中高年の山旅三昧(その2)

■登山遍歴と鎌倉散策の記録■
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キツツキが騒がしい丹沢:塔ノ岳(今年17回目)

2011年04月13日 23時46分57秒 | 丹沢の山旅

                                                              <花立山からの富士山>

             キツツキが騒がしい丹沢:塔ノ岳(今年17回目)
                          (単独山行)
                   2011年4月13日(水)

■猛ダッシュの小田原駅
 前回塔ノ岳を訪れたのが4月6日(水)である.鎌倉のサクラを見物している内にあっと言う間に1週間が過ぎてしまった.そろそろ鎌倉観桜には区切りを付けて,今日辺り,是非,塔ノ岳を往復しておきたいなと,2~3日前から思い続けてきた.
 ところが,ここ2~3日,3月11日の東日本大震災の余震が数え切れないほど起きている.余震にしては結構大きな地震である.余震で,湘南地方の電車もしばしば運休している.今日辺り,丹沢へでかけるのは良いが,また,余震で交通機関が乱れたらイヤだなという不安がある.
 折角,4時に起床したが,4時15分頃まで,出掛ける決心がつかない.その内に,また何時ものクセが出て,
 「なるようになるさ・・登山中だったら,たとえ下山していても,もう一度登り返して尊仏山荘に泊まるさ・・・もし下山後だったら,家まで歩けばいいじゃないか・・・どうせ東海道五十三次の旅で,この辺りを歩いたことがあるだろう・・・」
 私は,ソソクサと登山の準備をしてから,朝食を済ませて,5時10分に出発する.
 天気予報では,日中はかなり高温になるが,朝は冷え込むとのことである.なるほど,外へ出ると,ヒンヤリと寒い.ただ,日の出が随分と早くなっていて.まだ,5時だというのに,辺りはもうすっかり明るい.
 大船発5時45分小田原行の電車に乗る.まだ,大震災前の状態には戻っていないようで,電車は空きすき,小田原まで,私1人で4人掛けボックス席を占有したままである.
 小田原駅から小田急線の電車に乗り換えるのが大変な苦しみである.東海道線の電車が小田原に到着するのが6時21分,予め階段近くの乗降口から飛び降りて,階段を猛ダッシュで登る.そして,小田急線の改札口を走り抜けて,階段をダダダッと下る.発車ベルが鳴り出す.6時23分,飛び乗った電車の扉が閉まる.
 ハアハア言いながら,座席に座り込む.こんなことを毎回繰り返している.

■1番バスは満席
 今日はどうしたことか,渋沢発大倉行の1番バスは,立ち席が出るほど混雑している.平日なのに.辺りを見回すと,韋駄天のTさん,カメラマンのMさん,N村さんなど数人のご常連が乗車している.
 私の席の近くに座られた韋駄天のTさんと雑談する.Tさんの話によると,つい2~3日前に,塔ノ岳に雪が降ったとのこと.
 「じゃあ・・登山道は泥んこですか?」
 「いえ,いえ,積雪は2センチほどでしたが,すぐに解けてしまいましたよ・・」
 そういえば,昨年も4月17日に雪が降ったなと雑談.
 バスは,7時58分に大倉に到着する.Tさんと,N村さんは,バスが到着すると同時に歩き出す.私は,また,例によってモタモタ.気がつくと,バスから降りた沢山の登山客はどこかへ消えている.
 7時08分,私も漸く歩き出す.先ほどまで私の近くに居られたカメラマンのMさんの姿がない.リュックが置いてあるので,まだ歩き出していないようだが,ひとまず,お先に・・

■小鳥が賑やかに啼いている
 今日は路面が良く乾いていて歩きやすい.ただ,まだ7時を少し過ぎた時間だというのに,気温は12℃.この先,多分暑くて困るだろうなと心配になる.
 私はユックリペースで歩き始める.いくらユックリでも,平素,登山をしていない方に比較すれば,いくらかは速いので,登山口に達する前に数名の方を追い越させていただく.その後も何人かの方々を追い抜いて,7時20分に丹沢ベースを通過する.
 周囲の森からキツツキが気を叩く音や,“ツーピー,ツーピー,・・”と啼く小鳥の声が聞こえてくる.耳を澄ますと“チ,チ,チッ”というかすかな啼き声も聞こえる.私には小鳥のことは分からないが,それでも小鳥の啼き声を聞いていると,森は生きているなと実感する.

<見晴山荘からの急坂>

■1分遅れで駒止茶屋通過
 7時27分,観音茶屋を通過する.この辺りから,私の前後には全く登山者が居なくなる.韋駄天組は,もうとっくに先を急いでいるだろうし,同じバスに乗り合わせた方々は,多分,私より後ろの方を歩いているだろう.前後に人が居なくなると,気分はますます爽やかになる.
 7時42分,見晴山荘を通過する.すぐに大倉尾根最初の急登に差し掛かる.坂を見上げると,1人の男性が,超ユックリペースで登っているのが見える.一本松付近で,この男性を追い抜く.
 急坂を登って,8時09分,駒止茶屋に到着する.大倉からの所要時間は1時間01分.僅か1分とはいえ,1時間をオーバーしている.

■心地よい堀山の尾根道
 駒止茶屋を過ぎて,堀山の尾根道になる.ここで,勢いよく下山してくるY沢さんとすれ違う.
 暫くの間,ごく緩やかな登り坂が続く.平らに近いところならば,私も速度を上げて歩ける.自動車に例えるならば,私はローギヤーがなくて,トップギヤーしか付いていない自動車のようなもの.平らならばいくらでも速く歩けるが,ちょっと登り坂になると,途端にだらしなくなる.
 今日も,堀山の尾根から,真っ白な富士山が良く見えている.ここで,何時ものように,何枚かの写真をデジカメに収める.

<堀山の尾根からの富士山>

■堀山の家から萱場平へ
 8時26分,堀山の家に到着する.小草平からは,相変わらず富士山が良く見えている.
 ここから,花立山荘まで,急な登り坂が連続する.この登り坂は,苦しいけれども,楽しいところでもある.気温は12℃を超えている.歩く速度を上げると,たちまちの内に汗が噴き出てくる.
 「まずいな・・もっとユックリペースにしよう・・」
私は絶えず自分に呼びかけて,オーバーペースにならないように気をつける.なにしろ,私は,高年齢である.何事も慎重にこなして,事故にならないようにしなければならない.万一,事故を起こしたら,
 「年甲斐もなく,山登りなんかしているからだ・・・ざまあ~みろ!」
と非難されるだろう.年寄りには,避難小屋が非難小屋になってしまいそうである.
 長い階段道が続く.どんなにユックリ登っていても,疲れがたまってくる.進行方向右手にフェンスが見え出す頃,しんどさは最高に達する.
 「もう少しで戸沢分岐だ・・あと,もう少し.戸沢分岐からほんのひと登りすれば萱場平だぞ.そこまで登れば平らになるぞ・・」
と自分を励ましながら登り続ける.
 8時44分,萱場平を通過する.気温が高いせいもあって,今日の登攀速度は大分遅いようである.

<萱場平>

■何時もシンドイ!,後7分坂
 萱場平の平坦な道を歩いている間に体力が回復して,余裕が出て来る.
 萱場平を過ぎてから最初の階段道を自重しながら登り続ける.数分登ると,道幅がやけに広い階段道になる.この階段を黙々と登り続ける.やがて,大きな岩の手前で階段道は途絶える.そこから上は大小様々な礫や岩がゴロゴロと転がる露岩帯になる.
 後ろを振り向くと,大きな荷物を背負った男性が,凄い勢いで登っている.私との距離がドンドン縮まる.
 8時59分に後7分坂の階段道に到着する.私が階段道を登り始めて間もないところで,この男性が私に追いつく.私はこの男性に道を譲る.男性は,
 「よいしょ,ようしょ,・・」
と掛け声を言いながら,もの凄い勢いで登っていく.たちまちの内に,私との間隔が広がる.
 後7分坂は,私にとっても辛いところである.前方を見上げると,まだまだ続く階段道にガックリする.私は,余り上を見ないで,足許だけ見て登り続ける.でも,時々チラリと上を見て,まだまだ長い階段道にウンザリする.
 もう少しで花立山荘に到着するところで,上から下りてくるN村さんとすれ違う.超韋駄天である.何時もならば花立山頂上付近で擦れ違うのだが,今日は随分下の方ですれ違う.多分,私が遅いのだろう.
 「・・相変わらずお元気ですね・・」
とN村さんが私に話しかける.続いて,
 「ブログ拝見していますよ.それにしても随分好奇心旺盛ですね・・あちこち歩き回って・・」
 「ブログをご覧いただき,有り難うございます・・」
で私恐縮.でも読んでいただけるとは大変嬉しい.

<後7分坂:ボッカにあっと言う間に追い越される>

■ちょっと早めに花立山荘を通過
 9時07分,花立山荘を通過する.相変わらず富士山が良く見えている.大倉を歩き出してから1時間59分.たった1分とはいえ,2時間を切っている.1分と言えば,せいぜい階段30~40段程度の差だからゴミみたいなもの.でも,記録を取っていると,数字に表れてしまうので,どうしても気になる.
 花立山荘から花立山までの坂道は,近いようで案外時間が掛かる.何時も私はこの辺りで息が上がりそうになる.ほんの少しの距離だが,今日は10分も掛かってしまう.余力があれば8分で登れるところである.
 坂道を登るにつれて,視界が急速に開ける.
 9時16分,漸く花立山を通過する.今日もここからの眺望は最高.相変わらず富士山や南アルプスの山々がが良く見えている.前方にはこれから登る塔ノ岳山頂が見えている.あともう少しで山頂だ.

<誰も居ない花立山荘>

金冷シからの泥んこ道
 花立山から金冷シまでの馬の背は,小さな上り下りがあるが,ほぼ平らなヤセ尾根である.実に気分良く歩けるところである.
 9時22分,金冷シを通過.ここまで来れば,山頂まで,あと一息.私は,また,歩行速度を少し落とす.ここから先,暫くは泥んこ道.1週間前よりは幾分ましとはいえ,相変わらずの泥んこ道である.泥んこを避けながら登り続ける.
 山頂直下,最後の急坂で,下ってくる韋駄天のTさんとすれ違う.
 「今日は,少々,暑いぐらいですね.山頂の気温は+4.5℃でしたよ・・2時間20分も掛かっちゃいました・・・」
と言う.Tさんは,私より10分ほど早く,大倉を歩き出されたので,そんな計算になるのかなと思いながらお別れする.

<韋駄天さんが下る;山頂直下にて>

■眺望の塔ノ岳山頂
 9時36分に塔ノ岳山頂へ到着する.大倉からの所要時間は2時間28分.30分は切ったものの相変わらず冴えない.山頂の気温は+4.6℃.温かい.
 とりあえず,山頂から富士山,南アルプス,大山を一回り写真に収める儀式を済ませる.何となくボンヤリとした霞が掛かっているような感じがする.
 山頂に人影が2人だけ.閑散としている.

<塔ノ岳山頂から富士山を望む>

■尊仏山荘
 尊仏山荘に立ち寄ろうと思う.山荘に入る前に,隣のネコ御殿の2階を覗いてみる. “居た! 居た!”  ネコのミー君が,窓際で寝転んで外をボンヤリと眺めている.
 「オイ! ミャ~や! 下りてお出で・・」
と声を掛けるが,まばたきもしないで,ボンヤリと外を見ている.ネコの顔を見るとやっぱり右目が少しおかしい.ミー君も,ここ1~2年で,随分と老けたようである.
 尊仏山荘に入る.先客はご常連1人.小屋番はオーナーのHさん.例により300円也のお茶を所望する.
 私と入れ替わるように,先客は下山を開始する.暫くの間,客は私1人.
 「今日は,バス,大分混んでいたようですね・・」
 「バスは立ち席が出るぐらいでしたよ,でも,あまり登ってこないですね・・」

<ネコ御殿のミー君>

■ノンビリと下山
 大倉発12時22分のバスに乗ろうかと思う.何時も,下りは2時間10分掛けることにしている.逆算して,余裕を持って,10時02分に尊仏山荘を出て下山開始.
 山頂直下の階段で,カメラマンのM氏とすれ違う.その後,登山客とすれ違いながら,ノンビリと下山し続ける.下山するときの気分は晴れ晴れとして最高.これで,1~2日間は,塔ノ岳に登らなくても,焦る気分にはならない.
 時計を見ながら,ノンビリ下山し続ける.途中で,登りで追い越した方に,逆に,追い越される.でも,それで良いんだ.安全第一.
 11時02分,堀山の家に到着する.立ち止まって,ノートに記録を書いていると,側のベンチに座っている方に話しかけられる.
 「今朝登ったんですか・・もう下山ですか,随分速いですね・・」
 私にしてみれば,ご常連に比較して遅い自分が何時も情けなく感じているので,速いですねと言われても,どうもしっくり来ないが,暫くの間,問われるままに雑談.5分ほどロスタイム.
 その後,数名の方に話しかけられる.
 「山頂はまだ先ですか・・」
という質問が一番多い.
 12時05分,克董窯を通過する.庭先の大きなサクラが満開である.サクラと建屋の風情が素晴らしいので,ついつい写真を撮る.
 12時12分,予定通り,大倉に到着する.
 14時15分,無事帰宅.早めに少し熱い風呂に入る.気分は最高.

<サクラが見事な克董窯>


<大倉バス停にて>

<ラップタイム>

 7:08  大倉歩き出し
 7:27  観音茶屋
 7:42  見晴茶屋
 8:09  駒止茶屋
 8:26  堀山の家
 9:07  花立山荘
 9:22  金冷シ
 9:36  塔ノ岳山頂 着(+4.6℃)
================================================
10:02  塔ノ岳山頂 発
10:14  金冷シ
10:27  花立山荘
11:02  堀山の家(11:07まで雑談)
11:23  駒止茶屋
11:45  見晴茶屋
11:58  観音茶屋
12:12  大倉 着

[山行記録]

■水平距離
         7.0km(片道)

■累積登攀下降高度   1269m

■登攀所要時間(雑談時間を含む)
  大倉  発       7:08
  塔ノ岳 着       9:36
 (所要時間)  2時間28分(2.47h)
 水平歩行速度   7.0km/2.47h=2.83km/h
 登攀速度      1269m/2.47h=513.6m/h

■下降所要時間
  塔ノ岳 発      10:02
  大倉  着      12:12
 (所要時間)  2時間10分(2.17h)
 水平歩行速度    7.0km/2.17h=3.23km/h
 下降速度       1269m/2.17h=584.8m/h
                                 (おわり)
「丹沢の山旅」の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/047bfda4778d24c316790bd368ad76fb
「丹沢の山旅」の次回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/2ab057f85566602e05f697cf2d6f63f8



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