フロイデの講師、ドイツのマイスターは
今でこそ、靴づくり、調整や修理をスムーズにこなしますが、
マイスターになるために、時間をかけ、努力を重ねてきました。
まず、ゲゼレになるまでの3年半は見習いとして、
工房などにいるマイスターの下で修行をします。
しかし、このマイスター探しが難しく、なかなか簡単に引き受けてもらえないため
マイスターとの出会いもとても重要なものになります。
そこで、火曜日から金曜日の朝8時から夕方5時まで
はじめはナイフを研いだり削ることを繰り返し、
徐々に課題が与えられ、フットベッドや先芯、カウンターの作製を任せられます。
ゲゼレになるには、2回試験を受けなければならず、
3年半たったところで中間試験を受けます。
それに合格すると、ゲゼレ試験までの間、靴製作やローリング調整の技術も習得します。
靴づくりも、はじめはシャフトを傷つけてしまう、指を怪我するなど
苦い経験もあるようです。
また、特に自分の膝を台にしてハンマーを使ったり、硬い材料を切ることは、
練習し、慣れていかないことにはできるようになりません。
ゲゼレ試験を合格すると、そのまま就職する道と
さらに7か月マイスター学校に通って、マイスターを目指す道に分かれます。
そばでマイスターの行なっていることを見ると、いとも簡単に
こなしてしまうのですが、やはりその背景には
ゲゼレやマイスターになりたいという目標に向かって、
長年努力や苦労をしてきた時間があったのだと、教えてもらいました。