奈良

不比等

古都奈良・修学旅行と世界遺産の街(その518)

2018-01-24 08:15:00 | 奈良・不比等
歴史ミステリー小説 北円堂の秘密

「通じない日本語~世代差/地域差からみる言葉の不思議(窪薗晴夫著・平凡社新書2017刊)」を読んだ。窪薗晴夫(くぼぞのはるお1957生れ)氏は大阪外大で英語、名古屋大学大学院で英語学を修め、エジンバラ大学にて言語学・音声学を学んでおり、言語音韻論の専門家である。現在は国立国語研究所にて教授・副所長を務め、日本言語学会会長でもある。-----
「通じない日本語」では、新書なのでとても分かり易く書かれている。その方面の知識は最高にお持ちだと思われるが、小難しい事をひけらかさずに易しい表現で全ページを書き切っている。-----
一般にも分かるように事例を豊富に並べて教えてくれる。日本語だけでなく、英語の事例も対照させてくれるのでグローバルな言語世界を覗(のぞ)くことも出来る。「象(ぞう)さん」を「象(どう)さん」と発音する和歌山地方の例を挙げる時には、英語のsunがtunとなったり、thatがdatと発音する例を挙げて同様の変化が見られると例証して呉れている。-----
年代の離れた同僚や身近に遠方の出身者が居れば現在でも若者言葉や方言が奇異に感じられることもあるだろうが、「通じない日本語」を読んでおけば、粗方(あらかた)はその言葉の変化の意味が分かってそれ程、気にならなくなるだろう。-----
その昔、近鉄奈良線の車内放送で関西弁のキツイ車掌さんが居て少し聴くのが嫌な気がする時もあったが現在では日本語どころか中国語・韓国語・英語と国際的なアナウンスとなっており、日本語の方言などの罷(まか)り通る時代ではなくなっているのだろうと思った。

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