中高年の山旅三昧(その2)

■登山遍歴と鎌倉散策の記録■
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戸隠山・飯縄山登頂(4)<戸隠山へ>

2007年10月23日 07時28分53秒 | 関東・伊豆箱根・上信越

        戸隠山・飯縄山登頂(4)<戸隠山へ>
         <山旅スクール挑戦コース>
      2007年10月13日(土)~15日(月)

第2日目 10月14日(日)
 晴時々曇

<奥社から急な岩場を登る>

■戸隠小舎を出発

 寝しなに歯痛に悩まされたり,夜中に団体がうるさく騒ぐ声が気になったりで,十分に熟睡できたわけではないが,まあまあ気持ちよく,早朝3時に起床する。目が覚めたとはいえ,まだ身体の方が付いてきていない。布団を無造作に片付けて,テーブルを部屋の真ん中に戻す。そのテーブルを使って,朝弁当をモソモソと食べる。
 
          <朝食弁当>                                      <戸隠奥社入口>

 冷え切って固まったご飯は,箸には重く感じる。真ん中にシャケの切り身が載っている。その脇に卵焼き,ちくわ,カボチャなどの煮物が入っている。冷たいが,まあまあ美味しいので,結局は全部食べてしまう。ただ,昨夜,寝がけに痛くなった右側の歯は使わないように気を付けた。
 支度をして,4時少し前に小舎の前に出る。勿論,外は真っ暗。ただ,予想していたよりも暖かい。私達は小舎の送迎バンに分乗して,4時丁度に出発する。真っ暗な中を,どこをどう走っているのか分からないが,4時06分に戸隠山登山口の戸隠奥社入口に到着する。

■戸隠神社奥社
 送迎バンを降りる。辺りは真っ暗で何も見えないが,ヘッドランプの光を頼りに,良く,良く目を凝らして,辺りを見回すと,私達は大きな鳥居の前に居る。真っ暗闇の中で,フラッシュを焚いて写真を撮る。撮った写真を直ぐ見ると,白い字で「戸隠神社奥社入口」と書いてあることが分かる。
 8時16分,戸隠神社奥社入口(1,215m)から歩き出す。暫くの間,緩い登り傾斜の歩きやすい道が続く。暗い中を,いつの間にか,戸隠神社前を通過する。登山道は急な坂道に変わる。5時33分から44分まで,標高1,455メートル地点で,休憩を取る。もう,すっかりと夜が明けている。ガイドのトートイスさんが,丸くて大きな岩の上に腰を下ろす。
 進行方向右手(つまり北北東)には,丁度色好く紅葉した木々が生えている大きな岩壁が見えている。登山道はだんだんと嶮しい登り坂になる。

■五十間長屋
 今日の天気予報は「曇後晴」で余り良くないが,今のところまあまあの天気である。ギザギザとした嶮しい岩稜を眺めながら,急な登山道を登り続ける。露岩帯になる。私達は,下部尾根と呼ばれている岩稜を登っている。
 やがてクサリ場が現れる。余談になるが,私は岩場歩きが苦手である。これまで随分と岩場の練習を重ねたために,多少,岩場歩きに馴れてはきたが,まだまだ岩場では緊張する。でも,今のところは,何とか落ち着いて登れているようである。
 やがて,目の前に巨大な断崖が連なっているのが見え始める。6時24分,この断崖の下に到着する。ここが五十間長屋(1,655m)である。断崖に突き当たったところに,少し錆が目立つ白い看板が打ち付けられている。その看板に「ここは五十間長屋」と書いてある。

            <五十間長屋>                   <紅葉の岩壁>

■百軒長屋
 五十間長屋から登山道は,西の方向に向かう崖下の水平道になる。道幅は結構広い。水平道を暫く進み,6時31分に百間長屋(1,655m)に到着する。ここにも「ここは百間長屋」と書いた看板が置いてある。その奥にお地蔵さん(観音様?)と小さな祠が安置されている。ここからの眺めは実に素晴らしい。岩と紅葉の絶妙なバランスが何とも見事である。
 ここで,私達は休憩を取りながら,ハーネスを装着する。いよいよ本格的な岩場を登るようである。

                      <百軒長屋>

■クレームハイストで天狗の露地へ
 6時54分に百軒長屋を出発する。いよいよ核心部が間近である。
 断崖に沿うトラバース道を進む。進行方向右手は垂直に立ち上がる岩場である。左側は木々に覆われているものの断崖が鋭く切り落ちている。7時05分,右手の断崖,10メートルほど上の割れ目に木枠があるのが見える。西窟と言うところらしい。どうやら木枠の中が祠になっているようである。祠からクサリが1本垂れ下がっている。多分,修行の場なのだろう。
 
         <百軒長屋付近から見た岩壁>              <岩場を登る>
  
 私達は,直ぐに,長い急傾斜の岩場に到着する。ガイド2人が,岩場にロープをセットする。その間,私達は崖下で待っている。崖の高さは20メートルほどもあるだろうか。斜度は,良く分からないが,60~70度程度と思われる。沢状の岩場である。上から太いクサリがぶら下がっている。
 6時57分に,クレームハイストを使って,1人ずつ登る。途中の支点を通過してから,次の人が登り始める。支点間に1人だけ入る。2人以上はダメ。従って,全員が登り切るのに結構時間が掛かる。私達はクサリにはなるべく頼らずに,3点確保に留意しながら登る。ときどきクレームハイストの結び目を引き上げるタイミングを失して,登れなくなる。その度に自分自身で失笑する。結局,全員が登り終わったのが7時42分。所要時間は45分であった。1人当たりの所要時間は,4分30秒ということになる。
 崖を登り終えたところが「天狗の露地」と呼ばれるところらしい。
 ここでクレームハイストを解除する。クレームハイストで使った環状ロープを小さく纏めてハーネスの脇にぶら下げる。ここから先は,補助ロープなしで歩く。

■高度感のあるトラバース道
 天狗の露地を過ぎると泥混じりの岩場になる。その内にポッコリとした小さな台地を通過する。また長さ10メートルほどにクサリ場が現れる。
 7時50頃,また大きな岩場の下に到着する。舎ぢ約70度,高低差約15メートルの岩場をまず登る。カラビナをインクノットで固定したロープスリングを取り出す。クサリにカラビナを絡ませる。その際,カラビナの開口部が岩側にならないように注意する。
 さざれ石状の岩壁を,支点間に1人だけ居るようにして順番に登る。砂岩の中に礫岩が圧着されている。この礫岩をウッカリさわると,ポッコリと抜け落ちることもある脆い岩場である。慎重に登り続けるが,斜面の方向とクサリが設置されている方向が多少異なるので,注意して登らないと身体が振られてしまう。
 足場の悪い露岩を登り詰めると,今度は岩場を真横にトラバースしなければならない。ほんの数メートルの短いトラバースだが,足場は滑りやすい。カラビナをクサリに装着して,手許の岩をシッカリと持ち,上体を岩場から放して,足元をシッカリと確かめながら慎重にトラバースする。短いトラバースとはいえ結構高度感があって緊張する。
 
    <登り詰めると高度感のあるトラバースが続く>                    <岩場の中の祠>

■岩場の連続
 少しの間,紅葉の中を進む尾根道になる。進行方向右手はほぼ垂直に切り立っている崖が続く。尾根道は,丁度,紅葉の真っ盛りである。砂混じりのガレ場が続く。
 やがて,私達は,標高1,840メートル地点に達する。また,ここから急峻な岩場になる。私達はガイドがロープを張り終わるのを待って,8時54分から,クレームハイストで登り始める。ここも斜度は6
0度位はあるように思える。
 
        <岩稜を登る>                <「蟻の戸渡り」手前の岩を登る>

 9時20分に,全員が岩場を登り終える。所要時間は26分である。登り詰めたところは小さな広場になっている。私達は,この広場で一息入れる。早く登った人達は,広場から西に数メートルほどの高さの岩山に登って,辺りの景色を眺めている。この岩に登っても,どうせ降りてこなければならないので,私は登らずに広場で休憩している。

              <時々素晴らしい紅葉の中を通過する>

 9時20分,広場を出発する。また直ぐに急な登り坂の岩場にでる。ふたたび,クレームハイストを使って岩場を登り詰める。そして,9時35分から,いよいよ最大の難所,「蟻の塔渡」「蟻の刃渡」が近付いてくる。
                               (つづく)



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