きのう宇部興産の工場で今年3回目の火災事故が起きました。
2015/1/9宇部興産宇部マテリアルズで火災
2015/6/12宇部興産宇部セメント西工場で火災
2015/9/3宇部興産 宇部ケミカル工場内 ジオール工場の火災事故
現場付近をN95マスクをしてリアルタイムで見ながら、ツイッターで報告を流しました。消防局への問い合わせもしましたのでブログにまとめておきます。
https://twitter.com/oldblue2012/status/639377592089378816 から時系列に整理しておきます。
18時頃 サイレン 湾岸道路入口付近の配管が見える位置に 消防車が複数(10台近く)集結
広報車が 「有害物質はないが、煙が入ってくる可能性があるので窓を閉めてください」アナウンスして西本町周辺を巡回していた。 パトカーも巡回していたのが見えた。
消防局の自動の電話案内(0836-32-9999) では 「宇部市小串からコンビ火災が発生し消防隊が出動しています」 と流れていた。
消防局に電話で一回目の問い合わせ 「宇部興産の工場内で事故。今詳細を調べ中。広報車アナウンスは念のために流した」
20:04 消防局に私が現場周辺住民として2回目の問い合わせ
「今現在 火災は収束に向かっている。配管内に火が残っている。有毒ガスはない。湾岸道路の入口付近の配管」
※その他の人が問い合せても 消防局の電話口は言う事が少しずつ違っていた(2人に確認)という事実。電話に出た人間が違うのか、同じなのかは不明。
21時30分 宇部興産HPのトップページにお知らせがアップされた。
9/4 9時30分 発表時刻の訂正がアップされた。
宇部ケミカル工場内 ジオール工場の火災事故について(訂正) より
2015年9月4日
※昨日23時に発表した「宇部ケミカル工場内 ジオール工場の火災事故について」について、時刻に一部訂正がありました。
9月3日 18時20分頃、弊社宇部ケミカル工場(山口県宇部市)構内ジオール工場熱交換器で火災が発生しました。近隣住民の皆様をはじめとする関係先の方々に多大なご心配とご迷惑をお掛けしたことを深くお詫び申し上げます。
9月4日 9時30分現在で判明しております内容につきましては、下記のとおりです。
記
1. 発生場所 | 宇部興産株式会社 宇部ケミカル工場 ジオール工場 2階 熱交換器 |
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2. 発生日時 | 9月3日(木)18時20分頃 | |
3. 発生経緯 | 18時20分頃 可燃性液体と水素が漏洩し着火 18時30分 消防に連絡 19時48分 消火を確認 20時36分 鎮火宣言 |
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4. 発生の原因 | 現在、確認中です。 | |
5. 有毒ガス・ 有害物質の漏洩 |
有毒ガス、有毒物質の漏洩等はございません。 | |
6. 被害状況 | 負傷者、環境異常、その他工場および近隣への影響等はございませんでした。 | |
7. 製品供給への影響 | 現在、確認中です。 |
- お問い合わせ先
- 〒105‐8449 東京都港区芝浦一丁目2番1号 シーバンスN館
宇部興産株式会社 経営管理室 IR広報部
TEL:03-5419-6110 - 〒755-8633 山口県宇部市大字小串1978-96
宇部興産株式会社 宇部渉外部
TEL:0836-31-2111
参考 現場付近(ストリートビューより) これは火災当日ではありません↓
工場の配管と民家が非常に近いということがわかります。
宇部興産の目の前に住む人にとって、事故状況の判断は命に関わります。
福島第一原発事故で、当局の発表や判断を鵜呑みにしないことを学んだはずではなかったのでしょうか?
コンビナートのプラントには、漏れて吸い込めば危険な化学物質はあると思います。
今回のケミカル工場では「可燃性液体と水素が漏洩し着火」って、何が漏洩したのでしょうか? 気になるので宇部興産に問合わせました。
《宇部興産に問い合わせ》
可燃性液体はエステル(1,6ヘキサンジオール)。これは合成樹脂を作るための原料。
今回事故があったのは、建屋の中の配管(直径4センチ位)のバルブのところから液体が漏れた。水素は揮発。
配管の中を流動性をよくするためにエステルに水素を混ぜている。
発火した際に、配管に窒素を充填して消火をした。
広報車がまわったことに関しては、情報の食い違いもあった。
その後、鎮火したかどうかの広報車は出ていなかったこともよくなかった。
事故が起きたのは、道路から見えている配管ではない。
今回の件でクレームが多く寄せられている。会社としては重く受け止め、今後の対応はご意見を参考にしていきたい。
丁寧な説明を受けました。なんと今回のクレームの中に「何でもないのに広報車を出すな」といったようなものもあるようです。
私はそれは違うと思います。 何か事故があった場合は予防原則に基づいて周辺に広報車を走らせるべきです。
安全データシートを見てきたいと思います。
火災時の措置では、「風下に立ち入り禁止区域を設置する」とあります。つまり、広報車は大げさではなかったということではないでしょうか。
「有毒ガス、有毒物質の漏洩等はない」という宇部興産や消防の発表ですが、安全データシートにはこう書いてありました。↓
「はきけ、めまい、中枢神経に影響がある」という物質は、十分「有害」ではないでしょうか。
福島原発事故後に、東電や政府の驚くような対応を見てきたはずなのに、プラント火災の際の「有害物質の発生はない」という消防などの発表を信じてしまう市民の現実を、今回ツイッターで見せつけられた気がしました。
地元メーリングリストで、 「ツイッター⇒地元ラジオ⇒消防発表⇒ひと安心」 という誘導する市民が出る始末。
人間は忘却の生き物なのかと絶望しました。ε=(・д・`*)ハァ…
今回結果的に広報車でアナウンスがある、できるということがわかったのは、今後の防災の観点ではプラスだったと思います。
ちなみに福島原発事故の際、爆発した原発の近くに住んでた人達の周辺には広報車が出たそうです。
天津市の大爆発火災事故、日本でも川崎工場火災事故、近くでは小野田アセチレン工場爆発火災、北九州市メッキ工場の爆発火災事故など起きています。
8月にはセントラル硝子宇部工場の配管の事故で作業員が死亡しています。
ちなみに、夜中にまた事故が起きるのではないかと私は心配で眠れませんでした。
消防車がたくさん集まって、広報車まで出たのにメディア(NHK、TYS、KRY、YAB)は報じていません。
結局どういう状況だったのかを、市民は知る権利はあると思います。
消防車というのは火災現場の工場の人か近所の人が通報しない限りは出動しません。
事故発生後、山陽小野田の方から湾岸道路を通って途中で消防車が2台追加されたのを私は見ました。
つまりもっと大規模な火災になった可能性があったということではないのでしょうか?
結果的に火災は収束に向かったから良かったものの、延焼や大爆発が起きていたら今頃どうなっていたかと思うと、身震いします。
18時に発生した宇部興産工場の火災の件が22:38の時点で 地元のメディア(YAB KRY TYS NHK山口)のニュースサイトには一切出ていませんでした。
テレビやラジオで報道があったかどうかは不明。 宇部日報のHPにもありませんでした。
その後、宇部興産HP上に 鎮火宣言が出たようですが、広報車が夜もう一度回ったわけではありませんので
ネット環境にない近所の人は、その後火災がどうなったか分からずじまい、うやむやになってしまうのではないでしょうか。
宇部市防災危機管理課のツイッター 公式アカウント名:@ube_bousai(宇部市防災危機管理課) がありますが、
昨日の宇部興産の火災発生に関して何もつぶやいてませんでした。
最後のツイートは 台風15号関連で止まっています。
市役所のHP の防災のページ には @ube_bousai(宇部市防災危機管理課) が緊急度の高い情報を発信するとかいてあるのに・・・・
近所を広報車が回るレベルの事故を、宇部市の防災危機管理課は「緊急度が高い」とみなさないのでしょうか?
企業城下町の自治体は、企業で起きた火事は「防災」の中に含めていないのでしょうか? タイムラインを見ると火災の情報はありません。自然災害しかないようです。
宇部市防災危機管理課公式ツイッターに関する運用規程 平成 26 年 5 月 14 日 宇部市総務管理部防災危機管理課 より
(3)発信内容 ・避難勧告等に関する情報 ・避難所等に関する情報 ・防災及び国民保護に関する情報 ・危機管理に関する情報 ・防災等の普及啓発に関する情報 ・その他防災危機管理課長が適当と認める情報
(4)アカウント管理責任者 総務管理部防災危機管理課長
とありました。 宇部市の皆さん、どうでしょうか?
2015年になって宇部興産のプラントでは3回も火災が起きています。 このような宇部市の防災体制に疑問を感じざるを得ません。
工場の火災も、自治体の公式ツイッターで発信すべきだと私は思います。
●2015/6/12宇部興産宇部セメント西工場で火災
宇部日報2015/6/13
●2015/1/9宇部興産宇部マテリアルズで火災
2015 年1月9日 宇部マテリアルズ株式会社 宇部第一工場における火災事故について
●2015/9/3宇部興産 宇部ケミカル工場内 ジオール工場の火災事故
宇部ケミカル工場内 ジオール工場の火災事故について
宇部市のプラントでは今までもたくさんの事故が起きています。
平成23年以降は記録がありません。2015年は火災が宇部興産だけで3回起きています。
「ご安全に」って・・・・?