ブログ「風の谷」  再エネは原発体制を補完する新利権構造

原発事故は放射能による公害。追加被曝阻止⇒放射性廃棄物は拡散してはいけない⇒再エネは放射能拡散につながる⇒検証を!

【再掲】2012/12/14 ヤブロコフ博士東京講演会低線量被曝の健康影響(文字おこし)

2013-05-25 | ヤブロコフ講演文字おこし

管理人より

たくさんの方に2013年5/18のヤブロコフ東京講演文字おこしを拡散していただきました。ありがとうございました。関連アクセスが多いので、昨年アップした当ブログ記事の「2012年の12/14のヤブロコフ博士日本講演 文字おこし①~⑤+質疑応答」をひとつにまとめて、後日にネットに出された資料を追加し再掲します。  よろしければご活用ください。

FoE Japan  http://www.foejapan.org/energy/evt/121214.html  

当日資料はこちら⇒ http://www.foejapan.org/energy/evt/pdf/121214_y.pdf

文字おこしでは、上の資料から切り取って講演の流れにそって掲載しました。

2012年 12/14 アレクセイ・ヤブロコフ博士講演会 

「低線量被ばくの健康影響:国際機関の放射線安全概念を問う」

講演部分【文字おこし】 11:04~ 

私にとって、ここで皆さんにお話をすることは、とても嬉しいことですし、この講演は私にとって大変重要なものであります。私は生物学者であり、大統領に対する生物学担当官(?)でした。私は10年以上にわたってチェルノブイリ事故の影響について研究しています。そして私は日本にとってチェルノブイリの本当の影響がどういうものであったかということを知るのが非常に重要であるということがわかっています。

私のチェルノブイリに関する本は、最初ロシアのサンクトペテルブルグで、それからアメリカのニューヨーク、そしてウクライナのキエフで出版されました。そして、この本が3ヶ月か4ヶ月後には、日本で岩波書店によって出版されるということをお伝えしております。チェルノブイリが示したのは、「低線量放射線というものが重要ではない」というふうに思われていましたけれども実際には非常に大きな意味を持つということです。明日、私はチェルノブイリの影響についてお話をしますが、今日ここでは低線量被曝の影響についてお話をしたいと思います。そして、私がこれからお話しますことは、ニューヨークで出版される雑誌「health&solution」に掲載されることになっております。口上が長くなりましたけれども、これから私の報告をさせていただきます。 

福島とチェルノブイリに関して、なぜ原子力推進論者たちと普通のまともな人たちとの間に論争が起こっているのでしょうか?原子力推進論者たちは、「1mSv/人/年という低線量被曝は人間にとって危険ではない」、と言っています。そして日本においては、「20mSv/人/年でさえも危険ではない」、と言われているそうですが、これはもう気違い沙汰です。

実際のところは、公式に計測されたと言われている放射線量というものは計測不可能なものです。そして、ここに放射線量についての8つの前提が書かれております。これから8つの前提の一つ一つに検討を加え、これが間違っているということを証明したいと思います。

最初の2つの前提。これは実践的に全く不可能なことですし、それ以下のものは科学的に不正確です。

第1の前提とは、「実効線量というのは、内部被曝と外部被曝の総和である」というものです。しかし、チェルノブイリにおきましても福島におきましても、あまりにも様々な放射線核種が放出されたために、それを全て計上するというようなことは不可能です。原子力推進論者たちが、基準として放射線核種として取り上げているのは、ヨウ素131とセシウム137だけです。しかし、チェルノブイリ以後、ウクライナの首都であるキエフには、あちこちにセシウム137がありますが、キエフにとって放射線核種として重要なのはセシウム137ではないのです。

 それから福島の後、どういった放射線核種が放出されているか見てください。ヨウ素やセシウム以外にどれだけたくさんの放射線核種が放出されたか、これは非常に強力なものですが、こうした放射線核種については取り上げられていないのです。ですから原子力推進論者たちが、内部被曝や外部被曝の影響を考慮するとかいっても、このセシウム以外の放射線核種について取り上げていないのに、どうやって内部被曝を考慮することができるのかわかりません。 

ギリシャではチェルノブイリの降下物として、放射性銀、つまりセシウム137だけではなく他の放射性核種、ギリシャの場合ですと、放射性銀についても考察しなくてはいけないわけですが、これは福島に関しても同じことが言えます。

それから放射線、X線ですとかガンマ線、ベータ線についてなんですけれども、これについてはどのようにして計上することができるというんでしょうか?このように①で取り上げられている「内部被曝と外部被曝を合計する」ということは、理論的には可能であっても実際問題としては不可能ではないでしょうか。 

では内部被曝についてですが、内部被曝というものは、それぞれの人がどれだけ水を飲んだか、どれぐらい牛乳を飲んだかといったことによって決まります。内部被曝に関しては、それぞれの放射線核種が体内にどれぐらいとどまっているかという平均値を求めなければなりませんが、放射線核種によっては5日しかもたないものもありますし、80日存続するものもあります。

非常に長い半減期を持っているもの、たとえばストロンチウム85は骨髄の中に入ると50年そこにとどまっています。ストロンチウム85に関して言いますと、平均寿命は2~3ヶ月です。

それと、もうひとつの大きな科学上の誤りは、チェルノブイリ事故が起きてからの最初の年には被曝量が減少しました。というのは放射性物質が土壌の中に降りていたからです。それと同様に今こちらの福島でも同じことが起きています。つまり被曝線量の減少ということが起きています。

しかし、5年後には汚染はまた広がってきます。なぜかというと土壌に入った放射性核種は根の成長といっしょにまた上がってくるからです。たとえばストロンチウムは半減期30年ですけれども、根っこによって吸い上げられて表面に出てくるんです。 

つまり、最初に見られた放射線核種が、別の放射線核種にとって変わられていくというチェルノブイリで起きたことが福島でも起きるでしょう。セシウムやストロンチウムは、10年~15年という半減期を持つものですけれども、それ以外にもっと半減期が短いけれども強い作用を起こす放射能を持つものがあります。

先ほどのギリシャでもホットスポット状の地図を見ましたけれども、地表から10m(?)下がったところの放射性濃度というのは十何倍にも多かったり少なかったりすることがあります。

ですから住民にとっての1mSv/人/年という平均値あるいは基準値というものは、全くのおとぎ話であって放射線量、被曝量というのは人によって非常に違うものです。原子力屋の測定によると、それぞれの放射線核種の生物学的影響は、1~20までにランク付けされます。しかし、人間の体内での放射線の影響というのは、細胞や臓器の状態によっても変わってきますので、平均値ということ自体が不可能なことです。

それから、前提の⑤番ですね、臓器の相対的な放射線感受性のことで、生殖腺の0.2.から皮膚0.001まで、というようなことが、原子力屋によって言われていますが、これもまた科学的ではなく、臓器の放射線感受性というのは人によって非常に違っていますので、これはあまりにも単純化され過ぎていると言えましょう。それからもうひとつの「1mSv/人/年は許容できるレベルである」それが科学的に正しくないというもう1つの理由は、この放射線の影響を受けるモデルとして考えられているのが、20歳、体重70kgの健康な白人男性が仮想的なモデルとされているからです。

 

 

※ファントム=モデル、型

こうした平均的なファントムのような人というものが存在するのではなくて、人によって放射線感受性というのは非常に違っていまして、14%の人たちが放射線に対して、それほど感受性が強くないとすれば、20%の非常に強い感受性を持った人々がいるというふうにも言えるわけです。ですから人の放射線に対する感受性というのは非常に違っております。それから民族的な違いというのも、たとえばモンゴロイドであるとかあるいはアングロサクソンであるとか、そういった民族種の違いといったものも放射線に対する感度の違いをもたらします。それと、もうひとつの科学的でない前提は、放射線量がすごく影響に反映するということです。

放射線量と生物学的影響が存在するのはこのまっすぐの線のラインのところだけです.

 

20mSv/人/年であるとか、それ以上の放射線量になりますと、放射線量と生物学的影響というのは比例する関係になりますが、より低線量の場合は線量が小さくても、生物科学的影響は大きいので直線的な影響ということにはなりません。もうひとつの、原子力推進派たちが言っていることで大きな誤りは、「放射線の影響によって起きる病気というのはガンとほかのわずかな病気だけである」ということです。 

 

今ここでは一つ一つあげませんが翻訳の方にあると思うんですけれども、要するに慢性疾患や遺伝子性疾患だけではなく、非常に放射線というのは病気に対する大きな影響力を持っています。

この中でも特に顕著なものについて申しますと、この放射線の大きな影響というのは老化を早めるということです。 これはある年齢の人たちが、その実際の年齢よりもずっと老けてしまうということです。たとえば除染作業員の外見というのは、パスポートに書いてある年齢よりも7・8歳上に見えます。

第2の結論ですが、「人間によって許容できる放射線レベル」、つまり先程から出てます1mSv/人/年というのは、信頼できる科学データに基づいていないということです。

 

※コーホート=出生や職業、地域など、ある共通の特性(因子)をもつ観察対象集団のこと。

この放射線リスクモデルは、広島・長崎の原爆生存者のデータに基づいております。しかし、この日本人の被爆者たちのデータというのは最初から捏造されていたということを言わねばなりません。というのは、この広島・長崎の原爆生存者のデータというのは、1950年からはじめて統計化されたものだからです。

それまでに1950年までに何万人もの人々がすでに亡くなっています。そしてこの1mSv/人/年ですとか20mSv/人/年という放射線安全概念というのは、もともとは戦場によって、兵士が何時間かあるいは、何日間か生き延びられればいいということを前提とした上での数字だということです。

それから原発作業員の放射線防護に関しては、労働現場においては、どういった放射線核種があるかということがわかっているわけですから、より簡単に想定できるものです。 

そこで第3の結論としましては、こういった公式の放射線被曝に関する概念といったものは、チェルノブイリですとか福島の人々に対して用いるには適切なものではないということです。

このあと、私の手元に2枚のスライドがありますが、今までお話して来たような理論的な専門から離れて実際的にどうなっているかということを見てみましょう。

2週間前に私のドイツの友人である、アルフレッド・コルブレイン博士という人がドイツの雑誌に発表したんですが、この論文のタイトルというのは、「福島における乳幼児の死亡」というものでした。コルブレイン博士が用いたデータは、日本の厚生労働省によるものです。皆さんもこのデータを見ることができます。そして今どういうことになっているか見てみましょう。 

これは2002年からの日本における乳幼児の死亡数です。

 福島の事故が起きた直後、それから2ヶ月後に乳幼児の死亡数が非常に増加しております。この今までの平均的な値から離れているということは、これは偶然ではなくて実際の統計上の事実です。私は強調したいと思いますけれども、日本全体にとって、このデータは何を意味するんでしょうか。

これは日本全体の乳幼児死亡数の分布なんですけれども、東京では、この平均値からの増加というのはもっと大きいものです。そしてコルブレイン博士の論文によれば、南ドイツのバイエルン地方においてもチェルノブイリ事故の2ヶ月後および10ヶ月後に同じような乳幼児死亡率の増加が見られたということです。 

2番目の図ですが、これは出産数です。真ん中の太い線が日本の平均値を表しております。

それが福島の事故から9ヶ月経って日本の出産数は非常に減少しております。今この論文は発表されたばかりですので、いろんな方面から検討されるでしょう。そして福島の精度がないという別の説明がされるかもしれません。しかし私は福島の事故以外の説明はありえないと考えています。

南ドイツの強度に汚染された地域でもこれと全く同じ統計が見られました。これまで話したことから、そしてこのグラフから、みなさん自身で判断していただきたいと思います。

この自分の発表の中で私は、「低線量被曝は危険ではない」という概念について、ずっと批判をしてきたわけですけれども、実際にこの2つのグラフによっても、「低線量被曝は危険だ」ということが示されているのではないでしょうか。 

私は細かいところは、みな端折ってお話しましたのでもしご質問があれば、お返事しようと思います。


 

1:04~あたりから質疑応答

Q:内部被ばくを考える市民研究会の川根と申します。中学校で理科の教諭をしております。ヤブロコフ先生の著書が出ることを心待ちにしておりました。今回の事故で東京でもヨウ素とともにテルル核種が大気中に舞ってきております。テルルについて先生のお考えをお聞かせください。核種の危険性とか・・・

A:非常に重要な核種です。テルルもヨウ素と同様に甲状腺に対して作用します。

Q:蓄積するということですか?

A:甲状腺に蓄積されるということですが、この甲状腺腫瘍というのは良性であることが多いというようなことが言われますけれども、実際にはそんなことはなくて、甲状腺腫瘍が悪性のものにゆっくり移行します。そしてチェルノブイリにおいては4年後に甲状腺ガンがたくさん発生しています。

それからチェルノブイリのときに、最初に目立った症状として出てきたのは白血病です。それから目の水晶体が曇るということです。そして、被曝してから数時間後には染色体異常が始まりました。ちなみに突然変異というのは、個人の被曝をはかる場合の非常にわかりやすい標識です。それぞれの人がそれぞれの突然変異というものを持っています。

Q:ギリシャの汚染分布図なんですが、これはなぜ、セシウムと放射性銀が違うのかということと、これはどこが調査したのかということと、どんな影響があるかの3点です。

A:(最初の汚染地図がどうして違うのかということに関してはまだ、答えていただいてないですけど)、放射性銀の作用については、わからないということです。今度出版される本には、放射性銀だけではなくて、ギリシャのいろいろな核種による汚染地図が載っているということです。どうしてギリシャについて関心を持たれたのですか?

Q:日本でもギリシャと同じように放射線核種によって分布が違うのではないかと思ったからです。


 

Q:最後のグラフの説明がわからなかったのでもう一回お願いします。横軸は何年から統計をとっているのでしょうか?乳幼児の死亡率なんですけれども事故の前から上がってるってことでしょうか?

A:2002年から今までのデータです。左端が2002年です。増えたのは福島の事故のあとからということです。点線のあと。

 


 

Q:エイトビットニュースの沢田と申します。今日本では2つ大きく議論がありまして福島の方でも、汚染の状況はひどいけれどもなかなか移住ができないと思っている方、また同じく東京も移住したほうがいいと思ってるかもしれないけど、本当に移住しなきゃいけないのか、危機感がわかってないというところがあります。こういう議論の中、福島も東京も含めて、先生の目から見て、移住すべきか否か、どういう対策を取ったらいいかメッセージいただけますか?

A:チェルノブイリの事故で、示されたことは移住したということが全ての人にとってよかったというわけではないということです。高濃度汚染地域というのは非常に複雑な形をしております。高線量地域からはすぐに避難すべきだと思いますから、今すぐに汚染地図を作るべきだと思います。それと今言い落としましたが、それは20km圏とかそういう同心円状のところというのではなくて実際に高線量の地域から避難移住しなくてはいけないということです。みなさんもご存知かもしれませんが、アメリカ人が上空から福島を見たときには50km圏からは自国民は移住させるということを決めたわけです。チェルノブイリの教訓というのは、放射能汚染の中に生活することになった人々の生活をいかに楽にするかということです。血液検査を行って誰が実際に被曝しているかを明らかにすることです。それからもちろん定期的にホールボディカウンターで検査を受けなくてはいけません。(たぶん口の粘膜?)その細胞を調べることで被曝の程度を調べることができるそうです。

Q:高濃度の地域に関しては避難すべきだと?高濃度と判断するのは空間線量か土壌汚染なのかという指標の二つと、先生はどこの数値から高濃度とおっしゃられてるのでしょうか?

A:空間線量で地面から1mのところです。これが標準的な空間線量を図る地点です。

Q:そこで数値としては何以上ですか?

A:チェルノブイリの基準から判断しまして555kbq/m2 です。これ以上の地帯は高汚染・・しかし、チェルノブイリからまだ25年しか経っていないわけですので、仮に先ほど言った数値以下でも長く続けば危険なことに変わりはありません。これは、科学的なというより私が感じていることなのですが、1平方キロメートルあたり0.1キュリーとか0.2キュリーであっても危険であり、そこから逃げ出すべきだと思います。1キュリーの放射線のもとでは食品においても、様々な検査(生検?)が必要になってきます。

司会:先ほどヤブロコフさんが言った555kBq/m2というのは、ご存知の方も多いと思うんですが、チェルノブイリの避難区域の避難の義務ゾーンが555kbq/㎡以上です。今、0.1キュリーでも不安だとおっしゃった・・・そのキュリーと・・・ちょっと説明していただいてよろしいですか?

川根先生:昔はキュリー/k㎡という単位だったんですが今はベクレルを使っています。ベクレル/㎡です。1キュリー/k㎡は3.7万ベクレル/㎡、1キュリー/k㎡は3.7万ベクレル/㎡です。kBq ってあまり好きじゃないので万にしちゃってますけど、kBqになおすと37kBq/㎡。1キュリー/k㎡は37kBq/㎡

司会:ちなみに37kBq/㎡というのはチェルノブイリ避難区域の一番下のゾーンの下限ですね。

A: 1キュリー/k㎡のもとでも、食物に対してどういうふうに、お湯で煮てから食べないといけないかとか、きのこでもどの種類のは食べてよくてどの種類は食べていけないとかベリー類についても同様です。私はこちらの方面の専門家ではないですが、これについては非常に多くの文献があります。

Q:先生が言われた0.1キュリー/ k㎡でも危ない・・・?

司会:一番下のゾーンの下限のさらに1/10でも不安だということですね・・

 

A:0.1より少なければ危険ではないという・・。

Q:1986年から1991年、チェルノブイリの事故からソ連の解体までのあいだで、どのように思われたり、旧ソ連の体制の中で、先生の立場で、チェルノブイリのことを今のように話せたのかどうか聞きたい。(質問概要)

A:チェルノブイリ事故のあと、広島に原爆が落とされた時と同様に、3年半のあいだは完全に秘密にされていました。ソ連の最後の大統領だったゴルバチョフは、ソ連邦の崩壊の原因のひとつはチェルノブイリ事故であったと認めています。このチェルノブイリについて語ることができるようになったのは、この事故が起きて5年経ってから、ようやく話ができるようになりました。

Q:先ほど0.1キュリー/ k㎡以上は危険だというお話をされていましたが、東日本にはたぶん、セシウムだけで1万ベクレル/㎡を超えるところが点在している状況だと、実際1万ベクレル/㎡程度の土地でチェルノブイリの経験でどのぐらいの健康被害が生じているかというのを教えていただきたい。

A:実際には0.3キュリー/k㎡というのがみられた場所というのはなくて、0~1キュリーまでの地点ということで、1キュリー/k㎡のところでは様々な臓器の障害がみられます。そしてこのいろいろな臓器における変化というのは、すぐに見出されたというものではなくて8~10年後に医者によって見つけられたものです。

Q:年齢と被曝の感受性について示したグラフ(ゴフマン説)はどう思うか?

A:ゴフマンは私が考えるには、違うことを言っていると思うんですけれども、ロシアにはゴフマンより前からクレムカルスカヤ(?)という人が放射線の人体に対する影響というものを研究していまして、その中で、まず第一に子供ですけれども、子供と妊娠した女性そして老人にとって放射能の作用が大きいというふうに言っています。もちろんいくつかの面において、たとえば精巣に対する放射線の影響は、老人はあまり受けないわけなんですけれども、それは老人にとってあまり問題ではないということになります。 


調査報告 チェルノブイリ被害の全貌
アレクセイ・ヤブロコフ 他

岩波書店

目次
 
日本語版序:いま本書が邦訳出版されることの意味(崎山比早子) 
まえがき/はじめに/序論 チェルノブイリについての厄介な真実
第1部 チェルノブイリの汚染――概観
第1章 時間軸と空間軸を通して見たチェルノブイリの汚染
第2部 チェルノブイリ大惨事による人びとの健康への影響
第2章 チェルノブイリ事故による住民の健康への影響
第3章 チェルノブイリ大惨事後の総罹病率と認定障害
第4章 チェルノブイリ大惨事の影響で加速する老化
第5章 チェルノブイリ大惨事後に見られたガン以外の各種疾患
第6章 チェルノブイリ大惨事後の腫瘍性疾患
第7章 チェルノブイリ大惨事後の死亡率
第2部結論
第3部 チェルノブイリ大惨事が環境に及ぼした影響
第8章 チェルノブイリ事故後の大気,水,土壌の汚染
第9章 チェルノブイリ由来の放射能による植物相への悪影響
第10章 チェルノブイリ由来の放射能による動物相への悪影響
第11章 チェルノブイリ由来の放射能による微生物相への悪影響
第3部結論
第4部 チェルノブイリ大惨事後の放射線防護
第12章 チェルノブイリ原発事故による食物と人体の放射能汚染
第13章 チェルノブイリ事故に由来する放射性核種の体外排出
第14章 チェルノブイリの放射能汚染地域で生きるための放射線防護策
第4部結論
第15章 チェルノブイリ大惨事の25 年後における住民の健康と環境への影響
日本語版あとがき チェルノブイリからフクシマへ
主要用語解説/後記・謝辞(星川淳)

用語解説 https://docs.google.com/document/d/1xDRQv10iM84G3n5dkkVVrbHFBcQEQg__EtU_9vYhq_I/edit?pli=1

この用語解説は大変便利です。これを印刷しておけば読み進めていくことがずいぶん楽になると思います。


 

新装版 人間と放射線―医療用X線から原発まで―
ゴフマン
明石書店
目次

放射線と人の健康
放射線の種類と性質
ガンの起源
放射線によるガンと白血病
放射線と発ガンの定量的関係の基礎
放射線によるガンの疫学的研究
乳ガン
年齢別のガン線量
ガン線量の具体的な適用
部分被曝と臓器別ガン線量

線量-反応関係と「しきい値」

内部被曝と被曝線量の評価方法

アルファ線による内部被曝:ラジウムとラドン娘核種

人工アルファ線放出核種:プルトニウムと超ウラン元素

プルトニウムの吸入による肺がん

プルトニウム社会における肺がん

原子力社会がもたらす被曝とその影響

自然放射線、生活用品、職業による被曝

医療用放射線による被曝

白血病

体内被曝による先天的影響

放射線による遺伝的影響

 



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