今、半分空の上にいるから

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殺人は眠り続ける 解決編その3

2018-01-23 12:14:27 | 殺人は眠り続ける(完結)

 「え!?この話全部没にすんですか?」
冊子を返しに来た櫂太は、話を聞いて驚きました。

 「ああ。過去ログを色々見たけど、どうも元ネタがQネタっぽいから。
 各サイトじゃ作者公認のフリー素材みたいに扱われているけど。」
冊子を執筆した櫂太の先輩の大塚由広が答えました。

 「Qネタ…って何です?」
さっぱり意味が分からない櫂太が尋ねました。

 「特に専門用語じゃなくて俺がそう呼んでるんだけど、どこかの国の諜報機関が関わったネタ。」

 「諜報機関!?本物の!?」

 「多分。どこかの諜報機関に目を付けられたか、何かトラブルがあったのか、非合法な手段で未発表の作品や研究を抜かれて、裏サイトを使って、勝手に拡散されたネタ。」
大塚は冊子を見せながら言いました。
「まあ、はっきりとQネタかどうか確信はないけど、フリー素材ではなさそうだからな。残念だけど全部没だ。」

 「…そんな話だったんだ。」
物語に黒い亡霊逹が貼り付いていた理由を理解した櫂太は、話を聞き、やっとそれだけ言いました。

 「この冊子もシュレッダーにかけて処分だ。」
大塚は冊子をひらひら振りました。

 「シュレッダー!?」
黒い亡霊が冊子から飛び出した様子を思い出した櫂太が必死に訴えました。
「だったら、それ、俺に下さい!」

 「お前…、そんなにこの話、気に入ってくれたのか。」
櫂太の言葉に大塚は感激しました。
「じゃあ、まだ途中までしか入力してないけど、後半もプリントアウトして一緒にやるから待ってな!」

 「えっ!あ、はい…。」
 しばらくして、後半部分をプリントアウトして、ホッチキスで留めた冊子を持って大塚が来ました。

 「はい、これ。」
大塚は櫂太に冊子を渡しました。

 「ありがとうございます。」
櫂太は冊子を受け取りました。

 「お前が個人でこの冊子を見るのは良いけど、このネタを使って同人誌を作ったり、転売したりしたら駄目だぞ。
 さっき理由を説明したけど。」
大塚は言いました。

 「そんな事しませんよ!同人誌の作り方なんて知らないし。」
櫂太は慌てて否定しました。

 「なんなら続きを作ってもいいよ。」
大塚は笑って言いました。

 「小説なんて作った事ないですよ。」
櫂太は苦笑しながら言いました。






尚、この作品はフィクションにつき、実在の人物、団体、事件等とは一切関係ありません。
物語中の組織的ストーカー行為の描写は、実体験に基づき構成しています。

本作品は二次創作ではなく、オリジナル作品です。

作者の許可なく、作品の使用、複製、転載等をする事を禁止します。

『今、半分空の上にいるから』は、二次創作ではなく、最初からオリジナル作品であり、他の作品とは無関係です。


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