道楽ねずみ

ドイツに関するものを中心に美術展,オペラ,映画等の趣味の世界を紹介します。

ネオテニー・ジャパン-高橋コレクション(上野の森美術館・台東区上野公園)

2009年06月29日 | 美術道楽
上野の森美術館で開催中の「ネオテニー・ジャパン」展に行きました。
精神科医の高橋龍太郎氏の個人コレクションを展示したもので,日本の現代アートばかりの美術展です。

ところで,ネオテニーとは「幼形成熟」という意味で,動物学や発達生育学で幼いまま性的に成熟する進化の過程を指すのだそうです。その過程を日本の美術の状況にあてはめて「ネオテニー・ジャパン」という名前になったそうです。

コレクションも様々です。比較的知られているところから言えば,奈良美智や束芋の作品もありました。
ほかにも,鴻池朋子のKneifer life,同じくナイフをテーマにしたmimio-Odysseyといった映像作品もありました。
村山留里子のドレスの作品や小川信治の「最後の晩餐」の絵に手を加えた作品のように,見てわかりやすいものもあったのですが,山口晃の「伝源頼朝絵」(本当は足利直義の絵?)を編集したものなど,作者の意図を理解しきれないものも多かったのが実情です。

でも,現代美術ですので,理解しきれないなりに楽しめましたし,高橋龍太郎氏個人でこれだけ沢山の現代アートを収集するとはすごいコレクターだと本当に感心しました。

今回,私が一番熱心に見たのは,秋山さやかの「ベルリンを歩く2006年6月1日~16日」です。
手漉き和紙,地図,針金,ビーズなどで本当に器用に小さく作り上げた小作品なのですが,展示物の下の壁に本人の日記が日本語とドイツ語でペンで落書きのように書いてあります。ハンブルク駅現代美術館のことなども書いてあって,作者とともにベルリンを旅するような気持ちになる作品でした。
かなり型破りの作品とは思いますが,ベルリンを半年前に旅行していた自分はとても楽しめました。

美術館で展示を見ていたちょうど同じころ,鴻池朋子氏のトークもあったのですが,展示を見ることを優先して,こちらはほとんど聞けませんでした。

トークの模様




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2 コメント

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Unknown (Tak)
2009-06-30 23:39:39
こんばんは。
TBありがとうございました。

やっと記事アップし終えました。
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拝読しました。 (フランツ)
2009-07-01 21:23:58
鴻池さんのトークの様子、よくわかりました。
展示する美術館ごとに展示方法の苦労があるのですね。特に上野の森美術館は、美術館にコレクションを収納しきるだけで大変という状態でしたし(出口の奥にある展示室は危うく見落とすところでした。)、鴻池さんの作品のあった部屋も確かに奥行きはなかったようでしたね。これに対し、札幌芸術の森美術館は、大昔行った時の記憶では展示スペースは、それなりにスペースはあった記憶ですが、それでも苦労があったのですね。
因みにもっと狭いと思われる米子市美術館ではどのように展示なさるのでしょうか。興味がわいてきました。
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