藤巻和宏研究室

近畿大学文芸学部文学科日本文学専攻

【過去の担当授業】2014年度の授業

2014-04-01 | 過去の担当授業
2014年度・前期



古典散文特論1A(総合文化研究科)
月曜3限 教室:研究室
 
■授業概要・方法等
 『日本書紀』『古今和歌集』『源氏物語』等は、鎌倉時代にはすでに“古典”として学問研究の対象とされており、その研究は、多くの場合「注釈」という形式でなされていた。しかし、現代における注釈とは異なり、単に語義や出典を示すだけでなく、種々の説話を引用し、荒唐無稽な説が展開されることもある。この授業では、中世の学問空間の中で、古代のテクストが如何に受容され、解釈・再解釈されていたかということを、注釈テクストを窓口として探ってゆきたい。 特に、『源氏物語』の注釈類を中心に進める。
■学習・教育目標及び到達目標
古典文学研究の基礎的作法を身に付ける。
■成績評価方法および基準
授業への取り組み(発言、発表)100%
■授業時間外に必要な学修
関連文献の探索と読解。
■教科書
発表者が作成するレジュメ
■参考文献
三谷邦明・小峯和明編『中世の知と学―〈注釈〉を読む―』(森話社、1997)
伊井春樹編『源氏物語注釈書・享受史事典』(東京堂出版、2001)
田坂憲二『源氏物語享受史論考』(風間書房、2009)
■授業計画の項目・内容
第1回 イントロダクション 古注釈とは何か
第2回 各自の題材選定とアドバイス 『源氏物語』古注釈の諸相
第3回 1人目の発表とディスカッション(1)本文解釈と注釈書当該箇所の確認
第4回 1人目の発表とディスカッション(2)関連資料の確認
第5回 1人目の発表とディスカッション(3)意見を踏まえたうえでの補足発表
第6回 2人目の発表とディスカッション(1)本文解釈と注釈書当該箇所の確認
第7回 2人目の発表とディスカッション(2)関連資料の確認
第8回 2人目の発表とディスカッション(3)意見を踏まえたうえでの補足発表
第9回 3人目の発表とディスカッション(1)本文解釈と注釈書当該箇所の確認
第10回 3人目の発表とディスカッション(2)関連資料の確認
第11回 3人目の発表とディスカッション(3)意見を踏まえたうえでの補足発表
第12回 4人目の発表とディスカッション(1)本文解釈と注釈書当該箇所の確認
第13回 4人目の発表とディスカッション(2)関連資料の確認
第14回 4人目の発表とディスカッション(3)意見を踏まえたうえでの補足発表
第15回 総括



フィールド・ワーク(文芸学部)
火曜2限 教室:A-205
担当教員:佐藤秀明・井田太郎・藤巻和宏
 
■授業概要・方法等
 大阪編・京都編・奈良編の3部構成。それぞれの地域に関わる4回の講義と、それを踏まえた実地踏査を、3人の教員が順番に担当する。
 ただし、実地踏査をおこなう5・10・15週目は、通常授業日ではなく、その前後の土日祝日等に振り替えることになる。
 3回の実地踏査のうち最低1回に参加し、レポートを提出すること。
■学習・教育目標及び到達目標
文学テクストを読んだうえで、その背景となった場所を踏査し、知識や観念や文字だけでなく地勢や空気の実感を取り入れた文学世界を言語化する。
■成績評価方法および基準
レポート35% ミニッツペーパー30% 実地踏査35%
■授業時間外に必要な学修
各講義で指示された課題に取り組むこと。
■教科書
原則としてプリント使用。ただし佐藤担当講義は織田作之助『夫婦善哉 正続他12編』(岩波文庫)を使用。
■参考文献
大阪編・大谷晃一『生き愛し書いた 織田作之助伝』(沖積舎)、中沢新一『大阪アースダイバー』(講談社)。
京都編・『標注洛中洛外図屏風』(岩波書店)
奈良編・奈良文化財研究所編『奈良の寺―世界遺産を歩く―』(岩波新書)
■関連科目
なし。
■授業計画の項目・内容
第1回 大阪編1(佐藤) 大阪の地勢
第2回 大阪編2(佐藤) 織田作之助作の描いた道頓堀界隈
第3回 大阪編3(佐藤) 織田作之助の描いた生玉神社と四天王寺
第4回 大阪編4(佐藤) 俊徳丸伝説
第5回 大阪編5(佐藤) 実地踏査(四天王寺、口縄坂、生玉神社、道頓堀、夫婦善哉、高津神社)
第6回 京都編1(井田) 洛中洛外図を読む(前編)―ことばとかたち―
第7回 京都編2(井田) 洛中洛外図を読む(後編)―都の風俗と詩歌―
第8回 京都編3(井田) 東山というトポス―清水寺・八坂の塔―
第9回 京都編4(井田) 京都と江戸―三都論の中の京都―
第10回 京都編5(井田) 実地踏査(八坂神社、祇園、八坂の塔、清水寺)
第11回 奈良編1(藤巻) 南都(奈良)巡礼記の世界
第12回 奈良編2(藤巻) 東大寺創建をめぐる諸伝承
第13回 奈良編3(藤巻) 興福寺・春日大社と藤原氏
第14回 奈良編4(藤巻) 絵巻で見る東大寺・春日大社
第15回 奈良編5(藤巻) 実地踏査(東大寺、興福寺、春日大社)



文学論IIA(文芸学部)
木曜2限 教室:A-102
 
■授業概要・方法等
 興味のおもむくままに文学作品を読み、そこから何かを感じ取ることは自由であり、何の束縛もない。しかし、文学を「鑑賞」ではなく「学問」「研究」の対象とするためには、種々の知識や方法論を身に付けなくてはならない。
 この授業では、文学を学問対象として学ぶ際に前提となる基礎知識を講ずる。また、古代より存在しているはずの「古典文学」が、実は近代に再編されたものであることを検証し、それを学ぶことはいかなる営為であるのかということについても考えてゆきたい。
■学習・教育目標及び到達目標
古典文学を学習・研究の対象とする際に必須の様々な知識・手法・理論を身に付ける。
自明のものとされがちな「古典」「文学」という概念に疑問を持ち、様々な視点から考察できるようにする。
■成績評価方法および基準
ミニッツペーパー50% 定期試験50%
■授業時間外に必要な学修
講義内容の復習。理解できなかった点は講義プリントや参考文献を読んで調べる。
■教科書
プリント
■参考文献
小町谷照彦編『古典文学基礎知識必携』(別冊国文学42、學燈社、1991)
久保田淳編『古典文学史必携』(別冊国文学43、學燈社、1992)
ハルオ・シラネほか編『創造された古典―カノン形成・国民国家・日本文学―』(新曜社、1999)
■授業評価アンケート実施方法
文芸学部が定めるとおり、半期に1回行います。
■授業計画の項目・内容
第1回 文学とは何か?―近代的「文学」観の成立―
我々が何の疑問も持たずに用いている「文学」という言葉は、前近代(古典の時代)から存在していたが、その意味は異なっていた。つまり、今日の「文学」概念は近代に再編されたものであるということについて考える。
第2回 文学とは何か?―近代的「文学」観の成立―
『万葉集』『源氏物語』などの、いわゆる“有名”な古典作品は「カノン」と呼ばれるが、それらは成立当初からカノンであったわけではなく、近代に定められた価値観に基づいているということを理解してもらう。
第3回 文学史と時代区分論
文学が「史」として認識・叙述されたことは大きな“事件”であり、それによって近代の学校制度下で文学が学問の対象と定められたということについて考える。
第4回 文学史と時代区分論
時代を区分するという、いわば歴史認識の方法について、その種類と意味を講ずる。
第5回 文学史と時代区分論
日本文学史においてなされた様々な時代区分の方法を確認し、その上で、現在一般的に用いられている区分法について講ずる。
第6回 文学ジャンルの諸相
ヨーロッパにおける「文学ジャンル」という概念の成立と、その種類と分類法について考える。
第7回 文学ジャンルの諸相
日本における文学ジャンルの分類の実態と、その運用方法について考える。
第8回 作家論と作品論
「作家」「作品」という枠組みは文学を学ぶ際に重要ではあるが、それがすべてではない。「文学」という存在はそれだけに収まるものではないということを理解してもらう。
第9回 近代国家の成立と日本文学
近代国家の成立という背景から、学問としての「文学」の意味を考える。
第10回 近代国家の成立と日本文学
「英文学」「日本美術史」といった他領域の事例をも参照しつつ、学問が近代国家と密接な関係にあることを検証する。
第11回 近代国家の成立と日本文学
西洋の影響下に成立した近代の学校制度が、前近代の学問をどう再編して「日本文学」という学問を成立させたのかを考える。
第12回 近代国家と研究・教育システム
「文学」「史学」「哲学」等の近代の学問分類は、それまでの学問を新たに再編したものであるため、「文学」という概念は近代学問の編成という視点から捉え返す必要があるということを講ずる。
第13回 学際的研究の諸相
学問というものは、「○○学」というそれぞれ個別の独立した存在ではなく、対象へのアプローチのしかたであるとも言える。つまり、「学際」というのは、複数の方法論によって対象を論ずることである。
第14回 学際的研究の諸相
比較文学と歴史研究を事例として採り上げ、学際的研究の方法と意義、実態等について確認する。そのうえで、文学研究とは何か、そして学問とは何かということを考える。
第15回 総括
定期試験 自筆ノート・授業プリントのみ持ち込み可。内容は論述。昨年度までは持ち込みは自筆ノートのみとしていたが、今年度は授業プリントも持ち込み可とする。しかし、これは単位取得が容易になったということではない。授業プリントの持ち込みを可としたのは、それ相応の出題をするということである。


 
中世作品講読(文芸学部)
木曜3限 教室:A-205
 
■授業概要・方法等
 今からおよそ800年前の建暦二年(1212)に書かれた鴨長明の『方丈記』は、清少納言の『枕草子』や兼好の『徒然草』とともに、日本三大随筆の一つとされる作品である。文学史的な知識として、「ゆく河の流れは絶えずして」で始まる『方丈記』や、作者の鴨長明の名前は多くの人が知っているであろう。
 しかし、鴨長明はこれ以外にも価値ある作品を少なからず残している。本講義では、その中から仏教説話集の『発心集』と、歌論書の『無名抄』を採り上げ、『方丈記』と併せ読むことにより、長明の信仰、文学、音楽に関わる活動の軌跡をたどる。
 適宜、写本・版本の影印(写真)を使用する。
■学習・教育目標及び到達目標
写本・版本によって原文を読む力を付ける。また、「往生」「執心」「数寄」等のキーワードから、中世の人々の思想を理解する。
■成績評価方法および基準
ミニッツペーパー50% 定期試験50%
■授業時間外に必要な学修
参考文献に挙げた注釈書を参照しながら、なるべく古文を読む習慣をつける。
■教科書
プリント
■参考文献
三木紀人校注『方丈記 発心集』(新潮日本古典集成、1976)
市古貞次校注『新訂 方丈記』(岩波文庫、1989)
久保田淳訳注『無名抄 現代語訳付き』(角川ソフィア文庫、2013)
■関連科目
中世の思想と表現
■授業評価アンケート実施方法
文芸学部が定めるとおり、半期に1回行います。
■授業計画の項目・内容
第1回 鴨長明の生涯
第2回 『方丈記』『発心集』『無名抄』概説
第3回 大福光寺本『方丈記』を読む
第4回 慶安四年刊本『発心集』を読む
第5回 梅沢本・無刊記本『無名抄』を読む
第6回 出家遁世と閑居の生活
第7回 偽りの狂気と偽悪の覚悟
第8回 往生の難易度と成功者の賞賛
第9回 往生の手段としての自殺
第10回 妄執を断ち切るには
第11回 仏道修行者の女性観
第12回 仏道修行と文学・芸能
第13回 歌人としての長明
第14回 執心の反転、数寄と往生
第15回 総括
定期試験 自筆ノートおよび古語辞典のみ持ち込み可(ただし電子辞書は不可)。内容は読解と論述。


 
基礎ゼミ(文芸学部)
木曜5限 教室:大学院演習室2(研究室から変更)
 
■授業概要・方法等
 大学における学問への取り組み方、および、その広さと楽しさを実感し、これからの学習の基礎的な手法を身に付けるための演習形式の授業である。
 題材として『百人一首』を扱うが、単に和歌の解釈をおこなうだけでなく、その歌の読まれた背景や歌人の人物像を調べたり、後の時代のパロディ作品と比較 したり、種々の遊び方を検討したり、等々、ここから広がる可能性は際限がない。『百人一首』を起点とし、各自が自由にテーマを見付け、調べ、まとめ、発表し、そして徹底的に議論する。
■学習・教育目標及び到達目標
あらかじめ範囲の定められたことを学習するのではなく、自ら考えてテーマを設定し、それについて調べるという能力を身に付ける。
■成績評価方法および基準
授業への取り組み(発言、発表)60% レポート40%
■授業時間外に必要な学修
教科書を読んでいることを前提として進めるので、各自、少しずつ読み進めておくこと。
■教科書
谷知子編『ビギナーズ・クラシックス 日本の古典 百人一首(全)』(角川ソフィア文庫、2010)
■参考文献
授業中にそのつど紹介する。
■授業評価アンケート実施方法
文芸学部が定めるとおり、半期に1回行います。
■授業計画の項目・内容
第1回 ガイダンス
第2回 発表分担の決定
第3回 図書館案内
第4回 図書館データベース講習
第5回 発表とディスカッション
第6回 発表とディスカッション
第7回 発表とディスカッション
第8回 発表とディスカッション
第9回 発表とディスカッション
第10回 発表とディスカッション
第11回 発表とディスカッション
第12回 発表とディスカッション
第13回 レポート作成の経過報告
第14回 レポート作成の経過報告
第15回 総括



言語・文学演習IA(文芸学部)
金曜3限 教室:大学院演習室5(研究室から変更)
 
■授業概要・方法等
 中古・中世文学を中心とした演習。前期は『伊勢物語』を採り上げ、それを中世の古注釈書を援用して読解する。
 『伊勢物語』は平安時代初期に成立した歌物語で、誰もが知る有名作品でありながら、作者や成立経緯、書名の由来等については諸説あって、いまだ未解決の問題が多い。内容は、在原業平を連想させる主人公を中心とした短編約125段から成る(諸本によって相違あり)。この中から任意の一段を選び、出典・類話・時代背景・解釈といった基本的な問題についての先行研究を調べ、さらに『和歌知顕集』や『伊勢物語愚見抄』等々の古注釈書から中世における解釈・再解釈の様相を探る。このような観点で調べたことをまとめ、発表し、議論することにより、古典の読解、思想的・社会的背景の把握、問題の発掘やプレゼンの技法…等々を身に付けることを目的としている。
■学習・教育目標及び到達目標
自分でテーマを設定し、調べてまとめる力を身に付ける。卒業論文を書くための基礎力を付ける。
■成績評価方法および基準
授業への取り組み(発言、発表)100%
■授業時間外に必要な学修
自分が扱う題材についての参考文献・先行研究を読む。
■教科書
発表者が作成するレジュメ
■参考文献
授業中にそのつど紹介する。
■関連科目
言語・文学演習IB
■授業計画の項目・内容
第1回 ガイダンス
第2回 各自の題材選定とアドバイス
第3回 各自の題材選定とアドバイス
第4回 発表とディスカッション
第5回 発表とディスカッション
第6回 発表とディスカッション
第7回 発表とディスカッション
第8回 発表とディスカッション
第9回 発表とディスカッション
第10回 発表とディスカッション
第11回 発表とディスカッション
第12回 発表とディスカッション
第13回 発表とディスカッション
第14回 発表とディスカッション
第15回 総括


 
言語・文学演習IIA(文芸学部)
金曜3限 教室:大学院演習室5(研究室から変更)
 
■授業概要・方法等
 卒業論文テーマの検討と設定、それに基づく資料の収集、中間発表とディスカッションをおこない、卒業論文作成の準備を進める。
 対象とする時代は中古・中世(平安・鎌倉・室町)、ジャンルは物語・説話・軍記・宗教文学・思想史…等を中心とするが、それ以外の時代・ジャンルも相談に応ずる。
■学習・教育目標及び到達目標
卒業論文作成へ向けて入念な準備を進める。
■成績評価方法および基準
授業への取り組み(発言、発表)100%
■授業時間外に必要な学修
テーマの検討や関連資料の収集・読解を進めておく。
■教科書
各自のテーマに関わる資料
■参考文献
授業中にそのつど紹介する。
■関連科目
言語・文学演習IIB
■授業計画の項目・内容
第1回 ガイダンス
第2回 各自の題材選定とアドバイス
第3回 各自の題材選定とアドバイス
第4回 発表とディスカッション
第5回 発表とディスカッション
第6回 発表とディスカッション
第7回 発表とディスカッション
第8回 発表とディスカッション
第9回 発表とディスカッション
第10回 発表とディスカッション
第11回 発表とディスカッション
第12回 発表とディスカッション
第13回 発表とディスカッション
第14回 発表とディスカッション
第15回 総括



2014年度・後期



古典文学(文芸学部)
月曜3限 教室:B-701(B-706から変更)
 
■授業概要・方法等
 平安時代末期に成立した編者未詳の説話集『今昔物語集』は、天竺(インド)・震旦(中国)・本朝(日本)の三部より成る。収録説話数は1000話を超え、内容は仏教的なものから滑稽・怪異・恋愛・動物…等々、多岐にわたる。
 本講義では、本作品に収録される説話をできるだけ多く採り上げ、そのストーリーの面白さや、多様な解釈の可能性、他の説話との関連性、そして近代への影響等、様々な面から『今昔物語集』の豊かな世界を探求する。
■学習・教育目標及び到達目標
古典文学は創作の題材としても秀逸であるが、解釈の難しさが壁になることがある。この授業を通して古典を読む力を身に付け、芥川龍之介ほか近代作家にも題材を提供した本作品の面白さを味わってみたい。
■成績評価方法および基準
ミニッツペーパー50% レポート50%
■授業時間外に必要な学修
教科書の解説や現代語訳を参考にしながらでもよいので、なるべく古文を読む習慣をつける。
■教科書
『ビギナーズ・クラシックス 今昔物語集』(角川ソフィア文庫、2002)、および補助プリント
■参考文献
三木紀人編『今昔物語集宇治拾遺物語必携』(別冊国文学33、學燈社、1988)
小峯和明編『今昔物語集を学ぶ人のために』(世界思想社、2003)
小峯和明編『今昔物語集を読む』(吉川弘文館、2008)
■関連科目
中世の思想と表現
■授業評価アンケート実施方法
文芸学部が定めるとおり、半期に1回行います。
■授業計画の項目・内容
第1回 『今昔物語集』概説
第2回 武芸と怪力―強盗を返り討ちにした貴族―
第3回 武芸と怪力―小男と女が怪力である理由―
第4回 呪術の力―陰陽師・安倍晴明の秘術―
第5回 呪術の力―空海が敵を祈り殺した理由―
第6回 家族の愛憎―子を取るか母を取るか―
第7回 家族の愛憎―血の繋がらない家族―
第8回 家族の愛憎―家族愛と仏教―
第9回 人間と動物―輪廻転生の行方―
第10回 跳梁跋扈する悪人たち―正義は必ず負ける―
第11回 跳梁跋扈する悪人たち―芥川龍之介・黒澤明の解釈―
第12回 霊鬼の世界―女の執念と殺人の記憶―
第13回 霊鬼の世界―死者も蘇る愛の力―
第14回 愛すればこそ―あの人のアレを見てみたい―
第15回 総括



古典散文特論1B(総合文化研究科)
月曜4限 教室:研究室
 
■授業概要・方法等
 『日本書紀』『古今和歌集』『源氏物語』等は、鎌倉時代にはすでに“古典”として学問研究の対象とされており、その研究は、多くの場合「注釈」という形式 でなされていた。しかし、現代における注釈とは異なり、単に語義や出典を示すだけでなく、種々の説話を引用し、荒唐無稽な説が展開されることもある。この 授業では、中世の学問空間の中で、古代のテクストが如何に受容され、解釈・再解釈されていたかということを、注釈テクストを窓口として探ってゆきたい。特 に、『日本書紀』の注釈類を中心に進める。
■学習・教育目標及び到達目標
古典文学研究の基礎的作法を身に付ける。
■成績評価方法および基準
授業への取り組み(発言、発表)100%
■授業時間外に必要な学修
関連文献の探索と読解。
■教科書
発表者が作成するレジュメ
■参考文献
三谷邦明・小峯和明編『中世の知と学―〈注釈〉を読む―』(森話社、1997)
渡邉卓『『日本書紀』受容史研究―国学における方法―』(笠間書院、2012)
原克昭『中世日本紀論考―註釈の思想史―』(法蔵館、2012)
■授業計画の項目・内容
第1回 イントロダクション 古注釈とは何か
第2回 各自の題材選定とアドバイス 『日本書紀』古注釈の諸相
第3回 1人目の発表とディスカッション(1)本文解釈と注釈書当該箇所の確認
第4回 1人目の発表とディスカッション(2)関連資料の確認
第5回 1人目の発表とディスカッション(3)意見を踏まえたうえでの補足発表
第6回 2人目の発表とディスカッション(1)本文解釈と注釈書当該箇所の確認
第7回 2人目の発表とディスカッション(2)関連資料の確認
第8回 2人目の発表とディスカッション(3)意見を踏まえたうえでの補足発表
第9回 3人目の発表とディスカッション(1)本文解釈と注釈書当該箇所の確認
第10回 3人目の発表とディスカッション(2)関連資料の確認
第11回 3人目の発表とディスカッション(3)意見を踏まえたうえでの補足発表
第12回 4人目の発表とディスカッション(1)本文解釈と注釈書当該箇所の確認
第13回 4人目の発表とディスカッション(2)関連資料の確認
第14回 4人目の発表とディスカッション(3)意見を踏まえたうえでの補足発表
第15回 総括


 
中世の思想と表現(文芸学部)
木曜3限 教室:A-205
 
■授業概要・方法等
 日本の中世とは、一般的には鎌倉・室町時代を指すが、例えば平安末期も中世に含める等、時代認識の方法により若干の誤差がある。この中世という時代を扱うには、「顕密体制」と「神仏習合」という概念への理解が不可欠である。
 本講義では、これらの意味と学説史をわかりやすく解説し、その理解の上に、中世という時代の特質が刻印された文芸表現の世界を探ってゆく。
■学習・教育目標及び到達目標
中世という時代の特質を理解し、文学を中世の社会・文化との相関関係の中で捉えることを可能とする。
■成績評価方法および基準
ミニッツペーパー50% レポート50%
■授業時間外に必要な学修
授業で紹介する参考文献を読むこと。
■教科書
プリント
■参考文献
授業中にそのつど紹介する。
■関連科目
中古の思想と表現 中世作品講読
■授業評価アンケート実施方法
文芸学部が定めるとおり、半期に1回行います。
■授業計画の項目・内容
第1回 中世という時代を考えるために―時代区分と〈中世〉認識―
第2回 中世という時代を考えるために―顕密体制と神仏習合―
第3回 狂言綺語をめぐる言説―紫式部は地獄に堕ちた?―
第4回 寺社縁起の世界―縁起・寺社縁起とは―
第5回 寺社縁起の世界―縁起研究の範囲と展望―
第6回 高僧・聖人の伝記―僧伝と聖人伝―
第7回 高僧・聖人の伝記―モチーフとしての僧伝・聖人伝―
第8回 中世神話と本地物語―中世日本紀と中世神話―
第9回 中世神話と本地物語―読み換えられる『日本書紀』―
第10回 中世神話と本地物語―注釈から本地物語へ―
第11回 偽書と未来記―偽書の諸相―
第12回 偽書と未来記―未来記という偽書―
第13回 キリシタン文学の世界―キリシタン文学・語学の諸相―
第14回 キリシタン文学の世界―キリシタン文学読解―
第15回 総括



中古の思想と表現(文芸学部)
木曜5限 教室:A-311(大学院演習室1から変更)
 
■授業概要・方法等
 日本文学史の時代区分では、古代を上代(奈良時代)と中古(平安時代)とに分けるのが一般的であるが、歴史学・美術史等、他ジャンルの時代区分では「中古」という呼称は用いないので注意が必要である。
 さて、中古=平安時代は、仏教と神祇信仰との習合が徐々に進展し、また、鎮護国家の仏教が日常生活に浸透しつつある時代であった。本講義では、そうした時代背景のもとに結実した様々な宗教儀礼や霊場参詣等の営みが、平安時代の文芸表現に刻印された様相を探ってゆく。
■学習・教育目標及び到達目標
平安時代の特質を理解し、文学を平安時代の社会・文化との相関関係の中で捉えることを可能とする。
■成績評価方法および基準
ミニッツペーパー50% レポート50%
■授業時間外に必要な学修
授業で紹介する参考文献を読むこと。
■教科書
プリント
■参考文献
授業中にそのつど紹介する。
■関連科目
中世の思想と表現
■授業評価アンケート実施方法
文芸学部が定めるとおり、半期に1回行います。
■授業計画の項目・内容
第1回 宗教史から見た平安時代―八宗体制の確立と密教―
第2回 宗教史から見た平安時代―儀礼から見る平安貴族の信仰―
第3回 文章経国思想―文学と国家―
第4回 霊場の成立と参詣―祭から参詣へ―
第5回 霊場の成立と参詣―観音信仰と参詣・巡礼―
第6回 浄土への憧れ―浄土教の成立と展開―
第7回 浄土への憧れ―往生伝の世界―
第8回 神仏への祈り―祈りの対象・目的・形態―
第9回 神仏への祈り―神仏の感応―
第10回 物の怪と御霊信仰―〈もののけ〉という認識―
第11回 物の怪と御霊信仰―『源氏物語』の物の怪―
第12回 物の怪と御霊信仰―物の怪・御霊への対抗術―
第13回 神仙思想―神仙思想と道教―
第14回 神仙思想―仙人の形象―
第15回 総括



言語・文学演習IB(文芸学部)
金曜3限 教室:A-203(大学院演習室5から変更)
 
■授業概要・方法等
 主たるテーマは、“古典の享受”である。
 前期の『伊勢物語』読解の成果を踏まえつつ、『伊勢物語』以外のテクストにも目を向け、古典とみなされた作品が後の時代にどのように享受され、解釈・再解釈されていたのかということを、影響、注釈、二次創作、絵画化…等々、種々の側面から考察する。例えば、『日本書紀』を神仏習合理論で再解釈した中世神話、『古今和歌集』の注釈に利用された種々の説話、『伊勢物語』の絵巻作成やパロディ化、『源氏物語』を題材とした近現代の小説・漫画・映画…等々、題材は多岐にわたる。これらの中から自由に題材を選び、古典享受の手法や背景について調べたことを発表し、議論する。そして、この作業を通して卒業論文に繋がるテーマを見付け、最終的にレポートとしてまとめる。
■学習・教育目標及び到達目標
自分でテーマを設定し、調べてまとめる力を身に付ける。卒業論文を書くための基礎力を付ける。
■成績評価方法および基準
授業への取り組み(発言、発表)60% レポート40%
■授業時間外に必要な学修
自分が扱う題材についての参考文献・先行研究を読む。
■教科書
発表者が作成するレジュメ
■参考文献
授業中にそのつど紹介する。
■関連科目
言語・文学演習IA
■授業計画の項目・内容
第1回 前期の成果確認と後期の展望
第2回 各自のテーマ選定とアドバイス
第3回 各自のテーマ選定とアドバイス
第4回 発表とディスカッション
第5回 発表とディスカッション
第6回 発表とディスカッション
第7回 発表とディスカッション
第8回 発表とディスカッション
第9回 発表とディスカッション
第10回 発表とディスカッション
第11回 発表とディスカッション
第12回 発表とディスカッション
第13回 卒業論文計画の発表
第14回 卒業論文計画の発表
第15回 総括



言語・文学演習IIB(文芸学部)
金曜4限 教室:A-203(A-308から変更)
 
■授業概要・方法等
 前期の成果に基づき、テーマの再検討、資料の収集・補充、中間発表とディスカッションをおこない、卒業論文を完成させる。
■学習・教育目標及び到達目標
卒業論文を完成させる。
■成績評価方法および基準
授業への取り組み(発言、発表)30% 卒業論文の完成度70%
■授業時間外に必要な学修
テーマの検討や関連資料の収集・読解、そして論文執筆を進めておく。
■教科書
各自のテーマに関わる資料
■参考文献
授業中にそのつど紹介する。
■関連科目
言語・文学演習IIA
■授業計画の項目・内容
第1回 卒業論文計画書の確認とディスカッション
第2回 卒業論文計画書の確認とディスカッション
第3回 目次・概要の発表とディスカッション
第4回 目次・概要の発表とディスカッション
第5回 発表とディスカッション
第6回 発表とディスカッション
第7回 発表とディスカッション、中途原稿提出
第8回 発表とディスカッション
第9回 発表とディスカッション
第10回 発表とディスカッション
第11回 卒業論文の提出
第12回 卒業論文の発表
第13回 卒業論文の発表
第14回 卒業論文の口頭試問
第15回 卒業論文の口頭試問