東京国立近代美術館で開催中の「現代美術のハードコアはじつは世界の宝である展」という、意味不明のタイトルの美術展に行きました。
台湾のヤゲオ財団というところのコレクション展です。
この意味不明のタイトル、それとポスターに用いられている金ピカの雑伎団のような女性の像(しかも股間の方が前を向いているものもあります)を見ると、とても行く気がおきません。
このタイトルとポスターだけでは誰も足を運ばないでしょう。
ところが、この美術展、道楽ねずみことねずみのFredelickを狂喜させるような素晴らしい展示だったのです。
最初は、リキテンシュタインやアンディ・ウォーホルの作品(ウォーホルの自画像やジャッキーことジャックリーヌ夫人の肖像画)から始まり、中国の現代アートも展示されます。そして、さらに進みますとマーク・ロスコの《無題》、ゲルハルト・リヒターの《叔母マリアンネ》、《リズ・ケルテルデの肖像》、《毛沢東》、《横たわる裸体》、《抽象絵画》、《川》、アンドレアス・グルスキーの《メーデーⅣ》、《V&R》、ゲオルグ・バゼリッツの《イゴール》、《オレンジを食べる人々Ⅱ》など私の大好きな作家の作品の展示が続きます。また私の好きな作品ではありませんがフランシス・ベーコンの作品《教皇のための習作Ⅵ》まであります。
リヒターはフォトペインティングの手法のものもあればアブストラクトビルダー(抽象絵画)の手法のものもあります。
ロスコとリヒター、バゼリッツとキーファーがそれぞれ同じ部屋に展示されておりまして、これらの部屋など1分1秒でも長く留まっていたいという気持ちになります。
今回その中でも特にいいと思ったのが、アンゼルム・キーファーの作品2点です。
1点目は《君の金色の髪マルガレーテ》です。これはパウル・ツェランの「死のフーガ」から着想を得たものだそうです。「死のフーガ」から着想を得たという点で共通する「ケシと記憶」は以前にベルリンのHamburger Bahhof Museum(2009年初めには旧博物館に展示されていましたが。)で見たことがありましたが、今回思いがけずキーファーの「死のフーガ」関連の作品を見まして感激です。
もう1点目は《マイスタージンガー》です。こちらはニュルンベルグのマイスタージンガーをテーマにした作品です。こちらの作品も素晴らしく、その前で立ち尽くしてしまいしました。キャンバスの上には藁が貼り付けられており、それで歌手を表しているとうことなのですが、作品の大きさと藁という素材から保管も難しく、なかなかこのような作品は買い手がないとのこと。ワーグナーの楽劇「ニュルンベルグのマイスタージンガー」のMorgenlich leuchtend im rosigen Scheinから始まる歌やFanget anで始まる歌など思い出しながら、時間の経つのを忘れてみました。
今年の夏は療養とそのような状態であるにもかかわらず仕上げなければならない仕事のため、ドイツには行けませんが、この展覧会に行けばで、嫌なことも忘れて、作品の世界にのめり込むことができそうです。素晴らしい展覧会なので、何度でも出かけようと思います。展示期間中毎日通いたいくらいで、入場券の定期券が欲しくなりました。
この展覧会ですが、面白い試みがあります。ゲームなのですが、訪問者に最後に50億円手持ち資金があるとして、どの作品を買うのかというゲームをさせるのです。予算内でうまく使い切れるかどうかの腕が試されます。私は、最初自分のお気に入りの作品を3点選んで(注:5点まで選べます。)、それでStopとしましたところ20億以上も余ってしまいました。そこで、今度は余り気の乗らない有名作品を入れたところ今度は30億くらい大幅な予算超過となりました。さらに別の日に訪問したときに、かなり選択肢を替えましたが、今度も10億円の予算オーバーとなりました(注:本当は何度もチャレンジするのは反則と思われます。)。なかなか難しいものです。
なお、この展覧会は名古屋、広島、京都でも開催されますので、西日本にお住まいの方も東京まで来られなくてもご覧になることができます。
台湾のヤゲオ財団というところのコレクション展です。
この意味不明のタイトル、それとポスターに用いられている金ピカの雑伎団のような女性の像(しかも股間の方が前を向いているものもあります)を見ると、とても行く気がおきません。
このタイトルとポスターだけでは誰も足を運ばないでしょう。
ところが、この美術展、道楽ねずみことねずみのFredelickを狂喜させるような素晴らしい展示だったのです。
最初は、リキテンシュタインやアンディ・ウォーホルの作品(ウォーホルの自画像やジャッキーことジャックリーヌ夫人の肖像画)から始まり、中国の現代アートも展示されます。そして、さらに進みますとマーク・ロスコの《無題》、ゲルハルト・リヒターの《叔母マリアンネ》、《リズ・ケルテルデの肖像》、《毛沢東》、《横たわる裸体》、《抽象絵画》、《川》、アンドレアス・グルスキーの《メーデーⅣ》、《V&R》、ゲオルグ・バゼリッツの《イゴール》、《オレンジを食べる人々Ⅱ》など私の大好きな作家の作品の展示が続きます。また私の好きな作品ではありませんがフランシス・ベーコンの作品《教皇のための習作Ⅵ》まであります。
リヒターはフォトペインティングの手法のものもあればアブストラクトビルダー(抽象絵画)の手法のものもあります。
ロスコとリヒター、バゼリッツとキーファーがそれぞれ同じ部屋に展示されておりまして、これらの部屋など1分1秒でも長く留まっていたいという気持ちになります。
今回その中でも特にいいと思ったのが、アンゼルム・キーファーの作品2点です。
1点目は《君の金色の髪マルガレーテ》です。これはパウル・ツェランの「死のフーガ」から着想を得たものだそうです。「死のフーガ」から着想を得たという点で共通する「ケシと記憶」は以前にベルリンのHamburger Bahhof Museum(2009年初めには旧博物館に展示されていましたが。)で見たことがありましたが、今回思いがけずキーファーの「死のフーガ」関連の作品を見まして感激です。
もう1点目は《マイスタージンガー》です。こちらはニュルンベルグのマイスタージンガーをテーマにした作品です。こちらの作品も素晴らしく、その前で立ち尽くしてしまいしました。キャンバスの上には藁が貼り付けられており、それで歌手を表しているとうことなのですが、作品の大きさと藁という素材から保管も難しく、なかなかこのような作品は買い手がないとのこと。ワーグナーの楽劇「ニュルンベルグのマイスタージンガー」のMorgenlich leuchtend im rosigen Scheinから始まる歌やFanget anで始まる歌など思い出しながら、時間の経つのを忘れてみました。
今年の夏は療養とそのような状態であるにもかかわらず仕上げなければならない仕事のため、ドイツには行けませんが、この展覧会に行けばで、嫌なことも忘れて、作品の世界にのめり込むことができそうです。素晴らしい展覧会なので、何度でも出かけようと思います。展示期間中毎日通いたいくらいで、入場券の定期券が欲しくなりました。
この展覧会ですが、面白い試みがあります。ゲームなのですが、訪問者に最後に50億円手持ち資金があるとして、どの作品を買うのかというゲームをさせるのです。予算内でうまく使い切れるかどうかの腕が試されます。私は、最初自分のお気に入りの作品を3点選んで(注:5点まで選べます。)、それでStopとしましたところ20億以上も余ってしまいました。そこで、今度は余り気の乗らない有名作品を入れたところ今度は30億くらい大幅な予算超過となりました。さらに別の日に訪問したときに、かなり選択肢を替えましたが、今度も10億円の予算オーバーとなりました(注:本当は何度もチャレンジするのは反則と思われます。)。なかなか難しいものです。
なお、この展覧会は名古屋、広島、京都でも開催されますので、西日本にお住まいの方も東京まで来られなくてもご覧になることができます。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます