徒然なるままに

趣味、日常について思いつくままに。クラシック、今日の出来事、おいしい食べ物などなど、とにかく雑多をモットーに。

今日の1枚(バッハのヴァイオリン協奏曲)

2006-11-24 23:42:00 | Weblog
今日は、Johann Sebastian Bachのヴァイオリン協奏曲集。

バッハのヴァイオリン協奏曲には、ソロ・ヴァイオリンのための協奏曲が2曲、2艇のヴァイオリンのための協奏曲が1曲の計3曲が残されている。
いずれの作品もチェンバロ協奏曲として演奏されている。また、それ以外にもヴァイオリン協奏曲として演奏されている曲(たとえばチェンバロ協奏曲第1番)もある。
今日のCDでは、オーソドックスに3曲+ブランデンブルク協奏曲第5番の4曲が収録されている。ブランデンブルク協奏曲第5番が入っているあたりが珍しい。たいていはヴァイオリンとオーボエのための協奏曲のような気がするのだが…。

今回、ソリストを務めるのは、Daniel Hope。最近録音も多く、注目を浴びている若手ヴァイオリニストの1人で、ボーザール・トリオでヴァイオリンを弾いてます。
オケはヨーロッパ室内管弦楽団。2艇のヴァイオリンのための協奏曲でもう1艇を弾いているのは、オケのリーダーであるMarieke Blankenstijn。

この楽団は昨年、諏訪内晶子さんとも同曲を録音しており(そのときはブランデンブルクじゃなくてオーボエとヴァイオリンだった)、ヴァイオリンをウィーン・フィルの若きコンマスVolkhard Steude、オーボエをGrancois Leleuxが務めるという豪華な演奏だった。そのときの演奏でもストレートな表現ながらなかなかいい演奏だった。

で、今回のホープ盤。テンポは全体的に早めだ。この演奏でも表現は比較的ストレートで、実にさわやかな感じがある。でも、変にねっとりとバッハを演奏されるよりもよほど好感がもてる(ただし、リヒターなどはねっとりというよりも慟哭に近く、不快感はない。ただ疲れる…)。
また、ところどころに装飾音を加えるだけでなく、通奏低音にテオルボやチェンバロを入れたり、おまけにヴァイオリン協奏曲第2番と2艇のヴァイオリンのための協奏曲の2楽章では、チェンバロではなくオルガンを使ったりと工夫を凝らしている。

ただ、聞き手によっては先を急ぎすぎていて、せっかちな印象を受けるのもまた事実だろう。なので、ロマンティックなバッハを求める向きにはおすすめはしない。一方で、軽快さや颯爽とした若さを味わいたい人にはいいかもしれない。

でも、寒さが厳しくなるこの時期には少しあっさりかな…。
このCD、なんか季節を選ぶような気がしなくもない。この季節にもってこいだなと思う演奏ってあるけど、このCDはそこに位置づけられそう。
ちなみに、季節を選ぶ演奏として、Fazil Sayのピアノ版春の祭典(これは真夏に限る!)。ほかにも、シベリウスのヴァイオリン協奏曲の冒頭も冬にはいいけど、それ以上なのが、グラスのヴァイオリン協奏曲(これは真冬の雪が降るときに聞くと寒さが一層増す!)。
じゃあ、このバッハはいつか・・・それはきっと暖かくなってきた春先なんだろうな。また春になったころにでも聞いてみよう。

今日の1枚(モーツァルトのレクイエム)

2006-11-21 11:50:32 | Weblog
先週、NHKホールで聞いたレクイエムが忘れられない。。。
16日にNHKホールでNikolaus Harnoncourt指揮Concentus Musicus Wienの演奏会があった。
行かれた方もいるだろうが、そこでモーツァルトの宗教音楽2曲が演奏された。
2曲ともに拍手が変だった印象がある。
前半はどこで終わりかわからず、後半はフライング的拍手。
演奏が終わった→即拍手という悪しき習慣だけはどうにかしてほしいもんです。
余韻を楽しむっていうのもコンサートの楽しみ方。

CDでも、Abbadoのマーラーの9番は拍手が始まるまでに1分以上空いてます。こういう感じかな。
終わってすぐに拍手できる曲とそうでない曲がある。あの瞬間はできなかったはずなんですが…。

と、それはさておき。

久々にあそこまで充実したレクイエムを聴いた。
何と言っても尋常じゃないリアリティ。音楽の彫りの深さといい、なかなか聞けるもんじゃない。全身に鳥肌がたつは、涙すら出そうになりました。それもDies irae(怒りの日)で!
なによりも音楽に没頭しきっているアーノンクールの姿が尋常じゃなかった!あんなにも音楽に入り込んでいる指揮者というのも久しぶりに見ましたね。

さて、それとほぼ同じメンバーで2003年にウィーンのムジークフェラインで録音されたCDが出ています。
このCD、初め聞いたときはちっとも良いと思わなかったのが、このあいだの演奏会を聞いてから無性にひかれます。
たしかにコンサートに比べると、小奇麗にまとめられてしまっている感がありますが(これはやはりCDと生の違い)全体としての雰囲気はそっくりです。合唱の精度がCDの方が上な分、臨場感は落ちてしまってますね。

どこもかしこも、これまでの演奏とは違う、1つの極を提示しているような演奏ですが、聞き終えたときの充実感はたっぷりです。これがモーツァルトのレクイエムだ!といわれれば、はいわかりました!としか言えなくなるような半ば強制的に説得されてしまう。

もっときれいにやってほしい!だの言ったとたんに、それのどこがレクイエムだ?と跳ね除けられてしまいそうなくらい、ある意味汚い音が出てきます。でも、そこには生々しい光景を見せられている印象がありますね。

この演奏を聴くと、これまでの演奏がどこか客観的にすら聞こえてしまいました。

そうそう、このあいだのライブは、NHKで3回(BS2、BS-hi、NHK教育)放送されるみたいなので、気になった方は是非見てください。

今日の1枚(ベートーヴェン:交響曲第7番)

2006-11-13 10:58:32 | Weblog
今から書くと昨日のことになってしまうのだが、久しぶりに横浜までドライブに行った。人それぞれドライブの時にかける音楽には好みがある。状況に応じて使い分けているのだが、昨日は同乗者へ紹介するためにとクラシックを選んでみた。

それはベートーヴェンの交響曲第7番。

いま、話題の曲。フジテレビで放映中の『のだめカンタービレ』のオープニングテーマとして使われている曲。のだめは以前からマンガでも読んでいるし、テレビも楽しみにしている自分としてはいいきっかけだということで今回はこの曲をチョイスしたわけ。

そうそう、なんでも着うたのダウンロードでも総合デイリーチャートで10位以内にランクインしたとか!まさに一大ブーム。これに乗らない手はない!

なかでもとびっきりに音楽の生命力を感じられるCarlos Kleiber(カルロス・クライバー)の演奏(Orfeo)をチョイスした。
Kleiberと言えば、Wiener Philharmoniker(ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団)と演奏したもの(DG)が名盤の誉れ高い。今回のOrfeo盤では、Bayerisches Staatsorchester(バイエルン国立管弦楽団)との演奏で、以前発売になっていた第4番と同日の演奏会の記録である。

この演奏、一言で言うならば「すごすぎる!」としか表現しようがない。圧倒的なパワー。躍動感。生命力。こんな7番をこれまで聞いたことがないし、これ以上の演奏はありえないはず。正直、Kleiberの演奏をそれほど良いとは思ってこなかった自分でも、この演奏を聞いて心底感動した。

中身についてとやかく説明することは無用。演奏後の拍手もあっけにとられているのか初めはちらほら、それが盛大な拍手とブラヴォーの嵐に変わっていた。というわけで、とにかく1回聞いてくれればその意味がわかるはず!?

アクセルを踏む強さが増し、いつの間にか100kmを超えていた。。。

今日の1枚(ハイドンのピアノ協奏曲)

2006-11-11 00:47:10 | Weblog
今日は、ハイドンのピアノ協奏曲を取り上げよう。
といっても、このCDは買って手元にあるわけではなく、図書館で借りたものなのだが・・・。と言いつつも、中古で安く見つけたら絶対に買うだろうな。というくらいに良かった。

さて、今回はAndreas StaierのフォルテピアノとFreiburger Barockorchesterの演奏である。指揮は、このオケのコンマスを務めるGottfried von der Goltz。

取り上げられているのは、ピアノ協奏曲の第4番と第11番のほか、ピアノとヴァイオリンのための協奏曲(ピアノ協奏曲第6番)の3曲である。
この第4番と第11番はハイドンのピアノ協奏曲集といえば、多くのCDで取り上げられており、古くはArturo Benedetti MichelangeliもCDが残っている(EMI)。この第4番に関しては、これまでもLeif Ove Andesnesによる弾き振り(EMI)やオケを刺激に富んだウィーン古典派を聞かせるThomas Feyが務めるGerrit Zitterbart盤(Hanssler)が名演を繰り広げている。
一方、第11番については、やはりなんといってもMartha Argerichのスリリングな名演(DG)が忘れがたい。

で、今回のStaier。冒頭の第4番の出だしからびっくりするほど、彫りの深い、濃厚な演奏が始まる。オリジナル楽器の演奏にしてはびっくりするほどゆったりとしたテンポなのだが、深い表現にはびっくりさせられる。
Staierの演奏もそれに負けず劣らず濃密な表現だ。そして、何よりも曲の展開に合わせて表情付けが変わっていくという才能にはただ驚くばかり。また、時に見せる激しい表情に触発されるようにオケもゴリゴリとした表現を展開する。
こんな感じのソロとオケの掛け合いは、以前の協奏曲録音(モーツァルト)にはまだ充分に見せていなかった面だ。

一方の第11番については、どうしてもArgerichの才気溢れる演奏が刷り込まれているせいか若干の物足りなさは感じるが、第4番でも感じられた濃密な表情は顕在。第6番の爽やかさといい、1枚のディスクとして十二分に楽しませてくれるものだ。

Staierというピアニスト、いまだに進化を続けているのだろうか?
今後も目を離せそうにない!

今日の1枚(ブランデンブルク協奏曲)

2006-11-07 19:26:20 | Weblog
今日からは少し頑張ってブログを書くことにしよう。
それも、その日新しく聞いた1枚について取り上げるというもので。そのためには、何枚もCDを買っていかなければならないのかもしれないが…。
悩むのは抜きにして、今日聞いた1枚を画像とともにお届けしようという企画である。

今日は、Peter-Jan Belder指揮Musica AmphionによるBrandenburg Concertosである。
この曲は、自分がクラシックがおもしろいと思ったきっかけとも言える曲で、付き合いは古い。また、新譜を見かけるとつい手にとってしまいたくなる好きな曲だ。

今回のCDはBrilliant Classicsから出ているもので、1000円もしないで購入できるお得盤。これまでにもテレマンのターフェルムジークやコレッリの全集などお手軽価格で良質な音楽を聞かせてくれていたグループである。

今回の演奏でも全くと言っていいほど癖がなく、ただ楽譜をそのまま過不足なく音化している。個性が出ている演奏を聴きなれている人にとっては物足らなくなるほどに、淡々とした演奏だ。そんな個性的な演奏を好む自分としても、どこかでそんな不満を持ちつつも、聞き終えたときに「これでいいのかも」と思わせるような演奏だった。飾らない様、自然に音が流れていく様、そんなとこに魅かれた。

普段だったら気に留められることもないような、道端でさりげなく慎ましやかに花を咲かせているとでも言えばいいのか、そんな素朴さが光った1枚だった。

というわけで、ブランデンブルク協奏曲を聞いてみたいという方には値段の安さもあって、一押しの演奏だ。