中高年の山旅三昧(その2)

■登山遍歴と鎌倉散策の記録■
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鎌倉アルプス散策(2)

2006年11月20日 20時09分55秒 | 鎌倉あれこれ
                 鎌倉アルプス散策(2)
                    (鎌っこ倉ぶ)
              2006年11月18日(土)


(つづき)

■覚円寺百八やぐら群
 落差2メートルほどの崖を下る。ここは,鎌倉アルプス最大の難所である。ここから,少し急な露岩の坂を下る。尾根から右手に折れて滑りやすい坂を下ると,進行方向右手から覚円寺からの登山道と合流する。ここは「峠の十字路」である。十字路は谷間にあるために,夏になると,海からこの谷間を涼風が吹き抜ける。私達の散策仲間も,ここで良く夕涼みをする。
 この十字路を左手,つまり北側へ降りると,今泉住宅地に出る。高圧線の下の道を,ほんの数分歩くと,散在が池自然公園の入口に達する。俗に鎌倉湖と呼ばれる池がある。ここの紅葉は,とても美しいが,見頃は12月。今日はまだ早い。
 この四つ角の南側斜面に覚円寺百八やぐら群がある。沢山のやぐらが7階層になって広がっている。鎌倉時代から室町時代にかけての武士や僧の墓だといわれている(『かまくら子ども風土記』上巻84ページ)。ここには,177穴の「やぐら」が集まっているといわれている(同上,253ページ)。

          <百八やぐら群第2層>

 7層の内,上から第1層と第2層が公開されている。十字路から急坂を数メートル登ると第1層と第2層の分岐がある。第1層への道はわずかに踏み跡が見えるだけで,簡単には入れない。第2層を見学する。遺跡に手を触れないようにして静かに拝見する。第1層の上には鷲峰山(シュウブゼン)の山頂がある。山頂には小さな石塔がある。この石塔に,明治36年に四国八十八カ所巡りの大師像群が完成したことが彫られている。当時のこの辺りはさぞかし見事に整備されていたであろう。そんなことに思いを馳せると栄枯盛衰,世の無常さを実感してしまう。
 石塔の後に廻ると,寄進者の名前が彫られている。この名前の中に「豊島屋」がある。鎌倉土産として有名な「鳩サブレ」の製造販売元の「豊島園」のことかと思って,若宮大路の「豊島屋」の店員に聞いたが,「知らない」という・・・まあ,どうでも良いことだが,少々気になる。

■まむしヶ谷と切岸
 百八やぐらを後にして,私達は天園ハイキングコースの先を急ぐ。登山道はほぼ両川に沿って続いている。やがて,左に曲がりながら小さな下り坂を進むと,右側の稜線に登っていく道がある。この道を辿ると,すぐに急な下り坂になる。この坂は「まむしヶ谷坂(マムシガヤツザカ)」と呼ばれている。この坂を利用すると,15分ほどで,鎌倉の市街地まで下ることができる。
 やがて,登山道は大きく左に曲がる。その曲がり角に,幅5メートルほどの掘割がある。多分,ここは鎌倉を取り巻く山地から,鎌倉に入るための入口であったに相違ない。掘割に向かって右手の土手を少し登ると一寸した広場がある。この広場は兵站地であったに相違ない。この広場のすぐ南には大きな切岸が残っている。昔の人が,鑿だけで切り込んだ垂直な岩壁である。
 この小さな広場の隅に急坂の道がある。この道を下ると獅子舞の谷に出ることができる。 さらに先へ進む。途中,沢山の観光客とすれ違う。枯れ木の間から,遠く七里ヶ浜や材木座海岸が見渡せる。あいにく大島は霞んで見えないが,凪いで静かな海が鈍い灰色に光っている。

■ゴルフ場近くの広場で昼食
 やがて,私達はこのコースの最大の難所である太平山手前の急坂に差し掛かる。まずは,落差2~3メートルの露岩を登る。岩肌に苔が付着していて滑りやすい。そして,ほんの100メートルほどなだらかな道を進むと,標高差数十メートルの急坂になる。幸い地面が乾いているので滑ることはないが,一気に急坂を登るので,結構大変である。

        <ゴルフ場手前の急坂を登る>


           <ゴルフ場脇の岩塊>

 急坂を登りきるとゴルフ場脇の岩塊の頂上に到着する。ここからの眺望は見事である。遙か南には,三浦富士,武山などの三浦三山,大楠山,双子山,阿部倉山,千元山が連なって見える。手前に連なっている辺りが,いわゆる三浦アルプスの山々である。峠の茶屋がある太平山(標高159m)が目の前に見える。北西に目を転じると東京湾に浮かぶ八景島が手に取るように見えている。
 山頂で,しばらく眺望を楽しんだ私達は,岩塊を下って,ゴルフ場脇の広場に降りる。広場では沢山の観光客が車座になって昼食を摂っている。私達も広場の片隅に陣取って,すこし遅い昼食を摂ることにする。昼食の後,岩塊の近くで記念写真を撮る。
                          (つづく)


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