会計法規集を購入して思った独り言。

2019年12月02日 | 日々のできごと
皆さん、こんにちは。
あっという間に師走に突入です。令和元年もあと数週間です。やり残しはありませんか?
私もあと数週間の間に少しでも知識と言う武器を身に付けたいと思っています。
 
我々の武器の一つに簿記(会計)があります。
その簿記は、福沢諭吉がアメリカの商業学校の教材から翻訳し、明治6年(1873年)6月「帳合之法」で初めて複式簿記が紹介され、現代の日本の簿記とつながります。
その福沢諭吉も令和5年(予定)では1万円札から姿を消します。変わって1万円札は渋沢栄一となる予定です。日本の教育の礎を築いた学者から日本を資本主義へ改革した経営者に変わります。同じ明治時代を駆け抜けた偉人です。感慨深いですね。
 
さて、凡人の話しに戻しますと、先日十数年ぶりに会計法規集を購入しました。
簿記のルールなどの会計基準が集まったものが会計法規集です。
久しぶりに手に取ると、あれっ薄くなったかな?中を広げると字のフォントが小さい。年のせいかな?でも内容は明らかに多くなっている・・・。タグを付けるのに30分かかりました。
 
そして、会計法規集を開いて有形固定資産のことを調べると、補足資料を見て、概念フレームワークを見て、財務諸表規則を見なくてはならないなど、会計法規集を右往左往開かなければいけません。
なんじゃこりゃ、登録マスターがあちこちにあるツギハギだらけのポンコツシステムと一緒じゃないか・・・というのが第一印象でした。
私は企業に勤めていた時にマニュアル整備、規程作成、システム構築などの作業を行う際に、誰でも分かりやすくする、他人に聞く事を少なくする等をテーマとして業務効率化に取り組んできました。
税法や商法は目次で調べ物が分かります。専門学校の会計教材も目次で調べ物が見つかりますし、流れがスムーズで会計法規集よりわかりやすいです。
会計法規集を発刊している中央経済社が悪いのではなく、こんな形になっている会計基準が残念でなりません(会計の学問にも諸事情があるのでしょう)。
 
会計基準の大原則ともいえる企業会計原則の前文にこう記されています。
「企業会計原則は、企業会計の実務の中に慣習として発達したものの中から、一般に公正妥当と認められたところを要約した基準である。」
今の会計法規集は実務家が見やすいですかね。要約されていますかね。各種の会計基準は詳細を羅列され、枝葉となって学者が見る物になってしまったようです。
私が思うに、世界から日本の会計基準がガラパゴス基準と言われているのは、誰でも分かりやすくする整備をしていないからだと思います。
日本の企業では、大企業は「IFRS、J-IFRS、US-GAAP、J-GAAP」、中小企業は「中小会計指針、中小会計要領」と6つもの会計基準が採用できます。異常と言えるでしょう。
会計学者から渋沢栄一のような改革者が出て欲しいと切に願います。
 
最後に明るい話をすると原価計算基準はS37年発行から50年以上改正がありません。
ある学者の話しによると日本が世界に誇れる会計基準の一つだそうです。
 
 
 
簿記を愛する末端の実務家 吉野伸明