今、半分空の上にいるから

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殺人は眠り続ける 小説編その27

2014-12-27 09:07:53 | 殺人は眠り続ける(完結)

 2013年4月横須賀の同じ夜。夕刻からすっかり夜も更けて………。


 「晴海ちゃーん。」
 晴海は上級生の集団にニヤニヤしながら、体を押さえつけられてます。

 3日前の事…。

 今まで全く反応が無かった津坂由雄の3月にアップロードした写真や記事が、なぜか唐突にインターネットのサイトで取り上げられ、投稿者に対する嘘の混じった個人情報暴露の、取って付けたような騒ぎが起きました。
 しかも、その個人情報収集の手段が、明らかに違法なものではないか?また盗聴等の情報収集の際に、システムや衛星等の軍事兵器を使用したのでは?と思わせるものでした。

 あっという間に埋め立てられ、スレッド自体は落ちましたが、海外のサイトにも取り上げられ、他のSNSサイトやブログなどでは、まだ一部閲覧できました。
 海外のサイトでは、アメリカの女性政治家と、アメリカの実業家、中国人の実業家、日本の官僚、当時のアイドルが、同じ写真に写っていた事が、話題になりました。

 投稿者には自衛官の隠し子がいると、デタラメな暴露情報がSNSサイトに個人情報付きで貼られ、多数のブログに拡散されました。
 ネットに貼られた暴露情報には、年齢や住所等の情報はありましたが、自衛官の性別や名前等の記載は無かったため、晴海が自衛隊幹部に事情を説明しました。
 隊に事情聴取を受けた晴海は、康太から聞いた当時の話や、新聞記事の内容について話しました。陸と宮子の事と、実家の自分の机にある写真の事は話しませんでした。
 写真の投稿者については知らないと答えました。(事実、晴海達と康太は由雄とは面識がありません。) 聴取の内容から、IP等で誰が初めに投稿したかは、既に隊に把握されている様子でしたが、Tor等で拡散されている投稿サイトの全容についての追跡調査が、どの程度まで進んでいるかは、晴海には分かりませんでした。
 ブログの写真や記事でも暴露された事が原因で、陸と勲夫は事故に見せかけて殺されたかも知れない。そして、その殺人の可能性が、今回の投稿サイトの騒ぎへと繋がったんだろうと説明しました。

 津坂由雄本人のサイトは騒ぎになって直ぐに、プロバイダーにアカウントが停止され、現在は見る事が出来ません。
 由雄が自分で立ち上げたホームページは、全く閲覧者数をカウントされないまま、何も関係のない人達の手によって、サイトやブログに捏造を含んだ記事が拡散されました。

 それが、3日前の事です。

 4月の防衛大学入学から、上級生達は何かと晴海に嫌がらせをし続けて来ましたが、今日はいつもと違う殺意の様なものを感じます。ネットサイトの暴露記事が関係している事は想像できました……。


 2013年4月横須賀、夜。
 軍港一体は、けし粒のきらきら光る黒い亡霊達で覆われていました。

 2人と1つの腕輪は、夕暮れ時からまだそのまま上空にいます。

 「じゃあ、そろそろ始めるか。」

 「おう。」



 続きは只今作成中につき、しばしお待ちを。
☆彡





殺人は眠り続ける 小説編(了)





尚、この作品はフィクションにつき、実在の人物、団体、事件等とは一切関係ありません。
物語中の組織的ストーカー行為の描写は、実体験に基づき構成しています。

本作品は二次創作ではなく、オリジナル作品です。

作者の許可なく、作品の使用、複製、転載等をする事を禁止します。




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