道楽ねずみ

ドイツに関するものを中心に美術展,オペラ,映画等の趣味の世界を紹介します。

レベッカ・ホルン展(東京都現代美術館・江東区三好4丁目)

2010年01月02日 | 美術道楽
東京都現代美術館で開催中のレベッカ・ホルン展に行きました。
レベッカ・ホルンは1944年生のドイツの現代芸術家です。
サブタイトルに「静かな叛乱 鴉と鯨の対話」というタイトルが付いているだけあって,鴉や鯨をテーマにした作品が多かったです。

展示会場は3階と1階に分かれます。
3階は動くオブジェを用いた作品が中心です。
以下のような作品がありました。
・「相互破壊の場」:ピストルとピストルが向かいあっており,(辛抱強く見ていると)やがて2つのピストルが動き始め,やがて発砲音のするという作品
・「ジェイムズ・ジョイスのためのヌーグル・ドーム」:8本のナイフが蟹の足のように固定され,ゆっくりと動き出す作品
・「恋の逃避、貝の眠り」:巻き貝の中に棒が突き刺さった状態になっている作品として,見飛ばしそうになったものの,しばらくするとその棒が外に出てきて,その形は・・・(表現するのが差し支えるような物体の形です。)。しかもその「棒」と思った何かはまた巻き貝の中に入っていき,そしてまた出て行きということが繰り返されます。とても淫靡としか言いようのない作品です。日本の温泉街のお土産にでもありそうな強烈な作品です。
・「鯨の腑の光」:暗い部屋の中で座布団に腰掛け,心地よい音楽とフランス語?(不確かです)の詩の文字が不規則な形で映写されるのを見る作品。とても心地よく,この場所を離れたくなくなりました。
・「鴉の木」:不整形な多くの金属の棒がゆっくりと不規則に動くもの。
・「アナーキーのためのコンサート」:逆さ吊りにされたピアノが突然,爆発するように解体し,ピアノの鍵盤らしき木々が飛び出してきてくる作品。なかなかこの場面に遭遇することができないので,かなり辛抱強く待つことが必要です。
「アナーキーのためのコンサート」を使ったポスター



・「双子の鴉」:鴉の羽が向かい合った状態で,お互いに相手を煽るように動く作品


1階の映像作品は半端ではありません。
上演時間が皆長く,立派な映画です。それが8つもあるので,時間切れになりました。
全部は見ていませんが,断片的でも,ある程度時間をかけてみたのは「ラ・フェルディナンダ」と「ダンスパートナー」です。後者は,羽を円形に集めて巻き貝のようにしたものの中に,バレエを習っている生徒が入った映像もあり,この部分はレベッカ・ホルン展のパンフレットの表紙を飾っております。
「ラ・フェルディナンダ」は特に面白そうだったので,きちんと上映時間を確認してから,再度出かけ直そうと思いました。
とにかくすごい展覧会でした。

同時開催で,「ラグジュアリー・ファッションの欲望」という展覧会もありましたが,こちらは私には縁遠い内容でして,あっという間に見終わりました。



最新の画像もっと見る

コメントを投稿