藤巻和宏研究室

近畿大学文芸学部文学科日本文学専攻

【過去の担当授業】2023年度の授業

2023-04-01 | 過去の担当授業

2023年度・前期


 
基礎ゼミ(文芸学部)
火曜3限 教室:A-共同演習室

■授業概要
 大学で「日本文学」を学ぶことを選択したみなさんは、周囲から「そんなものを勉強して何の役に立つのか?」と言われたり、あるいは自分自身でも同様のことを考えたりしたことはないだろうか。確かに、新しい技術や製品を開発したり、社会情勢を分析したりする学問と比べると、日本文学は「実用的」な学問ではない。それは、日本文学のみならず人文科学全般、あるいは芸術についても言えることだろう。
 しかし、そもそも「実用的」とはどういうことであろうか。なぜ我々は、「役に立つ」ことが重要であると考えてしまうのだろうか。例えば、アジア・太平洋戦争下の日本では、戦争を煽り国威を発揚するために学問が利用され、利用価値の高いものが「役に立つ」と言われたが、敗戦によりその価値観は覆った。このように、「役に立つ」ということは、時代や社会情勢によって変化する、非常に流動的な価値観でしかない。
 以上のことを前提として、この授業では、「文学や芸術は役に立つのか」「役に立つとはどういうことか」という議論をしてみたい。ただし、単に自分の感想や印象を語るのではなく、「根拠」を示した上での議論である。その際に必要となるのは、こうした問題を論じた「先行研究」である。図書館やデータベースを利用し、先行研究を集め、読み、それらを参照した上で議論することになる。そして議論した内容を、最終的にレポートにまとめて提出する。こうした作業を経ることで、「学問」の初歩を身に付けていただきたい。
■授業形態
対面授業(授業回の半数以上が対面授業/それ以外は、メディア授業)
■アクティブ・ラーニングの形態
ディスカッション、ディベート・プレゼンテーション
■到達目標およびディプロマポリシーとの関連
あらかじめ範囲の定められたことを学習するのではなく、自ら考えてテーマを設定し、それについて調べるという能力を身に付ける。
■成績評価方法および基準
授業への取り組み(発言、発表) 60%
レポート 40%
■試験・課題に対するフィードバック方法
授業中に適宜解説する。
■教科書
なし
■参考文献
授業中にそのつど紹介する。
■関連科目
専門基礎研究
■授業評価アンケート実施方法
文芸学部が定めるとおり、半期に1回行います。
■授業計画の内容及び時間外学修の内容・時間
第1回 ガイダンス、文献紹介
第2回 意見交換
第3回 発表分担の決定
第4回 図書館案内
第5回 発表とディスカッション
第6回 発表とディスカッション
第7回 発表とディスカッション
第8回 発表とディスカッション
第9回 発表とディスカッション
第10回 レポート作成の経過報告
第11回 レポート作成の経過報告
第12回 レポート作成の経過報告
第13回 レポート作成の経過報告
第14回 レポート作成の経過報告
第15回 総括
 

 
言語・文学演習2A(文芸学部)
水曜3限 教室:A-日本文学専攻共同研究室

■授業概要
卒業論文テーマの検討と設定、それに基づく資料の収集、中間発表とディスカッションをおこない、卒業論文作成の準備を進める。対象とする時代は上代・中古・中世前期(奈良・平安・鎌倉)、ジャンルは神話・物語・説話・軍記・宗教文学・思想史…等を中心とするが、それ以外の時代・ジャンルも相談に応ずる。
■授業形態
対面授業(授業回の半数以上が対面授業/それ以外は、メディア授業)
■アクティブ・ラーニングの形態
ディスカッション、ディベート・プレゼンテーション
■到達目標およびディプロマポリシーとの関連
卒業論文作成へ向けて入念な準備を進める。
■成績評価方法および基準
授業への取り組み(発言、発表) 100%
■試験・課題に対するフィードバック方法
授業中に適宜解説する。
■教科書
なし
■参考文献
授業中にそのつど紹介する。
■関連科目
卒業論文・卒業制作
■授業計画の内容及び時間外学修の内容・時間
第1回 ガイダンス、中途原稿(4000字)提出
第2回 各自の題材選定とアドバイス
第3回 各自の題材選定とアドバイス
第4回 発表とディスカッション
第5回 発表とディスカッション
第6回 発表とディスカッション
第7回 発表とディスカッション
第8回 発表とディスカッション
第9回 発表とディスカッション
第10回 発表とディスカッション
第11回 発表とディスカッション
第12回 発表とディスカッション
第13回 発表とディスカッション
第14回 発表とディスカッション
第15回 総括、中途原稿(6000字)提出
 

言語・文学演習1A(文芸学部)
水曜4限 教室:A-日本文学専攻共同研究室

■授業概要
 中古・中世文学を中心とした演習。前期は『伊勢物語』を採り上げ、それを中世の古注釈書を援用して読解する。
 『伊勢物語』は平安時代初期に成立した歌物語で、誰もが知る有名作品でありながら、作者や成立経緯、書名の由来等については諸説あって、いまだ未解決の問題が多い。内容は、在原業平を連想させる主人公を中心とした短編約125段から成る(諸本によって相違あり)。この中から任意の一段を選び、出典・類話・時代背景・解釈といった基本的な問題についての先行研究を調べ、さらに『和歌知顕集』や『伊勢物語愚見抄』等々の古注釈書から中世における解釈・再解釈の様相を探る。このような観点で調べたことをまとめ、発表し、議論することにより、古典の読解、思想的・社会的背景の把握、問題の発掘やプレゼンの技法…等々を身に付けることを目的としている。
■授業形態
対面授業(授業回の半数以上が対面授業/それ以外は、メディア授業)
■アクティブ・ラーニングの形態
ディスカッション、ディベート・プレゼンテーション
■到達目標およびディプロマポリシーとの関連
卒業論文作成へ向けて入念な準備を進める。
■成績評価方法および基準
授業への取り組み(発言、発表) 60%
レポート 40%
■試験・課題に対するフィードバック方法
授業中に適宜解説する。
■教科書
なし
■参考文献
授業中にそのつど紹介する。
■関連科目
言語・文学演習1B
■授業計画の内容及び時間外学修の内容・時間
第1回 ガイダンス
第2回 各自の題材選定とアドバイス
第3回 各自の題材選定とアドバイス
第4回 発表とディスカッション
第5回 発表とディスカッション
第6回 発表とディスカッション
第7回 発表とディスカッション
第8回 発表とディスカッション
第9回 発表とディスカッション
第10回 発表とディスカッション
第11回 発表とディスカッション
第12回 発表とディスカッション
第13回 発表とディスカッション
第14回 発表とディスカッション
第15回 総括
 

古典散文特論1A(総合文化研究科)
水曜5限 教室:A-藤巻研究室

■授業概要
  本講義では寺社縁起を扱う。寺社縁起の起こりは、律令制下において諸寺が朝廷に提出した資財帳(財産目録)に付加された寺院の由来である。後にここから独立し、十世紀頃から寺社の仏神や開創者の権威を誇示し信者を獲得するため多彩に展開していった。中世には霊験譚等、種々のエピソードが加わり長文化し、また、絵巻化されるものもあった。寺社参詣が庶民層にも拡大していった近世になると、長く複雑な内容を避けるべく、それを略述・再構成した内容の略縁起が作られ、その系譜は現代の寺社のパンフレットに引き継がれている。
 前期は、まず寺社縁起の研究史を整理した上で、長谷寺縁起を事例として採り上げ、その再生産と変容の様相を古代から近代まで辿ってゆく。
■授業形態
対面授業(授業回の半数以上が対面授業/それ以外は、メディア授業)
■アクティブ・ラーニングの形態
ディスカッション、ディベート・プレゼンテーション
■到達目標およびディプロマポリシーとの関連
古典文学研究の基礎的作法を身に付ける。
■成績評価方法および基準
授業への取り組み(発言、発表) 60%
レポート 40%
■試験・課題に対するフィードバック方法
授業中に適宜解説する。
■教科書
なし
■参考文献
『日本思想大系 寺社縁起』(岩波書店、1975)
『長谷寺史の研究』(逵日出典、巌南堂書店、1979)
『寺社縁起の文化学』(森話社、2005)
■関連科目
古典散文特論1B
■授業計画の内容及び時間外学修の内容・時間
第1回 寺社縁起とは
第2回 寺社縁起研究史
第3回 長谷寺概説
第4回 長谷寺縁起概説
第5回 長谷寺縁起概説
第6回 長谷寺縁起研究史
第7回 発表とディスカッション
第8回 発表とディスカッション
第9回 発表とディスカッション
第10回 発表とディスカッション
第11回 発表とディスカッション
第12回 発表とディスカッション
第13回 発表とディスカッション
第14回 発表とディスカッション
第15回 総括


日本文学史1(文芸学部)
木曜2限 教室:なし

■授業概要
 「日本文学史1」では、古典文学史、つまり近代以前の文学史を扱う。
 「文学史」というと、作家や作品の名前を時代順に並べて年表形式にした、試験の前に暗記するだけの退屈なものというイメージを抱くかもしれない。何年に誰々が何々という作品を書いたという“事実”を並べる、きわめて客観的の高いものであると考える人もいるだろう。しかし、それは大きな誤解である。
 歴史叙述とは無色透明なものではない。どんなに客観的に見えても、事項の取捨選択がおこなわれているため、叙述者の主観を排除することはできない。「文学史」にしても同様で、『万葉集』や『源氏物語』等々の作品名を並べてゆく作業は、これらが“重要”で“有名”な作品であるという、後世の少数者の認識に基づくものであり、同時代の誰もが同じ評価をしていたわけではない。むしろ、そういった少数者による“評価”だけが独り歩きして、作品不在のまま再生産されてゆくことのほうが多いだろう。また、そもそも「文学」という概念は近代に成立したものであるのに、近代以前の『万葉集』や『源氏物語』等を「文学」と認識し、文学でないものと区別すること自体、非常に不合理なことである。
 本講義では、こういった視点から「古典文学史」を検討することをとおし、「古典」や「日本」に限らず、広く「文学」とはいかなる営為であるのかということについて考えてゆきたい。
■授業形態
メディア授業(全授業回)
■アクティブ・ラーニングの形態
該当なし
■到達目標およびディプロマポリシーとの関連
古典文学を学習・研究の対象とする際に必須の様々な知識・手法・理論を身に付ける。
自明のものとされがちな「古典」「文学」という概念に疑問を持ち、様々な視点から考察できるようにする。
「文学」を「学問」として学ぶことの意味を理解できるようにする。
■成績評価方法および基準
課題 100%
■試験・課題に対するフィードバック方法
授業中に適宜解説する。
■教科書
プリント
■参考文献
『創造された古典―カノン形成・国民国家・日本文学』(ハルオ・シラネほか編、新曜社)
『「日本文学」の成立』(鈴木貞美、作品社)
『近代学問の起源と編成』(井田太郎・藤巻和宏編、勉誠出版)
笠間書院『リポート笠間』61号(特集=理想の『日本文学史』)
■関連科目
古典と現代1
■授業計画の内容及び時間外学修の内容・時間
予習・復習内容および時間は教員が指示するものではなく、学生自身が判断するものと考える。各自、納得のゆくまで予習・復習をして授業に臨むこと。
第1回 そもそも「文学」とは何か―「文学」概念の歴史的変遷―
第2回 そもそも「文学」とは何か―「カノン」認識と文学―
第3回 時代を「区分」することの意味
第4回 「文学史」の諸相―「文学史」という歴史認識の枠組み―
第5回 「文学史」の諸相―日本文学史における時代区分の試み―
第6回 創られた「時代」イメージ・上代
第7回 創られた「時代」イメージ・中古
第8回 創られた「時代」イメージ・中世
第9回 創られた「時代」イメージ・近世
第10回 「文献学」の方法と目的―文献学とは何か―
第11回 「文献学」の方法と目的―「日本文献学」と文学研究―
第12回 日本教育制度史・概観
第13回 近代的教育制度の展開と「国文学」の成立
第14回 「日本古典文学史」の可能性―文学史叙述の恣意性・政治性―
第15回 「日本古典文学史」の可能性―学問とは何か―

 


2023年度・後期



フィールド・ワーク
(文芸学部)

火曜2限 教室:A-102
担当教員:藤巻和宏・井田太郎・髙木浩明

■授業概要
 フィールド・ワークとは、「現地調査」のことである。日本文学研究において必要となる現地調査というと、文学の舞台・背景となった土地を歩き、文字だけではわからない地勢や環境を実見するということが思い浮かぶかもしれない。それも重要であるが、それ以上に、「資料」を調査することの重要性を身に付けてもらいたい。ネットで検索すればたいていの情報に接することができ、図書館には膨大な図書が収蔵されている。しかし、それらの“アクセスしやすいモノ”の何百倍、何千倍もの資料が存在し、研究にも必要となる。資料は、博物館や美術館、文書館や寺社、個人コレクター等々、様々な場所に保管されており、また、聞き取りによってしか得られない情報もある。これらにアクセスするには、しかるべき手段を講じなければならない。
 この授業では、そのようなアクセスの難しい資料・情報を調査する方法や、それによって得られる知見の重要性について、3人の教員が4回ずつ順番に講義する。4回の講義を通して身に付けた方法を実践するために各教員が課題を出すので、5・10・15週目の「自習」の時間を利用し、いずれか一つの課題に取り組んでもらうことになる。
■授業形態
対面授業(授業回の半数以上が対面授業/それ以外は、メディア授業)
■アクティブ・ラーニングの形態
フィールドワーク
■ICTを活用したアクティブ・ラーニング
自主学習支援(e-learning等を活用)
■到達目標およびディプロマポリシーとの関連
日本文学研究に、どのような資料・情報が必要となるのか。そしてそれらにどのようにアクセスすればよいのか。その基本的な方法を身に付け、実践することによって、研究の基礎的な環境を構築することを目指す。
■成績評価方法および基準
ミニッツペーパー 60%
課題 40%
■試験・課題に対するフィードバック方法
ミニッツペーパーに書かれたことに言及する
■教科書
なし
■参考文献
井田 PDFをGoogleClassroomを用い、配布予定
■関連科目
古典と現代2、書誌学
■授業計画の内容及び時間外学修の内容・時間
第1回 ガイダンス―「資料」を扱うということ―【藤巻】
 「資料」を扱って研究することの意味と、その具体的な方法について概説する。
第2回 貴重書データベースの利用法【藤巻】
 大学図書館や各種資料館等に所蔵される貴重書のデータベース化が進んでいるが、この利用法について説明する。
第3回 整理された資料と未整理の資料【藤巻】
 図書館のように、資料がジャンル別に分けられ、記号・番号が付いている状態が当たり前だと思ってはいけない。資料を「整理する」ことの意味を考える。
第4回 寺院資料の種類と調査法【藤巻】
 寺院には文献資料のほか、絵画、仏像、仏具…等々、様々な「資料」があるが、これをどう扱えばよいのかを考える。
5回 貴重書データベースを利用した課題【自習】
 貴重書データベースを利用し、課題に取り組む。
第6回 データベース(本文)を使用した下調べ【井田】
 国会図書館のデジタルコレクション(https://dl.ndl.go.jp/)、次世代デジタルライブラリー(https://lab.ndl.go.jp/dl/)を用いた下調べのやり方、その可能性について説明する。
第7回 データベース(画像)を使用した下調べ【井田】
 文化庁のe国宝(https://emuseum.nich.go.jp/)や国文学研究資料館の日本古典籍総合目録データベース(https://base1.nijl.ac.jp/~tkoten/)、あるいは人文学オープン共同研究センターの「みを」(http://codh.rois.ac.jp/miwo/)など、画像データベースを用いた下調べのやり方、補助アプリ、その可能性について説明する。
第8回 特定主題をデータベースで調べ、構想する1【井田】
 特定の主題を国歌大観のオンライン版などのデータベースを使って、アウトプットを考える。
第9回 特定主題をデータベースで調べ、構想する2【井田】
 特定の主題をデータベースを使って、アウトプットを考える。
第10回 実地調査を各自行う【自習】
 構想した研究を実地調査して、課題を仕上げる。
第11回 特殊文庫を巡る―東日本編―【髙木】
 内閣文庫、東洋文庫、大東急記念文庫など、古典籍を中心とした特殊資料を専門に収蔵している文庫を取り上げ、その成り立ちや性格について紹介します。
第12回 特殊文庫を巡る―西日本編―【髙木】
 天理大学附属天理図書館や龍門文庫など、古典籍を中心とした特殊資料を専門に収蔵している文庫を取り上げ、その成り立ちや性格について紹介します。
第13回 和本(古典籍)を取り巻く人々【髙木】
 東京古典会編のDVD「和本」を活用して、和本(古典籍)に携わる人や場について紹介します。
第14回 近畿大学中央図書館を探検しよう【髙木】
 近畿大学中央図書館所蔵の和本(古典籍)について紹介します。
第15回 博物館・美術館に行ってみよう【自習】
 身近にあるけれど、普段はなかなか行く機会のないのが博物館・美術館です。特別展が開催されている博物館・美術館に行って、本物が放つオーラを感じ取ってきましょう。


専門基礎研究(文芸学部)
火曜3限 教室:A-302

■授業概要
  日本文学専攻、特に言語・文学コースでは、日本語で書かれた種々の資料を読みこなす力を付けることが重要である。活字化された資料はもちろんのこと、活字化されていない(未翻刻の)資料も読めたほうがよい。読める資料が多ければ多いほど、新たな発見の可能性が広がる。古典文学は言うまでもなく、近現代文学や日本語学を研究する場合でも、「くずし字」や「変体仮名」を読めることは、大きな強みとなる。
 しかし、単に活字に置き換えただけでは不十分である。特に古い時代の文章は、それだけでは読むことができない。教科書や注釈書に載る「古文」は、単に原文を翻刻しただけではなく、読みやすくするための「加工」が施されている。例えば、句読点・鍵括弧・段落等を施し、異体字・旧字を通行字体に改め、読みにくい漢字を仮名に改め、逆に仮名ばかりの表記に漢字を宛てる…等々、非常に面倒な作業が必要となる。それゆえ、幅広い専門知識がなければできない。
 この授業では、まずは「くずし字」「変体仮名」の読み方を初歩から教え、演習形式で何度も繰り返し翻刻することで、スラスラと読めるレベルまで引き上げる。その上で、翻刻した文を「釈文」にするという作業を通し、あらゆる日本語資料を読みこなすためのトレーニングを積む。
■授業形態
対面授業(授業回の半数以上が対面授業/それ以外は、メディア授業)
■アクティブ・ラーニングの形態
ディスカッション、ディベート・プレゼンテーション
■到達目標およびディプロマポリシーとの関連
「くずし字」「変体仮名」を読みこなし、「釈文」を作成する力を付ける。
■成績評価方法および基準
授業への取り組み(発言、発表) 100%
■試験・課題に対するフィードバック方法
授業中に適宜解説する。
■教科書
『増補改訂 仮名変体集』(伊地知鐵男編、新典社)
■参考文献
授業中にそのつど紹介する。
■関連科目
なし
■授業計画の内容及び時間外学修の内容・時間
第1回 ガイダンス
第2回 「くずし字」「変体仮名」とは
第3回 課題文の翻刻と解説
第4回 課題文の翻刻と解説
第5回 課題文の翻刻と解説
第6回 課題文の翻刻と解説
第7回 課題文の翻刻と解説
第8回 課題文の翻刻と解説
第9回 課題文の翻刻と解説
第10回 釈文とは
第11回 釈文作成と解説
第12回 釈文作成と解説
第13回 釈文作成と解説
第14回 釈文作成と解説
第15回 総括
 

言語・文学演習2B(文芸学部)
水曜3限 教室:A-日本文学専攻共同研究室

■授業概要
前期の成果に基づき、テーマの再検討、資料の収集・補充、中間発表とディスカッションをおこない、卒業論文を完成させる。規定の字数は20000字以上であり、この字数に達していないものは受理しない。提出後には、卒業論文発表会を通し、文章力・構成力・独自性・学術的な信憑性等を評価する。
■授業形態
対面授業(授業回の半数以上が対面授業/それ以外は、メディア授業)
■アクティブ・ラーニングの形態
ディスカッション、ディベート・プレゼンテーション
■到達目標およびディプロマポリシーとの関連
卒業論文を完成させる。
■成績評価方法および基準
授業への取り組み(発言、発表) 100%
■試験・課題に対するフィードバック方法
授業中に適宜解説する。
■教科書
なし
■参考文献
授業中にそのつど紹介する。
■関連科目
卒業論文・卒業制作
■授業計画の内容及び時間外学修の内容・時間
第1回 卒業論文計画書の確認とディスカッション、中途原稿(8000字)提出
第2回 卒業論文計画書の確認とディスカッション
第3回 目次・概要の発表とディスカッション
第4回 目次・概要の発表とディスカッション
第5回 発表とディスカッション
第6回 発表とディスカッション
第7回 発表とディスカッション、中途原稿(12000字)提出
第8回 発表とディスカッション
第9回 発表とディスカッション
第10回 発表とディスカッション
第11回 卒業論文の提出
第12回 卒業論文の発表
第13回 卒業論文の発表
第14回 卒業論文の口頭試問
第15回 卒業論文の口頭試問


言語・文学演習1B(文芸学部)
水曜4限 教室:A-日本文学専攻共同研究室

■授業概要
 主たるテーマは、“古典の享受”である。
 前期の『伊勢物語』読解の成果を踏まえつつ、『伊勢物語』以外のテクストにも目を向け、古典とみなされた作品が後の時代にどのように享受され、解釈・再解釈されていたのかということを、影響、注釈、二次創作、絵画化…等々、種々の側面から考察する。例えば、『日本書紀』を神仏習合理論で再解釈した中世神話、『古今和歌集』の注釈に利用された種々の説話、『伊勢物語』の絵巻作成やパロディ化、『源氏物語』を題材とした近現代の小説・漫画・映画…等々、題材は多岐にわたる。これらの中から自由に題材を選び、古典享受の手法や背景について調べたことを発表し、議論する。そして、この作業を通して卒業論文に繋がるテーマを見付け、最終的にレポートとしてまとめる。
■授業形態 
対面授業(授業回の半数以上が対面授業/それ以外は、メディア授業)
■アクティブ・ラーニングの形態
ディスカッション、ディベート・プレゼンテーション
■到達目標およびディプロマポリシーとの関連
自分でテーマを設定し、調べてまとめる力を身に付ける。卒業論文を書くための基礎力を付ける。
■成績評価方法および基準
授業への取り組み(発言、発表) 60%
レポート 40%
■試験・課題に対するフィードバック方法
授業中に適宜解説する。
■教科書
なし
■参考文献
授業中にそのつど紹介する。
■関連科目
言語・文学演習ⅠA
■授業計画の内容及び時間外学修の内容・時間
第1回 前期の成果確認と後期の展望
第2回 各自のテーマ選定とアドバイス
第3回 各自のテーマ選定とアドバイス
第4回 発表とディスカッション
第5回 発表とディスカッション
第6回 発表とディスカッション
第7回 発表とディスカッション
第8回 発表とディスカッション
第9回 発表とディスカッション
第10回 発表とディスカッション
第11回 発表とディスカッション
第12回 発表とディスカッション
第13回 卒業論文計画の発表
第14回 卒業論文計画の発表、計画書(2000字)提出
第15回 総括


古典散文特論1B(総合文化研究科)
水曜5限 教室:A-藤巻研究室

■授業概要
 本講義では寺社縁起を扱う。寺社縁起の起こりは、律令制下において諸寺が朝廷に提出した資財帳(財産目録)に付加された寺院の由来である。後にここから独立し、十世紀頃から寺社の仏神や開創者の権威を誇示し信者を獲得するため多彩に展開していった。中世には霊験譚等、種々のエピソードが加わり長文化し、また、絵巻化されるものもあった。寺社参詣が庶民層にも拡大していった近世になると、長く複雑な内容を避けるべく、それを略述・再構成した内容の略縁起が作られ、その系譜は現代の寺社のパンフレットに引き継がれている。
 後期は東大寺縁起を事例として採り上げ、絵巻の『東大寺大仏縁起』を中心に、東大寺創建をめぐる言説の生成・展開の様相を探る。そして前期と後期の総括として、「縁起」の機能や研究射程についても考えてみたい。
■授業形態
対面授業(授業回の半数以上が対面授業/それ以外は、メディア授業)
■アクティブ・ラーニングの形態
ディスカッション、ディベート・プレゼンテーション
■到達目標およびディプロマポリシーとの関連
古典文学研究の基礎的作法を身に付ける。
■成績評価方法および基準
授業への取り組み(発言、発表) 60%
レポート 40%
■試験・課題に対するフィードバック方法
授業中に適宜解説する。
■教科書
なし
■参考文献
小山正文・小島惠昭・渡邉信和「共同研究―『東大寺縁起絵詞』の研究―」(『同朋学園仏教文化研究所紀要』9、1987)
『続々日本絵巻大成 伝記・縁起篇 東大寺大仏縁起 二月堂縁起』(中央公論社、1994)
『古文書集〈1〉(真福寺善本叢刊)』(臨川書店、2001)
■関連科目
古典散文特論1A
■授業計画の内容及び時間外学修の内容・時間
第1回 前期成果の確認
第2回 発表とディスカッション
第3回 発表とディスカッション
第4回 発表とディスカッション
第5回 発表とディスカッション
第6回 発表とディスカッション
第7回 発表とディスカッション
第8回 発表とディスカッション
第9回 発表とディスカッション
第10回 発表とディスカッション
第11回 発表とディスカッション
第12回 発表とディスカッション
第13回 発表とディスカッション
第14回 発表とディスカッション
第15回 総括


古典と現代1(文芸学部)
木曜3限 教室:A-203

■授業概要
 「古典」とはなにか? 現代とは切り離された時空にある、単なる懐古趣味の対象と考える人もいるかもしれない。しかし、それは大きな誤りである。古典、即ち「古い典籍」。文字どおり過去に記された書物のことであるが、一般的に過去の書物のすべてを「古典」と称することはなく、「価値のあるもの」「有益なもの」「規範とすべきもの」といったニュアンスが含意される。では、誰がそれらの価値判断をするのか? それは後世の人間である。つまり、現代において「古典」と言われているものは、すべて現代人の判断によっている。例えば教科書に『源氏物語』が載っている理由は、『源氏物語』それ自体の価値ではなく、現代人の判断に依拠する。このように、「古典」とは、きわめて「現代的」な存在である。
 この授業では、我々現代人が特定の書物を「古典」として扱う際に生ずる種々の問題について、特に「教育」「政治」「宗教」という観点から考えてみたい。
■授業形態
対面授業(授業回の半数以上が対面授業/それ以外は、メディア授業)
■アクティブ・ラーニングの形態
該当なし
■到達目標およびディプロマポリシーとの関連
大学で「古典」を扱う際の前提として、なぜそれらが「古典」と認識されているのかという問題を自覚する。自明のものとして見過ごされがちな「古典」という概念に疑問を持ち、様々な視点から考察できるようにする。
■成績評価方法および基準
ミニッツペーパー 50%
レポート 50%
■試験・課題に対するフィードバック方法
授業中に適宜解説する。
■教科書
プリント
■参考文献
『読み替えられた日本神話』(斎藤英喜、講談社)
『記憶の中の源氏物語』(三田村雅子、新潮社)
『『平家物語』の再誕―創られた国民叙事詩―』(大津雄一、NHKブックス)
■授業計画の内容及び時間外学修の内容・時間
予習・復習内容および時間は教員が指示するものではなく、学生自身が判断するものと考える。各自、納得のゆくまで予習・復習をして授業に臨むこと。
第1回 「古典と現代」というテーマの示すもの
第2回 教科書の古典はつまらない―教科書検定の功罪―
第3回 原文から遠く離れて―注釈と現代語訳―
第4回 古典享受の諸相―源氏物語とメディア―
第5回 古典享受の諸相―今昔物語集の近代―
第6回 古典享受の諸相―平家物語と戦争―
第7回 変革期の古典―震災・戦争と方丈記―
第8回 変革期の古典―東日本大震災後の文学と学問―
第9回 神話の政治性―記紀神話の再生産と変容―
第10回 神話の政治性―神道国教化と神話の利用―
第11回 神話の政治性―近代天皇制と国家神道―
第12回 神話の政治性―近代政治と神話―
第13回 近代国家と古典―古典による歴史の創造・捏造―
第14回 近代国家と古典―「国家有用の学問」としての古典―
第15回 政治と古典―権力による学問の利用・介入―


アカデミック・ライティング(文芸学部)
木曜4限 教室:A-302

■授業概要
 3年次から言語・文学演習(ゼミ)に所属することになるが、その前段階として、学術的な文章の書き方を身に付けるための授業である。
 受講に際し、「古典文学」「近現代文学」「日本語学」の3分野から1つを選び、各分野2名の教員のいずれか一方に振り分けられる。担当者は古典文学は井田・藤巻、近現代文学は泉谷・大澤、日本語学は大田垣・深澤である。いずれの授業でも、題材として当該分野の論文を読むことが多くなるが、主目的は学術的な文章の書き方を身に付けることなので、どの分野を選んでも等しく目的を達することができる。
 研究者の書く学術論文を“読む”ことで、論文というものがどのように構成され、何を目指しているのかを知ってもらう。そしてまた、読むこと自体が、論文を“書く”ための必須作業でもある。まずは担当教員の指定する論文を読んで学術論文というものの性質を知り、また、それを起点として先行研究を調べ、まとめる。そして当該テーマについての研究の可能性を見きわめ、自ら問題提起をし、それに対する答えを導き出す。そういった作業を通して、演習で学ぶための土台となる学問への取り組み方を身に付けてほしい。
 なお、この授業は3年次から所属する演習に直結するものではないので、演習決定の際には、改めて自身が希望する分野を扱う教員の演習を選ぶことになる。
■授業形態
対面授業(授業回の半数以上が対面授業/それ以外は、メディア授業)
■アクティブ・ラーニングの形態
ディスカッション、ディベート・プレゼンテーション
■到達目標およびディプロマポリシーとの関連
学術的な文章を書くための基礎的な知識や手法を身に付ける。
学術論文の探し方や読み方を身に付ける。
■成績評価方法および基準
授業への取り組み(発言、発表) 60%
レポート 40%
■試験・課題に対するフィードバック方法
授業中に適宜解説する。
■教科書
なし
■参考文献
授業中にそのつど紹介する。
■関連科目
なし
■授業計画の内容及び時間外学修の内容・時間
第1回 ガイダンス
第2回 学術論文を読む
第3回 先行研究を調べる
第4回 先行研究を調べる
第5回 発表―先行研究をまとめる
第6回 発表―先行研究をまとめる
第7回 発表―先行研究をまとめる
第8回 先行研究の問題点の整理
第9回 発表―研究テーマの発見
第10回 発表―研究テーマの発見
第11回 発表―研究テーマの発見
第12回 研究テーマの整理
第13回 発表―最終報告
第14回 発表―最終報告
第15回 レポートの提出と講評


2023年度・集中講義



卒業論文・卒業制作(文芸学部)

■授業概要
卒業論文テーマの検討と設定、それに基づく資料の収集、中間発表とディスカッションをおこない、卒業論文作成の準備を進める。対象とする時代は上代・中古・中世前期(奈良・平安・鎌倉)、ジャンルは神話・物語・説話・軍記・宗教文学・思想史…等を中心とするが、それ以外の時代・ジャンルも相談に応ずる。
■授業形態
対面授業(授業回の半数以上が対面授業/それ以外は、メディア授業)
■アクティブ・ラーニングの形態
ディスカッション、ディベート・プレゼンテーション
■到達目標およびディプロマポリシーとの関連
卒業論文作成へ向けて入念な準備を進める。
■成績評価方法および基準
授業への取り組み(発言、発表) 100%
■試験・課題に対するフィードバック方法
授業中に適宜解説する。
■教科書
なし
■参考文献
授業中にそのつど紹介する。
■関連科目
言語・文学演習ⅡA 言語・文学演習ⅡB
■授業計画の内容及び時間外学修の内容・時間
言語・文学演習ⅡA・Bを参照のこと。