


オープニング ーーー サンバのリズムを遠くに、ギターの調べに乗せて流れる美しく忘れられないメロディーの "Felicidade(悲しみよ さようなら)" は、アントニオ・カルロス・ジョビンの名曲。

        “悲しみは果てしなく しあわせは はかない
       朝つゆの玉のように しあわせは 陽と共に生まれ
       静かに輝き 果ては揺れて 恋の涙のように落ちる
       貧しい者の酔うしあわせは カーニヴァルがもってくる
       貧しい者は ひまなく働く つかの間の いきぬきに
       夢の彼方に描くのは 誇らしい王子のすがた
       小さな喜びに 心は満ちる
       悲しみは果てしなく しあわせは はかない
       しあわせは一枚の羽根 風のように飛ぶよ 飛ぶ
       ゆるやかに揺れうごき そよかぜに落ちて行く
       悲しみは果てしなく”

ギリシャ神話のオルフェウス伝説を基にしたブラジル詩人ヴィニシウス・デ・モライスの戯曲を、マルセル・カミュ監督が自ら脚色。舞台をリオ・デ・ジャネイロに移し、オール黒人キャストで現代に甦らせた傑作。【'59 カンヌ国際映画祭グランプリ】【'59 アカデミー賞外国語映画賞】【'60 ゴールデン・グローブ賞外国語映画賞】受賞作品。
リオの名物、年に一度のカーニヴァル ーーー 強烈なサンバのリズム・鮮烈な色彩・夜を徹して踊り狂う情熱・南米の異国情緒・西欧的な都会文明と野性的な自然との対比・・・そして世界的な “ボサノヴァ” ブームの口火を切った美しい音楽。

"Black Orpheus" Trailer
(※この予告編ではラストに "Felicidade" が流れます)


リオのカーニヴァルの前日、従姉を訪ねて田舎から出て来た娘ユリディス(マルベッサ・ドーン)は、ギターと踊りが上手い市電の運転手オルフェ(ブレノ・メロ)と知り合い、カーニヴァルを通じて深く愛し合うようになる。しかし、その夜「死」の仮面の男に追われたユリディスは・・・・・。

オルフェ役のブレノ・メロはリオのサッカー・チームのメンバーで、 演技経験はなく、オーディションで監督によって見出された。フィリピン人の父とアメリカ人の母を持つユリディス役のマルベッサ・ドーンは、女優を志しパリで勉強しており、ブレノ・メロ同様オーディションで抜擢された。「死」の仮面をつけた謎のストーカーを演じたアデマール・ダ・シルヴァは、ブラジルが世界に誇る三段跳びの名選手。オルフェを慕い、貧しいけれど、純粋で素朴な少年たちの姿も忘れられない。

 
これも美しい、ルイス・ボンファの曲 "Manha de Carnaval「オルフェの唄(謝肉祭の朝)」" 。

Black Orpheus
エンディングで、子供たちが朝日に向かって唄う "Samba de Orfeu(オルフェのサンバ)" もボンファの曲。


サントラは永遠のベストセラーとなっており、本作を観る度に一日中 "Felicidade" のメロディーが頭から離れず、ハミングしてしまいます(笑)。「悲劇」ではありますが、このエンディングを観ると「救われ」ます。おしゃまな女の子も少年たちも、すでに “立派な” ブラジル人。
何度観ても、とても私が生まれる以前の作品とは思えません・・・!(驚)
あ、日本語字幕がありますから、ぜひともフランス語版ではなく《ポルトガル語版》で観てくださいね。


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2 Comments

コメント日が  古い順  |   新しい順
ジョビンの曲いいですよね。 (jamjam)
2008-03-26 17:37:05
funkymeg_mさんへ

映画はみました。あまり、ボサノバは詳しくありませんが、ジャズ絡みで何曲か好きな曲はあります。俗に言う「黒いオルフェ」、アルトのポール・デズモンド、デクスター・ゴードンがいい演奏をしています。

昨年の暮れだったと思いますが、「黒いオルフェ」を捜してーブラジル音楽を巡る旅ーという映像をみました。05年の作品ですので、当時のスタッフとブレノ・メロが撮影地を回ったり、撮影のエピソード、さらには、モライスの娘さんのインタビューまで収録されていて、なるほどと頷いて観ていました。その他、盛りだくさんで書ききれません。megさんは観ましたか。

さらに、もう一本。「This Is Bossa Nova」、映像は観ていないのですが中身の濃いパンフレットを読んだ感じでは、ふたりの生き字引みたいなギターリストが淡々と語る、ボサノヴァの歴史、ジョビンとのエピソードなどが語られているみたいです。映像は良かったみたいですが、人間関係が複雑で、私にはよくわかりませんでした。

蛇足ですが、概略はサイトで知ることができます。
返信する
ジョビン&ジルベルト、好きですね~。 (funkymeg_m)
2008-03-26 18:56:39
to jamjamさん


デクスター・ゴードン、いいですね。

残念ながら年末は留守にしていたので“「黒いオルフェ」を探して”は観ていません。DVD の存在は知っていましたが、ブレノ・メロが出ているかどうかがハッキリせず、保留にしていました。が、jamjamさんのせい(?)で、早速オーダーしてしまいました(あ~ぁ・・・笑)。

ちょっと楽しみだなぁ・・・♪
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