道楽ねずみ

ドイツに関するものを中心に美術展,オペラ,映画等の趣味の世界を紹介します。

国立国際美術館再考(大阪・中之島)

2008年05月31日 | 美術道楽
再び液晶絵画展を取り上げます。

印象に残ったものの一つにジュリアン・オピーの作品がありました。
アニメのような単純な絵画を液晶に写した作品で,展示の中で最も特徴のない作品だったと思います。でも,私はこの作品を見たときに,「あ。見たことがある。」と思ったのです。

それは,ドイツのポップWir sind HeldenのアルバムVon hier an blindのアルバムの絵に似ていると思ったからです。

CDのラベルを見ましたが,オピーとの関係は発見することができず,私の思い過ごしのようでしたが,何か両者に共通するものを感じます。

余談:Von hier an blindの曲には「さ,行ってみよう(sa itte miyo)」という日本語ヴァージョンのものもあります。Wir sind helden.がゆっくりと拍子抜けした日本語で歌います。


ドイツ大統領選

2008年05月30日 | ドイツ語
ここのところ,ドイツのニュースも大統領選の話題です。

現大統領ホルスト・ケーラーは2004年に大統領に就任しましたが,当時はまだ社会民主党と緑の党の連立政権(シュレーダー政権)の時代でした。ケーラー大統領は,当時野党だったキリスト教民主同盟・社会同盟の推挙を受けて,当時の政権与党の推挙した候補で,ヨーロッパ大学(所在地・フランクフルト・オ-ダー)の学長のゲズィーネ・シュヴァーン候補を破って当選しました。

ところが2006年の連邦議会の選挙では,キリスト教民主同盟・社会同盟が,ほんのわずかな差で社会民主党に勝利した上,さらに第2党の社会民主党と大連立を組んで,組閣するという結果になりました。現在は両者が連立政権を構成しています。このような中,2009年に予定されている大統領選挙でキリスト教民主同盟・社会同盟がケーラー大統領を推挙するのは当然なのですが,社会民主党の動きが注目されていました。キリスト教社会同盟は社会民主党が独自候補をたてるのであれば,連立を解消するとまでいっていたのですが,最近になって社会民主党は再度,ゲズィーネ・シュヴァーン学長を再度,候補にする動きを示しています。
2004年の対決が再び行われることになりそうです。

ゲズィーネ・シュヴァーンは,フランクフルト・オーダーというドイツとポーランドの国境にある街にあるヨ-ロッパ大学の学長で,旧東ヨーロッパとの友好関係には打って付けの人材です。2005年にドイツ年を記念して開催された国際会議の際には,ツィープリス司法大臣らと共に来日もしています。
シュヴァーンが当選すれば,ドイツ初の女性大統領ということになり,メルケル首相が退陣していなければ,大統領も首相も女性ということになります。Bundeskanzlerin(首相の女性形)に引き続き,Bundespräsidentin(大統領の女性形)という言葉も流行語になるかもしれません。

どのような選挙結果になるのか見物です。

写真は大統領府のあるベルリンのベルビュー宮殿です。

たいやき(下町ごえもんカドヤ・東日暮里)

2008年05月29日 | 食道楽
本来であれば,ここでは先週末のオペラ帰りに行った新宿小田急のN万賓館を紹介する予定でした。ところが・・・
N万で寿司「鼓」コース1人前5500円を食べたのですが,さんざんな結果になりました。みそ汁はじゃがいものみそ汁で,社員食堂で出てくるものと変わりません。寿司もネタもしゃりも小さく乾いていて,ここよりも値段の安い専門店にとても及ばないことはもちろんのこと,チェーン店や宅配のものと比べてもおいしいとはいえないと思いました。5500円というのはN万としては最低レベルの値段であったことは確かですが,それにしてもこの内容は・・・。サービス面でも満足は得られず,気持ちはN万どころかN千くらい,否,N905いやN502くらいでしょうか。それくらいにしかなりませんでした。

相方と共にN万を出た段階では,私たちはとても不満足なモードとなっており,私は天一(天下一品のことです。天ぷらやではありません。)のラーメンを食べに行くと言い張っていたのですが,相方の反対にあい,結局,小田急の地下でまぐろ寿司とたいやきを買って自宅に帰ることとしました。まぐろ寿司も不発に終わり,結局,この日,唯一満足感を与えてくれたのが,カドヤのたいやきでした。外の皮が比較的厚く,しっかりしているのが特徴でした。普通の餡以外にも白玉つぶ餡,さつまいも,カスタードといった変わり種のたいやきも売っていました。下町グルメ万歳というところです。

教訓:京都でも思い知ったことですが,暖簾は信用してはいけません。これほどあてにならないものはありません。

古河庭園「春のバラ・フェスティバル」(西ヶ原)

2008年05月28日 | 風流道楽
古河庭園のバラ・フェスティバルに行ってきました。古河庭園は,もとは外務大臣陸奥宗光のもので,その後古河財閥のものになったという邸宅の跡地を庭園にしたものです。古河財閥といえば,足尾銅山鉱害事件という明治の影の部分を必然的に思い出しますが,この際,そのことは忘れて庭園を楽しみます。旧岩崎邸の建設も手がけたコンドルの作った洋館は実に見事です。均整がとれていて美しいです。

今回のテーマはバラです。いろいろ人名のつけられたバラがありました。皆,近くで見ることができ,デジカメで接写することができるので,写真撮影会のようになっていました。
たくさん撮影したうちのいくつかを紹介します。

ヘルムート・シュミット:旧西ドイツ首相。
意外な人気です。年をとっても衰えないのでしょうか。ヘルムート・コールというバラはないのでしょうか(あったとしても,きっと真っ黒で金まみれでしょう。)。



マリア・カラス:いわずとしれたオペラ歌手
既にしおれていました。声もでないでしょう。



アンネ・フランク:日記の人です。
誰にも見つからずに咲けないものでしょうか。


プリンセス・ダイアナ:説明不要
散った後で,切り取られていました。


聖火
降っていた雨でいまにも鎮火しそうです。




中村屋(夏目坂)

2008年05月27日 | 食道楽
夏目坂にあるそば屋中村屋で,季節のおろしそばを食べました。
ここは店内にそばをひく臼がおいてあり,コトコト音を立ててそば粉が出てくるのが見られたり,出てくるそばの幅がさまざまだったりと,そばを手作りで作っていることがよく伝わってきます。歯ごたえ等も含めてとてもおいしいです。量が少ないのが難ですが,その分ご飯が付きます。
今回は,季節のおろしそばということで,大根おろしのほかにちくわ,卵焼き、きゅうり,ほうれん草,トマトなどがのっており,天かすものせることができました。大根おろしの辛みが強く,アクセントのついた味でした。


薬師寺展(東京国立博物館・上野)

2008年05月26日 | 美術道楽
東京国立博物館で開催中の「平城遷都1300年記念 国宝薬師寺展」に行ってきました。金曜日の夕方に行ったのですが,人出はかなりのものでして,普通に混雑していました。観客も老若男女を問いません。

展示物は多くなく,聖観音菩薩,日光菩薩,月光菩薩,吉祥天像,玄奘像といくつかの像くらいに集約されますが,展示スペースを贅沢に使っています。日光菩薩,月光菩薩などは360度の角度で見られるので,大勢の人だかりができていました。

光背が取り外された日光菩薩,月光菩薩は,堀をすべて埋め尽くされた城か武装解除させられた兵士のように無抵抗な姿をさらしているように見えました。それでも正面から見れば,菩薩の姿なのですが,後ろから見ると,普通の人間の姿のように見えてきまして,随分と写実的な彫像だったのだということに改めて驚きました。
例えばギリシアのヴィーナス像を見た場合,像にもよりますが,多くの場合,我々はそれを「神」の姿としてではなく,人間の女性の姿として見るはずです。しかし,仏像を見るときはあくまでも仏像として見ていたと思います。今回,光背を取り払い,「裸」にされてしまった仏像を360度の角度から見まして,はじめてそこに生身の人間の姿を見たように思います。その意味では面白い展覧会であったとは思います。ただ,私の個人的な感想からしますと,やはり仏像や襖絵,屏風は本来安置されている場所で見た方が,その迫力を感じることはできるように思います。
薬師寺に行ったのは,京都に住んでいた時ですから,もう15年も行っていないことになります。また奈良に行き,薬師寺を訪れてみたくなりました。

帰路に上野公園から写した噴水と東京国立博物館


こうもり(ウィーン・フォルクスオーパー・東京文化会館・上野)

2008年05月25日 | オペラ道楽
昨日,東京文化会館でウィーン・フォルクスオーパーのオペレッタ「こうもり」を見てきました。
「こうもり」といえば,ドイツ語文化圏では年末の時期に必ず上演される演目です。私も,ドイツでは2回ほど見たことがあります。

今回はオペレッタなので,演出を注意深く見ると言うよりも,明るく楽しい音楽と華やかな舞台を楽しむことを中心にしました。

舞台は,本場ウィーンのフォルクスオーパーらしく,正当派の演出で,舞踏会の場面や刑務所の場面もそれらしいセットで演出していました。以前にベルリンのコーミッシェ・オーパーで見た際に,アーチのような足場のみで演出されていたのとは対照的でした。ポルカの演奏に合わせたバレエの場面も良かったです。

歌手は歌の技量も演技もよかったです。オルロフスキー公爵役の歌手コワルスキーは,女性のような声で歌う男性歌手で,驚きましたが,スター歌手らしいオーラを発していました(コワルスキーのCDは記念に買いました。)。アルフレート役のルネ・コロは以前「ニーベルングの指輪」でジークフリートを演じていましたが,今回も刑務所の場面でノートゥングの歌も少し口ずさんでいたような気がします(思い過ごしかも知れませんが。)。

しかし,何といってもオケがすばらしかったのが一番です。オペラもそうですが,オペレッタでは楽しい音楽が何よりも大切で,これが満たされないとすべて台無しになります。

観た後,とても幸せになるひとときでした。
我が家では,毎年,年末年始は,旧東京全日空ホテル(ANAインターコンチネンタルホテル東京)に宿泊し,元旦にはサントリーホールに行き,ウィーン・フォルクスオーパー交響楽団のコンサートを聴くというのがここのところの定例行事でした(過去形なのはホテルの経営主体と共にサービスが変わったので,来年は辞めようと思っているからです。)。元旦のコンサートでも,こうもりの曲は必須の演目でしたので,今回のオペレッタで2008年ももう終わってしまったような気持ちになりました。
写真は会場の様子です。


余談1:観客の年齢層が今回は異常に高く,杖をついた方が目立っておりました。列の割り込み等マナーに問題のある「暴走老人」もいたのが残念です。
余談2:舞台が終わっても音楽の演奏が続いている間に観客が拍手をしてしまうというのは,いかがなものでしょうか。劇とは違って,音楽もまた主役ということが忘れ去られているように思います。
余談3:今回の主催や特別協賛には名を連ねていないクレディ・スイスの関係者が,公演パンフやオペラグラスを用意し,招待客(ではないかと思いますが。)に渡していたようだったのは何だったのだろうかということも気になりました。

エディアールブレンド(エディアール・新宿伊勢丹)

2008年05月24日 | 食道楽
伊勢丹のフランス展に行き,エディアールの「エディアール ブレンド」というコーヒーを買いました。
エディアールは伊勢丹の中にある店ですが,紅茶の方が有名で,コーヒーまであるとは知りませんでした。フランス展の時期にしかおいていないブレンドをおいたとのことでした。
名前からして一番お勧めと思われそうな,「エディアール ブレンド」を買いました。煎りの深さは普段飲んでいるものに比べると抑えめで,酸味と苦みのバランスをうまくとった味でした。


はちみつ(les Abeilles)

2008年05月23日 | 食道楽
伊勢丹で以前に開催されていたフランス展で,レ・ザベイユのハチミツを買いました。レ・ザベイユのはちみつは粘性が強く,味も濃厚です。
パリのオペラ座でもはちみつを売っていますし,フランスといえば,はちみつのイメージがあります。少し酸味を帯びたドイツパンに上等なバターとはちみつをたっぷり塗って,深入りのコーヒーとチーズをそろえれば,食事は他には何もいらなくなって,その日1日幸せなスタートをきることができます。

追記:有り難く買ったのですが,レ・ザベイユ・ジャポンという日本法人があり,はちみつもいつも買えそうですね。






ティン・フック(四谷三丁目)

2008年05月22日 | 食道楽
四谷三丁目にあるベトナム料理店ティン・フックに行きました。
食事店があるようには見えないビルの2階にあり,入るときに最初少し勇気がいりますが,入ればいかにもアジア料理の店という感じです。
ランチタイムは650円で鶏カレー,海鮮カレー,牛肉かけソーメン等のメニューが味わえます。海鮮カレーを食べましたが,ライスの量が多く,食べきれないほどでした。新宿御苑や本郷四丁目にある「ミュン」の姉妹店らしいです。ミュン2店とティン・フックの比較はまた別の機会にしたいですが,個人的には,入りやすい本郷四丁目のミュンが好きです。


Talk MasterⅡ

2008年05月21日 | 買い物道楽
ずっと,関西を紹介しましたので,関西版のブログになってしまったような感じでしたが,筆者は相変わらず東京に暮らしております。
さて,ラジオドイツ語講座を毎日欠かさずに聴く相方のためにTalk MasterⅡを買いました。既に上位機種であるTalk Master Slimが発売になっているのですが,我が家は語学講座なら何でも聞くというほどのオタクではなく,録音時間もたかがしれています。録音したデータをパソコンで編集することもしないので,Talk MasterⅡにしました。これに1GのSDカードを入れれば,容量も十分です。
今まで最初期のTalk Masterを長い期間酷使していましたが,単4電池を取り替えて頻繁に充電しなければならなかったので不便でした。スタンドで常時充電できるTalk MasterⅡはとても便利です。

追記:Talk MasterⅡですが,録音のモードは音質が一番いいものにしないと駄目なようです。そうすると,1Cでも8時間程度の録音時間になります。語学番組で長時間録音するものでないので,構わないとも思いますが,2GのSDカードでも対応できそうなので,2Gのカードに換えたいと思います。



国立国際美術館(大阪・中之島)

2008年05月20日 | 美術道楽
国立国際美術館には,2年前,相方とともにジグマー・ポルケ展を見に行ったことがあります。モンブランのような外観が目をひきます。今回訪れた時は,たまたま入場料が無料の日で,普段は美術館を訪れそうもない若者や子供などたくさんの人が来ていました。
企画展のテーマは「液晶絵画」です。映像で作品を表現したものです。千住博氏の屏風のよう落ちついた作品もありましたが,やはり前衛的なものの方が多かったです。
いろいろ作品がありましたが,一番人気は森村泰昌氏のフェルメール関連の作品です。森村泰昌氏といえば,古典絵画の登場人物に扮した作品を多数制作しており,横浜美術館で初めてその作品を見たときには,何と不遜な作品かと思いましたが,最近はその作品にも関心を持つようになりました。ここでも,「画家のアトリエ」を描く構図を森村さんが演じて見せたり,森村さんが真珠の耳飾りの少女に扮したりと森村芸術の真骨頂が示されています。
ところで,シ○―プのアク○スのテレビのコマーシャルには,フェルメールの真珠の耳飾りの少女の絵が用いられていますが,森村さんの作品は非常にインパクトがあるので,そのコマーシャルを見ていると,CMに映っているのは森村さんなのではないかと思ってしまいます。そこで,ここはひとつシ○―プさんにも思い切ってテレビCMで森村さんの「真珠の耳飾りの少女」を放映してもらいたいものだなどと考えております。Googleの検索でひいても「森村泰昌 フェルメール」という選択肢が出てくるくらいですから・・・
閑話休題。「液晶絵画」ですが,他の作者の作品には,鑑賞者自身の映像を巧みに作品の中に取り入れ,鑑賞者を作品の世界に引き込むのもあり,面白かったです。

国立国際美術館


地下には以前に相方といったレストランがあります。雰囲気がよく,オススメです。






大阪市立近代美術館(仮称)(大阪・心斎橋)

2008年05月19日 | 美術道楽
週末に大阪に出かけたついでに心斎橋にある大阪市立近代美術館(仮称)に行きました。ここは1階がガソリンスタンドという不思議な構造になっている出光ナガホリビルの13階に間借りしています。肩身が狭そうなので,早く正式に市立近代美術館として発足してもらいたいものです。

展示は,「線の発見」というタイトルで,現代美術を中心とした展示をしていました。日本画も含めていろいろありましたが,気に入ったのはドナルド・ジャッドの「無題」という作品です。複数の直方体が一直線に並べられているのですが,その直方体の長さがフィボナッチ数列の数字にあわせられています。フィボナッチ数列にかかわる芸術作品を新たに見つけることができて,うれしくなりました。
このほかにも表現主義の解説の中では,グリューネヴァルトの「イーゼンハイムの祭壇画」なども言及されていました。このグリューネヴァルトの絵はフランスのコルマールのウンター・デン・リンデン博物館にあって,私も見たことがあるので,懐かしくなりました。


大阪出張

2008年05月18日 | 日常の道楽
この週末に大阪まででかけました。
マイラーの私は大阪に行くのにも飛行機です。が,しかし,行きの飛行機は搭乗手続直前にトラブルが発生し,大幅に遅延。離陸したのは予定時刻から50分もたってからでした。国際線並みです。大門から大阪の梅田にかかった時間を考えると,新幹線と比べて圧倒的に遅くなっている計算になります。「ビジネスきっぷ」という制度で出かけたのですが,ビジネスで大阪に出張するのに飛行機を利用するには致命的な問題があるように思います。私は,今回は時間的なゆとりをもってでかけていたので,問題はなかったのですが,やはり飛行機は仕事よりも遊び出かける時に適しています。


出町柳ふたば(京都・出町柳)

2008年05月17日 | 食道楽
同じく3月の伊勢丹京都展で,出町柳ふたばの豆大福を買いました。
こちらは値段が庶民的なので,京都にいたときから食べたことがあります。当時の同僚が職場に買ってきてくれたこともありました。
塩味のきいた大福で,ものすごく特別なものというほどでもないのですが,やはりおいしく,これを食べると幸せな気持ちになります。