中高年の山旅三昧(その2)

■登山遍歴と鎌倉散策の記録■
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ヤマカガシ氏とネコピニストの丹沢:塔ノ岳(今年43回目)

2009年09月17日 16時39分50秒 | 丹沢の山旅

                     <花立山荘からの眺望>

     ヤマカガシ氏とネコピニストの丹沢:塔ノ岳(今年43回目)
              (ヤマカガシ氏と同行)
             2009年9月16日(水)

          <シカ,ネコ,ヤマカガシの出会い>

■空いている1番バス

 前回は,9月13日(日),塔ノ岳に登った.前日(9月15日)から,そろそろ今日辺り塔ノ岳に登ろうかと思っていた.天気予報もそう悪くない.私は例によって5時10分に家を出た.家の前の路面は,昨夜降り続いた雨でしっとりと濡れている.今日の天気,本当に大丈夫だろうかと気になるが,まあいいやで出掛ける.9月も中旬ともなると,日に日に夜明けが遅くなり,もう5時を過ぎているというのに,辺りはまだ完全には明け切っていない.
 小田原駅で,たった3分しかない乗換時間を,「はあ,はあ」言いながら小田急電鉄の電車に乗り換える.この間,瞬発力が要求されるので,年輩者の私には大変な労力である.発車ベルが鳴ると同時に電車に飛び乗る.こんな努力をして,ようやく渋沢発大倉行の1番バスに乗車する.
 今日の一番バスには,7人の乗客しか乗っていない.私を含めて,7人の内,4人までは塔ノ岳の常連である.季節柄だろうか,随分と人数が少ないような気がする.

■ヤマカガシ氏と偶然会う
 バスが大倉に到着する.韋駄天のTさん他2人は,そそくさと塔ノ岳に向けて歩き出す.私は,どうしても前準備が必要なので,そう簡単には飛び出せない.リュックを背負ってドングリ山荘前にベンチへ向かう.すると,ベンチには偶然にもヤマカガシ氏が座っている.そして,私を見付けると,ボデーランゲージで,
 「やあ~今日は」
と挨拶する.
 ヤマカガシ氏とお目に掛かるのは,久々のことである.
 まずはとりあえず再会の挨拶を交わしてから,ヤマカガシ氏に先に行って貰う.そして,私はあれこれと準備をして,ヤマカガシ氏から数分遅れて,7時05分に大倉から歩き出す.
 手持ちの寒暖計では,大倉の気温は+22.0℃.暑くも寒くもない.それに湿度もそれほど高くなさそうで,とても快適である.登山道は濡れているが,前回から新しい靴に履き替えている.靴底にギザギザがあるのと,無いのでは,こんなにグリップ力が違うのかと思うほど,濡れた石を踏んでも滑りにくい.やっぱり新しい靴は良いなと実感する.

■ヤマカガシ氏と一緒に登る
 7時24分に観音茶屋を通過する.程なくヤマカガシ氏の後ろ姿が見え出す.高原の家への分岐を過ぎた辺りで,何となくヤマカガシ氏に追いついてしまう.私には特段に急いで登らなければならない理由もないので,暫くの間,ヤマカガシ氏と雑談をしながら登ろうと思う.
 ところが,話している内に,ヤマカガシ氏の話が,とても面白いので,塔ノ岳山頂まで,ずっと雑談をしながら登ることにする.雑談の合間に,彼が地元の県立S南高校の出身と分かる.私の3人の子ども達もS南高校の出身である.そんなことがら,一層話題が盛り上がる.
 雑談をしている内に,なんの苦もなく,8時28分に,駒止茶屋を通過する.歩き出してから,1時間13分経過している.私一人で歩くのと比較すれば,4~5分遅いが,それでも,予想していたより,かなり速いので意外な感じを受ける.

         <あいにく富士山は見えないが秋らしい空が見える:堀山の尾根から>

■楽しい雑談
 今日は天気が良いが,空にはモクモクとした雲が沢山沸いている.堀山の尾根を通過するときに,富士山が見えるかなと期待したが,今日は残念である.
 歩きながら,ヤマカガシ氏が面白いことを言う.彼が,とある書物を読んでいて感銘を受けた記事に「例のダーウィンの進化論は間違い」というのがあるそうである.彼から伺った話を書き始めると,きりがなくなるので,ここでは省略するが,生物の種はウイルスなどによるDNAの損傷によって生じたものだという.なるほど,進化論が正しいとすれば,鼻の長いゾウだけが居るのはおかしい.短いものや中間の長さの鼻を持ったゾウの化石が見つかっても良いはずだというのである.要は突然変異の引き金はウイルスによるDNAの損傷だ・・・これには私も驚いた.
 勿論,私は生物学者でも物理学者でもないので,この説の真偽を議論できる立場にはないが,何とも興味がつきない話である.
 以前にも,このブログで触れたが,たまたま,私は19世紀末期の有名な哲学者兼生物学者のユルンストヘッケル著『宇宙の謎』(明治39年)を,就寝前に,興味深く読んでいる.この本には,19世紀の輝かしい科学の発展の一つであるダーウィンの進化論や,宇宙におけるエーテルの存在が確実であることが,誇らしげに書かれている.まだ,アインシュタインの相対性理論が誕生するより,かなり以前のことである.ヘッケル博士は,宇宙は無限であり,物質と非物質的精神界とは唯一相分かち得ない広大な宇宙を形成するという一元論を熱っぽく語っている.そして,人間もすべての動物と同じく単細胞から発達したものであると断じている.
 ヤマカガシ氏との話は,ビッグバンから“揺らぎ”,“無”と“有”の話,猿と人間とネズミはアミノ基を自分の体内で作れないことや,何とかという植物の亜種が一カ所に固まって存在するのはDNAの一部が破壊されたからだとか,とにかく多方面に渡り,つきることを知らない.私は久々に知的好奇心を満足させる会話ができたので,博学のヤマカガシ氏に感謝している.

                    <今日の萱場平>

■花立山荘で給水
 そうこうしている内に,8時49分,萱場平に到着する.途中の坂道であふれるほどの汗をかいているヤマカガシ氏が,給水休憩を取りたいというので,5分ほど休憩を取る.
 その後は,案外の速度で登り続けて,9時13分に花立山荘に到着する.堀山の家からここまで38分で登っている.結構速いが,お喋りしながら登ってきたので,疲労感は全くない.
 山麓から涼しい風が吹き上げてくる.この風が何とも心地がよい.
 「うわ~,,,気持ちが良い.これだから山は止められないんですよ」
とヤマカガシ氏が言う.私も同感である.
 花立山荘で,4分ほど給水休憩を取って,再び歩き始める.休憩で体力が回復したのか,山荘から花立場まで,わずか8分で登ってしまう.私は何時も8~10分掛かるところである.今日の花立場からの眺望は,モクモク雲ばかりで,残念ながら富士山は全く見えない.
 花立場で,今日は夫婦連れの2本ストックYさんとすれ違う.
 金冷シを過ぎて,最初の階段で,下ってくる韋駄天のTさんとすれ違う.

                    <塔ノ岳山頂からの眺望> 

■尊仏山荘の山猫御殿
 9時23分に金冷シを通過する.絶えず心地よい風が吹き上げてくる.相変わらず雑談をしながら,9時38分に,塔ノ岳山頂に到着する.山頂で数枚の写真を儀式として撮ってから,尊仏山荘に入る.先客は居ないし,小屋番も居ない.山荘の寒暖計は+13.8℃を指している.
 暫くすると,オーナーのHさんが,どこからともなくノッソリと現れる.私は300円也のお茶を所望する.今日の小屋番がHさんだとすると,営業部長は,多分,隣の小屋(仮に「山猫御殿」と命名する)に居るだろうと連想する.
 一旦,山猫山荘,ごめん,尊仏山荘の外に出て,山猫御殿の2階を見上げる.すると2階の窓から,営業部長が,ジッとこちらを見下ろしている.私はすかさず,営業部長の写真を撮る.私などが呼んでも降りてこないだろうと思いながら,
 「ミーや・・降りてお出で・・」
と声を掛けてみる.ミー君は両耳をこちらへ向けながら,私を凝視しているが,降りてくる気配はない.
 山荘に戻って,お茶を飲みながら,早めの昼食を摂る.すると,ミー君がノコノコと山荘に入ってくる.そして,バケツの水をペチャペチャと飲み出す.
 小屋番のHさんが,私に話しかける.
 「・・そういえば,昨日(9月15日),山旅スクールの女性4人が登ってきましたよ・・」
 「そうですか・・誰だろう?」
 「名前は分かりませんが,Kiyomaさんと同期だと言っていましたよ・・」
 暫くすると,名前は分からないがご常連の女性が山荘に入ってくる.ヤマカガシ氏,この女性,それに私の3人で,丹沢の地形図を囲んで,マイナーコースを歩いたときのことを話し合う.それにしても,ヤマカガシ氏が丹沢の隅々まで知って居られるのには感心した.
 窓外にシカが現れる.大きな雄シカと雌シカである.
 「他の雄シカが来ると,猛烈に追いかけて,追っ払っていますよ」
とHさんが説明する.
 「・・でも,雌シカは大歓迎なんでしょう?」
 「そりゃ~・・そうですよ」

            <山猫御殿2階から下を見下ろす営業部長ミー君>




■ノンビリと下る
 10時47分,尊仏山荘(山猫山荘)を出発して下山を開始する.下りで転倒したら,元も子もないので,随分と慎重に下山をし続ける.途中,メガネのご常連とすれ違う.メガネさんは,
 「今日は涼しくて良いですね・・・」
と私に挨拶する.
 「よくお会いしますね,毎日登られて居るんですか?」
 「いえ,週に2回程度です」
 「あれ,私も,大体,週2回ですよ・・・」
 「じゃあ・・たまたま曜日が合ったんでしょうね・・・」
 「今日は,丹沢山までですか?」
 「いえ,今日は塔ノ岳でおしまいにします・・」
と他愛のない挨拶を交わす.
 途中,花立山荘,見晴山荘で給水休憩を取る.ヤマカガシ氏は,ゴクゴクと水を飲んで,
 「ああ・・旨い!」
という.
 13時19分に大倉に到着する.所要時間は2時間32分.登りの所要時間と1分しか違わない.
 ヤマカガシ氏は自家用車で,私は13時22分発のバスに乗って帰宅する.

[ラップタイム]

 7:05  大倉 発
 7:24  観音茶屋
 7:43  見晴茶屋
 8:13  駒止茶屋
 8:28  堀山の家
 9:17  花立山荘(9:11まで給水休憩)
 9:23  金冷シ
 9:38  塔ノ岳山頂 着
====================================
10:47  塔ノ岳山頂 発(+13.8℃)
11:00  金冷シ
11:12  花立山荘
11:51  堀山の家
12:10  駒止茶屋
12:36  見晴山荘
12:55  観音茶屋
13:19  大倉 着

[山行記録]

■水平歩行距離
      7.0km(片道)

■累積登攀下降高度    1250m

■登り所要時間
  大倉    発    7:05
  塔ノ岳山頂 着    9:38
 (所要時間)    2時間33分(2.55h)
 登攀速度      1250m/2.55h=490.2m/h

■下り所要時間
  塔ノ岳山頂 発    10:47
  大倉    着    12:19
 (所要時間)    2時間32分(2.53h)
 下り速度      1250m/2.53=494.1m/h
                          (おわり)
「丹沢の山旅」の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/e7edb5e54b0eb63bf09a259030ee315e
「丹沢の山旅」の次回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/bd08bab78a7cd74636920e1e08ed4cdb 



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2 コメント

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Unknown (Kiyoma)
2009-09-18 11:13:22
ヤマカガシ氏本名Oさんとの道行楽しく読ませて頂きました。私は翌日でした。バスで韋駄天のTさんに「昨日いらしてた」と聞いて少し寂しく思いました。今回は丹沢に足を延ばしましたが、噂の鹿の防護柵立派に出来ておりました。山を守るのも大変なんですね。では
コメント有り難うございました (FH)
2009-09-18 13:47:04
Kiyomaさん

コメント有り難うございます.
Kiyomaさんのブログ,拝見しました.17日も快調のようでしたね.

先日,お話ししていた信越トレイル,10月4日から,3泊4日でいかがですか?
ヤマカガシさんにも声を掛けています(もうすこし煮詰めてから,メールします).

また,丹沢でもご一緒しましょう.

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