中高年の山旅三昧(その2)

■登山遍歴と鎌倉散策の記録■
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晩秋の紅葉とヒル談義の丹沢;塔ノ岳(今年43回目)

2011年10月27日 07時45分32秒 | 丹沢の山旅

                              <馬の背の紅葉>

     晩秋の紅葉とヒル談義の丹沢;塔ノ岳(今年43回目)
            (単独山行)
        2011年10月25日(火)

■南風が吹き上げて暖かい
 本州の北に寒冷前線が横たわっている.寒冷前線に向かって暖かい南風が吹き上げてくるので,今日は季節外れの暖かい1日になりそうである.
 このところ,天候が思わしくない日が続いていた.時には丹沢へ行っても良いかなと思う天気の日もあった.でも,そんなときは,得てして,よんどころない用事と重なってしまう.そんなわけで,なかなか塔ノ岳詣でが実現できないでいた.
 前回,塔ノ岳を往復したのが,10月19日(水)である.まごまごしていると丸1週間も間が空いてしまう.私は,何をさておいても,今日は丹沢へ行くぞと決心する.
 今日は絶好の登山日和である.でも,どうしたことか,渋沢発大倉行1番バスは,ガラ空きである.顔見知りのご常連は,韋駄天のTさん,掲示板のY川さんだけ.
 バスの中で雑談.韋駄天のTさんの話によると,10月も下旬になったというのに,つい2~3日前に,ヒルに取り付かれた人が居るとのことである.雨の日は特に用心しないといけないようである.
 7時少し前に,バスが大倉に到着すると,例によって韋駄天のTさんやY川さんは,すぐにそそくさと歩き出す.
 今日も,また,私はまごまごしていて,歩き出すのが,最後の方になってしまう.

■コオロギの鳴き声を聞きながら・・
 小田原で東海道本線から小田急電鉄に乗り換える際に,階段を駆け上がり駆け下る.このときの心臓のドキドキ具合や,足の重さで,今日の体調が良いか悪いかが大体分かる.
 前回の登山から,1週間近く間が空いているので,今日は,結構,足が重いし,息が切れてしまう.そこで,今日の私の体調は余り良くないなと判断している.
 早く登りたいという気持ちを抑えるのは大変なことである.かなりの自制心と達観がないと,どうしてもオーバーペースになってしまう.要するに“悟り”が必要である.なので,私は,今日も絶対に無理はしないぞと自分自身を強く律しながら登り始める.
 気温は大分高く,7時07分に大倉を歩き出したときには,もう23℃にも達している.それに,無風.日が射しているので,これから,もっと気温が上がりそうである.
 ただ,路面は良く乾いていて,歩きやすい.登山口付近ではコオロギの鳴き声が聞こえてくる.やっぱり秋である.
 7時39分,観音茶屋を通過する.気温19.2℃.今日は平日.観音茶屋はしまったまま.
 すぐにジメジメとした石畳道になる.勾配が多少急になり,曲がりくねった道を通過して,7時32分,大倉高原山の家分岐を通過する.ここからは,雑木林の間を抜けて朝日が射し込むトラバース道になる.
 7時39分,ようやく先発のY川さんに追い付く.
 「今日は,山頂までですか・・」
と伺う.
 このところ,Y川さんも多忙なようだが,今日は山頂まで行かれるとのこと.
 「それでは,一足先に行かせて貰います・・」
と挨拶する.
 心地よいこぼれ日の登山道が続く.

<こぼれ日が心地よい登山道>

■傘雲の富士山
 8時13分,駒止茶屋を通過する.大倉を歩き出してから1時間06分.ラップタイムが,ちょっと遅いが,今日の体調を勘案すれば,まあこんなところかと納得する.
 堀山の尾根からは,傘雲を被った富士山が良く見える.このところ,何度登っても富士山を拝むことができなかったが,今日はラッキー.立ち止まって,何枚も,何枚も,富士山の写真を撮る.

<久々に拝む富士山>

■萱場平
 8時30分,堀山の家を通過する.小草平からも富士山が良く見えている.ここから長い上り坂が始まる.辛いところだが,登山をしているという雰囲気が味わえるので,私が一番好きなところである.
 8時38分,下山してくるYさんとすれ違う.
 途中で,若い登山者2~3人に追い抜かれるが,やむを得ない.
 身体が,何となく馴れてきて,意外に調子よく登り続けられる.8時49分に萱場平を通過する.


■花立山荘
 萱場平を過ぎると再び上り坂の連続である.この長い上り坂をマイペースで登り続けるのが醍醐味でもある.上り坂はきついけれども,楽しいところでもある.路傍の花に心がなごむ.
 9時04分,後7分坂に到着する.今日は後半になる程,体調が良くなり,この階段坂を6分で登る.
 9時10分に花立山荘に到着する.
 山荘前のベンチには誰も居ない.相変わらず富士山が良く見えている.
 大倉を歩き出してから,2時間03分.2時間を切ることはできなかったが,まあ,まあ,というところだろう.3分オーバーといっても,後7分坂の半分程度の差でしかない.そんな小さな差で齷齪(あくせく)するのも馬鹿げているなと実感する.
 


<誰も居ない花立山荘;富士山が見えている>

■花立山
 風景を眺めたり,写真を撮ったりの道草をしながら,9時20分,花立山を通過する.相変わらず富士山が良く見えている.
 雲が多少あるものの,丹沢の山々も良く見えている.  

<鍋割山塊の向こうに富士山が見える>

■馬の背の紅葉
 やがて,馬の背のキレット道になる.この辺りからの紅葉が一段と見事である.
 今年の紅葉は,多少色がくすんでいて,例年に比較すれば,パッとしないが,それでも,十分に美しい. 
 特に朝日が当たる鍋割山塊の紅葉は見事である.
 谷間を覗き込みながら数十枚の写真を撮る.その間に,何人かの登山者に追い抜かれる.





■韋駄天のTさんが下る
 9時27分,金冷シを通過する.金冷シを通過後,最初の長い階段を登っているときに,下ってくる韋駄天のTさんとすれ違う.
 Tさんが尊仏山荘でお茶を飲んでいる間に,私も何とか尊仏山荘に到着したいものだと思っている・・・叶わぬ夢だが.

<紅葉の中,韋駄天のTさんが下る>

■山頂直下の紅葉
 塔ノ岳山頂直下の平坦な道は紅葉のトンネルである.
 辺りには人影もなく,静まりかえっている.柔らかい秋の日射しが紅葉の艶やかさを引き立たせている.これまで汗ばみながら登ってきた私には,暑くも寒くもない最適な気温である.
 私は時々立ち止まって,深呼吸をしながら,性懲りもなく,紅葉の写真を撮り続ける.

<塔ノ岳山頂近くの紅葉>

■塔ノ岳山頂
 9時42分,ようやく塔ノ岳山頂に到着する.大倉からの所要時間は2時間35分.
 「う~ん・・・後一踏ん張りだな・・」
いくら途中で道草をしたとはいえ,せめて2時間30分を切るラップで,山頂まで着たかった.
 気温15.4℃.少々高温である.
 先ほど私を追い越した青年が,ベンチに座っている.
 「やっと,ご到着です・・・」
と青年に挨拶する.
 山頂から,傘雲を被った富士山が,相変わらず見えている.
 山頂を歩き回って,あちこちの写真を撮る.
 尊仏山荘の小屋番,W林さんが窓越に,目ざとく私を見つける.そして,私と目線が合う.私は,
 「・・・そろそろ,山荘に入る潮時だな・・」
と観念する.

<塔ノ岳山頂からの富士山>

■尊仏山荘
 尊仏山荘に入る.今日の小屋番はオーナーのH立さんと,さっきほど目があったW林さんである.
 先客は1人.私が小屋に入ると,
 「おお・・・FHさん.珍しい,暫く振りです」
と私に挨拶する.
 暖かい小屋に入った途端に,眼鏡が水滴で曇った私は,すぐに先客が誰か分からなかったが,お馴染みのボンちゃん(以下Bさん)と愛犬チャイちゃん(T君)である.
 Bさんは,大きな布に犬を入れている.躾が行き届いているのか,T君は実に温和しくしている.一回も吠えることもなく,静かである.
 300円也のお茶を所望する.
 お茶を飲みながら,T君の話で盛り上がる.ついでながら,ヒルのことも話題になる.
 瞬く間に,時間が過ぎる.今日は,大倉発12時52分のバスに乗るつもりである.私が下山しようかとそわそわし出す.
 10時過ぎに,私より一足先に,BさんとT君が,山荘を出発する.
 すると,W林さんが,私に,
 「・・・ネコ,2階で昼寝していますよ.連れてきましょうか・・・今まで,犬が居たので連れてこなかったんですが・・・」
と親切に言ってくれる.
 ネコには会いたいが,バスの時間もあるし,下山途中で,紅葉の写真をもう少し撮りたかったので,残念ながら,ネコには会わず先を急ぐ


■再びY川さん
 10時11分,尊仏山荘を出発する.
 塔ノ岳山頂には,十数名の登山客が休憩を取っている.何時の間にか山頂の登山客が増えている.
 下山口近くで,BさんがT君に水を飲ませている.
 「お先に失礼します・・・ユックリ写真を撮りながら歩いています・・・」
 金冷シ手前の階段で,登ってくるY川さんとすれ違う.
 「・・・やっと,ここまで来ました.FHさんが山荘に居る間に到着できるようになりたいです・・」
とY川さんがいう.
 つい先ほど,私が韋駄天のTさんとすれ違ったときに,心の中で思っていたのと同じセリフである.そんなことから,
 「いやぁ~・・・今日は2時間35分も掛かっちゃいましたよ・・・」
とトンチンカンな返事をしてしまう.返事をしながら,
 「アレ・・・オレ,変なこと言っているな・・」
と自分でも気がつく.

<紅葉の中Y川さんが登る>

■馬の背をユックリと歩く
 馬瀬付近の紅葉は,同じ場所でも,登りの時とは違った印象を受ける.また,また,あちこちで止まりながら写真を撮りまくる.そして,花オンチの私には,花に正確な名前は全く分からないが,路傍に咲く可憐な花の写真を撮り続ける.
 花立山で,後ろを振り返ると,BさんとT君の姿が見える.もう,追い付かれてしまった.
 10時42分,花立山荘を通過する.山荘前のベンチでは沢山の登山客が休憩している.
 今日は晴れているので,後7分坂の上からの眺望が素晴らしい.眺望を眺めたり,路傍の花の写真を撮りながら,ユックリと下山し続ける.Bさん達には先に行って貰う.

<綺麗な花に癒される>

萱場平のチャンピョン
 11時03分,萱場平を通過する.辺りの紅葉を撮っていると,いきなりチャンピョンの後ろ姿が見える.相変わらず大きな荷物を背負っている.

<萱場平を登るチャンピョン>

■ヒル談義
 一本松手前のベンチで休憩中のBさんに追い付く.
 BさんがT君に水を飲ませている.
 T君が可愛いので,写真を撮らせて貰う.ついでにBさん入りの写真も・・ Bさんの許可を貰って,このブログで公開する.
 ここからは,Bさん達と一緒に下山する.
 T君は,一寸見ないうちに随分と大きくなったようである.BさんにT君の年齢を伺うと,今,3歳とのこと.
 俗に,「1ドッグイヤー=人間の1年」と良く言われる.すると,T君は
人間で言えば20歳前後ということになる.成人式だ.
 それにしても,温和しい犬である.これまで何回か会ったことがあるが,T君の鳴き声を聞いたことがない.
 道すがら,雑談を楽しむ,もっぱらの話題は,T君と,ヒルのことである.
 Bさんの話によると,雨の日には,登山口から克董窯辺りの舗装道路の路肩で,首をもたげて獲物を待っているヒルが沢山居るとのことである.Bさんの話によると,ヒル対策の決め手はなさそうである.
 人間だけでなく,T君もヒルの被害にあったという.桑原桑原.
 特に,雨の日には,余程用心しないと,ヒルにやられそうである.
 観音茶屋で,T君を抱っこする.これはヒルから,T君を守るためである.休憩しながら,T君の様子を見ていた登山客が,
 「犬も,楽で良いですね・・・」
と言う.
 それにしても,利口で,温和しくて,良い犬である.ジッとBさんの言うことに従っている.
 
<一本松上のベンチにて>                                     <観音茶屋にて>

何歳まで登るの?
 道すがら,Bさんが私に質問する.
 「FHさんは,お幾つまで山登りを続けられるんですか・・・?」
 この質問に,私はギクリとする.改めて聞かれると,答えようがない.
 「(いや,全くのところ,)私にも分からないんです・・・何歳まで続けられるんでしょうね・・」
こんな答えしかできない.できれば何時までも続けたいものだが・・・こればかりは,神仏のみぞ知るである.
 話は変わるが,韋駄天のTさんは,塔ノ岳に良く登ってこられる方のお名前を百数十人知っておられるとのこと.まあ,大雑把に言って,韋駄天のTさんが知っておられる方々が,塔ノ岳のご常連と思って良いだろう.
 このご常連の中では,当然,私も最高年齢の部類に属しているだろう.でも,世の中は広い.ご常連の中には,私以上に年配の方々も何人か居られるようだ.私も,かくありたいものである.


■タワシからヒルが・・・
 Bさんと雑談しながら,ややユックリとした速度ながら,当初予定通りに,12時33分にバス停大倉に到着する.
 Bさんが,トイレ前の水道を使って,泥などを洗い流している.暫くして,
 「FHさん・・・タワシにヒルが居ましたよ・・・親指と人差し指の間で黒いものが動いているので何かと思ったらヒルでしたよ・・・」
と私に報告する.
 私も,水道で靴を洗おうかと思っていたが,ヒルと聞いた途端に,
 「まあ,洗わなくてもいいや・・・」
でヤメた.
 それにしても,もう今は10月下旬.それなのに,まだヒル騒ぎである.大倉尾根でヒル騒ぎが身近になったのは,本当にここ1~2年のことである.

■予定通り帰宅
 予定通り,12時52分のバスに乗車する.バスはガラガラ.登山を終えた直後の気分は,何時もながら最高である.
 小田急線に乗り換える.暖かい日射しが射し込む電車の車内に座っていると,ついウトウトする.実に気持ちの良いうたた寝である.引き続き東海道本線の電車の中でもコックリ,コックリ.
 突然,マナーモードの携帯電話が振動する.五十三次洛遊会の知人からのメールが着信している.”返信は後で”することにして,居眠りを続ける.
 平塚を過ぎると電車が混雑してくる.眠い目をこすりながら大船で下車.
 午後14時半過ぎに帰宅する.

<ラップタイム>

 7:07  大倉歩きだし
 7:28  観音茶屋
 7:45  見晴茶屋
 8:13  駒止茶屋
 8:30  堀山の家
 9:10  花立山荘
 9:26  金冷シ
 9:42  塔ノ岳山頂 着(15.4℃)
======================================
10:11  塔ノ岳山頂 発
10:31  金冷シ
10:42  花立山荘
11:22  堀山の家
11:35  駒止茶屋
12:01  見晴茶屋
12:20  観音茶屋
12:33  大倉 着

[山行記録]

■水平歩行距離
       7.0km(片道)

■累積登攀下降高度    1269m

■登攀所要時間(アイドル時間を含む)
    大倉     発      7:07
         塔ノ岳山頂 着      9:42
    (所要時間)        2時間35分(2.58h)
    水平歩行速度     7.0km/2.58h=2.71km/h
  登攀速度       1269m/2.58h=491.9m・h

■下降所要時間(アイドル時間を含む)
    塔ノ岳山頂 発      10:11
    大倉     着      12:33
    (所要時間)     2時間22分(2.37h)
  水平歩行速度     7.0km/2.37h=2.95km/h
  下降速度       1269m/2.37h=535.4m/h
                                                                             (おわり)

「丹沢の山旅」の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/40e16cce1ae54a50caa789e9c8eb01d3
「丹沢の山旅」の次回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/3f271d8280e2234f77820630c6b32ade

           ***********************

[編集後記]

2011年10月27日(木)


 昨日(10月26日)は,関東地方でも今年の木枯らし1号が吹いたとのことである.
 早いもので,もう晩秋である.寒くなったな~ぁ・・・ 
 今日も,少し寒いが,朝から良く晴れている.所用があって,丹沢へは出掛けられないが,今日,登山したら気分は最高だろう.
 午前中は,温和しく仕事をしよう.そして午後から,どこを散策しようかな.
 そんなことを考えながら,この記事をブログに掲載することにする.
 すると,私の心の中に住み着いているもう一人の私が,私に文句を言う.
 「お前さんの塔ノ岳の記事は,完全にマンネリだよ・・・・だって,何時も大倉から何時に登り始めて,何時に下山したとしか書いていないじゃないか.ワンパターンだよ・・マンネリだよ・・」
 言われてみればその通りである.塔ノ岳登頂記に限らず,私が投稿するすべての記事が,時系列的に事実を追っているに過ぎない.それも客観性に乏しい主観的な記述である.
 もっと,視点を変え,焦点を絞って,情感豊かな記事が書けないものかと自分でも思っている.
 もっとも,事実をそのまま書き留めることも大切だとは思うが・・・・
 さて,どうしたら良いだろうか.
                                   (愚痴おわり)



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