中高年の山旅三昧(その2)

■登山遍歴と鎌倉散策の記録■
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ルートバーン(22):ルートバーントレッキング第2日目(4)

2011年04月24日 05時44分09秒 | ニュージーランド;ルートバーン

                      <雄大な眺望が連続するトラバース道>

      ルートバーン(22):ルートバーントレッキング第2日目(4)
             (湘南カラビナ隊)
        2002年1月25日(金)~2月5日(日)

第6日目:2005年2月1日(火)
(つづき)

22 ハリス避難小屋

■素晴らしいトラバース道
 いつの間にか,外人グループは,出発したらしく,誰も居なくなっている.そこで,11時31分,私たちも出発する.
 ホリフォード谷に沿って,長い下り坂を下っていく.ホリフォード谷の向こうにはダーラン山脈に続くマウントクリスチーナ(2502メートル)が聳えている.出発すると,すぐに南西方向に流れ落ちるハリスサドル層の砂岩(Sandstone)(注1)の露頭(注2)に突き当たる.この露頭に沿って道は大きく右にカーブする.地形図によると,ここは,ルートバートレックの出発点から,約15キロメートルの地点である.この辺りから先,約3キロメートルの間は,標高1100メートルから1200メートルの間を,うねるようにアップダウンする.
  11時45分,左手の小さな草原の真ん中に,小さな沼が見える.沼には前方の白い山が逆さに映っている.日当たりの良い斜面を山の襞に沿って,くねくねと曲がりながら登山道が続く.道の両側には白いデージーの花が沢山咲いている.
 湿度の高度が低いせいか,ジリジリとした暑さは感じるが,蒸し暑さはない.フクロウと私の2人が,仲間より一歩先に進む.

<爛漫のトラバース道>

■標識で位置確認
  11時50分,小さな川を横切る.出発点から約17キロメートルの地点である.ここで,4分間小休止する.先着の外国人の一部の集団がくたびれた表情で,小川の畔で腰を下ろしている.やがて,私たちの仲間も追いつく.風邪でのぼせてしまったのか,フクロウが頭に水を掛けている.
  4分後出発する.道の両側には相変わらずデージーが咲き誇っている.見晴らしの良いのどかな道が何時までも続く.綺麗だがこう沢山あると少々飽きてくる.
 12時25分,再び小川を渡る.私も,ここで小川の水を飲んでみる.冷たくて美味しい.すぐに出発する.
 12時44分,「ハリスサドル30分,デッドマンズトラック5時間」と書いた標識の脇を通過する.

<後30分でハリス避難小屋だ>

■仲間が1列になって歩いている
  12時50分,見晴らしの良い素晴らしいトラバース道を通っている.また,いつの間にかフクロウと私が一行から突出して先頭を歩いている.


■小さな湖が二つ
 フクロウが,
 「ここは,槍,穂高,ボクチン岳を全部一緒にしたような所ですね」
と独り言を言う.なるほど,その通りである.
 ボクチン岳は,フクロウの造語である.フクロウは,北海道大雪山系の北鎮岳や,南アルプスのオベリスクのように垂直に突出した岩山を,自分の大切な「一物」になぞらえて「ボクチン」岳と卑猥に勝手に言っている.
 (※写真22-2を挿入)
 12時50分,やや急な登り坂に続いて15段のハシゴを登る.振り返ると,200メートル程後ろに仲間が一団になって歩いているのが見える.赤,黄,青など彼らが着ているものや,リュックの色が,周辺の景色と素晴らしいコントラストになって,ハッキリと見える.
 階段を登りきると,道は再びなだらかになる.
 13時05分,道の両側が幅30から40メートル程の草原になる.小さな湖が二つ現れる.峡谷を挟んだ峨々とした山並みとのコントラストが実に美しい.


■ハリス避難小屋到着
 13時09分,長い登り坂を登り詰めて,フクロウと私はハリス避難小屋(Harris Saddle Emergency Shelter,1277メートル)に到着する.
 この小屋の屋根は,カタカナの「ハ」の字の上の空きに「-」を乗せたような形をしている.かまぼこ形のビニールハウスの断面を「ハ」の字にしたような形である.
 小屋は2軒並んでいる.その向かって右側の一棟が使われている.入口に10人ほどが座れるテラスがある.そのテラスの上で,先に到着した外国人グループが日向ぼっこをしている.
 フクロウと私は,リュックを背負ったまま小屋に入る.ガイドのチャドが,
 「リュックは小屋の外に置いてください」
と私たちに注意する.
 リュックを外に置いてから,もう一度小屋に入りなおす.小屋の中は,突き当たりに水道の蛇口と洗い場がある.その手前にテーブルが置かれている.ここにスカッシュ,オレンジドリンク,コーヒーが並べられている.その手前,つまり入口の両側に5~6人が座れる木製の椅子が壁に沿って2脚,対面に置かれている.
 私たちは入口から見て右側,素通しの窓際の椅子に座る.窓越しにそよ風が流れ込んでくる.この風が汗ばんだ肌に心地よい.とりあえずは「駆けつけ2杯」,スカッシュとオレンジドリンクを立て続けに飲み干す.実に旨い.私は,水道を指さしながら,チャドに,
 「その水,飲めますか」
と聞く.もし飲めたら,水筒に水を補給したかった.
 「いや,この水は洗い物だけ.飲めません」
残念である.
 しばらくすると,私たちの仲間が,どやどやと到着する.消防署長が,私の左隣に,にぎやかに座る.内心,私は,
 「消防署長は,何時も本当に元気だな」
と,つくづく感心している.消防署員は,署長の右側に,もの静かに座る.多少,元気がないようにも感じる.ここで2回目の昼食である.甘くて固く大きなケーキ,を少しばかり食べる.袋に「Original Cookie Time」と書いてある.その左下に丸い目をした顔のイラストが印刷されている.
 口の悪いフクロウが,私の顔を見ながら,
 「これは,山欠菌クッキーといいます」
と茶化す.どうやらこのイラストが私の顔に似ているらしい.
 先ほどの食べ残しのサンドイッチ,オレンジ1個,バナナ半分を平らげる.明らかに食べすぎである.「食べ過ぎ.これはまずいぞ」と心密かに反省する.



<ハリス避難小屋>
※いろいろな国からのハイカーが集まっている.

(注)
1.粒径2ミリメートル以下で,大体粟粒程度の砂粒が膠粘する堆積岩を砂岩という(益富,1955,p.77).
2.地層,岩石,鉱床が地質に露出している所を露頭という.

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[編集後記]

2011年4月24日(日)
 
 つい先日,4月になったかと思ったら,もう月末が近付いている.毎年のことながら,年の前半はアレヨアレヨという間に過ぎ去っていく.今日はもう4月24日.
 今,朝の5時30分を少し過ぎたところ.
 2階の自室には明るい太陽の光が眩しく射し込んでいる.
 昨日は終日雨だった.私は久々に殆どの時間を自宅で過ごした.雨でなければ当然丹沢へ出掛けていた.
 今朝は,昨日の雨が嘘のように良く晴れ上がっている.
 今日はARENAオフミの定例会.京浜急行の按針塚駅から大楠山を経由して,三浦半島を横断する予定である.
 自宅では四季を通じて,殆ど冷暖房は使っていないが,室内の気温はもう18℃になっている.汗ばむような一日になりそうである.
 東日本大震災で被災された方々には申し訳ないが,今日一日,軽ハイキングを楽しむ予定である.スミマセン!
                            (愚痴おわり)
 



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