中高年の山旅三昧(その2)

■登山遍歴と鎌倉散策の記録■
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秋と冬が同居する丹沢:塔ノ岳(第55回目)(1)

2008年11月19日 23時16分27秒 | 丹沢の山旅

               <花立山荘から見た富士山(9:25頃)>

        秋と冬が同居する丹沢:塔ノ岳(第55回目)
         (単独山行:下りKiyomaさん同行)
          2008年11月19日(水)

     
   紅葉の写真は別途掲載     

■暗い! 寒くなった!
 今日(11月19日)から,暫くの間,寒波が日本列島を覆うようになる.気圧配置が西高東低の冬型に近い形になっている.
 一昨日(11月17日),塔ノ岳を往復したばかりだが,毎週,水曜日になると,どうしても丹沢を訪れたくなる.一日おきの塔ノ岳詣ででは,ちょっと回数が多すぎるかなと思いながらも,折角天気がよいのだから,丹沢山麓の紅葉でも愛でてこようかと思う.
 5時10分,何時もの時間に家を出る.つい先日までは,西の空に明るい月が輝いていたが,今朝は,月が見えなくなっている.その代わりに沢山の星が見えている.外に出ると,思わずブルブルとするぐらい冷気が漂っている.
 「何も,こんな寒い朝に,出掛けなくても良いのに・・・」

              <モミジ坂の紅葉が始まった(8:17頃)>

■モミジ坂の紅葉
 相模大野で乗り換えた電車が少し遅れて,飛び乗るようにして渋沢7時16分発大倉行のバスに間に合う.今日は平日にしては沢山の登山客が乗っている.17~18人ぐらいだろうか,知った顔はない.
 大倉に到着後,少し準備に手間取って,7時37分に歩き出す.歩き出せば暑くなると思って,思い切って薄着になってから出発する.そのため歩き出しはかなり寒く感じる.ついつい急ぎ足になりそうになる.最初から飛ばして歩くと,後で草臥れるのが分かっているので,自重しながら歩き始める.それでも,最初は,ついつい急ぎ足になってしまう.
 丹沢ベースを過ぎる頃,同じバスに乗り合わせた大方の登山客の先頭に出る.
 8時11分に見晴茶屋を通過する.気温が低いために汗を余りかかない.最初の急坂の階段も,割合に楽なペースで登れる.間を余り空けずに登山を続ければ,体力もかなり温存できるなと実感する.
 8時25分に一本松を通過する.紅葉坂の大半のモミジはまだ紅葉していないが,中には綺麗に紅葉した木が混じっている.丁度,朝日が当たって,とても美しく見えている.思わず立ち止まって,何枚もの写真をデジカメに収める.

             <紅葉の向こうに表尾根が見える(8:41頃)>

■ご常連のカメラマン氏に会う
 駒止茶屋手前の急坂で,大きなザックを背負った登山者の後ろ姿が見える.近付くとご常連のカメラマン,Mさんである.後から,
 「こんにちは」
と声を掛ける.
 「ありゃ・・・もう,こんな所で追いつかれちゃった」
 「随分と荷物が重そうですね・・・60キロぐらいですか・・」
 「いやいやそんなにはないよ・・・20キロぐらい・・」
 とりあえず,私は先に行かせて貰う.
 余談だが,私はせいぜい12キログラム程度.20キログラムもの荷物を背負ったら,とても,とても,大倉尾根など登れない.

■素晴らしい富士山
 8時37分に駒止茶屋を通過する.大倉を出発してから丁度1時間.まあ,まあ,の体調.この調子だと,塔ノ岳山頂までの所要時間は2時間10分台だろう.
 堀山の尾根に出る.早く富士山が見える所まで行きたい.歩く速度を少し上げる.
 富士山の定点撮影場所に到着する.強い南西の風が吹いている.富士山山頂の雪が吹き上げられ,東の方に吹き流されている.また山麓には帯状の雲が棚引いている.こんな気象条件のときは,太平洋上の湿った空気が富士山に沿って上昇し,上空で結露する.日が高くなる頃,富士山は雲に覆われてしまうだろう.写真を撮るなら今,数枚の写真を撮る.
 近くの男性から,
 「・・ここは見晴の良い所ですね・・・」
と話しかけられる.1~2分の間,雑談.
 堀山の尾根から西側を眺める.今は,表尾根の山麓の紅葉がとても綺麗に見えている.下山するときに,時間をゆっくり取って,表尾根の紅葉の写真を撮ろうと思う.

     <堀山の尾根からの富士山:強い南西の風に吹き上げられた雪雲が見える(8:42頃)>

■堀山ノ家
 8時50分に堀山ノ家を通過する.小草平から,相変わらず富士山が良く見える.
 ご常連のYさんが,小草平のベンチに座っている.猛スピードで下山してくるYさんしか知らない私は,休憩を取っているYさんを見てびっくり.Yさんに挨拶をしながら,塔ノ岳山頂の様子を伺う.
 「・・今朝の気温は-4.0℃まで下がったようです・・・.」
 Yさんは,直ぐに立ち上がって,歩き始める.
 
    <小草平:やっこらしょ!(8:50頃)>         <紺碧の空に音もなく飛ぶ(9:08頃)>

■今年初めての霜柱
 時々登山者を追い抜く.どうやら1番バスで来られた方々のようである.
 露岩帯を抜けて,長い階段道になる.戸沢分岐手前で,今にも止まりそうな速度で,喘ぎ,喘ぎ,登っているご夫婦に追いつく.「はあ~っ・・」と大きな溜め息をついて,真っ赤に火照った顔を上げ,ボデーランゲージで「お先へ・・」と合図する.
 「済みません・・では,お先に・・」
と挨拶して,先に行かせて貰う.
 気が付くと,登山道脇の斜面一面に霜柱が立っている.一昨日は霜柱などなかった.多分,今日がこの冬最初の霜柱かもしれない.
 9時08分に萱場平を通過する.萱場平は霜柱が溶け,ほんの少しだが泥濘になっている.もう冬だなと実感する.

             <この冬始めて見掛けた霜柱(9:08頃)>


                 <今日の萱場平(9:06頃)>
         ※地面は霜が溶けて泥濘になりかけている.雑草はスッカリ枯れた.
          写真に写っている登山者は,私とは無関係の人達.

■Kiyomaさんに会う
 露岩帯を登り続ける.今日は全く息切れの気配もなくマイペースで登れる.前方に登山者の後ろ姿が見え出す.帽子の色から,どうやらご常連のKiyomaさんらしい.意外に早く追いついてしまったなと思う.
 もう少しで花立山荘前の階段に取り着く所で,Kiyomaさんに追いつく.
 「ありゃ・・・もう追いつかれたの・・・」
とKiyomaさんが言う.とはいっても,今日の私の体調は,特段,良くも悪くもない.今日は,kiyomaさんが本調子でないのだろう.
 自分の体調を知りたかったので,私は,Kiyomaさんより先に行かせて貰う.

               <花立場から塔ノ岳山頂を望む(9:33頃)>

■ご常連のTさん
 9時26分に花立山荘を通過する.私の前方には誰も居ないようである.
 9時34分に花立場に到着する.幾分雲が出ているが,富士山,南アルプス,八ヶ岳などの山々が良く見えている.目の前には,これから登る塔ノ岳の山頂がクッキリと見えている.
 何時もなら,この辺りで,ご常連のTさんとすれ違うはずだが,Tさんの姿が見えない.今日はお休みかなと思う.
 花立場からなだらかな尾根道になる.小さな坂を下って馬の背を通過する.1週間前までは,馬の背から見下ろす谷間が見事に紅葉していたが,今日見下ろすと紅葉はもう終わりで,スッカリ冬の景色に変わっている.
 9時390分,金冷シを通過する.
 金冷シ通過後,最初の長い上り階段の途中で,下山してくるTさんとすれ違う.

                   <晩秋の鍋割山稜(9:36頃)>

■塔ノ岳山頂
 最後の階段を登って,9時52分に塔ノ岳山頂に到着する.大倉から塔ノ岳山頂までの所要時間は,2時間15分.予想通りである.
 山頂は寒々としていて,だれも居ない.
 今日の山頂からの眺望は素晴らしい.

               <塔ノ岳山頂からの富士山と越前岳(9:52頃)>


              <塔ノ岳山頂からの眺望:光る海と大島(9:52頃)>

■尊仏山荘
 何時ものように,周辺の写真をひととおり撮ってから.尊仏山荘に入る.今日の小屋番はOさん.10時少し前の山頂の気温は-1.0℃.
 先客は,丁度今到着したばかりのチャンピョンが1人だけ.早速お茶を所望する.
 お茶を飲みながら,昼食を食べていると,Kiyomaさんが尊仏山荘に到着する.私より5分ほど遅れただけである.前後してご常連らしい方が2名山荘に入ってくる.
 「・・・カメラマン氏が登ってきますよ・・」
というと,Oさんが,
 「・・もう情報が入っていますよ・・三脚持っていましたか?」
 カメラマン氏が三脚を持って登山してくるなら,多分,今夜は尊仏山荘に宿泊するだろうと,独り言を言う.
 営業部長のミー君が何処からか帰ってきて,入口の扉の前で座っている.誰かが出入りするときに扉を開けたときに入ってくる積もりである.kiyomaさんが,扉を開けてやる.すると営業部長がギャラップで室内に飛び込んでくる.
 「こいつ,(人間なら)後期高齢者なのに,元気だな・・・」
 小屋番がOさんだと,営業部長もノンビリ,おっとりしている.Oさんにされるままにのっそりしている.仕草が可愛いので,今日も営業部長の写真を数枚撮る.

             <ストーブの前で寒そうな営業部長(10:22頃)>

■見事な紅葉の谷間
 10時35分,Kiyomaさんと一緒に山荘を出発して,下山を開始する.
 今日は天気が良いために沢山の登山客と擦れ違いながら,ゆっくりと下山し続ける.山頂直下の下り階段で,例のカメラマン氏と再びすれ違う.表尾根付近の紅葉がすばらしいので,写真を撮っていたとのことである.
 途中,紅葉が綺麗な堀山付近で道草をしながら写真を何枚も撮る.
 四十八瀬川左岸沿いの谷間が,燃えるような紅葉で,実に見応えがある.
 やがて,紅葉谷付近を通過する.すでに紅葉している木の葉と,緑のままの葉とのコントラストがとても綺麗である.特に真昼の高い位置からの太陽の光が射し込むと,天然のステンドグラスのように見事な情景になる.この美しさを写真で再現できるかなと心配しながら,写真を撮り続ける.

■行方不明の男性はまだ見付かっていない
 途中で,黒い犬2匹をつれた男性とすれ違う.犬の背中には「救助犬」と書いた布が付けられている.Kiyomaさんが,
 「・・・この犬に助けて貰えるんですか・・」
と独り言のように呟く.
 「行方不明になったら,助けてあげますよ」
と男性が答える.お話を伺うと,一昨日,行方不明になった男性を捜しているとのこと.行方不明になってから,もう3日経過している.心配である.

■無人スタンドの柿が美味しかった
 写真撮影に時間を取りすぎたので,当初予定していた大倉発12時52分のバスに乗るのが怪しくなる.乗れなければ乗れないで,別にどうということもないが,観音茶屋付近から歩く速度を速める.
 もし,克童窯で愛想の良いネコに会えたら,このネコと付き合って,次のバスで帰ろうと心の中で決めるが,今日はネコが出てこない.そして,12時41分に登山口を通過する.もう,ゆっくり確実にバスに間に合う.
 途中の無人スタンドで,3個100円也の柿を買って,無事,所定のバスに乗車する.
 家に帰ってから柿を賞味する.柿の写真を撮ろうかと思っていたが忘れて,食べてしまった.果肉の中に種が沢山入っているが,久々の柿は美味しかった.
 今日も,深まり行く秋を堪能した.沢山のご常連とも会話を楽しんだ.そして,何よりも心身ともに弾んだ1日だった.
 明日も上天気のようである.明日はどうしようかと,今からワクワクしている.
                           (つづく)


[訂補]
2008年11月19日


「塔ノ岳」の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/4874ba9f51742f450b67d8ce4a40a7da
「塔ノ岳」の次回の記事
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